10/11/17 01:41:31 Zz/KnJCx0
空気読まないで投下。失敬^^。
JP。
「落ち着く場所が、ここしかないなんてな」
そう言って、ジョンはワインを煽った。
「仕方がないよ」
と、ポールが肩をすくめてワインを受け取る。どこの国のホテルだか、二人にはもう分らない。特に洗面所やバスルームなんか、どこでも同じような様式だから、なおさら二人は混乱していた。
聞こえないはずの歓声が、まだ細く耳に響いているようで、ジョンは目と耳をこすると、まだ濡れていないバスタブに、クッションを持ち込んで横になった。
その、すっぽりと入り込んだ姿は、まるで棺におさまった死人のように見えて、ポールは少しだけ寒気が走った。
「そんなところに入るなよ」
「お前もこいよ、けっこう落ち着くぞ」
「いやだよ、せまっ苦しい」
そういいながら、バスタブの縁によりかかり、ポールはジョンを見下ろしていた。
ジョンは、「落ち着く」と言っておきながら、その膝を揺らして違法タバコをやたらにふかしていた。