11/01/14 00:32:30 FmrmtizCP
ところで済みません、何の脈絡もなくSS投下します。J/Rに挑戦です。
Title:Non-Title
Pairing:John/Ringo
Rating:R-15
「……ジョン。俺は、お前とだけは、良い友達どうしでいたいんだがな」
突然の長いキスを受けた後、リンゴは息を整えながら、穏やかな光を湛えた青い瞳でこのバンドリーダーの顔を見つめ直した。
ジョンの頬は紅く染まっていたが、その琥珀色の瞳は寂しげな光を放ち、縋るようにリンゴを見つめ返していた。
「今更、そんなことをいっても無駄だ。お前だけマトモなままで済ませるわけにはいかない」
ジョンはリンゴの肩をきつく抱きしめた。
「俺は……俺たちはもう、みんな、とっくにぶっ壊れちまってるんだ。ハンブルクの時から……いや、この世界でやっていくって決めたときからな。
もう戻れないんだ、何だって有りさ。お前だってもう随分、俺たちと一緒にやってきたんだ。分かってるだろ? 本当は」
リンゴは黙ってジョンの背中を撫でさすっていた。ジョンはリンゴの顔に上気した頬を寄せて、彼のシャツを縋り付くように握りしめていた。
「ああ、そうさ、俺はもうワケ分からなくなってるんだ! あちこち連れ回されて、色んな連中の前でさんざん好き勝手に言われて、扱われて、
だから好き放題に言い返したり暴れたりしていたら……俺にとっていったい何が本当のことで、何が本当の気持ちなのか……
もう、区別が付かなくなってるんだ!
なのに、どうしてお前は、そうやって平気な顔をしていられるんだ?」
ジョンの腕の力がますます強くなる中で、リンゴは相変わらずジョンの髪を優しく梳きながら、
それでもまだ彼から離れる余地を探るように身を固めていた。
「俺だって……別に黙っていても、心の中じゃ、それなりに楽しんだり怒ったりはしているからな」