*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart19at 801
*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart19 - 暇つぶし2ch12:風と木の名無しさん
10/06/05 13:59:38 cAQygsiP0
微妙に歪んでるところが滾った

13:風と木の名無しさん
10/06/05 14:03:45 te92+rcf0
>>10にも萌えたけどお題もよかった
お題見ていろいろストーリーが頭に思い浮かんで萌えたよ
GJ

14:風と木の名無しさん
10/06/05 14:35:23 lFfHBkI4O
王道なのがよいね。まとめにきてたのもよかった。

15:風と木の名無しさん
10/06/05 23:23:13 C2MRshwr0
>>12に同じく。
内面にどろっとしたものが感じられるのがイイ!

16:風と木の名無しさん
10/06/06 12:19:06 im3TnkneO
Gjまわしー
二行目はタイトルだったの?w

17:風と木の名無しさん
10/06/06 20:14:26 zXYh1mRhO
タイトルってなんだろと思って再度みた。
短編コミックみたいなイメージだったのかな?

18:風と木の名無しさん
10/06/06 20:35:54 dxivcOqYO
踏まれます

19:風と木の名無しさん
10/06/06 20:37:47 nKWTrX33O
滅びを予感する軍師

20:風と木の名無しさん
10/06/07 04:41:21 IZqsjBYh0
彼は暴君だった。
欲望のままに全てを欲しがり、手に入れたものを飽きては捨てる。
軍師である私は、この国を正しい方向に導く役目にも関わらず、国王の暴走を止められないまま国は荒れていくばかりだ。

この国はいずれ滅びる。
その責任は誰にあるのか、彼の欲しがるままに与えた私か、全てを欲しがり捨てる彼なのか。
いくら頭を悩ませようが、この国が母なる大地の怒りに触れるのは時間の問題だろう。
私ができる事は、せめてその時を遅らせる為に、この国を神の目を逸らす事くらいだ。


しかし今、王は私の制止も聞かずにその扉を開けようとしている。


「シュウ君、ふすま開けちゃ駄目!」
「や!」
「ふ・た・り・と・も!!なーにやってるのっ!」
「あ、ママあのね、いま二人でお片付けしようと思ってたの」
「こんなに散らかして!あー壁に落書きしちゃ駄目って言ってるでしょ!シュウ君、めっ!」
「うー……ごめんなしゃい……うわぁぁぁぁん」
「泣いても駄目っ!」
「ママ怒らないでシュウ君まだ小さいんだから!」
「お兄ちゃんも甘やかさないのっ!」


私は駄目な軍師だ。
彼の笑顔を見たい一心でこの国を築いてきたというのに……。
結末は暴走すら止める事が出来ず、崩壊を予感しながらも傍観している事しかできなかった。
そして今は泣き崩れる彼を見守る事しかできない。

せめて共に泣き、この国の残骸を拾い集めよう。
それが私にできる唯一の贖罪なのだから。

21:風と木の名無しさん
10/06/07 07:21:59 FA1MEyAoO
良い意味で予想外で萌えた!というか純粋におもしろかった!GJ!
シリアス調なのに題材はほのぼのっていうギャップがツボだ
着眼点すごいなぁ
確かにちびっこは皆少なからず暴君だw
このかわいい軍師もといお兄ちゃんはもう立派なブラコンですね
兄弟の将来も非常に楽しみです

22:風と木の名無しさん
10/06/07 16:43:04 7f4iIvM9O
和んだw
子どもにとっての遊びは規模が大きいからね。お兄ちゃん軍師はこれからも可愛い暴君を甘やかしてはお母さんに起こられ続けるんだろいうな
GJ

23:風と木の名無しさん
10/06/07 20:21:55 B6/XY0EgO
予想外のやつが来た~
かわいくて笑っちゃったwまとものは硬派でいろいろあって面白かった


24:風と木の名無しさん
10/06/08 01:36:25 yzHpRpEJ0
GJ!
まさに予想外だけど和み萌えた、光景が思い浮かんでにやにやしてしまった

25:風と木の名無しさん
10/06/08 07:43:00 e8it+lAHO
可愛かったーGJGJ
ギャップ萌えた
まとめも凄かったー
まとめ投下でもほんとに良かったら普通に何個も感想つくもんなんだね。すごい

26:風と木の名無しさん
10/06/08 17:42:43 06rDWWms0
そろそろまわそうかな

27:風と木の名無しさん
10/06/08 17:53:28 6Y3we+d9O
シリアスと見せかけてほのぼの萌えますた
てかお兄ちゃんの語り方がかっこよすぎるw

28:風と木の名無しさん
10/06/08 18:17:26 u0RVoqI6O
さぁどうぞ

29:風と木の名無しさん
10/06/08 18:20:11 Qm8XRqy60
四兄弟

30:風と木の名無しさん
10/06/09 00:41:19 bM2fBwkDO

「お前んち、四兄弟なの?」と聞かれる度に、「まぁ、そんなもん」と答えている。

両親を田舎に残し、兄弟のいる都会の家に暮らして始めてから1年が経った。
家にいるのは4人だ。商社勤めの大(おお)兄ちゃんに、広告デザイナーのちょっと変な小(ちい)兄ちゃん、こっちの高校に進学したオレ、それから、役所勤めの中野さん。

中野さんは小兄ちゃんの高校からの友人だ。
もともと中野さんも別の場所に住んでいたそうだけど、こっちの家の方が勤め先に近く、何度か遊びに来たり泊まっていったりするうちにいつの間にか居着いてしまったらしい。
……そんなにアバウトで大丈夫なのか、この家は。

「ただいまー、はらへった」
「おかえり。二人とも遅いらしいから先にご飯にしようか」

キッチンから中野さんの声がする。
ダイニングのドアを開けると、テーブルにはハンバーグとミネストローネが並んでいた。

「ハンバーグ!!」
「いっぱいあるよ」

中野さんは、毎日こうして夕飯を作ってくれる。
男だらけのこの家が人並みの清潔を保てるのも、実は中野さんのおかげだったりする。洗濯物が溜まらないのもそうだ。
「定時に帰ってこられるのは自分だけだから」と中野さんは言うが、それだけでここまでさせるのも申し訳ない気がする。
自分も少しは、家事ができるようになるべきだろうか。

「手伝えること?そんな、悪いよ」
「悪くないって。むしろ中野さんに全部させてるこっちの方が悪い」
「いいんだよ、やりたくてやってるんだから。……こんな賑やかで楽しい家に住むの、夢だったし」

中野さんの育った家庭がうちと真反対だったということは、いつだか大兄ちゃんに聞いた。
そういえば確かに、前の家にいたころはあの小兄ちゃんが真剣な顔で何時間も電話してたり、時々血相変えて飛び出したりしていたから、やっぱり色々あったのだと思う。

31:風と木の名無しさん
10/06/09 00:47:27 bM2fBwkDO
「君にも君のお兄さん達にも本当によくしてもらってる。これぐらいじゃ足りないよ」

中野さんがハンバーグを器用に切り分けながら呟いた。
オレは丸のままのハンバーグにかぶりつきながら反論する。

「うそだ、大兄ちゃんはともかく小兄ちゃんはアイツ、ただのでかいガキじゃん」
「こら。」

中野さんも笑うってことは心当たりがあるんだろう。
これ、小兄ちゃんに言ったら技かけられるだろうな。オレが。

「……それにしてもその呼び方、珍しいよね。」

中野さんがミネストローネをかき混ぜながら言った。
自分のついでに、オレの空の食器にもおかわりを注いでくれる。
こういうところが、うちの兄弟にはないんだよな。

「なんとか兄ちゃんってやつ?だってそう呼ばなきゃ区別つかねーじゃん。あの二人、名前も妙に似てて紛らわしいし」
「中身は全然違うのにね。ふふ」
「……でもそうだな、たしかに、大兄ちゃん小兄ちゃんってきて、いきなり『中野さん』ってのも変だよな。タニンギョーギっていうか」
「え?」
「中野さんはどうだろ……背丈は大兄ちゃんと小兄ちゃんの間くらいだし……中ぐらいの『中兄ちゃん』ってどう?」
「ちゅうにい……」
「あ、ってか名字中野だしちょうどいいじゃん!中兄ちゃん、中野だから中兄ちゃん。決まりな!…………て、中野さん?」
「……洗濯物取り入れ忘れたかも……」


その日、夕飯の途中なのに、中野さんは一時間近くベランダから帰ってこなかった。



32:終
10/06/09 00:52:33 bM2fBwkDO
「おはよー。……小兄ちゃん何してんの?」

次の朝、キッチンには中野さんでなく小兄ちゃんが立っていた。

「何って朝飯だよ。あいつが起きたら厄介だから目覚ましの電池も抜いてやった」
「うわぁ……」
「俺様の絶品オムレツ食ったらもうあいつの飯なんて食えなくなんぜ、ひひひ」

小兄ちゃんのフライパンからは不吉な煙があがっていた。確かに、違う意味で中野さんの料理が食べられなくなりそうではあった。

「うわ、何の匂いだよ……」

その時、階上から大兄ちゃんの声が聞こえた。続いて階段を下りる音も。
助かった、小兄ちゃんは大兄ちゃんに弱いのだ。

「あ、やべ」

「ヤバい」ってことはやっぱり失敗した自覚があったんじゃないか。
小兄ちゃんは慌ててフライパンを奥に隠すと、嬉々としてコーンフレークを探すオレを「おい」と引き留めた。

「なんだよ」
「何嬉しそうにしてんだよ。俺のミシュランオムレツが食えなくなって残念だと思わねえのか。…………それから」
「ん?」

「お前、あいつのこと幸せにしすぎんなよ」

顔を上げると、言葉とは裏腹なにやにや顔がそこにあった。

オレは黙って笑い返した。
うるさい、分かってるよ。

中兄ちゃんが小兄ちゃんの「友人」じゃないのなんて、とっくに知ってるんだからな。

33:風と木の名無しさん
10/06/09 00:52:59 UziA4tsC0
泣いたんだな中野さん
なんか最近普通に物語として面白い投下ばかりで困る(いい意味で
GJ!

34:風と木の名無しさん
10/06/09 02:16:32 ktb2Cu1/O
始めてお母さんって呼んだみたいなもんなんだな
中野さん良かったね

35:風と木の名無しさん
10/06/09 07:55:45 K413lhkB0
これは良い話。萌えて、うるっとくるわ…

36:風と木の名無しさん
10/06/09 08:18:53 IbJaqe8eO
初めてお母さんと呼んだかぁ。ナイス表現。
良かったです。GJ!

37:風と木の名無しさん
10/06/09 10:51:58 W+hx6AKs0
GJ!
この四兄弟の話をもっと読みたくなった。
ツボすぎてもう…!

38:風と木の名無しさん
10/06/09 11:18:26 S67pihNnO
いい話だ…きゅんとしました。GJ

では踏んでください

39:風と木の名無しさん
10/06/09 11:24:59 iLOMXy9U0
肝心のシーンになって初めて
お互いが相手を攻めだと思っていたことに気付きました

40:風と木の名無しさん
10/06/10 01:22:11 hTDF3NMP0
受け×受けで妄想しても楽しいけど、あえて攻め×攻めで妄想
男にヤられるとかあり得ない!でもアイツだって同じ考えだよな…アイツになら俺…
ここまで覚悟を決めたけど、相手は何故か手を出してこない(お互い自分が受けのつもりだから)
二人っきりなると、お互い
((ハァハァ。相手可愛いよ相手。…いや何考えてるんだ俺!違う!ここはアイツのカッコよさにドキドキすべきだろ俺!))
ちゅーとかしてムラムラするのを我慢して、早く押し倒せよ馬鹿!となる二人
相手が嫌がる事はしない!と固く心に誓う二人
いい加減焦れて家に呼んで、なのに手を出してこないから
「「いいかげん押し倒してこいよ!俺じゃ勃たねーってのかよ!」」
「「…え?」」

結局その日は二人とも受ける気満々だったので攻めの知識が無く、後日一緒に勉強すればいい
「…ヤられんのも結構気持ちいいかも」
「次俺が下なー」
そんなリバっぷるな二人の関係も萌える

41:風と木の名無しさん
10/06/10 01:38:03 A2DYroSMO
えー…
SSじゃないのか…そうか
うん。いいよね、そんな関係
GJ

42:風と木の名無しさん
10/06/10 01:40:58 C1zqH4+R0
>>41
>>1

>>40
GJ

43:風と木の名無しさん
10/06/10 02:11:09 gm9i2zbI0
なんということでしょう…攻め×攻めでお互い受けのつもり…新境地です萌えました
ちょっとのたうちまわってきます

44:風と木の名無しさん
10/06/10 02:51:34 1JZKz/y6O
SSばっかりで、ここは棚じゃないとか言われたりもした時もあったのに…

久しぶりの萌えがたりで面白かったw
お互いに覚悟決めてたって発想はなかったな

45:風と木の名無しさん
10/06/10 07:02:14 s7TlwOWM0
似たもの同士の攻め同士リバっぷる萌える…!
自分は本気で受け×受けしか思いつかなかったよ。
>>43と同じく新境地を見た気分だ。そして新境地に目覚めた!

萌え語り読むの大好きだよ、久々に萌え語りが来て嬉しい。
GJ!

46:風と木の名無しさん
10/06/10 08:59:39 PyeXogiuP
あえて攻め×攻め同士妄想とは!可愛いなあ
GJ

47:風と木の名無しさん
10/06/10 10:58:16 5fEwpT/K0
>ムラムラするのを我慢して、早く押し倒せよ馬鹿!
ここに本気で萌えたぎった!そんな2人のリバも美味しいです。
これはいい萌え語り!GJでした!

48:風と木の名無しさん
10/06/10 11:55:56 T6qeEZrvO
よっしゃー私を踏めー!

49:風と木の名無しさん
10/06/10 12:01:46 VSijN1Q90
チンポ狂いの超淫乱係長

50:風と木の名無しさん
10/06/10 20:46:13 hTbSYVRP0
係長であるからには、大前提としてリーマン。
白いシャツ、ネクタイ、スラックスに色気の無い革ベルト。
それに眼鏡があると萌える。
髪はきっちりとセットしていてくれればなお良し。
もちろん普段は真面目そうな顔をしている。
真面目そうな外見だから、Yシャツの中にアンダーウェアが透けてもよろしい。
イメージとしては、ドラマえすぴーのこーあん第一科、銀縁眼鏡のたなかいちろう氏。Rは付かない。
そんな係長が、服を脱いだら淫乱。
だけどただの淫乱じゃない。
淫乱な自分の身体に非常に羞恥を感じる性格。
だから言葉責めに弱い。
そして複数での行為が大好き。
愛があればいいけど、愛がなくてもいい。
後から入れられて、口ではねっとりとしゃぶる。
自分の上で、前と後にいる二人がキスしているともっと燃える。
トライアングルに繋がっている、その感じがいい。

そんな妄想をしながら、係長は仕事中に部下を裸に剥いてみる。
部下は当たり前だがノンケだ。
係長は非常に申し訳ない気持ちを感じながら、ちらりと視線を投げかける。
部下の、男らしい顎が自分の首筋に噛み付く様子を想像する。
ラグビーだったかサッカーだったかをやっていたという部下は、厚い胸板と、がっしりした肩甲骨を持っている。
腰は適度に引き締まって、大腿が発達しているから、スラックスが今一しっくりしていないのが余計に好ましい。
ネクタイをほどき、シャツのボタンを外し、ベルトを緩め、スラックスを降ろし、ボクサーショーツを脱がせる。
引き締まった尻、前には剛毛に覆われた猛々しいもの。
それを、ゆっくりと口に…。

そこまで頭の中でなぞって、あえて自分を現実に引き戻す。
社会人なので。役職にも付いているので。時間にして約1分、おやつのように、一瞬の妄想を楽しむ係長。
これの続きはまた夜になってから。
ちゃんとチンポをくわえさせてくれる可愛い二人の男と過ごす時間の前の、食前酒に取っておく。
そんな係長が好きです。

51:風と木の名無しさん
10/06/10 21:56:30 1JZKz/y6O
エロい…
語りでここまでエロくなるんですね…GJ

52:風と木の名無しさん
10/06/10 22:26:59 6eg8oR6O0
すげえよ係長…!
萌えたというよりなんか滾った
GJ!

53:風と木の名無しさん
10/06/11 10:27:16 lC4UsXOKO
自分を現実に引き戻すところがw

54:風と木の名無しさん
10/06/11 11:22:34 HIO89xUe0
おやつに妄想が素敵。
10時と3時に嬉しそうにお茶をすすりながら……が目に浮かびます
GJな萌え語りごちそうさまでした

55:風と木の名無しさん
10/06/11 11:45:21 mSjcZjWr0
淫乱なのに羞恥心を忘れていないところが
とても萌えツボですどうもありがとうございました。
申し訳なく思いながらも部下を妄想のネタに使っちゃう
淫らさと慎ましさのバランスが堪らんです。

56:風と木の名無しさん
10/06/11 21:53:21 /aeZRknT0
この係長いいなー彼が主役の話が読みたいGJ!

57:風と木の名無しさん
10/06/12 04:44:22 lOWNtOZHO
ど真ん中エロスで大変GJでした
出でよ踏み台

58:風と木の名無しさん
10/06/12 05:14:36 qreqyIx70
踏み台、召喚されますた(`・ω・´)

59:風と木の名無しさん
10/06/12 05:16:23 H4PBWHO00
ひぎぃぃぃぃぃらめぇええええこわれちゃうぅぅぅぅぅぅっつ

60:風と木の名無しさん
10/06/12 08:38:55 H4PBWHO00
すみません、荒れてしまったようなのでお題は取り消します。

61:風と木の名無しさん
10/06/12 09:14:00 n1MXBkgM0
>>59
KY

62:風と木の名無しさん
10/06/12 09:15:06 n1MXBkgM0
>>59
早朝からエロお題かよ

63:風と木の名無しさん
10/06/12 09:16:29 n1MXBkgM0
>>59
どんな*0期待してたんだ?このエロ厨

64:風と木の名無しさん
10/06/12 09:18:30 n1MXBkgM0
>>59
ルール理解してるなら自分で*0取るなよ

65:風と木の名無しさん
10/06/12 09:19:11 n1MXBkgM0
まあこれもルール違反なんだけど

66:風と木の名無しさん
10/06/12 09:19:30 ud9Nz/e20
とっととまわし

67:風と木の名無しさん
10/06/12 09:21:19 n1MXBkgM0
>>59
荒れてしまったんじゃなくて荒らしたんだろ?

68:風と木の名無しさん
10/06/12 09:22:55 n1MXBkgM0
これで次の*9も変なお題だったら荒らし
どうせ>>59=ID:H4PBWHO00はもうID変えちゃったんだよねー?

69:風と木の名無しさん
10/06/12 10:14:51 yXiHirJ9O
24時間

70:風と木の名無しさん
10/06/12 14:19:51 cibGslp90
あいつはデート、俺は家。
執行猶予は24時間、そう決めた。

俺は男だし、あいつも男だったから、もともと叶う恋なんかじゃないってわかってた。
あいつは俺のことを友人だと思っていたし、俺もそう思われるように振舞っていたから。
気付かれないのも当たり前で、優しいあいつに初めての彼女ができるのも当たり前。
好き合う男女が2人で休日に出かけるのも当たり前。
たとえ今日が俺の誕生日でも、彼女を優先するのは当たり前なんだ。
俺は男で、友達だから。

もういいじゃないかと俺の中の誰かが言った。
もういいじゃないか、お前は頑張ったよ。不毛な片想いを、もう3年目。
それでも相手は気がつかない。そろそろ潮時じゃないか?
わかってる。多分一生気付いてもらえない。一生友達、それで終わり。
でもこの気持ちに気付かれたら友達ですらいられない。

友達になって3年目。今年で卒業、それからは別々の人生。
最後の賭けを、することにした。
日付が変わるまでの24時間、それまでに連絡が無かったら諦めよう。
でも、もし初デートの高揚の中でも連絡をくれるようだったら俺の2年は無駄じゃない。

執行猶予は24時間。
生かすも殺すもあいつ次第。

71:風と木の名無しさん
10/06/12 15:12:55 eoWZJZQs0
GJ
これは、24時間過ぎた後に友人から電話がくるとみた

72:風と木の名無しさん
10/06/12 17:16:40 sF+m4mSA0
初デートの報告電話だったらどうするんだよ…!

73:風と木の名無しさん
10/06/12 18:20:41 C8Dd+jUEO
>>72
「今日さあ、あそこ行ってーあれ見てーあとあれ買ったりしてさー」という報告に落ち込む彼に
「でも楽しいはずなのにお前がいないからつまんなくてさ」という逆転サヨナラ満塁ホームランも有りでしょう

>>70
頑張って諦めようとしている描写に切な萌えた
個人的には想いが通じてほしいなあ
まとめの方もGJでした!

74:風と木の名無しさん
10/06/12 20:05:35 9eaqiD/FO
失恋ルートしかないと思ってたよ
レスついて開眼しました

75:風と木の名無しさん
10/06/12 23:31:35 L+XsJU/d0
>>73
「でも楽しいはずなのにお前がいないからつまんなくてさ」
かなり胸きゅん

GJ

76:風と木の名無しさん
10/06/13 01:53:17 ymd7xU2T0
やばい。>>73のせいでこんな時間にめちゃ萌えた。
どうしてくれる。

77:風と木の名無しさん
10/06/13 13:04:06 /JJSvOrq0
>「でも楽しいはずなのにお前がいないからつまんなくてさ」

いいなあこれ・・・萌える

78:風と木の名無しさん
10/06/13 13:49:29 skyQ3SkY0
私を踏みなさい!

79:風と木の名無しさん
10/06/13 13:54:56 bQpOmbgpO
ピアノとチェンバロ

80:1/2
10/06/13 17:25:13 AQnxgzMc0
彼はとても淡々としている。
いつも静かに、黙々と自分の仕事をこなしている。
周りは彼を「いつも同じ調子」「無表情でつまらない」「愛想が無い」と言う。
でも俺は知っている。
彼の内面が本当はとても複雑で繊細だという事を。彼が音楽をどれほど愛しているのかという事を。

だから「君の方が彼より優秀だ」と言われる度に、俺はどうしようもなく苦しくなる。
そんなことはありませんと言い返しても、周りは「君は優しいな」と笑うだけだ。
違う。俺は優しくなんかない。
彼を舞台から追いやったのは周りの皆ではない。他でもない、俺だ。
俺が彼から光を奪ってしまったのだ。
きっと、彼は俺を怨んでいるだろう。許しを請う資格は俺には無い。

それでも。
それでも、この名を誇る事だけは許してくれますか。
名前でだけでも貴方と繋がっていたいと思っている俺は、浅ましいでしょうか。

-----------------

81:2/2
10/06/13 17:26:09 AQnxgzMc0
彼はとても感情豊かだ。
いつも、笑ったり泣いたり怒ったり、表情をくるくると変えている。
彼の周りにはいつも誰かがいて、彼が皆に愛されているのが遠目でもよくわかった。
それを見て、僕はとても嬉しい気持ちになる。
その気持ちを、顔には出さないけれど。……いや、出したくても出せないのだが。

彼の仕事振りを見ていれば、彼が音楽を好きな事はよくわかる。
思うように音楽を奏でるという事は幸せなことだ。幸せなことは、良いことだ。
ただ、彼が僕のことを気にしているのが、少しだけ気がかりだ。
周りが彼に、僕と比較するような事を言っているのを、僕は知っている。
きっと、彼は優しいのだ。
褒められているのだから喜べばいいものを、僕を気にしてか悲しそうな顔をする。

その名前に縛られなくて良い。
君は最初から自由なのだから。そして僕も自由だ。それだけのこと。
君はいつも笑ったり泣いたり怒ったりしているけど、僕は君の笑顔が一番好ましい。


※楽器「ピアノ」の名称の由来は、イタリア語の「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」
 「弱い音と強い音の出るチェンバロ」という意味らしいです。Wikipediaより。

82:風と木の名無しさん
10/06/13 20:01:51 j+sI186O0
GJ!これは萌える…!

83:風と木の名無しさん
10/06/13 21:28:59 AAF6C9VCO
感情表現豊かな後輩ピアノと物静かな先輩チェンバロの対比がいいなあ
雰囲気も好きです GJ!

84:風と木の名無しさん
10/06/13 22:46:45 JpiFXpMuO
これはたまらん…
名前の由来も初めて知ったよ、GJ!

85:風と木の名無しさん
10/06/13 23:28:59 AyGTVA5e0
GJ!知識も得れて萌えられるとは。。

86:風と木の名無しさん
10/06/13 23:37:21 SORrYqVoO
チェンバロの語りに目頭が熱くなった
GJ!

87:風と木の名無しさん
10/06/14 16:37:15 YhKfij9w0
まわし

88:風と木の名無しさん
10/06/14 16:54:34 QLh3q9FQO
踏んでいきなされ

89:風と木の名無しさん
10/06/14 17:06:56 UrzfClhN0
共犯者

90:風と木の名無しさん
10/06/14 18:27:36 mAYLJ03n0
「ち、ちいちゃん、どうしようっ」

息を切らしながら俺の家のインターホンを鳴らした瑛はひどく焦っていた。
理由を聞くとどうやら、近所で有名なカミナリジジイの植木鉢を割ってしまったようだ。

「そうだ!俺にいいかんがえがあるぜ」
そういうと俺は割れた鉢を両手でかかえて自分ん家の庭に走り出した。

「ええっ」
「なんだよ、文句あんのかよ。お前のためだぞ」

穴を掘って、割れた植木鉢を埋める。

「しょーこいんめつってコトバ知ってるか?」
「も、もし見つかったら、ちいちゃんも怒られちゃう!やっぱり僕・・・」

「いいの、俺も きょーはんしゃ」


91:風と木の名無しさん
10/06/14 18:28:20 mAYLJ03n0
10年たっても変わらない。幼馴染の瑛は相変わらず鈍くさかった。

「ち、ちいちゃんどうしようっ」

勢いよく教室に飛び込んでくる。

「あのなあ、いい加減その呼び方やめろよ」
「ちいちゃんはちいちゃんだよ!じゃ、じゃなくて大変なことになっちゃったんだっ」

10年たっても変わらない。

「あの、あのね、教頭先生の大事な花瓶を割っちゃったんだっ。直す方法とかないかなあ」

「んなこと無理だし、、中庭にでも埋めるか」
「そ、そうだよね。直すなんて…。でも見つかったらちいちゃんもっ」

「いいの、俺も きょーはんしゃ」

なんでだ、俺も変わってないぞ。

92:風と木の名無しさん
10/06/14 18:33:22 mAYLJ03n0
ごめんなさい、終わりです。

93:風と木の名無しさん
10/06/15 00:08:43 UCjaREi7O
ふたりとも可愛いね。

終わりについてはそのままか、別館チラシの方がよかったかな?

94:風と木の名無しさん
10/06/15 17:48:59 XazJq/6Z0
3レス目さえなければ普通にいい話
幼なじみ可愛いよ!
いつまでも変わらずイチャイチャしてればいいよ!GJでした

95:風と木の名無しさん
10/06/16 00:22:47 wvTz2IKm0
>>92
なぜ謝ったw

可愛い二人で萌え和んだよ、GJ



96:風と木の名無しさん
10/06/16 07:57:34 SWUw/DOjO
そろそろまわそうか

97:風と木の名無しさん
10/06/16 08:55:33 C3mgmh4PO
/お客様の中にどなたか踏み台様はいらっしゃいませんか?\

98:風と木の名無しさん
10/06/16 09:23:31 ll/vRfj90
さあ、お踏みなさい

99:風と木の名無しさん
10/06/16 09:24:55 t0VBDwjk0
クマのぬいぐるみだと思ってたらサルだった

100:風と木の名無しさん
10/06/16 17:49:53 CxzRTI4hO
ガタイが良いのにおっとりしててタレ目でいっつも笑ってる。
誰だったかが言ってた。くまのぬいぐるみみたいだって。

―なのに

「―陽っ…!!」
くまのナニガシこと陽太と何故だか体を重ねる関係になって1週間。
「はぁ…はぁ…っはぁ…」
運動部の体力は底無しなのか?貫かれた俺はこんなに息が上がってるのに
「アキちゃん、もいっかい、いい…?」
良くねぇよ。腰がダルくて立てねぇんだよ。
恨みがましい視線を向けても一切通じず。
「―んっ、あぁ…」
ほらまた溺れる俺。
誰がくまのぬいぐるみだって?
これじゃサルじゃねぇか。

101:風と木の名無しさん
10/06/17 00:32:41 imuaeU1O0
ガチムチGJ!
好みだー!

102:風と木の名無しさん
10/06/17 12:29:09 5VAaH69bO
ガタイよくて運転部つったら柔道か相撲かラグビーか…
なんにしても可愛い

103:風と木の名無しさん
10/06/17 13:56:53 zAL4r7RyO
お題処理が良かったよね
くまかわいい

104:風と木の名無しさん
10/06/17 17:23:38 ylJoai8OO
お題をどう読み解けばいいか分からなかったから
そうきたか!と感動した
萌えた!

105:風と木の名無しさん
10/06/17 23:58:11 ulOsUUv90
処理うまい。あらかじめこのお題にはこれしかなかった!!くらい。
ところで>>99自身はどういう萌えだったのか気になる

106:風と木の名無しさん
10/06/18 01:25:00 airooah5O
ホントだね。どんな話だったんだろう。

これは強気受けになるのかな?ようやったGJ

107:風と木の名無しさん
10/06/18 05:17:23 RXq1WWzOO
まわし

108:風と木の名無しさん
10/06/18 08:31:23 EDF9T1KoO
踏まれるのかよ!

109:風と木の名無しさん
10/06/18 08:39:49 9AQhEJBn0
ウザカワ受け

110:1/2
10/06/18 15:57:32 0dXcZhoPO

「うわーうわー俺はじめて来たよラブホテル!略してラブホ!エロスの宮殿!!」
「よかったな」
「いやあ、男二人でも入れるもんだなあ。ラブホって受付いないもんなの?ぜんぶ機械でピッピッてさ、いや恥ずかしくなくていいけどさ」
「かもな」
「おいあれ見ろよ風呂場!ガラス張りじゃんなにあれなにあれ!覗きプレイか?覗きプレイなのか?この部屋考えたやつスッケベー!」
「そうだな」
「うおおおやべえやべえ普通にテレビでAVやってる!なにこれ高校の修学旅行でゲーセンのコイン必死にねじ込んでエロチャンネル見てた俺たちが馬鹿みてえじゃん!!そんなことしなくてもここならワンボタンでエロスの洪水じゃん!!」
「…………」
「?なあおい聞いてんの?エロスの」
「うるせえちょっと黙ってろ」

腕を掴んで乱暴に押し倒すと、あんなにけたたましかった奴のお喋りはぴたりと止まった。
そのまま至近距離でじっと見つめ合うと、やがて言葉の代わりに一際大きな心音が聞こえてくる。

「……あれえ?あれあれちょっとお兄さんたらちょっと、もしかして発情き」

言いかけた唇を唇で塞いだ。
お前のそういうところがうぜえんだよ、ふざけたフリして震えてんじゃねえか。



111:2/2
10/06/18 15:58:14 0dXcZhoPO

「悪いが、な」

言葉を紡ごうとするそばから何度も口腔を舌で抉られ、ついに息も絶え絶えになった奴を見下ろしながら俺は呟いた。

「お前がそうやってどうでもいいことばっか喋ってるのを見ると、妙にムラッとくんだよ。俺ってうざいの趣味なのかな?ねぇどう思う?」

ジーパンの内腿をなぞりながら答えを促すと、奴はぶるっと身震いしながら応じた。

「…………へ」
「へ?」
「変態……なんじゃないかな?ウルトラ級の」

あは、かーわいい。
たまんないわ。そのめいいっぱいおどけようとして失敗している口振りとか、微妙に逸らした目線とか、……実はすっかり固くなってるそれとかさ。

俺は奴にばれないようにくっくっと笑うと、反った首元に吸い付きながらシャツのボタンを外していった。



112:風と木の名無しさん
10/06/18 18:12:15 G1B7YVCb0
完璧なウザカワ受けに萌えた
ドライな攻めもイイ!
ありがとう GJ

113:風と木の名無しさん
10/06/18 20:35:52 rd/0uKQhO
ウザカワより強引攻め様にドキドキしました。
かっこいい~GJ

114:風と木の名無しさん
10/06/18 21:19:15 3NU4Ojdc0
うざかわに振り回されるのかと思ったら、完全に攻めのペースw
しかも全部お見通しとか。ベストカップルっぷりに激しく萌えた!

115:風と木の名無しさん
10/06/18 22:00:05 YnY2GYFgO
ウザカワは可愛いし攻めはかっこいいし
ちくしょー! GJ!

116:風と木の名無しさん
10/06/18 23:11:28 yZKSRaeyO
攻め大好きだ
力の限りGJ!

117:風と木の名無しさん
10/06/19 20:28:45 2/bFEYM/0
うぉおお!萌えたー!
受けかわいいわ、攻め格好いいわ、こういう関係大好きだ!
軽くあしらってるクールな攻めでも、受けに対しての惚れた弱みっぷりが伝わってきて良いなぁ
GJ!

118:風と木の名無しさん
10/06/19 20:53:48 +SGHW80S0
踏まれます

119:風と木の名無しさん
10/06/19 20:57:58 ZiVok2DKO
「ん?」

120:1/2
10/06/19 22:17:49 WYpDMreD0
 詩人でもないのに、そんな柄じゃないのに、時折、ひどく感傷的になることがおれにはあるのだ。
 例えば今夜みたいな、月が半分しか姿を見せていなくて、やけに静かで、呼吸を邪魔するような
ものが何も無い帰り道。おれの履き古したサンダルがアスファルトにこすられて、ざり、と立てる音が、
こいつの履いている黒くなめらかに光る革靴の規則正しいリズムが、誰も居ない街外れの道路に
響くから、おれはおれ一人ではどうしようもなくなってしまう位に、ああ、こんな夜のせいで、
涼しい夜風のせいで、寂しいなどと。つい、思ってしまう。
 さりげなくちらりと盗み見たこいつの顔は、憎らしいほどいつも通りで、多分、頭の中で
先ほど寄ったコンビニのドアの効果音なんかを流してそれにあわせて歩いていたりするのだろう。
 余裕が無いのはいつだっておれのほうだ。コンビニ袋を持った手が軽くこいつの体に掠るだけで、
こんなにも落ち着きをなくしてしまう。
 風が吹いて月が柔く光って、そんな夜だから、今日くらいはこいつの優しさに寄りかかっても
いい、そう思った。

121:2/2
10/06/19 22:20:28 WYpDMreD0
「なあ」
「ん?」
「月がさ。綺麗だな」
「ん、」
 すっと視線を上げて、そうだね。と、小さく呟いたので、おれは少しだけ安心した。
 そしてもう一言。
「……なあ」
「ん?」
 月からおれへと、風に枝がしなるように自然な所作で視線を移す。
 こいつの、こういうところが多分、おれと決定的に違っているところで、おれがこいつとこうして
二人きりで歩くようになった、最大の理由なんだろう。
 こいつは決して揺るがない。時を経ても姿を変えても、同じようにおれを見てくれる。
「おれはあんたが好きだよ」
 目をまるく見開いて、驚いたような顔をされて、急に恥ずかしくなってきてしまったので、おれは
わざとらしく視線を逸らして月を見た。うっすらぼやけた、でも確かにそこにある、こいつみたいな。
「ん」
 そうだね。と、先刻と変わらぬ声色で言われて、おれは、ああ、こいつには到底敵わないと。
嬉しいような、悲しいような、そんな気持ちで、また、真っ暗な夜道を、足音を立てて歩いていった。



122:風と木の名無しさん
10/06/19 22:23:33 xaC7+/Vb0
おー、GJ!GJ!
いいなあ、夜の匂いがしてきそうだよ、萌えた!
たった一言からこんな風に広げられるってすごい

123:風と木の名無しさん
10/06/19 22:32:43 Z46RXvXZ0
はえー仕事はえー
月が綺麗ですね、は801創作では結構鉄板だと思うんだ
いいな!

124:風と木の名無しさん
10/06/20 11:45:55 ARsm6epb0
そうだねっていうのがいいね
まとめも良かったです
GJ

125:風と木の名無しさん
10/06/21 09:59:27 9hleYHbv0
会話に目がいくけど、最初の方の景色の描写もよかったよ~

126:風と木の名無しさん
10/06/21 15:23:39 /Ed8EvnH0
うん、よかった 一気に夜へ㌧だよ GJ!

127:風と木の名無しさん
10/06/21 16:41:40 tsn6EkQI0
まわし

128:風と木の名無しさん
10/06/21 17:34:34 MxyL8eTjO
べ、別に*9に踏まれたいなんて思ってないんだからね!

129:風と木の名無しさん
10/06/21 17:38:00 NgSPOlen0
手が触れた

130:1/2
10/06/21 21:19:04 hIt6H1pD0
 携帯が鳴ってる。俺のじゃない。こんなセンス悪い着メロ、断じて違う。
「あ、奥さんからだ」
 何だっけな、メロディ。聴いたことあるぞ。
 ていうかお前、自分の母さんを奥さんって呼んでるのかよ。
「メール?」
「うん。仕事が終わったから帰るよって」
「仲いいな」
「だろう」
 ふふん、と得意気に笑う。マザコンか、こいつ。
 違うな。多分母親思いなんだろうな。こいつの口から父親の話なんて出てきたことがない。
 だから、きっとこいつの家庭は…。いや、やめとこ。
 ぱちん、と携帯を閉じる音。返信はえーな、おい。
「お前さん、夏休みに入ったら何をするのかね?」
「何だよ、その口調は」
 呆れた。
「いいじゃないの教えなさいよ。母さんとあんたの仲でしょ」
「誰が親子だよ。同い年だろ。電車来るぞ」
「はい、黄色い線の内側に下がりまーす」
 手をぴしっと上げて宣言する姿は、選手宣誓のようだ。
「でも何で黄色い線って言うんだろうな? 俺の目には点字ブロックに見えます」
 うるさい、黙って降りる人に道を譲りなさい。

131:2/2
10/06/21 21:19:38 hIt6H1pD0
「お前、あの着メロ何?」
「お、俺のセンスに驚いて感動してる?」
「俺の発言のどの部分を聞いてそんな言葉が出た?」
 この時間、町の中心から離れる電車の中はガラガラだ。
 だからと言って俺たちの他に誰もいないって、切ない。
「昔子供向け番組で流れてたの。俺のお気に入り」
「お前、マイペースすぎんだろ。それが学校で流れたら爆笑もんだぜ」
「俺、最近の流行とか知らんわ。興味ないし」
 何よ、何が流行ってんのよ、教えてごらんなさいな。
 おいこら、何で迫って来るんだよ。仕方ねぇなあ。
「じゃあ、俺の携帯に入ってるの聴かせてやるよ」
 ポケットから取り出して、操作する。
 これこれ、とボタンを押そうとした手に、手が触れた。止められた。
「優先席付近では電源を切るかマナーモード!」
 お前周り見える? 俺とお前の二人で、誰もいないんですけど。
「皆様のご協力をお願いいたします!」
「……分かったよ」
 携帯をポケットに入れて、ため息をついた。
 で、何でお前こっち見てんの。
「お前の手、ごつごつしてんのな。奥さんのとは違うわー。やっぱ男だね」
 何だそりゃ。ああ、そっか。お前んちやっぱ…。


 ちょっと可愛いとか思っただろ。どうしてくれんだ。

132:風と木の名無しさん
10/06/23 01:00:05 62EiZWkQ0
まわしー投下乙

133:風と木の名無しさん
10/06/23 01:21:33 zKSVWePu0
なんだか独特の世界……モデルとかいるのかな? 不思議なキャラクターだよね
父親に憧れる友人と同情が何かに変わりそうな主人公の、まだまだな感じが良かったです

134:風と木の名無しさん
10/06/23 08:01:03 N/KpBbYwO
そうそう、不思議なキャラだよね

135:風と木の名無しさん
10/06/23 08:41:01 mC7looUj0
電波だと思った
まわし

136:風と木の名無しさん
10/06/23 16:00:49 ZS+PQ0wA0
mws

137:風と木の名無しさん
10/06/23 17:27:58 BjTxydvaO
まわすんだよ

138:風と木の名無しさん
10/06/23 17:54:19 muoZagTc0
どうぞ私をお踏みください

139:風と木の名無しさん
10/06/23 17:55:40 nGA2L4eMO
好きな人に似た人

140:風と木の名無しさん
10/06/23 20:58:24 +/0ZhKS6O
「そういえば大野が全然知らないヤツのことまさきと勘違いして話しかけようとしてたよ。俺が止めてなかったら確実話しかけてた。」
「またかよ!!さっきはるとにも「昨日理学部キャンパスいたよな?」って言われたんだけど。行くわけねーじゃん俺法学部よ。」
「マジでお前に似てる人多いんな。」
「毎日のように「まさきに似てるやついた。」とか「昨日○○で見た。」とか言われる。」
「いいじゃん。変なこと目撃されても「それちげーやつだよ。」っつっとけばお前の場合通じるし。」
「いや別にそこ嬉しくないでしょ。俺ってそんなどこにでもいそうな顔してんの?」
「そうなんじゃないの?」
「マジかよー。俺にも個性ってモンあるでしょーよ。みんなもっと俺を見ろ!そして気付け!!!」
「個性ねぇ…。」
「あ、でもそういえば」
「何。」

「お前は間違えないよね。なんで?」



なんでだろ?






141:風と木の名無しさん
10/06/23 21:18:35 AWrBcjczO
うまい!
お題そのまんまというか逆手に取ったような感じ?
萌えましたGJ!

142:風と木の名無しさん
10/06/23 21:24:14 EHEMLFnrO
自分は好きだから間違えないのかw
いいね!萌える!GJです

143:風と木の名無しさん
10/06/23 23:51:44 TdaWwLOg0
短い掛け合いなのに萌えどころあっていいな

144:風と木の名無しさん
10/06/24 00:12:54 ELPHle06O
お題逆手ってなんだろ?と思った
確かに自分も普通に「好きな人に似てる」側を書いちゃうかも
なるほどGJ

145:風と木の名無しさん
10/06/24 00:26:37 wFN9T6vL0
最後の一言がとぼけてて好きだ

146:風と木の名無しさん
10/06/24 00:27:18 QcwpXmsy0
好きだから見分けがつくっていいよね萌えるよね
そしてどこにでもいそうな顔に噴いたw

147:風と木の名無しさん
10/06/24 08:10:27 ddaJm9Ya0
そこまで間違いまくる大野くんの心理も気になるGJ

148:風と木の名無しさん
10/06/24 08:12:18 /ZuCt4wk0
ぐっと来たよGJ!

まとめの方も、最後でゾクゾク来たよ

さあ、お踏みなさい

149:風と木の名無しさん
10/06/24 08:19:54 L5jb3B8jO
俺の方が好きだよ!

150:風と木の名無しさん
10/06/24 22:12:57 /ZuCt4wk0
セフレだったはずだ。
次の恋までの繋ぎ、俺も、向こうも。それがいつからこうなったんだろう。
体をつなげた後の、なんとなく別れがたい気持ち。
ぐずぐずとベッドの上からバスルームへ、体を拭いて着替え、キッチンへ。
今までなら、奴はシャワーを浴びたら、脱ぎ捨てた服をまた身に付け、「じゃあな」と言ってドアの向こうへ消えた。
今はキッチンで俺と一緒に、食事の用意をしている。
和食党の奴に合わせて、米を炊いて、魚を焼き、大根のみそ汁を作る。
奴は時々俺の背後から抱きつき、顎を肩に乗せてただ黙って俺の手を覗き込んだりする。
これではまるで、恋人同士のようだ。俺は少なからず動揺する。
好きという気持ちがあるのかどうかすら覚束ないのに、背中の温かみに胸が締め付けられるような気がする。
「案外手つきいいな」
奴が感心したように、耳元で囁く。
「居酒屋バイトを舐めんなよ」
言った途端、耳を舐められ、肩をすくめる。背中を電流のようなものが走る。
「舐めちゃった」
「バカ、危ないって」
「なあ」
「なに」
「俺たち、ちゃんと付き合わねぇ?」
「好きでもないのに?」
「好きじゃないの?」
「……」
「俺が他の奴とこうやってる所想像してみろよ」
想像してみる。……胸がぎりっと痛む。
「な? 俺はお前が好きだよ。俺のこと好きだろう?」
「…うん」
「こっち向いて」
体の向きを変えたら、キスされた。そう言えば、初めてのキスかもしれない。胸が震えた。
そうか、好きってこう言う気持ちだったのか。痛いような、泣きたいような、苦しいような。
身体の繋がりの方が先だったけれど、こう言う恋の仕方もあるのだ。知らなかった。
それならば、たぶん、俺の方が好きの度合いが大きい。
奴の顔は嬉しそうに笑っていて、俺の視界は、落っこちそうな涙で歪んで見えるから。

151:風と木の名無しさん
10/06/24 22:57:17 ELPHle06O
いいね。なんかエロかわいいっていうか。こういうシチュ大好きです。
まとめも可愛かった。


152:風と木の名無しさん
10/06/25 00:24:56 cHHMo3oYO
じ、じんときたー!
好きだってことに気付く過程が丁寧に描かれててよかった。
何回も読んでしまいそうだ。GJ

153:風と木の名無しさん
10/06/25 02:28:20 CrwGM1GPO
今までの日常が少しずつ変化しながら2人に降り注いで欲しいと願う
GJ

154:風と木の名無しさん
10/06/25 02:48:36 hWyy6wkW0
感想が言葉にならない
とにかくすごく良かった
心からGJ

155:風と木の名無しさん
10/06/25 20:02:56 d298JfK00
あああーいいよいいよ、体は大人、中身は純情!
大好きだー!GJでした!

156:風と木の名無しさん
10/06/25 22:22:30 8pcvAjA40
まわし

157:風と木の名無しさん
10/06/25 23:09:26 jutOI6DF0
mws

158:風と木の名無しさん
10/06/25 23:18:24 3Evgg99yO
力いっぱい踏んでくれ

159:風と木の名無しさん
10/06/25 23:21:34 QIcLc8sF0
優しい手

160:風と木の名無しさん
10/06/26 02:10:48 q3My4LPF0
長男気質で面倒見のいい先輩は普段からスキンシップが多い。
何かと肩や背中を叩いたり、肩を組んだり。
所謂体育会系のノリが苦手な俺も、最初は不快だったそれをいつの間にか受け入れていた。
先輩の大きい手は嫌いじゃない。

なのに、
「お前、運動部のクセに綺麗な髪だよな」
隣に立っていた先輩が何気なく髪に触れて。先輩の指が髪の間を滑り、偶然首筋を撫でた。瞬間。
「っ?!」
背中を走った謎の感覚。
一瞬で顔が赤くなったのが自分で解った。
「え?」
「す、いません…っ ちょっと、俺 顔。洗ってきます」
「…あ、ああ」
頭を撫でたままのポーズのまま固まってしまった先輩を置き去りにして、水飲み場へと逃げる。
「うわ…何でたってんだよ…」
あり得ない。あり得ない。あり得ない。
頭から水を被っても熱い顔と煩い心臓がなおらない。
「最悪だ…」
あんな優しい手に、俺みたいな無愛想な後輩にまで優しい先輩に対して、こんな事あって良いわけ無い。

こんな自覚の仕方、最悪すぎる。

161:風と木の名無しさん
10/06/26 08:42:22 ZZyjE2Tg0
おお恋の芽生え可愛いGJ

162:風と木の名無しさん
10/06/26 08:48:36 OZ2sc9mS0
体育会系無自覚なテクニシャンに萌えた!兄貴素敵だよ兄貴
GJ

163:風と木の名無しさん
10/06/26 09:14:00 US0FZK39O
後輩たったのかwwGJ!w
先輩もこの時恋を自覚したに違いない…!

164:風と木の名無しさん
10/06/27 00:02:02 z92LmKUXO
なんかこの後輩気持ち悪い

165:風と木の名無しさん
10/06/27 01:11:45 ncCbMQ/2O
意識してないベタベタいいよね。まとめのも面白かった。

166:風と木の名無しさん
10/06/27 14:13:21 gxjzDzCA0
別にお前のためにまわすんじゃないんだからな!////

167:風と木の名無しさん
10/06/27 19:40:00 Kda3JzNc0
マワシ

168:風と木の名無しさん
10/06/27 20:05:03 9skjhYLrO
ほら、思う存分踏んでけよ

169:風と木の名無しさん
10/06/27 20:07:25 UQVdMIKA0
あなたの子供が欲しいのに

170:風と木の名無しさん
10/06/27 21:54:29 ZV5+dYe60
「だから、別れようか」と言ったら殴られた。
「雄太の言い分だと、子供が出来ないって知りながら結婚した夫婦には未来が無いってことだな」
ズキ、と心臓が痛んだ。そう言う意味じゃない、そう言う意味じゃないんだ。
「…でも、男同士じゃ結婚も出来ないし」
「入籍しないで暮らしてる夫婦なんかいくらでもいる」
「男同士だから、一緒に暮らしたら変な目で見られるよ」
「同棲しないで長年恋人を続けてる関係だって、世の中には山ほどあるよ」
涙が頬を伝って落ちた。
一度落ちると、後から後からぽたぽたと落ちてゆく。
ため息をついて、修介が俺の頬を撫でた。
「…なあ、俺はどんな目で見られてもかまわないよ」
「お、俺は気にするよ。それに、どんなに頑張っても、お前に赤ん坊を抱かせてやれない」
「そりゃ、お前も俺も男だし」
「修介、赤ん坊、欲しいだろ?」
「え? 欲しくないけど。なんで俺が子供欲しがってるとか思ったわけ?」
「だって…こないだのショッピングセンターで、羨ましそうに家族連れ見てたから」
「いやいやいやいや」
呆れたように手を振って、修介がまたため息をついた。
「あれはさ、兄貴の所の甥っ子を思い出してたんだよ。少しもじっとしてなくて、すごく大変そうだったろ」
そうだったっけか。修介の様子しか見てなかった。
「それで雄太は俺と別れようとか思ったわけ」
「だって」
「俺が孕めないから?」
「修介、」
「馬鹿じゃねぇの。つっこむだけつっこんどいて、それかよ」
「……ごめん」
「子供がなかろうが、結婚出来なかろうが、一緒に暮らせなかろうが、保証が無かろうが、俺はお前と一緒にいるよ」
涙は止まらず、唇に流れ、殴られた時に切れた口の中の傷に滲みた。
「雄太も俺と一緒にいるって誓え」
「誓う。……修介、ごめん」
いいよ、と言う修介の顔は笑っていた。本当は、俺がお前との子供が欲しかったんだ。
俺はもう一度、小さく、ごめん、と言った。

171:風と木の名無しさん
10/06/27 22:32:34 u7R131kq0
切な萌え・・・GJ

172:風と木の名無しさん
10/06/27 23:47:21 qMKzECSMO
oh…
切ないカップルだ…GJです

173:風と木の名無しさん
10/06/28 00:08:33 OLtcF93O0
確かに攻めがそんなことを言うと微妙だな
いろいろ考えてしまった

174:風と木の名無しさん
10/06/28 00:33:44 AKDYZz/4O
泣いた

175:風と木の名無しさん
10/06/28 17:26:48 Y2ojaSfs0
切ないなぁ…GJ
例えば養子をもらったとしても、それは攻めがほしい子供とは違うんだよね

176:風と木の名無しさん
10/06/28 23:57:37 XjcghrWZ0
こうも真っ直ぐ、正しく王道で来るとは思ってもみなかった。GJ

177:風と木の名無しさん
10/06/29 00:03:44 ujO3i5zM0
切なす・・・

178:風と木の名無しさん
10/06/29 00:07:42 DclTqnfs0
よっしゃ!踏んでけ!

179:風と木の名無しさん
10/06/29 00:08:33 ou2D4hO/0
弟バカ

180:1/2
10/06/29 03:12:29 x8C0qWvP0
先輩の髪を撫でながら首に顔を埋めると、洗髪剤の香りがした。
それがカビ臭い大学の書庫には不釣り合いで、尚のことイケナイ事をしている気持ちになる。
「先輩…このままいいですよね?」
「ば…バカ…お前、ここを何処だと思って…」
机に押し倒された先輩はすっかり真っ赤になっている。2歳も年上なのに、本当に可愛くて仕方が無い
「大丈夫ですよ、こんなところ誰も来ませんから…それより…」
だが、俺の言葉は無機質な電子音で中断された。無粋な音を不審に思う間もなく、先輩が覆いかぶさって
いた俺を勢いよく跳ねのける。
「…知樹を保育園に迎えに行く時間だ!!」
どうやら携帯のアラームだったらしい。
俺は突然のお預けに閉口しつつも、半ば諦めを覚えていた。
先輩は年の離れた弟のことを言葉では言い尽くせぬほど大事にしている。
なんでも弟さんが産まれて間もなくお母さんが亡くなったとかで、仕事が忙しいお父さんの代わりに
先輩は高校生の頃からずっと弟さんを育ててきたそうだ。
おそらくは兄弟と言うよりも親子に近い感覚なのだろう。
俺も先輩と知りあった頃から行事のカメラ係にと担ぎ出されたり、アルバム片手に思い出話を延々とされたり等々
いろんな目に遭ってきた。
まぁそんな時の先輩は普段の無愛想が嘘のように表情が明るいし、弟の知君も素直でいい子だからいいかと思うが
それにしてもこんな時まで弟の話をしなくてもいいではないか…とやはり考えてしまう。
「…先輩、じゃ…じゃあすぐに済ませますから…それからお迎えに行きましょうよ。それでもいいじゃないですか」
思わず甘えたように手を伸ばすが、直前でピシッと叩かれた。
「何を言う!すぐに行ってやらねば知樹が寂しがるだろう!」
それに何か事件にでも巻き込まれたら…知樹は賢い子だが、なにしろ人を疑うことを知らないから…とまだブツブツ
呟いている。

181:2/2
10/06/29 03:14:10 x8C0qWvP0
知っていたけどこれは重症だ。間違いなく弟バカ…いや、失礼。
俺にも弟がいるが、年が1歳しか離れていないせいかろくに可愛いと思ったことも無い。
―弟…?
そこでふと名案を思いついた。
「じゃあ…俺の弟に行かせますよ。先輩も知ってるでしょう?保育士志望の。
知ちゃんとも知り合いだし…確か俺の弟が作ったお菓子も気に行ってくれてたじゃないですか」
「む…だが、急なことで悪いだろう」
「大丈夫ですよ、確か今日は近くまで来ているはずですから…俺達皆で何度か迎えに行ってこともあるから
保育士さん達も弟の顔を覚えてくれているようですし」
ね?俺もっと先輩と一緒にいたいですよ…とちょっと上目遣いで迫ってみれば、頑なな先輩も少しはほだされて
くれたようだ。

結局、俺は弟に先輩の弟を迎えに行くようにメールを送り…先輩も俺と濃厚な時間を過ごすことを了承してくれた。
…とても有意義な時間だった。
そそくさと身支度を整え、さて帰ろうかと思ったところでふと、メールが来ていることに気付く
携帯を開いてみれば弟から。メールの文面が目に入った瞬間、俺は顔面蒼白になった。
「どうした?」
不審に思ったらしい先輩が覗きこんでくるのを慌ててかわしたが、それが余計に気になったのか携帯を奪い取られた。
一瞬の後、先輩の顔は鬼のような形相へと変わっていた。

『Fromm:弟 RE2:迎えに行って来い 本文:兄さん、知ちゃんのお迎え無事に完了しました。
さっき僕が作ったクッキーをあげたら物凄く喜んでくれて、僕をお嫁さんにしてくれるそうです。
折角なので、新婚旅行がてら動物園にでも行ってこようと思います。
追伸:知ちゃんはゾウさんが好きらしいです。可愛いですよね』

バカーーー!!バカ弟ーーー!!!

怒りに我を忘れている先輩をなだめて、弟と知君を探しに行くまで物凄い手間がかかったのは言うまでも無い。


182:風と木の名無しさん
10/06/29 14:00:49 CZ8V1KOM0
弟バカとバカ弟が両方入ってる!上手い!
新婚旅行可愛かったよーGJ!

183:風と木の名無しさん
10/06/30 01:39:42 j9MxKwz50
弟君wwwww悪気はないのにバカ弟君wwwww
主人公×先輩に萌えたあとに吹き出しました。非常にGJです…!

184:風と木の名無しさん
10/06/30 02:06:00 GPJbAWrW0
うまーい!そしておもしろいw
超GJ!

185:風と木の名無しさん
10/06/30 02:49:51 Zvv6i87iO
弟達の未来を想像してたぎった GJ

186:風と木の名無しさん
10/06/30 19:42:59 2jCj9edT0
まわします

187:風と木の名無しさん
10/06/30 19:46:17 ppCf3uqu0
もう一組カップルがwwこの兄弟は周りを巻き込んだ騒ぎを起こしそうだ
GJ

188:風と木の名無しさん
10/06/30 20:18:16 aAjB38m8O
ん?踏みたいって?しょうがないなあ、どうぞ

189:風と木の名無しさん
10/06/30 20:19:02 Cu4dRXhM0
偽装結婚

190:風と木の名無しさん
10/07/01 19:16:26 kNAvCuxW0
いわゆる限界集落に住んでいる。
子供の頃からの生家ってだけでこだわりもなかったが、田舎だが市内まで一時間強と不便もないので
一昨年親が死んだ後もそのまま暮らしていた。
集落の人は、みんなそれなりにいい人だ。
不幸が続きひとり暮らしとなった俺に、ぽつりぽつりとやれ野菜だ、それよりおかずだ、
米はあるか、酒を飲むかと世話を焼いてくれた。
正直お節介が過ぎることもあったが、兄弟もいない俺が天涯孤独の寂しさからどうにか立ち直れたのは
ひとえにじいさん、ばあさん達のおかげだった。
……いや、違う。あいつもいた。認めがたいが、ひとりで過ごさずに済んだ、という意味では
あいつの世話にもなったのだ。
「集落のタカユキさんからもらった茄子をな、麻婆茄子にしてみた。ビールとあうよ。
 それから食っても食ってもなくならないミニトマト、ごまドレで死ぬ気で食え。
 ミツロウさんが今日も持ってきてくれたからな」
飯係の伊藤は、親父の四十九日が過ぎる頃突然荷物と共にやってきて家に住み着いた同僚だ。
─水漏れがあって今の部屋住めなくなったんだ。一週間でいいから部屋貸して。
その時すでに伊藤はアパートを引き払っていたのだ。
─だって給料安いじゃん、家賃苦しかったんだもーん。
蹴り出そうとする俺にしゃあしゃあと抜かすもんだから、アパートと同額の家賃をふっかけたら
出て行くにも敷金がないときた。
でもやっぱり俺も弱ってたんだろうな。なし崩しにそのまま。
料理をやってくれるのが効いて、いつの間にか2年近くも同居。

191:風と木の名無しさん
10/07/01 19:18:30 kNAvCuxW0
それが、困ったことになった。
「浩之ちゃんもねぇ……いつまでも独り身じゃ寂しいでしょう。
 ほら、あたしの娘の旦那の妹のイトコの子がねぇ……いいお年だって娘が言うから」
見合い話が持ち込まれたのだ。
いや、見合いだけなら特に問題はない。いつもどおり適当に断るだけだ。それを。
「サチヨさんー、もう、困るなぁ見合いなんて」
と、一緒に聞いていた伊藤が口をはさんだのだ。余談だがこいつ、既に集落中の人と茶を飲む仲だ。
「浩之さんはね、見合いなんてしませんよ。……僕たちの仲、察してほしいな」
「あらぁ……まあ……まさかあんたたち……男同士でおかしいと思ってはいたけど……あらまぁ」
「んー、ぶっちゃけ、まあ嫁っていったら俺っていうか。そこは……ね、まぁ」
秘密ですよ、と伊藤が言ったところで、集落中の年寄りが心臓止まる思いするのに3時間もかからなかっただろう。
「─馬鹿たれ! どーすんだよお前、みんな誤解するだろ!」
頭抱えた俺に
「だってサチヨちゃん何度も来るでしょ、めんどくさいし。冗談冗談ーって後から言えるし」
と伊藤は平気な顔でうそぶき、ふと目を伏せて
「そういうことにしときましょうよ……どうせ、嘘でしか言えないでしょこんなこと」
その口元にだけ浮かぶ、奇妙に苦い笑みを見てしまった俺は……今夜からどうしたらいいんだろう。

192:風と木の名無しさん
10/07/01 19:46:01 IjEZwOAi0
伊藤、計画的な気もするwGJ

193:風と木の名無しさん
10/07/01 20:12:04 m+wqs8h70
計画的でなかったら、意思確認もせずに勝手に他人の見合い断ったりしないもんな
普通殴られるぞwお節介とは別次元で

194:風と木の名無しさん
10/07/01 23:27:01 oniqnsOCO
伊藤は学生時代も女の気配がしたら適当なこと言って追い払っていそう

195:風と木の名無しさん
10/07/01 23:33:07 4e2EZmSeO
女との結婚しか思い付かなかったよ。うまいなぁ。

196:風と木の名無しさん
10/07/02 00:04:37 ehh+u7a70
うん。このまま流れるかなと思ってたけどGJでした

197:風と木の名無しさん
10/07/02 09:39:31 0bIKqN8S0
廻すよ!

198:風と木の名無しさん
10/07/02 09:47:37 RiZMmBTu0
ちょっと腰が痛いんだ…そーっと踏んでね

199:風と木の名無しさん
10/07/02 09:53:19 6PLfDaUKO
もっと痛くして?

200:風と木の名無しさん
10/07/02 10:57:09 r97fprFa0
9が指定

GJ言いたかったのにな。そりゃ別館があるが、あの流れで言いたいんだよ出来れば

201:風と木の名無しさん
10/07/03 10:32:21 ps7uCPhc0
残念、お流れ

202:風と木の名無しさん
10/07/03 10:43:02 sKj7Poy/0
お流れ久しぶりな気がする
残念まわし

203:風と木の名無しさん
10/07/03 10:44:27 /jzdgi2zO
流れちゃったか。
まわし!

204:風と木の名無しさん
10/07/03 10:45:24 SROCQSxo0
>>197-199
>*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
遠慮しなかったんですね。ルール知らなかった?タイムスタンプ見てください。
199も我慢すればよかったのに。

>>200
>Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
>A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。頑張れ!
GJ言いたかった割に別館を知りながらけっきょく向こうでもGJしてない+
向こうのチラシで弁解もなにもない+投下しなかった
=絡みの誤爆と見せかけた*0踏みの可能性。
早々にまわした197~にムカついた?確かに>>197には自分もムカついたけれど。


ルール無視の上で取られた*9には踏み逃げ*0がお似合いという話。

205:風と木の名無しさん
10/07/03 11:26:58 leO+lzXv0
はい、廻します。

206:風と木の名無しさん
10/07/03 12:50:52 j1qwImwq0
お題自体に罪はないので
そのうち*0以外に投下あればいいね
まわし

207:風と木の名無しさん
10/07/03 14:19:15 4LsKQZnI0
まわし 梅雨だなあ

208:風と木の名無しさん
10/07/03 14:22:02 uOmSKPI6O
ささ、お踏みなさい

209:風と木の名無しさん
10/07/03 14:25:22 0dyUt4HrO
ペットボトルと缶

210:風と木の名無しさん
10/07/04 00:48:55 DaLkLmHmO
私はペットボトル。
何回もリサイクルされてるから場数は踏み慣れてるが、昨日飲み干された私は誤ってアルミ缶のゴミ箱に捨てられた。
『んだぁおめー。来るとこ間違ってんでねえのか』
『ここは…貴方は?……ぷっ。ああ、持ち運ぶにも不便な私の先駆者様方でしたか』
周り中に転がる缶の群れ、群れ、群れ……そこからが地獄の始まりだった。

「あああっ……嫌だ………もう嫌だぁ…止めてください………っ!!」
「だとよーおめーら。石油系は軟弱な上に綺麗好きでいけねーな」
「そうっすねえ大将」
「……あヒっ!」
リーダー格だろうその赤い缶の言葉に、上から下から、周りの缶が私にのし掛かってくる。
言葉通り軟弱な私の体はそれだけで押し潰されてしまう。
「ペットボトルさんよ。俺達ぁ容器だぜ?蓋なんか開けっぱなしでなんぼだろうが」
赤い缶が笑う。
「なーんも不自然じゃねぇ。おめーみてーに始終蓋着いてるのが正しいわけじゃあねーのよ」
……ダメだこの顔は……まただ、また来る……!
「うわあああああ!!!」
周りの缶は一斉に開きっ放しの飲み口から、かすかに残った夏場に異臭を放つ醜悪な液体を私の全身に注いだ。
昨日から新入りが来る度にこうして汚され

211:風と木の名無しさん
10/07/04 00:49:23 DaLkLmHmO
、透明だった体は今や何色だったのか判別出来ようもない。
「おっ新入り早速入ったみたいだぜー。じゃ、第二波いっきまーす」
「いっ、やっ、止めてくれえ!!休ませ…………っ」
「……誰がそんな口きいていいっつった?」
「ぐッ!」
その覇気に、最早潰れた体が更に萎縮する。
いや違う。事実更に押し潰されているのだ。何かしらの意図を持ってのことなのは明白。
「今ので気が変わった」
体が萎み、蓋が弛む。それは則ち、マズイ。マズイ所ではなくマズイ!!!
「次は、おめーの中にぶっ放すことにする」
―先駆者を侮ることは、ここまでに罪が重いのか?
必死に隣に設置されたペットボトル専用ゴミ箱を見ようとするが。アルミの壁を透かして外を見ること叶わず。
「た…たたたた助け………うあぁぁぁぼぐうぼぼごおおっ…かはアっ!」
「ほらほらどうした。オレらよりもよっぽど容量あんだろ?」
「ぐうう!」
私を飲み干した男児よ。
私が貴方に何をした。



ペットボトルが次のゴミ収集日に正しく分別されるまで、あと五日。


212:風と木の名無しさん
10/07/04 09:46:52 /8WbARSK0
受けたw

213:風と木の名無しさん
10/07/04 14:30:10 FmeKD1zB0
この発想は素晴らしいwww
久しぶりにここの底力をみた

214:風と木の名無しさん
10/07/04 19:47:33 sGw+euaH0
こういうのがたまにくるからここが好きなんだ

215:風と木の名無しさん
10/07/04 20:08:10 G5y6TLLZ0
何という災難w
あと5日頑張れwww

それはそうと、ペットボトルの中身を飲み干したという男児のことも気になるな

216:風と木の名無しさん
10/07/04 22:44:50 wByQ97kW0
GJw
なんというペットボトル総受けw

217:風と木の名無しさん
10/07/04 23:29:52 23BslDnd0
天才だ!100万回のGJを捧げる
おそらくは飲み干した男児も、飲み口をなめ回したり舌を入れたりこぼした汁でベタベタにしたりと
蹂躙の限りを尽くしているはず

218:風と木の名無しさん
10/07/05 00:16:49 6egZTCkO0
ショタ攻め…か ショタに踏まれるなら本望だ

219:風と木の名無しさん
10/07/05 00:17:22 coAvhlhHO
キスから始まるミステリー

220:風と木の名無しさん
10/07/05 09:41:38 w0vRvR2zO

「なあ高橋、起きろって」

週末に、俺の住む汚い6畳1間(風呂トイレ付き)で、同じゼミの友人はごろりと仰向けに転がっていた。
すやすやと、規則正しく吐き出される息は、随分と酒臭い。テレビは、今流行りの海外ドラマ6話目を流しいて、繋いだPS2が、DVDを回しながらウィンウィンと音を立てている。

「一人で観てもつまんねーよ」

観たいって言い出したのお前じゃん。
俺はアルコールでふらつきながら、四つん這いで高橋の顔を覗き込んだ。
わりと普通の、でもちょっとだけイケメンの高橋。茶色かった髪を就活で黒く染めたからか、前よりも子供っぽくなった。
そんな高橋をじーっと見つめていた俺は、なんとなく。本当に、なんとなく。
高橋に顔を近付けて、酒臭い唇に、自分の唇をくっつけた。
「………!!!」
瞬間、自分の行動に驚いて跳び上がる。
なにやってんの俺?
なにやってんだ俺!
心臓がやばいくらいドキドキいってって、体中が冷や汗だらけ。
高橋自身は、未だすやすや夢の中。

俺も高橋も男なのに。
なんでこんなこと。

なんでかなんて、小学生でも分かるはずの謎。
けれど、常識や世間体で凝り固まった俺の脳みそは、その謎を解明しないまま、酔った所為だと結論付けた。



221:風と木の名無しさん
10/07/06 00:30:44 MKByxjCq0
>>220
ミステリーは謎解きこそがキモなんだぜ!
なんとなく年季の入った文章だと思った。GJでした

222:風と木の名無しさん
10/07/06 01:35:37 Z21c6KkRO
二時間ドラマか、ラノベミステリーみたいなのを思ってたから、こういうアプローチもあるんだなぁと感心したよ。
GJ

223:風と木の名無しさん
10/07/06 15:14:24 As8OSQeU0
海外ドラマがミステリーなんか?

224:風と木の名無しさん
10/07/06 16:21:59 kL7Y2GSN0
お題に対して凄く王道だと思った いいねいいね!

225:風と木の名無しさん
10/07/06 22:20:08 KoVmCRmj0
まわし

226:風と木の名無しさん
10/07/07 00:59:36 7eB/vrZrO
まわし

227:風と木の名無しさん
10/07/07 01:05:29 FZH1lLQf0
まわし

228:風と木の名無しさん
10/07/07 01:16:27 JVJCr2pRO
踏みたいんだろ?

229:風と木の名無しさん
10/07/07 01:17:15 O2AQ1XKa0
華道家とフラワーアレンジメント講師

230:風と木の名無しさん
10/07/07 01:39:16 vkUDWbeSO
残念、お流れですね
まわします

231:風と木の名無しさん
10/07/07 01:44:43 vkUDWbeSO
いいお題だったのに残念><

232:風と木の名無しさん
10/07/07 01:47:03 vkUDWbeSO
まわしまーす

233:風と木の名無しさん
10/07/07 01:48:33 vkUDWbeSO
まわしまわし

234:風と木の名無しさん
10/07/07 01:50:33 vkUDWbeSO
まわし

235:風と木の名無しさん
10/07/07 01:56:19 vkUDWbeSO
まだ24時間たってませんよ!
荒らしやめてください!><

236:レス代行
10/07/07 01:58:48 SNpGn4/s0
>>230
えっ

ちょっとへこんだor2

237:風と木の名無しさん
10/07/07 02:00:03 vkUDWbeSO
書き込んじゃだめですよ!

238:レス代行
10/07/07 02:00:35 SNpGn4/s0
誰かが*0以外の方で書いてくれるといいな

239:風と木の名無しさん
10/07/07 02:04:00 vkUDWbeSO
茶道家と喫茶店のマスター

240:風と木の名無しさん
10/07/07 04:19:55 EaBVI5cy0
荒らしによる9取りにより無効

241:風と木の名無しさん
10/07/07 10:23:22 bU+tRzqYO
この場合この時間からのまわしも有効でしょうか

242:風と木の名無しさん
10/07/07 11:41:53 Zw0EDxnC0
そっとまわしてみよう

243:風と木の名無しさん
10/07/07 18:33:44 NnczBQJL0
ゆっくりまわしてみるね

244:風と木の名無しさん
10/07/07 19:06:30 aqDCsTfJ0
まわし

245:風と木の名無しさん
10/07/07 19:51:01 Hod3n+7QO
まわし

246:風と木の名無しさん
10/07/07 20:14:03 ljmbTEOi0
まわしてまわされーてまわしてまわされーて

247:風と木の名無しさん
10/07/07 21:12:41 W0UcAGba0
まわし

248:風と木の名無しさん
10/07/07 21:47:47 wG6MZMcVO
はい、どうぞ

249:風と木の名無しさん
10/07/07 21:49:20 l0zDYRr+O
図書委員

250:風と木の名無しさん
10/07/08 00:23:30 JKh0OkbGO
「あれ?高橋ー!部活行かねーの?」
「いや、今日委員会あるから行けない。」
「委員会?お前委員会なんか入ってたの?」
「うん。図書委員。」
「は?」
「だから、図書委員。」
「…似合わねー!」
「うっせーよ。似合うも似合わねーもねーよ。」
「ってか図書委員て何すんの?」
「本棚整理とか貸し出しするやつの判子押したりとか?」
「それひとりですんの?」
「いや、他のクラスの図書委員と二人で。多分今日2組のやつと。」
「2組って俺のクラスじゃん。誰だ図書委員?」
「誰だっけ…伊藤って人?」
「…あー、あの文学少年!って感じの!俺図書委員てああいう子がやるもんだと思ってたわ。」
「偏見だろそれは。」
「でもどうせお前は『部活ダルいし図書委員ぐらいなら楽に部活サボれる口実になるなー。』
 ぐらいの理由だろ!悪いやつだなー!こんなやつと二人なんて伊藤くんがカワイソウ!」
「…。」
「ん?図星かね?君。」
「……お前が今のまんまの理由で図書委員やろっかなとか言ったから…。」
「ん?なんて?声ちっちゃいもう一回。」
「もういいよ。はよ部活行け。」
「へいへい!僕は真面目に部活に行ってきますからね!」

「……記憶力わりー…。本読んで脳鍛えろ。」




251:風と木の名無しさん
10/07/08 01:05:19 RqDAQmLCO
高橋切ない…(´;ω;`)
萌えました、GJ!

252:風と木の名無しさん
10/07/08 01:31:01 FBe/9KhEO
うおぉー!萌える!
高橋の健気さが切ないGJ!

こうしてアホが部活に励んでる間に、意外に気が合った高橋と伊藤が仲良くなって、アホが自分の気持ちに気付いた頃には時既に遅し…まで妄想した。


253:風と木の名無しさん
10/07/08 03:41:57 qORbSeso0
高橋クン、切ないけどなんか可愛い
自分もそう遠くない将来の三角関係を想像してニラニラしました
GJ!

254:風と木の名無しさん
10/07/08 10:20:07 umxVWRCG0
アホの子はアホの子で、自分が言ったことなどすっかり忘れて
一緒に部活に行ってくれない高橋に拗ねちゃってるわけだなw
なんの罪もない同じクラスの伊藤君にツンツンしちゃえよ、もう
GJ!

255:風と木の名無しさん
10/07/08 17:53:00 fRDN+CMk0
おもしろかった、GJ!
アホな子→高橋くん×伊藤くん、になればいいなぁと思う

256:風と木の名無しさん
10/07/08 23:36:28 8X2V9rYSO
うはぁあ、甘酸っぱい!the青春だ!
高橋くんの淡い恋心かわいいな
報われると良いなぁ
GJです!

257:風と木の名無しさん
10/07/09 03:53:22 lqBLEBElO
甘酸っぱいかんじがすごくいい!GJ!

258:風と木の名無しさん
10/07/09 03:55:43 ETF6f0Jk0
いいなあ!甘酸っぱい!
さあ!踏むがいい!

259:風と木の名無しさん
10/07/09 04:13:25 qSxWv/IF0
許させて

260:風と木の名無しさん
10/07/10 01:42:37 xTE5sVM/0
毎週末、お前は死んだ恋人の墓に行く
その手の中は花束だったり、恋人の好きだった煙草だったり、お菓子だったり。
そうして、朝早くから日が暮れるまで、何をするでもなくぼんやりと墓の前で紫煙を燻らせる。
そろそろ、一年が過ぎる。
彼の死因はなんだったっけ。
そうそう、お前と喧嘩して、マンションから飛び出して、信号無視の車にはねられたんだっけ。
しかも喧嘩の理由ってアレだよな。恋人の誕生日忘れてたって男の癖に女々しい理由。
ほんと、お前も恋人も馬鹿だ。どうしようもない死に方だよなあ。
朝から晩まで、墓の前でめそめそして、何度も何度も同じことを謝って。
なあ、お前の事、ずっと見てる奴がいるんだけど。
恋人が死んでから、ずっと傍でお前の事支えてた奴がいるだろ?
もうさ、そろそろ死んだ恋人の事は忘れてみないか?
後ろばっかりみるのはやめて、隣とか見てみない?
死んだ恋人と違って、料理も上手だし気もきくしさ、超オススメ物件なんですけど。

ほら、もう日が暮れる。さっさと帰れよ。
「じゃあ、また来週来るから」
もう来なくていいんだってば。
「………ごめんな」
だからさ、別にもう怒ってないんだって。
お前もすげー苦しかったんだろ?
だから、もういいんだって。
可愛い女の子と結婚して、子供を作って幸せな家庭つくれって。
「ごめん…」
頼むよ、もういい加減、お前の中の俺にお前の事許させろよ。

261:風と木の名無しさん
10/07/10 02:30:44 3XIdvM1UO
深夜になんてもの読ませてくれるんだ
ちくしょう…目から汁出てきたぞ
力の限りGJ!!!

262:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 05:52:44 cgxDHX0LO
最初の方は語り手を勘違いさせる構成も上手い GJ

263:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 01:31:09 gUcsa5Ib0
最初「え?」ってなって最後に切なくなったGJ!
上手い書き方だとおもった!!


264:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 01:31:10 /ylhxfPb0
260も*0以外41も42もみんなみんなGJ!
許させてって不思議なニュアンスがあるけど、すごく妄想がひろがるな…

265:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 01:45:04 AEYzTUq00
語り手を理解した瞬間切なくなったよ…すごく良かった
余韻に浸りつつGJ

266:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 10:57:23 BDU225nDO
切な萌えたGJ
そろそろ回します

267:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 11:07:49 XMeDPgSuO
お題も上手いし処理も上手い
切な萌えたGJ

268:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 11:27:37 VEQMd/810
さあ、投票に行こう

269:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 11:52:23 lrJGW0dxO
甘やかしてくれる人

270:1/2
10/07/11 12:32:37 GxcKd16FO
「あああ…!また喧嘩してきたのかい」
「…………俺はケガしてねえっすよ」
「そんなこと言って、手が酷いことになってるじゃないか!ジャケットもこんなに血まみれで…」
「安堂サン、サツに追われてんだ。中、入れてくんないっすか」
「……治療は受けてくれるんだよね?」
「……どうぞ」
許可するとこの人は、どう見ても年相応に肥えた丸顔のメガネのおっさんの癖に、教会で見たマリア様のような顔を浮かべた。
この人は俺が何をしても、俺の身を案じるだけでそれを咎めることが無い。
教会の神父やシスターどもとはえらい違いだ。
「大助ももう二十歳になるんだから、あまり無茶なことはしないでおくれ」
「夜は昂ってしょうがねえんだよ」
「……教会の人達と、折り合い悪いのかい?」
「そりゃもう餓鬼でもねーのにいつまでも居座ってっからな。タダ飯食えるから居るけど、夜中は居られねえよ」
「ならさ、やっぱり……私が君を……」
安堂サンは俺の血の繋がらない叔父にあたる。
「……安堂サン、俺ァヒロ叔父の代わりはごめんだって何度も言ったよな」
「……!そう、だよね」
何回同じ問答を繰り返しただろう。

271:2/2
10/07/11 12:33:08 GxcKd16FO
親父とヒロ叔父が死んでから、引き取る引き取らないの話はいつまでも続いた。
「いや、別に代わりとかじゃ無いんだ」
親父とヒロ叔父は双子だった。
つまり俺とこの人の旦那は似ているから、この人は俺を見過ごせない。
年を経るごとに、似てくるごとに、何をやっても甘やかす。
「話は変わるけど、そんなだからいい加減教会から放れてえンだよ。でも俺金もねーから」
「ああ、なら私が用意してあげるよ」
「……ここは嫌だぜ」
「分かっているよ。一月十万有れば足りるかな?いい部屋探して、決まったらまた連絡しなさい。もう警察もまいただろう」
親切に着せての束縛が滑稽だ。
「これ、心ばかりだけど」
「……いらねっすよ」
「気にしなくていいんだよ。私だって仮にも医者だからこのくらい」
そう言って握らされた三万、いつまで俺のマリア様は見返りを求める慈愛を降り注ぐんだろうか。

俺は家を出ながら、聴こえるように「いい加減枯れろ」と呟いた。

272:風と木の名無しさん
10/07/12 01:37:25 PfCDVVSIO
こう来たか

273:風と木の名無しさん
10/07/12 05:09:13 RxPKLZTiO
べったべたを想像してたら良い意味で裏切られた。
真意の場所は何処にって感じで上手いなぁ

274:風と木の名無しさん
10/07/12 10:25:09 kBHkO48KO
予想してたのと違ったけどこれはこれで面白い
父親と叔父がなんで死んだのか気になる

275:風と木の名無しさん
10/07/13 16:42:20 bWQVayZq0
そろそろまわします

276:風と木の名無しさん
10/07/13 16:45:13 LkvQH9my0
はいまわし

277:風と木の名無しさん
10/07/13 17:45:56 T09h3xMaO
まわーし

278:風と木の名無しさん
10/07/13 19:10:40 hII85orEO
そんなに踏んだら恥ずかしいよぉ…///

279:風と木の名無しさん
10/07/13 19:20:40 gN9Hfh2h0
だから僕はまた歌う

280:風と木の名無しさん
10/07/13 19:21:01 sBewsSSG0
「わかっている!みなまで言うな!」←わかってない

281:1/2
10/07/13 23:13:47 sBewsSSG0
僕は歌が好きだった。
だから僕は、僕の歌が好きな僕の為に、歌を歌っていた。
僕は一人ぼっちだったけれど、歌っていれば寂しくはなかった。

ある日、僕のところに男の人が一人やって来た。立派な服を着た、都の人だった。
「歌っていたのはそなたか」
僕が驚いて歌を止め口をつぐんでいると、都の人がそう問うてきた。
頷くと、都の人は僕の傍に腰を下ろして「続けてくれないか」と言う。
僕は嬉しくなって、いつもより張り切って歌った。
歌い終わった後、都の人は「見事なものだ」と言って、優しい笑みを浮かべた。
「そなた、歌が好きか」
問われて僕は直ぐに頷いた。するとその人は何かを考えるように少しの間目を閉じて
「そうだな。好きでなければ歌わぬな。当たり前のことだ」
と、独り言のように言った。
「好きで歌っているものを誰が止められよう」
大きく頷き、その人は僕を撫でて「また来る」と言い置いて、帰っていった。

その日から、僕は、僕の歌が好きな僕とその人の為に、歌を歌うようになった。
僕の歌を褒め、僕の歌を聞くために足を運んでくる人など初めてで、僕は嬉しかった。

僕とあの人の為に歌うようになってからいくらか経った頃、また都から人がやって来た。
けれどその人は僕の歌を褒めてくれる人ではなくて、あの人より少し若くて、少し怖い顔をした別の人だった。
「先ほど辺りにこだましていた歌は、お前が歌っていたのか」
歌を止めて口をつぐんでいると、怖い顔のその人が僕に問うた。
僕は少しだけ迷って、恐る恐る頷く。
「そうか」
その人はますます顔をしかめた。そのまま俯いて、地面を睨む。
「道理で兄上が気に入られるわけだ。これでは……」
小さく呟いてから、その人は顔をあげた。

282:2/2
10/07/13 23:15:47 sBewsSSG0
「お前はなぜ歌うのだ」
問いの意味が分からず、僕は瞬きをしてその人を見返した。
「他者を遠ざける為か、それとも引き寄せる為か。歌を以てなんとする」
更に強く重ねられる言葉に、僕は首を傾げる。

その人は黙ったまま僕を睨んでいたが、僕が答えられないでいると、ふいに大きく息を吐き出した。
「ああ、分かっている。本当は分かっているのだ。お前が、ただ歌っているだけだということは」
さっきこの耳で聞いて良く分かったと、その人は言った。
「都でお前が何と噂されているか、知っているか」
僕は首を振る。
「妖しの桜だ。あやかしの、人食い桜。人を惑わし、あちら側へ連れてゆくと」
言葉の意味がよくわからないまま、僕はその人を見つめる。
「お前にそんな意思など欠片もないのだろうな。悪しきものではない。兄上も主上にそう申し上げていた。
 しかしもう、宮中はそれでは収まらぬのだ。他ならぬ、兄上が亡くなってしまわれた」
言いながら、なぜかその人はひどく悲しそうな顔をした。
「私はお前のことを、歌のことも、都に報せなければならぬ。……許せ」

その人が帰ってから、しばらく僕はその人の言葉を何度も思い返したけれど、やっぱりよくわからなかった。
結局僕は考えることを諦めて、いつものように枝に腰掛けて、大きく息を吸い込んだ。

―お前はなぜ歌う。

僕は、僕の歌が好きな僕とあの人の為に、歌を歌っている。
だから僕はまた歌おう。この場所で歌っていよう。
僕は一人ぼっちだけれど、歌っていれば寂しくないし、偶にあの人がやって来てくれれば、それで幸せだ。

283:風と木の名無しさん
10/07/13 23:31:49 LkvQH9my0
>>281-282
GJ!すごい素敵だ!サイト持ってるなら教えてほしいくらい好みです。

284:風と木の名無しさん
10/07/14 00:46:47 FPh30aiL0
あえて書かない構成がにくいなあ、妄想し始めたら止まらないw
他の人とじっくり語り合いたいくらいどうしようもなく萌えたよ
重複でとっちゃっただけなのに素晴らしい萌えをありがとう!GJ!

285:風と木の名無しさん
10/07/14 01:06:47 xPaLxkqO0
GJ!
良いものを読ませてもらった、ありがとう

286:風と木の名無しさん
10/07/14 01:28:48 ZAnHtzGiO
人を惑わす者って萌えるなー
最近セイレーンの男版はないものかと探してたから、なおさら萌えた

287:風と木の名無しさん
10/07/14 19:46:28 Bdk7IILcO
>>281-282
GJ!!柔らかい雰囲気で素敵でした。

288:風と木の名無しさん
10/07/14 20:27:26 fWA9rwyXO
踏むなよ?踏むなよ?絶対に踏むなよ?

289:風と木の名無しさん
10/07/14 20:29:22 QwJ4XhmhO
敗者復活戦

290:1/3
10/07/15 02:06:42 RfXTkccPO

「先輩の乗ってるの、あれかな」
「方向違ぇだろ」

俺と片野は空港のベンチに呆けたように座りながら、飛んでいく飛行機を眺めた。

何だか気が抜けてしまった。
俺と片野、そして先輩。
1年越しの三角関係が、ついさっき終わった。

サークルに入ってからこっち、俺たちの不毛な争いは絶えることがなかった。
片野が先輩を食事に誘えば、俺が割り込んで無理矢理3人メシにした。
俺が先輩にテスト勉強の手伝いを頼めば、呼んでもないのに片野がノートを持ってきた。
先輩はといえば、そんな俺たちの争いなどつゆ知らず、「卒業してもこのまま3人でつるめたらいいね」なんて、嬉しいような歯痒いようなことをよく口にしていた。
先輩をめぐる、俺と片野のくだらなくも充実した日々。
それは、振り返れば意外と尊いものだったようにも思う。


「同じ学年に好きな人がいるんだ。……男性だから、君たちはびっくりすると思うけど」

その時、俺と片野は面白いほど同じ表情をしたことだろう。
それから、先輩の想い人が恋人になるまでそう時間はかからなかった。
さらには、卒業と同時に一緒に暮らすという話を聞いた時も、俺たちは驚く暇すら与えられなかった。
普段はとろくさい先輩なのに、こういう時だけは妙にてきぱきとして、あれよあれよと言う間に想い人の故郷に飛んで行ってしまったのだった。
……こんな結末、あるかよ。

291:2/3
10/07/15 02:11:02 RfXTkccPO
「あいつさ、ちゃんと先輩のこと幸せにできんのかね」

わざと意地悪く聞こえるように、俺は言った。
女々しいのはとうに承知だった。どうせ片野しかいないんだ、少しぐらいカッコ悪いところ見せたって、今更気にもならなかった。

「だってあいつさ」
「ん」
「先輩の好みの飯とか服とか、なんも知んねーだろ。先輩のクセだって、俺たちのがずっと知ってんぜ。あーあ、あんなにわか野郎」
「あぁ」

片野は機嫌が悪いのか、軽蔑からなのか、短い返事しか返さなかった。俺は焦って付け加えた。

「……ごめん、ごめん、分かってんだよほんとは。幸せにできない筈ねーの、先輩が選んだ人なんだから。だからだよ、余計悔しいの、ちくしょう」
「あぁ」
「あーあ、きっとすげぇ幸せに暮らすんだよ。毎日あのほやほやした笑顔でさ、あーあ、あーあ。先輩のばかやろう」
「あぁ」
「? あのさ、お前……」

生返事だと思ったら、片野はまだ空を見ていた。飛行機は、既に見えない。
ズッと、鼻をすする音だけが聞こえた。俺はこの時になって初めて、この好敵手に情けをかける気になった。

「……いいよ」
「なにが」
「見んでやるから、泣けば?」
「泣いてないよ……」
「だから、泣けば?お前のことどんだけ見てたと思ってんの。たった一人の恋敵ですよ?」
「……」

再び、ズッと鼻をすする音が聞こえた。
それから肩にずしりと重みがかかり、遅れて温かいものがシャツ越しに伝わった。
予想外の反応に思わずたじろいだが、片野のことを考えると茶化す気にはなれなかった。
片野を刺激しないように、呼吸にすら気をつかいながら、俺は片野の震える背中に手を添えた。

292:3/3
10/07/15 02:16:07 RfXTkccPO
「……カッコ悪いと思っただろ」

俺の肩に顔を埋めたままで、片野が呟いた。
ばか、今更気にすることかよ。

「お前な、こういう時は」
「……けど、先輩が行った後で女々しく愚痴るほど落ちぶれてはいない」
「は?」
「俺はまだお前に負けてない。最後の最後まで、負けてないんだからな……」

なんだそれは。呆れたというべきか、見上げたというべきか。
この期に及んで、こいつはまだ俺と争おうとしているらしい。
しかも、泣いただの愚痴っただのの超低次元な争いで。

「……お前さぁ」
「なんだよ」
「フラれた時点でどっちも負けだろ。敗者同士、負け犬同士なの俺ら。いい加減認めろよ」
「……」
「……」
「…………やだよ~……」

やだよーってお前。だだっ子か。
しかし、俺の肩に額を擦りつけ柄にもなく弱みを見せている片野は、何故だか妙に俺の心をくすぐったのだった。

「……なぁ負け犬」
「うるさいしね」
「敗者復活戦ってどう思う?」
「は?」


飛行機がまたひとつ飛び立った。
次の飛行機が飛んだら片野を飲みに誘ってやろうと、俺は決めた。

293:風と木の名無しさん
10/07/15 07:45:06 TNRTN6eY0
甘酸っぺえええええええ GJ!

294:風と木の名無しさん
10/07/15 14:01:03 3/KunXX7O
切ないけど希望があって暖かい気持ちになれた
恋敵だからこそお互いをよく分かってるっていいな、GJ!

295:風と木の名無しさん
10/07/15 14:30:06 g3/vniDx0
何度か飲みに行く仲になるけど毎回「お前が誘うから仕方なく付き合ってやる」って感じの片野、
でも「俺」のことを好きだという第三者が現れた時にもやもやとした気持ちを感じて…まで妄想した
GJ!

296:風と木の名無しさん
10/07/15 19:14:22 0hMllH7v0
大作GJGJ

297:風と木の名無しさん
10/07/16 06:02:53 SsQmmJ860
まわします

298:風と木の名無しさん
10/07/16 08:54:47 iyvzU35MO
いってみよう

299:風と木の名無しさん
10/07/16 08:58:18 2QLx2339O
見てないようで見てる

300:1/2
10/07/16 13:11:26 1TCwHcUK0
「なんだ、もう寝ちまったのか?」
今夜はオールで飲もうって約束してアパートに呼んだのに、同僚の遠野はすっかり夢の中だ。
いつの間に運んだのか、ベッドの上に置いてあったクッションを敷いて寝息を立てている。
俺は半分ほど中身の残ったビールの缶をテーブルに置いた。
テーブルの上には空き缶や食い散らかされたつまみの残骸が散乱している。
あいつコロッケは絶対付けろって言うから、わざわざ買ってきてやったのに…言ったからには全部食えよな
そう思いながら食い残しのコロッケを手づかみで口に運ぼうとするとした。
だがその手を、下から伸びてきた手が制止した。
「…食うな、俺の」
「遠野、起きたのか?」
「寝てない…ずっとみてた…」
そう言いながらも声は寝起き特有の擦れた声だ。
「嘘つけ」
そう言いながら俺は、あいている方の手で平野の額を軽く小突いた。
「お前最近仕事中も寝むそうだよな、ちゃんと寝てんのか?いい加減にしないと注意受けるぞ」
「ん…深夜ドラマ…見てる。でも…仕事中は寝てない。起きてる…」
「あのなー!俺がどれだけフォローしてやってるか知らねえだろ…この間だって…」

301:2/2
10/07/16 13:12:16 1TCwHcUK0
「会議の時…俺がさされそうになったから、割り込んで発表してくれた…よな」
「え?」
気付いてたのか?俺には完ぺき爆睡していたように見えたが
「…デスクでうとうとしていた時にも、部長の席から見えないように隠してくれたし…」
「そこまで知ってんのかよ」
遠野の指摘に俺は少し照れた。全然気付かれていないと思っていたのに、何処まで見てるんだよ
月並みだけど背中に第3の目でもついてんのか?
「全部知ってる…お前が、いつも…俺のことばっかり見てる…から」
「なっ…!」
恐らくは眠気ゆえの無意識なのだろう、目を半開きにしてぼそぼそ話していた奴は急に俺がつかんでいた
コロッケの欠片を俺の指ごとくわえた。
ねっとりとした温かい感触に俺はビクリと身を震わせる。
だが当然というか、奴はコロッケを食っただけで満足してしまったらしい
「…うまい」
そう呟くと、目を閉じて再び夢の世界に行ってしまった。

後に残されたのは言いようもない気持ちで座り込む俺とテーブルの上の残骸
「…どうすりゃいいんだよ…」
ため息とともに呟いても、答えてくれる相手にはもう届かない
明日になったらどんな顔をして会えばいいんだろう?
それとも明日になったらコイツは夢うつつの間のことなんてすっかり忘れているだろうか?
そんなことを悶々と考えながら、俺は眠れない夜を過ごしたのだった。

302:風と木の名無しさん
10/07/16 14:15:43 q9o3UJOMO
おおおいいね!
お題にきれいにはまっててツボだ!
この二人には早くくっついてほしいなwGJ!

303:300-301
10/07/16 16:13:51 pNdP4kWfO
ごめんなさい
一カ所遠野が平野になっていますが、同一人物です

304:風と木の名無しさん
10/07/18 00:29:18 HBH1Q9010
>>303
き、気づかなかった…!
深夜のふんいき(ry があまりにも良くてなぁ
GJ!

305:風と木の名無しさん
10/07/18 00:43:42 GQIjlJwJ0
まわし~

306:風と木の名無しさん
10/07/18 00:44:14 qzQSpjBD0
まわし

307:風と木の名無しさん
10/07/18 08:33:10 hVmtgactO
まわし

308:風と木の名無しさん
10/07/18 09:08:25 WCsO8PO7O
ゆっくり踏んでいってね!

309:風と木の名無しさん
10/07/18 09:19:56 wcgkAoUuO
あいつなんかより俺を選べよ

310:1/2
10/07/19 05:18:43 dl5jcGlY0
体育くらいしか取り得の無い俺でもこの時期は辛い。
昼飯前の空腹と蒸し暑さで頭がフラつく。
だけど俺の顔色が冴えないのはそのせいばかりでもない。

「二人組みで柔軟してそのままパスの練習」
いつも通りの教師の言葉で俺の視線は勇樹を探すが、彼の視線は他の所に向いている。
「佐々木、組もうぜ」
クラスでも目立たない、口数も少ない佐々木がどこか居心地悪そうに頷いている。

勇樹は子供の頃から正義感が強くて人が良い。
一人で孤立している奴がいると放っておけないくらいに。

そろそろ授業が終わる頃、
運動音痴の佐々木がボールを取り損ねて派手に転んでいた。
俺は心の中でざまあみろと呟いた。

吐き気がする。
そんな自分にも、誰にでも優しい勇樹にも、ボールを取り損ねた佐々木にも。

311:2/2
10/07/19 05:19:16 dl5jcGlY0
「お前、熱あんじゃね?」
わざわざご丁寧に佐々木を保健室まで連れて行き、
昼飯を買いそびれたお人好しが俺の残した弁当を頬張りながら覗き込む。

「へーき」
そう答えた声はかすれていた。

そうか俺は体調が悪いのか。
弁当を半分残したのも、佐々木に意地悪な気持ちになるのも
勇樹にイライラしてるのも全部体調が悪いからなのか。

「またエアコン付けっぱなしで寝てたんだろ」
「うるせー」
「ま、お前は健康だけが取り得だもんな」
「それより帰りにどっか行かね?」
「うーん、どうしようかな」
「何か予定あんの?」
「いや、佐々木が足挫いただろ?悪そうなら送ってやんなきゃと思ってさ」
「何でお前が?」
「だって怪我させたの俺だしさ、ちょっと心配じゃん?」
「勝手に転んだんだろ?ガキじゃねーんだから放っておけよ」
「まあ、そう言うなよクラスメイトじゃん」

俺だって具合悪いんだけど。
その言葉を飲み込んで机に顔を伏せた。

気付いて欲しい。心配して欲しい。一緒に帰りたい。

今日くらい、あいつなんかより俺を選べよ。

312:風と木の名無しさん
10/07/19 11:43:00 UAXFb8qD0
萌えタァァ!!!
勇樹は安心しきってるんだろうね
主人公報われてほしいけど、今の関係性萌えす

313:風と木の名無しさん
10/07/20 16:35:29 cXAStyCO0
勇樹は天然なのか、ひどい奴め
主人公報われねー
もういいから爆発しちゃえw

314:風と木の名無しさん
10/07/21 13:03:42 gdHz6Km70
まわそうか

315:風と木の名無しさん
10/07/21 14:42:27 woIQZV/2O
「あいつなんかより俺を…」は選ばれないフラグだが
「俺なんかよりあいつを…」はまあ脈ありフラグだよねまわし

316:風と木の名無しさん
10/07/21 14:58:17 j07nYbBRO
>>315
おお確かにw
その後どうなるのか気になるなあ
GJです!

317:風と木の名無しさん
10/07/21 17:51:36 Lc44BUU70
萌えた。最後の一文の「今日くらい」がすごい効いた。
ハッピーエンド好きとしては主人公に幸せになってもらいたい。

318:風と木の名無しさん
10/07/21 18:27:08 aK7Ok8+T0
踏みたまえよ

319:風と木の名無しさん
10/07/21 18:27:33 ck7xd3QVO
親友を好きなAとAを好きな親友の彼女

320:1/2
10/07/22 16:25:45 VheNDFs40
俺達三人は良く似ている。
我侭で自己中で思った事はすぐ口にする。
モラルや常識より自分の気持ちを優先する、傍からみたらどうしようも無い連中だろう。

「だからユウヤが消えればいいんだろ?俺とミサキは恋人同士なんだから」
いつもの居酒屋、6杯目のビールを飲み干したシュウヘイが据わった目で俺を睨む。
俺が好きなのはシュウヘイ、シュウヘイが好きなのはミサキ、
シュウヘイの彼女であるミサキが好きなのは俺。

「だからさ、シュウヘイも一回ガッツリ男と寝てみたら気持ち変わるって」
「それならユウヤだって女と寝てみたら変わるかもよ?」
「お前は黙ってろようるせーな俺はシュウヘイと話してるの」
「いやいやいや浮気は駄目だろ俺達付き合ってるんだから」
「じゃあ私シュウヘイと別れる」
「そうだよ別れなよ。そしたら俺もシュウヘイも、もうミサキと会う事も無いし」
「いやだ俺は絶対別れない!」
「何でそうなるの?シュウヘイと別れても私とユウヤには関係無いじゃん」
「いや俺はお前と友達でもなんでも無いし」

俺とシュウヘイは高校時代から7年の付き合い。
去年、シュウヘイから彼女が出来たとミサキを紹介されて、
その半年後、馬鹿女のミサキが「私シュウヘイよりユウヤが好き」と爆弾発言をしてから
俺達は毎週こんなやりとりをしていた。

321:2/2
10/07/22 16:27:24 VheNDFs40
「私もう帰る!」
相手にされないミサキがキレて店を飛び出した。
送るよと後を追いかけようとしたシュウヘイを振り切って。
よし、ここからが俺の出番だ。
ミサキに袖にされてふてくされてるシュウヘイに誘いをかける。

「なあ、今日一緒に寝ようぜ」
「なに言ってんだようぜぇなぁ」
「溜まってるんだろ?抜いてやるからウチに来いよ」
「しつけーよ今日は朝まで飲もうぜ」
「あっそ、じゃあいいよ俺ミサキとできちゃうから」
「なっ!お前……俺達親友だろ?」
「だからぁ、俺が教えてやるって言ってるの」
「なんだよそれ」
「ミサキ言ってたぞお前セックス下手だし早いって」
「そんなのお前に関係ねーだろうが愛があればいいだろ!つーか下手じゃねーし、うるせふぎゃあ」
「泣くなよ」
「泣いてねーよっ!!!」

男のツボは男の方が良く知ってる。
俺のテクニックを100%味わえば俺から離れられなくさせる自信もある。

そして二時間後、俺とシュウヘイはベッドの中にいた。
もちろん裸で抱き合っている。
唯一の誤算は、シュウヘイがテクニックを100%味わう事も無く勝手に果てて勝手に眠ってしまった事だろう。
男は出せば冷める。
目を覚ませばシュウヘイはさっさと服を着てミサキに会いに行くだろう。
それとも俺達がこうして寝ているのに気付いたミサキが怒鳴り込んでくるのが先か。

朝が来るまでもう少し、背を向けて寝ているシュウヘイに寄り添って恋人の気分に浸ろうと
俺は彼の背中にしがみついて泣いた。

322:風と木の名無しさん
10/07/22 17:00:02 yQmK21ud0
どうしようもないなこいつらw
でもどうしようもない関係の話って好きなんだーGJ
シュウヘイやミサキ視点も読んでみたい


323:風と木の名無しさん
10/07/22 17:27:12 UJc4lRS60
そうだね、どうしようもないねw
でもそこが良い
シュウヘイやミサキ視点いいねえ

324:風と木の名無しさん
10/07/22 17:37:51 9td4ebdl0
いいなあ
こういうどうしようもない関係好きだなあ
GJ!!

325:風と木の名無しさん
10/07/22 18:09:36 3fpXVYdV0
ユウヤ視点じゃないと許せない話のような気もするが、とりあえずびっちじゃないミサキの言い訳を聞こうかw
いろいろ想像の余地のあるGJな萌えでした。

326:風と木の名無しさん
10/07/23 00:10:04 SZfB6q2QO
最後の一行で不意をつかれた。
全体的にヨゴレなのに、結末でほんの一瞬ちらつく純情がずるい。
萌えましたGJ

327:風と木の名無しさん
10/07/23 23:02:20 N+/HfKtS0
>>326
感想うまいな!
全く、その結末の妙だと思う。>>320GJでした。
ついでに326GJ

328:風と木の名無しさん
10/07/23 23:23:14 SSl8t5Tc0
踏んでイイデスヨ

329:風と木の名無しさん
10/07/23 23:23:46 lfZfQxN4O
噂の二人

330:1/2
10/07/24 00:34:05 +X5iOf/2O
あいつらは犬猿の仲だ。
そう囁かれる二人のことを、田中はよく知っていた。
 この小中一貫校で、彼らのことを知らないクラスメイトはいない。
 尤も、九年の間、クラス編成は行われないのだから、知らない者が
居るわけがないのだが。
だが、幼稚園から二人と一緒の田中は、彼らを他の連中よりも、はるかに熟知していた。
 幼馴染と呼ばれる間柄で、家族ぐるみの付き合いもないわけではない。
だから、他のクラスメイトなんかと一緒にされては困る。
田中は誰よりも二人のことをよく知っている。
山田は派手な外見のお調子者で、いつでも馬鹿騒ぎをしている。
だがしかしクラスメイトの人望も厚く、その騒々しさによってクラスが良好な雰囲気に
保たれていることもまた事実であった。
そして佐藤。彼は頭はいいが、少し面白みがない。
頭が固く、少しのルールも、改竄することは許さなかった。それは掃除だろうが日直だろうが同じだ。
こうと決まったルールは、決して崩すことなくその任務を全うした。
その所為かクラスに溶け込めてないとでも言うのだろうか、とにかく佐藤は、
少々浮いた存在だった。そんな事情から、対極に立つ二人が、仲良くお手々繋いでお友達になれるわけなど、なかった。
佐藤は山田が嫌いだ。山田もまた然り。この関係は、わざわざ説明するまでもなだろう。
だが、根底ではこの二人はよく似ていると、田中は知っている。
まず、交互に田中の家にやってくる。
互いのスケジュールを綿密に調べ、その結果、相手が田中の家に来ないと知るとやってくる。
が、その偵察も失敗することがあるらしく、そんな日は観念したように二人そっぽを向いて
田中の自室に居座った。今日は「失敗」したらしい。

331:2/2
10/07/24 00:37:29 +X5iOf/2O
「おい、仲良くしろよ。週の初めから気分悪ぃ」田中はコンビニで買った週刊誌を読みながら、言った。
二人は互いの視線を合わせることなく、田中の自室に座り込んでいた。
「おいってば。仲良くしろって」
『だってこいつが……!』二人揃って同じ言葉を発する。と同時に、互いに口をつぐみ、
プイと視線を逸らす。
まったくよく似ているものだと思う。田中はにやりと笑うと、二人に背を向けた。
この二人はよく似ている。
何故この家に来るのか、田中はよく知っていた。
小さな頃から”犬猿の仲”とレッテルを貼られてしまった対極に立つ二人。
互いにプライド高く、周囲が持ったイメージを完璧に演じなければ気がすまない、
素直ではない二人。
山田が派手顔に似合わず本当は人見知りなのも、佐藤にも本当は自堕落な部分が
多々あることも、幼稚園から二人と一緒の田中はよく知っていた。
そして、人の要望に忠実に応えるその律儀な性格も。
頭のいい佐藤は、先生たちの期待に応える生徒を。
クラスメイトのまとめ役は山田が。
案外この二人の存在で、クラスは上手い具合にいっているのだ。
「ちょっと俺、彼女のところに行ってくるわ」
『なんで!?』
二人の質問には答えることなく、田中は財布と自転車の鍵を持つと部屋を出た。
「別に。いってきま~す」にやりと笑って扉を閉じた。
あいつらは犬猿の仲だ。
そう囁かれる二人のことを、田中はよく知っていた。
だが、二人が同じ時間を共有する小さな可能性を求めて、
わざわざ毎日田中の家にやってくることもまた、よく知っていたのだった。

332:風と木の名無しさん
10/07/24 02:34:31 G2tB8ru4O
最後そう来たか!
田中目線萌えるな…!
すごい好みだ、全力でGJです!!

333:風と木の名無しさん
10/07/24 20:28:01 HUj6yCBR0
田中になりたい GJ

334:風と木の名無しさん
10/07/25 04:03:50 16wQ+5LN0
田中いいやつだなーGJ!

335:風と木の名無しさん
10/07/25 11:41:50 lVhlrFVN0
うまい!
田中目線いいね。GJ!

336:風と木の名無しさん
10/07/25 21:54:19 WQCTLzqk0
おもしろいなー田中はどういう思いで二人を見てるんだろう

337:風と木の名無しさん
10/07/25 22:27:23 oxqNhA/yO
まわしー

338:風と木の名無しさん
10/07/25 22:40:46 J5eJszgAO
ちょっとそこの君、せっかくだから踏んでいきなよ

339:風と木の名無しさん
10/07/25 22:46:48 iKlB/CoS0
病的に偏執的

340:風と木の名無しさん
10/07/25 22:47:01 Sja2ZBEiO
コンビネーション

341:風と木の名無しさん
10/07/26 22:50:01 qv74c7GU0
『何時に終わりますか 一緒に飯食いませんか』
携帯の画面に並ぶシンプルな文字、送信ボタンを押せば届いてしまう。
送っていいのか。この時間は駄目かも知れない。見ないだろうか。返事するのは手間だろうに。
こんなメールは迷惑だろう。
だいたい俺はしつこいのではないか、昨日も一緒に飯を食ったのに。
慢心。増長。よくない傾向だ。
俺と飯を食って楽しいわけもない。嫌がられているのではないか。
俺でいいのか。他にいるのではないか。会社のつきあいがあるのでは?それとも女の子?
……俺でいいのか?本当に?
つきあいたいと言われた。
信じられない。俺はイケメンでも可愛くも、面白くもない、取り柄も何もない。
そう言ったら、健気だと、いつも頑張っている真面目なところがいいと、言われた。
見ててくれた? 俺のこと?……いやいや、良く見せようと飾っている姿を誤解している。
本当の俺を見せていない。本当の俺を見たら嫌いになる? 他の人を好きになる?
あの人に悪い。おこがましい。好かれてるなんて思っちゃいけない。
こんなメールを送ったら他の人と約束できないじゃないか。迷惑。重荷。
まわりに可愛い女の子がいるかもしれないのに。きっと俺のことはなにかの冗談。
遊ばれてる、なんてことどうでもいいけど。俺なんか、きっと遊びでもありがたい。
遊びとしても、俺でいいのか。俺のことを好きだって言った……気の迷い。
俺から言ったんじゃないけど、一般的に見て格好いいイケメンのあんな人が、おかしい。
つきあうっての初めてだからわからない。本当はどうなの。やっぱ……遊びだよなぁ。
本気じゃない。俺だって本気じゃないよ。本気になったら馬鹿みたいだ。
なんか……こんな、こんな感じ、息できないみたいな、少女マンガかよっての。
きっと俺のことなんかどうでもいいはず。一年後にはもう俺の前からいなくなってる。一ヶ月後か?
嫌だ、なんて……思わない。馬鹿みたいだ。きっとこんなの嘘だ。
携帯にメール着信音。
『飯食おー 仕事終わった? 家行って待ってるよ』
ハートの絵文字。
─どうしても信じられない。一人になってしまうのが怖い。
未送信メールばかりが増えていく。疑いたくない。あの人しかいない。
執着しすぎる自分が怖い。止まらない。

342:風と木の名無しさん
10/07/27 10:51:05 R1EJS8Q+0
こういう偏執気質の人は好みなので(現実にいたら嫌だが)
良かったです。

ただ、時間が少しオーバーしちゃっているので、
まとめには掲載されないそうです。
別館の方で意見を聞いてみたらどうでしょう?

343:風と木の名無しさん
10/07/27 21:49:16 cxtPNI4t0
まわし

344:風と木の名無しさん
10/07/27 22:56:37 l4ZxZtKP0
まわし

345:風と木の名無しさん
10/07/28 00:22:25 1fznB39c0
まわし

346:風と木の名無しさん
10/07/28 01:24:12 LyhmJxDi0
まわすね

347:風と木の名無しさん
10/07/28 01:43:05 1fznB39c0
まわし

348:風と木の名無しさん
10/07/28 01:54:18 UESH4AaV0
こういう葛藤もの好きだーGJ
相手の人はこれから大変そうだけどw

ではどうぞお踏みくださいな

349:風と木の名無しさん
10/07/28 02:10:36 yFo8T8C7O
放蕩貴族の友人同士

350:1/3
10/07/28 03:03:43 0A2J2rg30
「でさぁ、その時の女ときたらもう……」
「お前ほんっとそればっかだな」
毎日のように訊ねてくる悪友に、俺はそっとため息をついた。
こいつの話題と来たら、親兄弟の悪口と娼婦の抱き心地のどちらかしかない。
「しょーがないだろー、こんなこと話せるのお前しかいないんだからさー」
「まあ、お前の家は厳格だからな……」
その点、こんな阿呆でも受け入れるここなどは居心地がいいのだろう。
俺だって継ぎたくはなかったが、一人っ子で両親が病死してしまえば
何をどう言おうが周囲に無理矢理当主にさせられてしまう。
ああ、俺は貴族なんかじゃなくて傭兵とか旅芸人に生まれたかった。
「……じゃなきゃせめて末っ子か庶子」
「何ブツブツ言ってるんだ?」
あいつは勝手に戸棚を開けて酒を取り出し、こぼれるのも構わずにグラスに注いだ。
グラスも、勝手に持ち出したものだ。よく置き場所覚えてるよな。
「おら飲め、辛気臭いぞお前」
「勝手に俺の酒を飲むな」
腹が立ったので、酒ビンを奪ってその場で一気飲みしてやった。
「あ、俺の酒!」
「返すか?」
「ここで吐いたら殴るからな」
流石、俺のやることを分かっている。

351:2/3
10/07/28 03:04:43 0A2J2rg30

……あ。
「まずい、冗談じゃなく吐きそうだ」
「おい、笑えない冗談はよせって」
「いやほん……おえっ」
もどした瞬間、奴はけたたましい悲鳴を上げて逃げ出した。薄情者め。
「うっわ、こりゃ昨日の徹夜がたたったか」
「何、夜遊び? 夜這い?」
「お前と一緒にするな。お見合いが嫌で先方が諦めて帰るまでひたすら屋敷中を逃げ回ってただけだ」
使用人も総出で俺を探すものだから、寝る間もなく移動し隠れてまた移動、だった。
もう二度とやらん。次は本気で屋敷から出てく。
「えーやるだけやってサヨナラすればいいじゃないか」
「それができない相手だから逃げてたんだよ」
あー、マズイ。本気で動けなくなってきた。
「しょーがないなーもう。野郎なんざ抱きたくもないってのに」
あいつがため息をついて、荷物でも抱えるかのように俺を肩に担ぎ上げた。
「だったら足繁く野郎の家に通うな。同性愛者かお前は」
「お前知らないのか? 裏の店だと可愛い男の子が並んでたりするんだぞ。俺はやったことないけど」
「そういうこと言ってるんじゃ……」
「はいはい徹夜でバタンキューしてる人は黙りましょうねー。酒飲ますぞ」
「あーそれいいかも」
「死ぬぞマジで。いいから水飲んで寝てろ」

352:3/3
10/07/28 03:06:07 0A2J2rg30
1人で寝るには大きすぎる寝台の端に下ろされ、半ば無理矢理水を飲まされて一息ついていると、
不意に奴が寝台の空いている端にもぐりこみだしたので反射的に蹴り出した。
「何するんだよ、痛ってーな」
「やかましい! 俺は野郎と同衾する趣味はねぇ!」
「何考えてんだお前は……ただちょっと眠いだけじゃねえか」
蹴り出したのに、あの馬鹿はまたもぐりこもうとする。
「客間を使え!」
「やだ! お前んところの使用人はあれこれうるさい!」
「ありゃ普通だ!」
ぎゃあぎゃあと喧嘩を続けていると、不意にあいつが掛け布団を奪って俺にかぶせてきた。
「―!」
「いいから寝ろ!」
布団越しにあいつの重みと体温を感じる。
……そういえば、あいつが泥酔したときは、いつもこんな風に俺がおぶっていってたっけか。
そう考えると、なんだかどうでも良くなってきた。
「……わかったよ」
目を閉じて体の力を抜くと、疲れと眠気はすぐにやって来た。

353:風と木の名無しさん
10/07/28 09:23:28 Gz+WzO8wO
GJ!かわいいな!
仲良くしちゃえばいいよ
萌えました

354:風と木の名無しさん
10/07/28 12:41:16 uEeuMb800
おもしろかった!
こういう軽口のやり取り大好きだ
いい加減なようでお互い相手が大事なんだろうな
GJでした



355:風と木の名無しさん
10/07/28 21:57:32 cQHJq59W0
おお…。なんてことない普段通りの軽口の叩き合いなんだろうに、何というか萌えた。
もっと二人の会話が見たくなるね。GJです

356:風と木の名無しさん
10/07/29 21:48:44 LGvgKEuv0
なんだかんだいっても信頼しあっているのが言葉の端々から読み取れてよかったです
恋愛ってよりも友情っぽいのが更に萌えました
GJでした

357:風と木の名無しさん
10/07/30 13:07:33 H22lhzU2O
まわしますよ

358:風と木の名無しさん
10/07/30 13:21:25 mM4l82ijO
ここは私に任せて踏んでいきたまえ

359:風と木の名無しさん
10/07/30 13:23:29 TTotVBWfO
面接に落ち続ける男と若社長

360:1/2
10/07/31 02:39:58 ambr8o27O
「フン!」
俺は郵便物入れに入っていた書類を破り去った。
面接まではいつもこぎ着けるのだが、結局またも不合格。
―これで666社目になる。
「おや、またダメだったんですか」
「!!貴様」
玄関の扉から身を乗り出して背後から覗いて来たのは許 明泰だ。
「フン、わざわざ俺の無様な姿を見に来たのか」
「トイレに起きたついでですよ。同棲してるんですからいい加減慣れたらどうです」
「気色悪い!同居といえ同居と!」
「ふぅ…つれないことですな」
こいつは俺が社長を勤めていた会社の元秘書で、今やT.T.C頭取の息子兼若社長。
俺だってこれでも昔は急逝した親父の跡を継いだ、れっきとした社長様だったのだ。
俺は図体と力だけの馬鹿だという自覚があるので、むやみに経営に茶々を出さなかった。
そしたらいつの間にか俺の会社は破産宣告せざるを得なくなり、社員は運良くこの秘書の親父の会社に丸ごと吸収されて、俺は不必要な存在となった。
闘ったらこんな細長い、イタリアンスーツを好んで着るような男なんか何でもないのに、社会ではそうはいかない。
俺はこいつにも社会にも負けたのだ。
書類審査だけなら警備会社なら楽々通るのに面接では落とされるのは、就職相談会に行って思い切って相談したら、「高慢な態度だから」と言われた。
そう育ったんだ仕方がないだろうという言い訳も通じない。社会は厳しい。もう29だし、このままじゃ駄目かもしれない。
だが、いつかは必ず自立はしなくてはならん。
「だから言ってるでは無いですか、克美様」
今のように慇懃無礼でイタリア服なぞ着ている香水臭い香港人に毎日毎日、
「私に素直に養われればいいのだと。はやく養子縁組いたしましょうよ、愛人(アイレン)」
……尻を撫でられないようになるためには!


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