10/03/27 22:40:50 Iqf3sP5V0
>>1さん スレ立て乙!
このスレが少しでも盛り上がりますように・・。
3:風と木の名無しさん
10/03/27 23:43:25 YYqvrrwYO
リンゴ受けにハマったなあ…
4:風と木の名無しさん
10/03/27 23:51:51 vRpScJ9V0
関連スレ
ビートルズで801 実質9スレ目
スレリンク(beatles板)
5:風と木の名無しさん
10/03/28 00:12:35 ie0hDAZM0
>>1
乙です!!
6:風と木の名無しさん
10/03/28 00:20:27 YpbICheM0
G/Rでどなたか書いて下さい・・。
7:風と木の名無しさん
10/03/28 00:30:58 ie0hDAZM0
>>6
関連スレでG/Rを書き終わったという方がいらっしゃっいましたね
こちらに来てくれれば嬉しいのですが・・・
私はリレー希望なので、その方の投下が終わったら
是非どなたか一緒にお願いします!
8:風と木の名無しさん
10/03/28 01:27:25 GaBtmazjO
ジュリースレと同じにおいを感じる
主に年齢の
9:風と木の名無しさん
10/03/28 01:57:02 bwNip9UP0
祖母がリアルタイム世代のアンソロジー・プロジェクト世代です。
10:風と木の名無しさん
10/03/28 13:31:04 AOXeVcE8O
オ/ー/ル/デ/ィ/ー/ズ/で~というスレもあったな…
というかまだあるな、b板に
11:風と木の名無しさん
10/03/28 23:24:10 C6Qmi4U60
>>1
乙です!
>>7
G/RのSSを書く宣言していた者です。それではこちらに投下させて頂きますね。
初SS故 稚拙な上にエロという救い難い文章になってしまいましたが、喜んで頂けたら幸いです。
12:Won't you please, please melt me? -1
10/03/28 23:33:33 C6Qmi4U60
車が走り出す。
ジョージはそれを必死で追いかけ、トランクに飛び乗った。
その中にはリンゴが閉じ込められているのだ。
後部座席の男達はジョージに気付き、慌てて車を止めさせる。
ジョージはすかさず車から降りてトランクを開け、リンゴと対面し もう大丈夫だと言わんばかりに トランクの縁に腰かけた。
車はまた走り出した、が、しかし、急にスピンした勢いで 彼は勢いよく吹っ飛ばされ、地面にしこたま叩き付けられてしまった。
「うぐっ!」
「はいカーット!」
監督の声が響き、カチンコが鳴った。
そう、彼こそがリチャード・レスター監督であり、今はビートルズ主演映画「HELP!」の撮影中なのである。
「ジョージありがとう、見事なスライディングだったよ(笑)」
「ジョージ大丈夫かい?」
トランクからひょっこり顔を出し、リンゴが心配そうに尋ねた。
「ん?大丈夫大丈夫。」
砂を払いながらジョージは、駆け寄ってくるリンゴににやっと笑って見せた
「一回やってみたかったんだよなぁ、こういうスタント無しのアクションシーン!ねぇ俺キマってたかな?」
「ああ、少なくともHDNの時よりはね。」
あははと笑いながら二人は車の日陰に移動した。
監督らスタッフは、先程のシーンのチェックやら 次に撮るシーンの段取りやらを打ち合わせしている。日暮れまでに浜辺のシーンが撮れるか、先に演奏の部分だけ撮ってしまうか、云々。
エピーも 別所で控えているジョンとポールを呼びに行ってしまったようだ。
13:Won't you please, please melt me? -2
10/03/28 23:42:28 C6Qmi4U60
日陰に入っても、南国の太陽はじりじりと地面を焦がし、その熱がまた下からも立ち込めてくる。
「それにしても暑いなぁ~」
「バハマだからね」
既にはだけたシャツのボタンを3つでは飽きたらず 4つ目まで外したところで、ジョージは隣のリンゴを見て一言
「リンゴ…顔赤いね」
「そりゃこの気温の中、トランクに閉じ込められてたんだから。しかも何故か毛布にくるまってさ!」
ホラ見てよこれ、と言わんばかりに 開きっぱなしのトランクからオレンジ色の厚手毛布を持ち上げて見せた。
「触り心地はいいんだけどなぁ、」
散々暑い暑いと言いながらも、リンゴはそれをよいしょと被って 呑気に遊んでいた
「ねぇ、これイギリスに持って帰ってスタジオに置かないかい?冬に重宝しそうだし…」
「………っ」
『かっ…かわいい…』
顔を鼻の先まで火照らせて 明るいオレンジ色の毛布をすっぽり被って 青い瞳で上目遣いにこちらを見るリンゴは、かわいい以外の何者でもなかった。
「あ、ジョージ 顎のところ擦りむいてるよ」
ジョージの悶々とした気持ちなど露知らず、リンゴはその手を そっと添える。
赤く光る指輪が眩しい、リンゴの右手、の、感触。
『我慢できないっ』
気が付くとジョージはリンゴを引き寄せ、彼の唇を奪っていた。
「んっ?!」
慌てて引き離そうとするが、毛布までガッチリ捕まれていて とても出来ない。
ジョージの唇はリンゴのそれを味わいながら 次第に深く深く溺れていった。リンゴも抗えずに 思わずジョージの首にしがみついてしまったが、今自分達が置かれている状況を思うと、背筋がぞくりと震えた。
車の陰に隠れているとはいえ、10ヤードかそこらしか離れていない距離に 何人もスタッフ達が待機しているのだから。
14:Won't you please, please melt me? -3
10/03/28 23:47:13 C6Qmi4U60
「んんっ…」
つい、スリルも合い極まって感じてしまった。が、必死でジョージを引きはがし 濡れた唇で抗議する。
「もう、何考えて…っ、スタッフ達もいるのに…!」
「大丈夫だって、」
「おーいジョージ、リンゴー、そこにいるのかい?」
監督だった。カメラの位置から声を張り上げている。
ほらね、とリンゴが目でジョージをたしなめると、ジョージはまた片頬で笑って見せ 負けじと大声を返した。
「ああ!日陰で休んでる!」
「こっちのパラソルの下に来ないか?ジョンとポールが行方不明で次の段取りに移れないんだ!レモネードもあるぞー!」
「お構い無く!こっちも結構涼しいんだー!」
そうかい!じゃあまた声掛けるからなー!という監督の声を耳半分に、リンゴに向き直ったジョージは八重歯を見せて笑った。
リンゴも参りましたという顔で
「何やってんだろうね、あの二人。」
「俺達と同じ事だろ?」
ぐっと顔の距離が縮まった。
ジョージがリンゴのマッシュルームヘアを優しく撫でると、リンゴは相手の顔を両手でそっと包んだ。
「ありがとう」
「?なにが?」
「危険を冒してまで助けてくれて…」
「映画の中の話だけどね」
「もし本当に僕が同じ目に遭ったら、その時も同じように助けてくれる?」
「そうだな…」
少し考えてジョージは、
「…トランク開けたら、俺もその中に入って、そんで…」
リンゴの毛布を引き寄せ、自分も一緒に すっぽりと収まった。
もう、と照れ笑いするリンゴの唇は またもやジョージに塞がれる。
15:Won't you please, please melt me? -4
10/03/28 23:58:40 C6Qmi4U60
リンゴの舌を自分の舌で絡めとりながら、ジョージはすっかりのぼせ上がっていた。
バハマの、しかも外で毛布にくるまりながら熱~いキスを交わしちゃってるのだから、当たり前といえば当たり前である。
薄目を開ければ、同様に蒸されて いつもより熱い息をするリンゴがいる。
服越しに伝わる肌の熱も、二人の周りの空気も、全てがいつも以上に熱い。くらくらする。
当然ジョージは、キスだけでは歯止めが効かなくなっていた。
「リン…ゴ…」
一瞬離れた唇を首筋に移し、背中を這っていた指をジーンズのジッパーに持っていった。
「ちょっ…」
「リンゴも収まりつかないでしょ?」
「はぁっ…ここ、屋外…」
「土に還るから大丈夫だよ」
「そういう問題じゃっ…ああっ、」
ジョージは既に硬くなり切ったリンゴを取り出し、撫で上げる
「あっ…ふっ………ふうんっ…んっ…」
「リンゴの、いつもより熱い」
「ああっ…!!」
必死で噛み殺す吐息を首に受けながら、ジョージもまた自分の熱い息を リンゴの耳に吹き込んだ。
「やっ…耳…っ…」
「リンゴ…」
右手でリンゴをしっかり捕らえ、動きを速めながら ぽってりとした耳たぶに何度も吸い付く。
「はぁ…ん、やぁぁっ…あっ…!」
「イきたい?」
「んぅ…んっんっ…」
「じゃあ一緒にね」
そう言ってジョージは自らのジッパーを下ろし リンゴのジーンズのウエストに手を掛ける
16:Won't you please, please melt me? -4
10/03/29 00:00:58 C6Qmi4U60
「お尻上げて?」
向かい合わせで地面にへたり込んでいるリンゴは、目に涙を浮かべてふるふる震えていた。
その目を濡らしているのは快楽の涙だけではないと知っているジョージは、ふと我に返り
「勿論、君が痛がるなら…」
「…いいよ」
「?」
「挿れて…いいから…」
「もう焦らさないで…」
そう言って自分からジョージの唇を啄みにいった
リンゴの寄りかかった車が 規則的に揺らめいていた
とは言ってもここはバハマ。遠くから見るとはなしに車を眺めていたスタッフ達も陽炎と勘違いしてくれる程度だった。
それだけジョージの動きは優しかった。
「痛く…ない?」
尋ねるジョージもそうだったが、リンゴもすっかり色んな熱でとろけてしまっている
「んっ…じょお…じ……いい…」
緩い律動の中で 甘い痺れを感じたリンゴは、真っ赤になった唇から吐息を漏らし 唾液を滴らせながら、ジョージの首に手を回している。
『ああ…こんなかわいいリンゴを誘拐しようとしてたのか…あいつらは…』
頭の沸いたジョージは、すっかり映画と現実がごっちゃになってしまったようだ。
「…ぜったい、渡さないから…リンゴ…」
「ふぇ…?」
「俺が…守るから…」
「じょー…」
「リチ、愛してる…リチ…リチ…んっ」
「ふっ…ぁあ…あ…ああ…!」
17:Won't you please, please melt me? -6
10/03/29 00:03:21 C6Qmi4U60
ジョージの言葉とキスを耳に注ぎ込まれて、りんごはひくひくと痙攣した
「あああ…んっ…あああああ、あっ」
「リンゴ…?」
達してしまったのは分かるが、いつまでもきゅうきゅうと締め付けてくる。
あれ?と思って毛布の中をちらりと覗くと
「うそ…これって…」
リンゴ自身は、白濁を吐き出していたのだが それは現在の彼同様にとろとろで、先端から止めどなく滴り落ちていた。
俗に言う トコロテンという現象か。
「じょ…じ…っ…あっ、あっ…」
まだ達している頂上から降りてこられないまま、リンゴは回らない口で 愛しい人の名前を呼んだ。
「ぼく…も…ああっ…あいしてる…っ」
きゅう、と切なく締め付けられ、ジョージも果てた。
ただし彼は勢いよく、リンゴの中を白く満たした。
それは遠くから見れば、オレンジ色の塊。
ただし近寄れば 陽炎揺らめく南国で太陽の真下、厚手の毛布に包まって抱き合う大の男二人…という、非常にシュールな光景だった。
それでもふたりは、時間が許す限り寄り添っていた。
18:風と木の名無しさん
10/03/29 00:04:56 OvIZWq4F0
支援です
19:Won't you please, please melt me? -7
10/03/29 00:06:15 r6H1gSMA0
おまけ
「で、ビートルズは全員熱中症でダウン、と。」
「ええ…」
「内二人は海岸沿いの茂みで、残り二人は撮影に使った車の陰でぶっ倒れていた、と。」
「ええ…」
「全く、どっちがコメディ映画だか分からんなぁ!やっぱり面白過ぎるぞ君のバンドは、わはははは」
「………」
四人のアイドルがのびている病室の廊下で、
豪快に笑う若手のコメディ監督と、原因が分かっているだけに返す言葉のない有能マネージャーの姿が見られたそうな。
End.
20:風と木の名無しさん
10/03/29 00:17:06 r6H1gSMA0
ありがとうございました。初G/R SS、以上です。
慣れない長文投下で改行とかgdgdですが、目をつぶってやって下さい(ちなみに4が被ってしまいました...;;)
リレー小説、私もほそぼそと参加したいと思っています。
このスレが良スレになりますように...!
21:You dunno about my torch -1
10/03/29 01:18:48 OvIZWq4F0
良スレ祈願投下
【You dunno about my torch】
「はい、これ」
ホテルのルームキーを手渡され、僕は答えの分かり切った質問をする。
「今日僕は誰と一緒の部屋なのかな」
そしていつもの答えを待つ。
「ジョンだよ。すべていつも通りさ」
ワールドツアー。知らない土地、顔も見たことのない観客、そしていつも通りの悲鳴・・・
そう、いつも通り。僕はいつも通りビートルズのメンバーとしてステージに上がる。
オーディエンスは必死に四人のメンバーの名を叫び狂った。
そんな雑音を、僕はフロントのふたりの背中を見詰めながらぼんやりと聞いている。
いつも通り、いつも通り。
そしてそっと瞳を閉じ、背後から聞こえる彼のビートに耳を傾ける。
今日はちょっと機嫌が悪いのかな、いつもよりキックが強い気がする。
そういえばこの前のステージでは最後の曲が終わったと同時にスティックを折っていたね。
何か頭にきたことがあったのかもしれない。
でも僕はけして後ろを振り向かない。
それが彼への接し方。
僕はとぼとぼと誰もいないホテルの廊下を歩いていた。
ビートルズはビッグバンドだったので、このホテルの2フロアー全てを貸し切っている。
プレスに追い回される心配もないし、間違ってもファンに追いかけまわされる心配もない。
僕はこの瞬間だけひとりの男に戻ることが出来る。
他のメンバーはどうなんだろう? ― ああ、でもきっとそれは僕がするべき質問じゃない。
バンドの華は何といってもジョンとポール、この二人と決まっている。
誰もが彼らに注目したし、実際彼らがバンドの顔でもある。
僕の仕事は彼らの横でちょっと微笑むこと。そして彼らの後ろでギターを弾くこと。
そんなことを考えるとなんだか胸が痛んだ。
いつも通り、いつも通り……
22:You dunno about my torch -2
10/03/29 01:22:59 OvIZWq4F0
そんなことを考えながら割り当てられた部屋の前に来た時だった。
「ジョージ」
思いがけず名前を呼ばれ振り返ったそこには彼が咥えタバコで立っていた。
彼は僕を見てちょっと微笑んでいたけれど、僕は反射的に彼から視線を逸らした。
キーを握りしめ絨毯が敷き詰められた足元をただただ見詰めることしかできない僕の姿は、一体彼の目にはどういう風に映っているのだろう。
きっと全てを見透かされているに決まってる。
不意に僕の腕に彼の手が触れた。
「今時間ある?」
僕は尚も彼から顔を背けた。
顔を見られたくない。動揺で鼓動が増す。
どうしよう。きっと彼にもそれが伝わっているはずだ。
隠せるはずもないのに隠そうとする。滑稽だ、バカげてる。
なのに勇気のない僕はそれを止めることが出来ない。
いつしか彼の手は僕の腕を掴んでいた。
「ちょっと付き合えよ」
そうやって僕は彼に引っ張られていったんだ。
彼は部屋のドアを開けると、僕に入るように言った。
「え、でもここは君とポールの部屋だよ」
僕はとても困ってしまった。
「僕はジョンと一緒の部屋で、君はポールって決まってるじゃないか…」
そう、誰かが決めたんだ。
「お前は何を言ってるんだ? 誰がどの部屋に入ろうと勝手だろ」
彼はちょっと皮肉っぽく言うと凄い力で僕を部屋に引きずり込んだ。
僕は逃げ出したかったけれど、彼の手を振り払う勇気なんてなかった。
半ば引きずられるようにして部屋に入り、彼は僕に寝室のウォーキン・クローゼットに入るように言った。
「なんでこんなところに入るのさ?」
「なんで? それはこっちの台詞だね。なんで、どうして、何故ゆえに…。お前こそどうしてさっきから質問ばかりする?」
そう言うと彼は僕の唇にキスすると強引にクローゼットに押しやり、そして自分も中に入ると扉を閉めた。
男ふたりがクローゼットの中だ、窮屈でしかたない。
彼は僕の背後に回るともう身動きなんてひとつも出来ないんだ。
23:You dunno about my torch -3
10/03/29 01:26:58 OvIZWq4F0
クローゼットの扉にはいくつかの縞模様みたな細い隙間があって、そこから完璧にメイクされたベッドがふたつ見える。
その間に置かれた時代遅れの照明が部屋をオレンジ色に照らし出していた。
彼は何も言わなかった。
僕はというと、その隙間から見える部屋の様子に強く興味を持つよう努力した。
まるで神でも祈るかのように、僕は細い隙間から見える部屋に注目し続ける。
と、そこに誰かがやってきた。
あの声はジョンとポールだ。
これから曲でも作るんだろうか…、ああそうか。そういうことか。
僕には曲を作る技量なんてない。バンドの曲はすべて彼らふたりが作っている。
僕はそれに下手糞なソロパートを当てるだけ。
情けない。今ここで彼らの奇跡を見ることが出来るというのに、まったく心がうき立たない。
弱い心が奇跡を嫉妬する。もう人間として終わってる。
ふたりは何やら口げんかをしながら互いにギターを手に持ち、ベッドの上にあぐらをかいた。
「だからさ、僕のイメージはそうじゃないんだって」
ポールがお馴染みのヒステリーな声をあげる。
「ああ? じゃ何かよ。俺のアイディアがオカシイってのかい」
「その通りさ。そんなのおかしいって言ってるんだ」
「あ? これのどこがオカシイんだ」
ジョンはとても素敵なメロディーを弾いた。
「絶対おかしいよ。こうだよ、聴いて」
ポールがもっと素敵なメロディーを弾いた。
「そっちの方が変だろう」
「じゃあこれはどうさ」
ふたりは咥えタバコで延々と言い合いを続けながら、信じられないスピードで曲を作っていった。
僕は逃げ出したかった。こんな風景を見せられるのは御免だ。
彼らには出来るかもしれない、でも自分は出来ない。
それはあのふたりが天才だから? それともあまりに僕が劣っているから…? …同じ人間なのに!!!!
逃げたい、観たくない、知りたくない…
そう思って目を閉じようとした瞬間、僕の腰に彼の両腕が回った。
ビックリして半開きになった僕の口に、火のついた煙草が咥えさせられた。
どうしてそれを許したのだろう。唇に煙草が触れたからといって、口を開かなければそれでよかったのに。
24:You dunno about my torch -4
10/03/29 01:30:12 OvIZWq4F0
「五分我慢しろ」
彼が僕の耳元で囁いた。
僕はいつの間にか涙を流していた。
もし口に煙草を咥えていなければ、僕は大声で泣き叫んでいたろう。
悔しくててたまらない。いや違う、自分が情けなくてしょうがない。
そんな僕を彼は後ろからじっと抱きしめ、一瞬も身を離さない。
僕はひたすら瞬きも忘れ、隙間から奇跡を見続けている。
目を逸らしたい、でも逸らすことが出来ない。
抱きしめる腕の力が少し強くなる。僕はそれに無意識に頷き、煙草の灰と涙をポタポタ落としながら何度も何度も頷いた。
「おい、もう疲れたぜ。何曲出来た?」
ジョンはそう言うとギターを放り投げた。
「三曲」
「まあまあだな」
「うん、まあまあだよ」
ポールはそう言うとそっとギターを床に置いた。
「喉が渇いたからホテルのバーに行こうか」
「名案だ。もうギターはこりごりだ」
「確かにね、次は一週間後でいいと思う」
「いや二週間後でいい」
そんなことを言い合いながらふたりは嵐のように部屋から出て行った。
僕が咥える煙草は今やフィルターをも焼き尽くすほどになっていて、そしてもう僕は声を押し殺すことが出来ない。
口から煙草を吐きだすと同時に扉を開け、そしてベッドにつっぷして泣いた。
僕が泣くことしか出来なかった、五分の間に彼らは三曲も作った。
悔しい、悔しい。
たしかに僕はジョンに憧れ、彼の後を追って離れない。
そんな僕のことを彼がどう思っているのかも知ってる。
またはポール。
インスティテュート時代からつき合いのある彼はいつも僕を子供扱いしてやめない。
僕はいつも彼らの背中しか見ていない。ふたりはけして僕を見ない。
顔をベッドにうずめ、僕は大声で泣いた。
彼らの才能の欠片でもいい、それが僕にあったなら…
25:You dunno about my torch -5
10/03/29 01:33:26 OvIZWq4F0
「顔をあげろ、ジョージ」
嫌だ、絶対に…、と思った瞬間僕の身体はベッドから引きはがされた。
彼と目が合った。
目を逸らそう、いつも通りのやり方で…。そう思った時だった。
「お前、この前、変わったコードを弾いていたね」
僕はその一言に驚いてしまった。まさか彼は「アレ」に気付いていたとでも言うのだろうか。
彼の瞳が光る。素晴らしくブルーな瞳。それが僕をじっと見ている。
もう逸らすことが出来ない。
彼のふたつの瞳に僕の姿が映っている。
「何故黙っている? 何故それを誇らない?」
ブルーの瞳に映る僕の顔が一瞬動揺したように見えた。
「俺が気づかないとでも思ったか?」
彼はゆっくりとした口調で言った。
「俺の瞳から逃げられるとでも思っているのか?」
僕は息を飲んだ。彼は僕を見ていたというのだろうか。
いつも後ろに引きさがり、フロントのふたりの背中を見てばかりの僕を見ていたというのか。
そして自分の弾いてる音すら聞こえない最低の状況で、「アレ」に気づいていたのか。
こんな僕のちょっとした反抗に。
「何故? どうして? …おい、お前の口癖がうつったぞ、ジョージ。どうしてくれる」
僕は瞳に彼の姿を映しながら、ゆっくりと、そう、とてもゆっくりと瞳を閉じた。
またステージが始まった。
場所は多少変わったかもしれないが、それは何度も繰り返されてきたこと。
いつも通り、いつも通り。
僕はいつも通り、ふたりの背中をじっと見つめている。
そして少し派手にそれをやってみたんだ。
するとどうだろう、今まで背中しか見せなかったふたりが僕を振り返ったんだ。
その表情はひどく滑稽で、それに満足した僕はふたりにウインクしてみせた。
26:You dunno about my torch -6
10/03/29 01:38:31 OvIZWq4F0
ステージははじまったばかり、でもそれが終われば彼らは僕に質問してくることが確信できた。
なんで、どうして、何故ゆえに… 傑作だ
その時一体なんて答えようと考えながら、僕は悲鳴を上げ続けるオーディエンスに目をやった。
そこに見えるのはいつも通りの風景だ。
でも今日はちょっと違って見えるのはどうしてだろう。
耳のいいふたりはさすがに気付いたようだね、そう、僕はこれを誇りに思うんだ。
何て命名しよう。GコードにひとつDを加えたこの独特のコードのことさ。
「ビートルズのGコード」 ― イエス、そうだ、そんな名前がいいかもしれない。
そしてその誕生を最初に気付いたのは、僕の背中を見ていた彼だなんて。
今も彼は僕の後ろに居る。
でも僕は振り向かない。
それが彼への接し方。
**
ありがとうございました
(萌えのかけらもない投下・・・)
ここが良スレになりますように
27:風と木の名無しさん
10/03/29 22:27:19 EjM4zCs1O
>>20
乙です。G/R読めて嬉しかったです。
Help!は初めて腐に目覚めた作品だったな~。
28:風と木の名無しさん
10/03/29 23:42:51 zE9gY2isO
泣けました。ありがとう。また書いて下さい!
29:20
10/03/30 01:59:15 XolV/HBtO
>>27
ありがとうございます!喜んで頂けて何よりです
>>26
泣けるR/G、乙です!ジョージを見守るリンゴ、こんな関係も良いですね…萌えましたよw
さて。リレー小説はどうしましょうか?ぱっと見このスレにはジョージとリンゴ好きが多いんですかね?
30:風と木の名無しさん
10/03/30 02:57:48 +MXeRlJ4O
リクエストきいてもらえるならジョンも書いてほしいです。ジョンのパーソナリティが良い悪いは別として好きです。薬中に一時なったのだって傷つき安く精神的にかなり弱い部分を持っていたからだと。でもやっぱりそのカリスマ性が魅力。
31:26
10/03/30 19:08:22 KkzA3HdD0
>>28
>>29
ありがとうございます!
>>20
不覚にも監督に萌えました・・・
リレーはいつでも入れます!ぜひメンバーに加えてください。
カプやシチュに拘りはありません。
ただ801板といことでバッチリ萌えたいです。
32:風と木の名無しさん
10/03/30 23:57:06 M86mTBWN0
リンゴは薬指の指輪をそっと外すと、静かに言った。
「今だけは僕は君のものだよ、ジョー」
33:◎
10/03/31 01:00:38 7Cs6O0sq0
ジョージはテーブルに置かれた指環を数えた
ひとつ、ふたつ…
どうしてそんなもの数えるのかって?
いいよ、君にだけ教えてあげる 特別だ
それはこれから僕が彼におかすであろう
罪の数と同じだろうと思えるからだ。
34:風と木の名無しさん
10/04/01 02:28:33 PWct62ey0
良スレ祈願カキコ…と思ったら既に萌えていた件
35:風と木の名無しさん
10/04/01 23:15:08 x10covlB0
↑二つのお話とってもよかったすw
R/G…今まで考えたこと無かったけど…
なんかすごくヨクナイ?!
>>19
「内二人は海岸沿いの茂みで、残り二人は撮影に使った車の陰でぶっ倒れていた、と。」
このJ/P示唆するような表現を…一方もすごく気になってしまうじゃないですか~
自分J/PすきだからだれかJ/Pまじでお願いしますw
36:風と木の名無しさん
10/04/01 23:23:55 VmmWN06H0
両方のお話がとっても良かったに禿同!!
1つ目のお話は2人のキャラがのほほんとしてるから、楽しい話で終わるのかと
思ってたら‥油断しましたww
2つ目のお話のリンゴはすごくかっこ良かった!!
リンゴって可愛いキャラに設定されがちだけど、このお話のリンゴはとにかく
かっこよかった!!繊細なジョージももちろん良かった!!
お2人のお話に激しく萌えました!
またお話を書きに来てくださいね~!!
37:風と木の名無しさん
10/04/02 00:04:36 k62XH+vYO
カッコ可愛いR受に萌える。永久に進展しなさそうなヘタレG/Rとかいいな。
38:風と木の名無しさん
10/04/02 00:24:18 0l1BhNpf0
>>37
>カッコ可愛いR受に萌える
週末に書かせて下さい。
お相手は誰にしたらいいですか?
39:風と木の名無しさん
10/04/02 01:08:00 dlR65kgOO
>>38
勿論Gで!!
RにはGしかいないと勝手に思っている…
40:風と木の名無しさん
10/04/02 01:11:25 g6YLzd9dO
>>37
全く同感!
>>38さんやっぱりここはGで!
是非大人なR受けヘタレGお願いしますよ!
41:38
10/04/02 01:26:53 0l1BhNpf0
>>39
>>40
R受けG責めですね、がんばります!
801板ということでえげつなくなるかもしれませんが書けたらまた来ます!
42:風と木の名無しさん
10/04/02 01:39:05 cDP5XYyf0
R受けG責めってまだ読んだ事ないかも
ものすごく期待
しかしみんな話を書くのが上手だなぁ
43:風と木の名無しさん
10/04/02 01:46:08 Y9N7+CLk0
肩腰ガチガチバスドラ蹴り続けて筋肉痛、見かねてヨガの稽古を
つけている内に大変な事になってきたG/Rを受信した。
44:風と木の名無しさん
10/04/02 01:51:58 cDP5XYyf0
>>43
続きプリーズ
45:風と木の名無しさん
10/04/02 02:26:24 dlR65kgOO
>>44
「違うよリンゴ、この「甲虫のポーズ」は仰向けになって顎を仰け反って、そうそうもっと脚を広げて…」
「こ…こうかい?」
「その状態から脚を上げる」
「む、無理だよぉ…!」
「仕方無いなぁ、じゃあ僕が脚持ってあげるから(ry」
こうですかわかりません><
46:風と木の名無しさん
10/04/02 13:17:07 +v28QuDG0
>44
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「俺はGにヨーガのポーズを手取り足取りつけられていたと思ったら
いつのまにかカーマ・スートラの実技演習に入ってた」
な…なにをいっているのかわからねーと思うが
俺も何をされたのか分からなかった… 頭がどうにかなりそうだった…
5分で3曲作曲出来たとか超スピードでマメが出来たとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ
もっと恐ろしいスイッチはいったGの片鱗を味わったぜ…
こうですかわかりません
47:風と木の名無しさん
10/04/02 17:03:57 CV56p57F0
誰かL/Pお願いします!
48:風と木の名無しさん
10/04/03 00:53:47 ObEvUI65O
J/Rに萌える。王道からすぐ外れる性なんで…。
49:風と木の名無しさん
10/04/03 01:46:08 4hfZ5NW5O
L/PのLって誰?
Jじゃなくて?
50:風と木の名無しさん
10/04/05 00:16:26 E1YeAxGCO
G/Rまだかな~ wktk
51:38
10/04/05 19:05:40 uvdmcMdY0
>>50
現在規制に巻き込まれています><
(このレスは代行様を通しています)
お話しはできました
解除され次第投下させてください!
52:風と木の名無しさん
10/04/07 22:33:49 bGlMVcO90
>>38さんまだかな~?wktk
話を書いてみたいけど、エロを絡ませなくてもおkなんでしょうか?
53:風と木の名無しさん
10/04/08 00:30:11 Tg1hcqajO
>>52
アリです!全然アリです!
是非投下して下さいw
54:風と木の名無しさん
10/04/08 00:56:09 dzT8AHtbO
なんでもいいからなんか早く読みたいす(´∀`)
ワクワク…♪
55:52
10/04/08 01:13:05 gYIqp6mv0
今日は無理ぽなので、書けたら投下します。
56:風と木の名無しさん
10/04/08 20:40:04 olPrfQPx0
まとめを作っていいですか?
57:56
10/04/09 00:50:26 KoKZDqE20
作ってみました
★ビートルズで801まとめサイト★
URLリンク(wiki.livedoor.jp)
暇をみて機械的にまとめていくだけですが
問題があるようでしたらサイトに連絡お願いします
58:風と木の名無しさん
10/04/09 01:41:19 +VHMobyT0
>>57
どう考えても気が早すぎるんじゃ…
1スレ目で50ちょっとしか行ってないのに。
まとめ自体は作りたいなら作ればと個人的には思うが、TOPの本人画像とか調子に乗りすぎ。
誰にも意見聞かずに独断で作ってるし、あんまりはしゃがないでください。
他の人のレスがあるかもうちょっと待ってみたら?
とりあえず画像はすぐ消してくれ…
59:56
10/04/09 06:34:30 vPFceUSB0
>>58
申し訳ありません・・・今すべて削除しました
本当に申し訳ありませんでした・・・
60:Sevens -1
10/04/09 21:43:37 hFce7Z1k0
メンバー以下主要関係者は好き好んでひとつの部屋にたむろしていた。
どうせ彼らの自由は限られていたし、ホテルという名の牢屋に監禁されているようなもの。
ならばそれを逆に究極まで推し進めて楽しさを見つけようという試みだ。
部屋のリビングでは肩を押し合いへしあい、いい大人がソファーにぎゅうぎゅう詰めになって
円卓で繰り広げられる7並べゲームの成り行きを見守っている。
それをぼんやりと眺めていたリンゴが立ち上がった。
「ん? どうしたよ」
ジョンが尋ねる。
「ケツが痛いから便所だよ」
リンゴはこのくだらないショーの発案者に向かって答えた。
「お前と違って俺はずっと座ってるんだ、ステージでもな。ケツが痛くなって当然だろう」
なんとも毒を含んだ言葉に場は一瞬シーンとした。
「ハイ、僕、あがりね!」
ポールは大声でおどけてみせた。
「お前かよこのカード止めてたの!!」
しょげるジョンをいなしながら、ポールはリンゴに「行けよ」とめくばせした。
リンゴはそれに頷くでもなく、さっさと部屋から出ていった。
その姿をティーカップ片手に眺めていたジョージにジョンがめくばせする。
これは彼らの独特の言葉、つまりリバプール出身の彼らが結束を忘れないようにするための合言葉だった。
これにはマネージャーであるエプスタインやマルでさえ入り込めなかったし、入りこませることはなかった。
四人の青年達がこの狂った世界で正気を保つ為に考えだした知恵。
ジョージはこくりと頷くとテーブルにカップを置き、リンゴの後を追った。
案の定、彼は自分のベッドがある部屋にいた。
カーテンの半開きした窓の横に立ち、ネクタイを緩めひどく不機嫌そうに煙草を吸っている。
リンゴはジョージの姿を見ると「鍵を閉めろ」と目配せした。
それに頷いて鍵を内側から閉めリビングに戻った時、既にリンゴは先ほどの不機嫌そうな顔をやめ、
ひどく疲れたような顔をしてソファーに腰を下ろしていた。
ジョージは彼に無駄な気を使わせないように、そろりとソファーの端っこに腰を下ろした。
リンゴはひどくやつれたような顔でじっと前を見たまま身体を前かがみにして煙草を咥えている。
長い睫毛が重たげに彼の瞳に影を落としていた。
61:Sevens -2
10/04/09 21:46:44 hFce7Z1k0
『リンゴをアメリカの大統領に!』
『リンゴ!』 『リンゴ!』
彼に向けられたファンの勝手な妄想とメディアの作ったキャラクターはリンゴにとって苦痛でしかなかった。
勿論それは他のメンバーにも同じことが言えたが、リンゴの場合はあまりに極端すぎた。
疲れて当たり前、そうじゃなければ狂ってもおかしくない。
狂気の淵で憔悴しうずくまる彼に不謹慎にも美しさを感じてしまう僕は、頭がどうかしてるんだろうか?
「ねえ」
ジョージは口を開いた。
「とめてあげようか」
そう言ったあと不覚にもジョージは背筋がゾーっとした。
まるで螺旋の滑り台を一瞬にして墜ちていくようなあの感覚だ。
あれは危ない、気を抜けない、やってしまう? いや、まだだ。まだ・やれる。
リンゴの返事を待たずジョージは立ちあがると彼の腕を掴んで先ほど彼が立っていた窓辺まで連れていった。
彼を壁に押し付けると極端に顔を近づけ、じっくりとそのナイスな瞳を覗き込む。
リンゴは視線を逸らさなかった。そんな彼の相変わらずの態度にジョージは再び背筋がゾーッとした。
キスしてしまおうかしら? いや、まだ早い。
彼は壁に寄りかかるリンゴの両肩を壁に強く押し付け、そっと彼の唇に自分の右耳を寄せた。
この姿勢、実はとても苦しいはずなのだ。人間の背中には肩甲骨があると学校で習ったけれど
だからこそ今リンゴに強要したこの両肩を極端に後ろに反らす格好は辛い。無理がある。
いくらもしないで身体は悲鳴をあげはじめる。
ジョージはその時彼が一体何と言うのか聞こうと思った。
それだけではない、どんどん苦しくなっていく過程を一人占めにしよう。
最初こそ気丈に振る舞ってはいたが、やがてリンゴの息があがってきた。
「どうしたの、リンゴ?」
ジョージは小声で言った。
「何か苦しいことでもあったのかい? この前みたいに僕だけに話してみる?」
肩をロックされているからといって両手は生きている。
リンゴがジョージを突き飛ばすことなんて簡単なのに、彼はそうしなかった。
ただただ押し迫る限界に向かって目を見開き、壁にむなしく爪をたてている。
彼は徐々にではあるが限界に近づきつつあるようだ。
62:Sevens -3
10/04/09 21:48:34 hFce7Z1k0
「……ジョー…ジ」
リンゴの口からか細い声がもれたと同時にジョージはそっと彼の右耳に言葉を送った。
「また僕の名前を呼んだね」
くすくす
「いつも君は僕の名前を呼ぶ、知ってたよ」
部屋にはジョージとリンゴ、ふたりしか居ない。
豪勢なベッドもバスルームも、そしてこのフロアでさえどんな使い方をしても自由。
あらゆるスペースを利用することを許されているというのに、
ふたりは窓際のこんなちっぽけなスペースでじっと身を寄せ合っていた。
どうしてそうするかって? だってその方が彼の体温を感じることが出来るから。
壁に追い詰められているリンゴの右手首はジョージに捉えられ、
丁度手のひらがこちらを向くようにして彼の頭上ちょっと斜め上の壁に固定されている。
ジョージは彼の上唇を軽く噛み、じっと彼の瞳を見詰めた。
「……」
どちらかがその気にになればいつも彼らが誰かにしているような’キス’をすることも出来るというのに
ふたりはそれをせず、じっと互いの瞳を見つめ合ってやめない。
そうやって自然な高まりを待っている。
滑り台は乗ってしまえばそのままあっという間に下まで駆け降りてしまうけれど、
それじゃあまりにつまらないじゃないか。
ジョージの下唇に触れるリンゴのそれが一瞬離れ、そして湿った舌がゆっくりと彼のくちびるをなぞる。
しかし相変わらずリンゴは気丈な見詰め合いをやめない。
そんな彼が大好きだ、けして犬のように尻尾を振らない彼が。
次第にジョージの唇をなぞるリンゴの舌の動きが大胆になってくる、
いつまでたっても開こうとしない彼の唇に祈るかのようなその動き。
ジョージは空いた右手でそっとリンゴの首筋に触れた。
「あっ」
そう言って一瞬彼が顔をしかめたところを見計らってジョージはぐっとリンゴの顎を上に向け、唇を重ねた。
ふたりの舌は器用に絡みあい、先ほどの長かった時間を埋めるかのごとく何かに急かされるようにひどく求め合った。
壁に押し付けられたリンゴの右手がその拘束から逃れようとしたが、ジョージはそうはさせない。
そして次に未だ自由を与えていた器用なリンゴの左手を掴むと、彼の背中に回し入れ一層彼の身を壁に押しやった。
こうやってリンゴの自由は奪われた。
63:Sevens -4
10/04/09 21:51:03 hFce7Z1k0
酷い仕打ちに仕返しがくるかと思ったがそれはなかった。
ジョージは思うように、浅く、深く、けして飽きさせないキスを繰り返す。
彼の自由な右手が身動きできないリンゴのシャツのボタンをはずしてゆく。
あたたかなその上半身を愛撫しながら、ジョージは唇をあらわになった美しい首筋へと持っていった。
「ジョージ…」
「ああ、まただ。また君は僕の名前を呼んだね」
そっと触れた指先から、リンゴの強い鼓動が伝わってくる。
でもそれ以上にジョージの心臓は爆発しそうだった。
もし今一瞬でもリンゴの指が彼の身体に触れたなら、狂わずにいれる自信がない。
先ほどから下半身が熱くなってしようがない。それをリンゴのそこに押しつけ、更なる情欲を貪る。
やがて彼はついにベルトに手をかけるとひどくゆっくり丁寧に障害を乗り除き、リンゴの下半身を露わにした。
コックをそっと先端から根元まで触れると、一筋のみちが出来ていることが確認できた。
ジョージはふっと笑うと、人差し指でその先端を押さえた。
「ねえ、ここを押さえておけばもう流れないよね。
それとも、どうかな、僕は君の涙のすべてをカウントするかも」
彼は一瞬強くそこを圧迫し、それと同時に流れ出る一本のすじにそって指を移動させ豊富な潤滑油を利用し刺激した。
「…あ……」
粘膜は流れ出てジョージの指を汚す。リンゴは壁に頭をつけ、天井を見詰めたまま息をついている。
ジョージは緩急つけて、リンゴのそれを上手く刺激した。
「……ッっ」
リンゴの腰は快感に浮きあがり、しかしそれを自重するかのように彼はついに瞳を閉じ唇をかたく結んだ。
ジョージはそっと今まで彼に課した拘束をとくと、リンゴは倒れるようにジョージの肩にもたれ掛かった。
一気にふたりの身が近づいた瞬間を見逃さず、ジョージは自分のコックをズボンから引き出すと
リンゴのそれと一緒に手のひらの中に収めた。
「それダメ…」
ハンドルは自分が握っていることを最大限利用し、
自分への刺激はなるべく少なく、相手への刺激が最大限になるよう工夫する。
ふたつのコックは互いの温度を確かめ合いながら、密着し、離れない。
「ジョージ…、ジョージ…」
リンゴは身体を震わせながら何度も彼の名を呼んだ。
またジョージの背中がゾーッとした、まずい。
64:Sevens -5
10/04/09 21:55:01 hFce7Z1k0
ジョージは一瞬自分のコックを離すと、二人分の粘着を使ってリンゴをよくしてやる。
「ああッ!!」
リンゴの反射的に腰は引け、彼は掴んだジョージのシャツを握りしめた。
「いやだ! いやだッ!!」
「いやじゃないよ」
そう言ってまた身を寄せ、自らのコックを密着させた。
「リンゴ、力入りすぎ。抜いて。そう、身体開いて」
リンゴは顔に汗ではりついた髪を気にすることなく、ハアハアと息をしながら身体の力を抜いた。
「そう、いいよ、もっと」
ちょっと身体を後ろに傾かせるだけで、あっという間にリンゴは身体を壁にもたれるかたちで身体を開いた。
そのバランスが絶妙だ。ジョージはこのかたちが大好きだ。
何故ならこのポーズととるためには腰を前に付きださないと成り立たないからだ。
ジョージはシャツの間からのぞく桃色に色付いた彼の上半身を見詰めながら
とてもとても余裕をもって自分と彼のコックを同時に刺激した。
「ああ、いやだ、いやだ…。そんなにしないで」
リンゴは息も絶え絶えに訴えた。
「苦しい、苦しい」
そういって涙を流すけれど、正直な腰はさきほどより前に出ている。
「助けて、助けて」
彼に息を整える時間を与えるべきだと思い、コックに与える刺激をゆるめる。
リンゴは肩で息をし、うっすらだが目をあけ、ジョージを見た。
(ああ、なんて顔をするんだ、リンゴ…)
ジョージの背中にゾクゾクとあの感覚が駆け上がり、反射的に彼にだけ素早い刺激を与えた。
「ノー!!!」
リンゴは絶叫し、壁を拳で叩いた。
「苦しい、やめて! やめてくれ!」
思わずジョージは乱暴にリンゴを反対向きにさせ、壁に手をつかせた。
「いやだ! いやだ!! ジョージ!!!」
くすくすくす…
65:Sevens -6
10/04/09 21:58:47 hFce7Z1k0
「ジョージ!!!!」
ジョージは背後から片手で彼の腰を抱き、壁と身体を存分な距離を作る。
そしてもう片方の手でリンゴの下着を下ろし、自分の腰を当てた。
「ジョー!!!!!!!!」
その言葉で一瞬正気に戻った。
ジョージは自分がやらかしたことに一瞬罪悪感を覚えた。
滑り落ちるは螺旋のなめらかなるヘルター・スケルター
だから、だからこそ、安易に身を任せてはいけない。
ジョージはリンゴ抱きかかえるようにして彼の耳元に唇を寄せ、
ひとつ大きく深呼吸するとふたたびリンゴのコックに刺激を与え始めた。
「嫌やあッッ!!!!」
リンゴの背骨はたわみ、彼は壁に手をやったままのけぞり返った。
ジョージはコックをリンゴの尻の割れ目にあてがい、ゆっくりとその感覚をかみしめた。
「大丈夫、リンゴ。しないから」
リンゴはコックに与えられ続ける快楽と背後の恐怖という両極端な責めに悶えていた。
「入れたりしないから。前もそうだったろう、信じて!」
ジョージは祈るようにリンゴに言った。
「僕は正気だ、大丈夫。君の身体のことはよく判ってるから…」
そう言って腰を押し付け、スライドさせた。
「ああ…」
コックの吐きだした粘着によって先ほどからくちくちひどくイヤラシイ音がする。
身体の刺激に加え、耳からの刺激もプラスされもう止めることは出来ないじゃないか。
あとはリンゴがジョージの言葉を信じるかどうか。
「信じる、信じるから、ジョージ」
リンゴは震える声で言った。
ジョージは何も言わなかった。
「でも、お前の顔が見えない。不安だ。俺はひとりなのか。お前の姿がここからじゃ見えない。
ひとりにしないでくれ、不安なんだ。俺は俺じゃなくなるのが嫌なんだ」
「僕はここにいるよ」
「俺を引き止めてくれ。俺が完全に狂ってしまう前に」
「何度でも」
「お願いだ…」
66:Sevens -7
10/04/09 22:35:09 hFce7Z1k0
「僕はただ君を止めたいだけだ、こうやって…」
「もっと…」
「こんなに側にいるよ」
そしてジョージの滑らかな指先が彼のコックの膨らんだ先端部分とその根元のギャップを集中的に攻めはじめた。
「あ… あ……」
もうリンゴの口からは言葉は出てこなかった。
「ッ… いや… だ……… め…… 」
ジョージのそれはよくスライドし、彼にその時が近づいた。
「…だすよ…」
そう云うとジョージは ― そう、どうして彼はそうしたんだろう
ちょっと腰を落とし、リンゴのそこに先端をあてがい射精した。
勿論彼は約束通り入れることはしなかった。ただジョージの鋭い照射がリンゴのそこを刺激したのは確かだ。
おおくは行き場をなくし上下左右に飛び散ったが、いくらかのそれは中に強引に押し入ってゆく。
ジョージの指がリンゴを開放に導くべく、ダメを押した。
「ジョージ、いやあ!! 中!!!!」
リンゴは悲鳴をあげた。
「中に来る!!! ジョージ!!!!!!!!」
彼は情熱的にジョージの名を呼んだ。
リンゴがすべてを放つその瞬間、ジョージはしっかりと彼の腰を押さえた。
彼はその瞬間ひどく暴れる。
リンゴは放出に合わせるように何度も身体を跳ねさせ、跳ねさせ、跳ねさせ
まるでマリオネットの最後のダンス、不規則で関節もはずれよとばかりに跳ねては沈む。
そして最後の糸が途切れた時、彼はジョージに身を預けた姿勢で静かになった。
ふたりはずるずると床に座り込み、仰向けに倒れたリンゴにジョージはキスをした。
唇は自然と互いを求め合い、軽く、何度も何度もキスを繰り返す。
壁もふくめてそこいらじゅう、リンゴの放出で汚れ放題だったけれど気にしない。
ふたりの身体と半ずらししている服はぐっしょりだ。
上から覆いかぶさるジョージの長い前髪がリンゴのヘアーと絡んだが、もう視線をかわす必要なんてなかった。
少しばかり眠ることにした。
ほんの少しだけ。
67:Sevens -8
10/04/09 22:37:09 hFce7Z1k0
ジョージは一足先に部屋に戻り、円卓のカード遊びに加わった。
ジョン、ポール、エプスタイン、そしてジョージで7並べだ。
それを未だ好き好んで部屋にぎゅうぎゅう詰めしてるスタッフ以下が見守っている。
順番にカードを並べるうち、ひとり、またひとりと何かに気付きはじめた。
最初にしびれをきらしたのは大人げなくもエプスタインその人だった。
「誰かね…、止めているのは…」
彼は神経質そうに、それでいて自分の苛立ちを悟られまいとポーズしながら言った。
「よう、ポール。いい加減にしろよ」
「何が」
ジョンの攻撃的な苛立ちにすかさずポールが反撃した。
「さっきのスペードの3を止めてたのお前だったろ」
「確かにそうさ。でもだからってすべてがすべて僕が悪いみたいに言うのはナシだよ」
「どうせまたお前だろ」
「だから何の根拠があってそういうことを…」
カードゲームとは恐ろしい。ふたりは元来の性格まる出しでいい争いをはじめた。
それをギャラリーが面白そうに眺めている。
「ジョージ…、子供っぽことは止めようね」
エプスタインは前髪を神経質に撫でつけながら大人の余裕を装う。
「今なら私は君を許すよ。さあ…、出しなさい。今すぐ」
「ええ?」
そこにリンゴが姿を現した。
皆がちらりと彼を見たが、先ほどのような殺伐とした空気を纏っていない姿に安心した。
リンゴはすたすたとテーブルに近寄ると、ポケットから四枚カードを出してそれぞれに並べた。
「あ”あ”???」
皆がそれに笑い、ジョンはカードを放り投げると倒れるように背もたれに身を預けた。
ポールは肩をすくめると、手に持つカードを整え裏返しのままテーブルに置く。
エプスタインは「いやあ、まったくやられましたよ」とか何とか言いながら
自分の持っているカードをギャラリーに見せひとしきり笑わせるとそれをジョージに渡した。
ジョージは止められていたカードが来たので、手持ちのカードをテーブルに丁寧に並べていった。
それを面白そうにリンゴが見詰めている。
68:Sevens -9
10/04/09 22:40:05 hFce7Z1k0
ジョンはあーあと言いながら部屋から出ていった。
あれ? なんだか彼は調子が悪そうだ
ジョージはジョンがぶちまけていったカードを拾いながらちらりとリンゴを見た。
リンゴは四人だけの言葉で「ポールがテーブルに置いたカードを見ろ」と言った。
それに頷きそっとカードを手に取り見てみると、先ほどリンゴが並べたカード全てがそこにあった。
驚いてジョージはリンゴを見た。そりゃそうだ、さっき来たばかりのリンゴがカードを抜き取る隙なんかなかったんだから。
ジョージはポールの姿を探したが、彼の姿は既に部屋にはなかった。
ああと思い、何事もなかったようにジョージはまたカードを並べ続ける。
でもなぜだろう、全てのカードは手の中にあるはずなのにどうしても置けないカードがあるなんて。
しょうがないのでジョーカーを出した。
「なんてことだ!」
リンゴがジャケットの袖口から器用にカードを出し、クラブのジャックをジョーカーに重ねる。
ランスロット
「今度は俺がおまえを止めてみたよ」
ジョージはリンゴのそのクールな瞳を見詰め、そっとふたりだけの秘密の言葉を囁いた。
あ と 何 回 と め る ?
何度でも
***
>>38です
ありがとうございました
69:風と木の名無しさん
10/04/10 05:44:17 jO0Xc4as0
>68
乙!
これだけの大作をJaneで読むのはもったいない、縦書き表示でなくてはと
青空文庫ビューワへ転送・保存しますた。
70:68
10/04/10 13:36:22 bgVP8GE40
>>69
青空文庫ビューワで読んでいただけるなんて
…信じられません、表現があれなだけに投下にもの凄く迷ったのですが本当に嬉しいです
ありがとうございました!
71:風と木の名無しさん
10/04/10 17:49:47 Zr5HAzB50
英国繋がりで夏目漱石が使っていた原稿用紙ビューワで読むのもまたいとをかし。
>68
大作お疲れさまでした。
絵心はさっぱりだけど、情景がつぎつぎ頭に浮かんでくる話の流れが
とても楽しかったです。
72:風と木の名無しさん
10/04/11 07:00:11 R08nmSgk0
>>68
乙でした。もう何と言っていいやら、、小説を読んでいるような感覚になりました。
すごい良かったです。
萌えました。また書きにきて下さい。
73:風と木の名無しさん
10/04/11 10:58:26 g8maMFsWO
何このスレきもい
74:風と木の名無しさん
10/04/11 11:01:09 Plaxz+0wO
このグループでこんなに萌えるとは思わなかったわ…
そういやこのスレの前に作られたっぽいまとめサイトを見つけたんだが、あれはまた違うのかね
75:風と木の名無しさん
10/04/11 12:51:49 lK8jq+ID0
>>74
今見てきたけど、ちょっと不思議なまとめサイトだね。
あれは違うんじゃないかな。
76:風と木の名無しさん
10/04/11 13:04:36 Plaxz+0wO
>>75
そうか、じゃあとりあえずスルーでいいね
77:風と木の名無しさん
10/04/13 19:08:26 cxffTOz40
現在>>52さん待ちですか?
78:風と木の名無しさん
10/04/15 00:31:34 P9dPpcT+0
P/Jとか書いてもいいのでしょうか…
79:風と木の名無しさん
10/04/15 00:37:22 cLnug5P80
>>78
全然オッケーですよ!
80:78
10/04/15 01:12:30 P9dPpcT+0
>>79
ありがとうございます、週末に書かせていただきます!
現在>>52さんが執筆中と思われますので、その後に投下しようかと思っています。
出来たらまた来ます!
81:風と木の名無しさん
10/04/15 01:29:50 cLnug5P80
>>80
了解です!楽しみにしてますね!
82:風と木の名無しさん
10/04/15 03:58:04 rFwYQDZo0
投下楽しみにしてます(`・ω・´)
83:風と木の名無しさん
10/04/15 17:10:32 Ys7+1dfyO
わくわく
84:52
10/04/16 20:19:30 nvSsIXPM0
>>52ですが、前のレスですぐに投下するような書き方をしましたが
まだ書けていませんorz面白い話も書けそうにないです。。
なので自分の事はスルーしてください。
すいません。
85:風と木の名無しさん
10/04/17 14:26:50 aOxO/OZu0
自分が面白くないと思っても意外とそうでもない事が多い
ゆっくりでいいから書けたらちょっと読ませてほしいよ
86:Forbidden Game -1
10/04/19 23:41:40 qkIwuHaH0
急募
私はポーランド出身のアヴァンギャルド映画監督である。
先日脚本のアイディアを募集したことは皆さまの記憶に新しいことと思う。
この場を借り、私は幸運なことに素晴らしいアイディアとキャストに恵まれたことを報告する。
今回はの広告は選ばれし若き俳優の才能を開花させるべく、広く協力者を募るものである。
これは壮大な「実験」
連絡は以下まで
+44-208-636-xxxx
May, 1966
Ian Iachimo
世の中には恐怖心より先に好奇心が勝る人間が多いようだ。
ポール・“Ian Iachimo”・マッカートニーはそんなことを考えながらカフェのテーブルを挟んで座る中年男を眺めている。
お世辞にも美しいとは云えないこの中年、頭は半分禿げかかっていたし
どういったセンスなのかラクダ色のトレーナーを着ていた。
今回の「実験」の参加料はけして安くない、それをポンと支払ったのだ、それなりの階級の男なんだろう。
「で、その将来有望という俳優はどこにいるのですか?」
ラクダ男は少し興奮気味に尋ねた。
「先ほどお話ししました通り…」
髪の毛と同じ色をした付け髭をしたポールは男に向かって真面目は顔で言った。
「私が大事に育て上げようと考えている青年です。
まずは本作の監督である私が協力者様と面接し、その方が信頼のおける人物であると判断しましたら
ご対面の運びとなっています。今、彼は私の車の中でひとり控えております。
芸術家特有の性格と申しましょうか、とても神経質なのです。それが彼の才能開花の邪魔をしているのです」
ラクダはうんうんと頷いた。
「なるほどなるほど、広告を見た時は半信半疑でしたが、ミスター。
あなたの姿、物腰、話し方、まったく素晴らしい。発音もかなり正統イギリス英語に近い。
そしてその気品……、いえ何でもありません。あなたは真の芸術家であることが理解できます」
87:Forbidden Game -2
10/04/19 23:45:37 qkIwuHaH0
「英国人である貴方に私のつたないスピーキングが褒められるなんて嬉しいことです」
そう言ってポールは冷たく微笑んだ。
「今夜行われるのは俳優の才能を開花させる「実験」です。
多少過激な実験になるかもしれませんが、ご協力頂けますか?」
「ええ、勿論です!」
ラクダは興奮を隠さず大声で答え、そしてそれを恥じたのか咳払いしてごまかした。
「ありがとうございます」
このスケベ
「当初潔癖症の女性が主人公だった私の本の主人公が何故にして男性になったのか、
恐らく彼に会えば貴方もご納得頂けるものと信じます」
ロンドンにある冴えない雑居ビルに横付けされた車の中。
ジョンはひとりぶつぶつ文句を言っていた。
『何か面白いことないかい、ポール』
そう言ってポールにイベントをねだったのは彼自身だった。
『予定されてるツアーだっけ? あれだってやりたくないしな。もうああゆうのは御免だよ』
ポールは楽しそうに頷くと、丁度いい話があると言った。
よく知らないが、今年の三月に偽名でフィルムのアイディアを募集したといのだ。
それをネタにして、ツアー前に一晩楽しもうという運びだ。
でもそれって一体どういうものなの?
ポールは曖昧に微笑むだけだった。
『ジョンはね、僕が言う通りにしてくれればいいんだよ』
そう言うポールの瞳がキラリと光ったのを気付かなかったジョンは、彼のお遊びにのった。
「まあ何だ、楽しければそれでいいよ。実際、俺は最近の自分のあり方に疲れてきてるからね …はっ!」
そう言って伸びた前髪を指でいじった。
随分伸びてしまった、鼻のあたりまで伸びてしまっている。
これもツアー前には容赦なくカットされるんだろう どうにでもなれってんだ
そこへスーツを着て付け髭したポールと、どこの馬の骨とも知れない中年男が姿を現した。
なんだあのトレーナーは?
…ジョンは前髪で顔を大いに隠した。
さあ、どうぞ、とか何とか言ってポールは男を後部座席に乗せ、自分は運転席に座るなり車を発進させた。
88:Forbidden Game -3
10/04/19 23:48:17 qkIwuHaH0
眠らぬロンドンの町を抜け、車は夜の道を郊外に向け進む。
「彼がその俳優なのですか、ミスター・イアン?」
ラクダがハンドルを握るポールに声をかけた。
「名前はジョンと言います」
「ほほう、英国人ですか?」
「そうです、貴方と同じ。しかし見ての通り、髪で顔を隠すなど病的羞恥心の持ち主なのです。
私は今回の映画を成功させるため、この彼の悪癖をどうにかしたいと思っているのです」
「彼は素晴らしい才能の持ち主なのですね、判りますよ」
ラクダは後部座席から身を乗り出し、ジョンをジロジロ見ながら言った。
「美しい髪ですね…、明るくて神秘的、実に素敵な色をしている。
そしてどうでしょう、ちょっと生意気そうな唇がなんとも…」
気持ちが悪い…! ジョンは男の言葉に激しい嫌悪感を覚えた。
「どうぞ、見てやってください」
ポールの言葉にギョっとする。
「どうぞ、どうぞ。お好きなだけ。先ほど申し上げた通りです。
これは彼の才能を呼び醒ます「実験」です。積極的なプロジェクトへの参加を望みます」
焦ったジョンはとっさに横で運転するポールに掴みかかろうとしたが、
それより一瞬早く彼はブレーキを踏み、つんのめるジョンの身体を支えるとそっと唇に自分の親指を這わせた。
暗闇の中でじっと前髪の間から見える彼の瞳を見詰める。
ジョンはとても恥ずかしくなってしまった。
こんな姿を誰にも見せたことなどないのに。しかも、後部座席から見知らぬ中年男がそれを見ている。
まさかポールがそこまで、と思ったジョンは甘かった。
ポールはひどくゆっくりと、そう、いつも彼にそうするように指でなぞられうっすら開いた唇にキスをした。
(…あ、ダメだ。ポール。そんなキスは…)
ジョンはちらりと後部座席を見るとを、男はじっくりとふたりのキスを見詰めていた。
(おい、こいつ見てるぞ…)
ポールの器用な舌がジョンの下顎の歯をなぞる。
そうしたかと思うと、それを許す為に上を向いてしまった舌を唇が捕まえ、愛しそうに唾液を吸い取った
ジョンは赤面し、正直なコックは反応しはじめる。
(見んなよ、このラクダ!!)
89:Forbidden Game -4
10/04/19 23:51:20 qkIwuHaH0
心の中で大いに悪態をつきながら、それでいてポールを拒否できない。
こんな汚らしいオヤジに見られているのに。
ふいに唇が離れ、座席に押し付けられたジョンの身につけるコートの前が開かれた。
あまりの早技にジョンは声も出なかった。
「おお!!」
男は喜びあがった。
「これもひとつの実験です」
ポールはバックミラーごしに後部座席の男に向かって言った。
「見ての通り、彼には生まれた時の姿で来てもらっています。
彼の才能は「羞恥」の厚い壁に阻まれ、後にも先にも進めないのです。才能ある彼の障害を取り除く実験です。
どうですか、コックが立ち上がっているでしょう。 …そう、もっと見てやってください」
男は鼻息荒くまるで食いつくようにしてジョンのコックに顔を寄せた。
ラクダの湿り気をおびた吐息がジョンのコックをなぶる。
「先ほどカフェでお約束して頂いたように、彼にはノータッチで」
「守りますとも。いやそれにしても素晴らしいですね。彼のコックの先から流れているのは何なのです?」
「さあ、何でしょう」
「何なのでしょうね…」
ポールとラクダふたりに凝視され、ジョンは思わず顔を背けた。
「ジョン?」
ポールはジョンに返事を促したが、彼は返事をしない。
その気になればコートの前を隠すことだってできるのにそれもしない。
ラクダ男にいやらしく視姦される自分をポールが見ているのかと思うと、動くことが出来ない。
「おや、また出てきましたね。まるで湧きでる泉だ」
男は大胆に言った。
「ではそれが何なのか検証しましょう。ジョン、外出て。車の前に立って」
ジョンはポールの言葉に抗議しようとした。
「もう一度言うよ、ジョン。この実験は ” 君 が 望 ん だ ” ことだ。さあ、車の前に立って」
その言葉を言われては返す言葉がない、ジョンはしかたなく車から降りた。
そこは何処とも知れない河原であたりは真っ暗。
気温が低い、上空でごうごうと風がうなっている。
何度も振り返ったが、ポール、そしてラクダ男がじっと彼を見詰めているだけだ。
寒空の夜空の元、ジョンは裸足で、コートだけ羽織った姿で車の前に立った。
90:Forbidden Game -5
10/04/19 23:55:10 qkIwuHaH0
車の中のポールが手ぶりで「もう少し後ろへ下がれ」と言った。
三メートルほど後退する。
すると次ににポールは「コートを開け」と手ぶりした。
ジョンは首を横に二度三度振った。
「なぜすぐやらない、一体彼は何をしているのか」
ラクダは恨めしそうに言った。
「今彼は羞恥心と戦っているのです。そんな彼の手助けをしましょう」
そう言って男の顔を見詰めるポールの顔は美しかった。
「ダークヘアーはお嫌いですか?」
男は待ってましたとばかりに運転席と助手席の間から身体を前に出し、ポールの身体を抱いた。
「ミスター、私は積極的にこの実験に協力しますよ。
あなたは素晴らしい芸術家であり、教師だ。きっと彼もそれに気付き、才能を開花させるでしょう。
ああ、 私が先ほどからあなたに触れたくてしょうがなかったのをご承知でしたね」
ポールはもちろんという顔をし、そして次にひどく甘えたような顔をした。
「イングランドに来て以来戸惑いの連続です。英国紳士たる貴方に是非色々ご教授頂きたいところですよ」
「たとえば?」
「たとえば」
そこまで言うとポールはちらりとジョンを見ると、左手の人差指を一本立て、そのままで居るようにサインした。
ジョンは悲鳴を上げた。ポールとラクダがキスしはじめたのだ。
ポールはひどく恥ずかしそうに振る舞い、抱きすくめる男の腕から逃れようとするが
男はそんな彼の反応に興奮し、髪の匂いをかぎ、そして唇をゆっくりと頬に滑らせたかと思うと、
ひどく丁寧にポールの顎を持ち上げ唇を重ねた。
「ポール!」
ジョンは怒鳴った。
「お前、何やってんだ!!」
地団太を踏んだが、彼はそこから一歩も動けない。
ポールの人差指がそのままステイするようにサインし続けているのだ。
「おい、禿げ! ポールに触るな!!!」
ふっとふたりの唇が離れ、ポールはまた手ぶりで「コートの前を開け」、とサインした。
ラクダ男はポールのヘアーに何度もキスしながら外で突っ立っているジョンを面白そうに見ている。
男の手がゆっくりとポールのジャケットの中に滑り込む。
ポールは無邪気な驚きを表現し、そしてまた甘えたように男を見詰めるとふたりはまたキスをした。
91:Forbidden Game -6
10/04/19 23:59:25 qkIwuHaH0
男の手は器用にネクタイを緩め、そしてシャツのボタンを外し始める。
禿げ頭でポールの表情は隠され、見えるのは美しい首筋、そして徐々に開放される衣服の間からこぼれる白い肌。
それを慣れた手つきで触れるこのラクダ男。
ひどくゆっくりとポールの若い肌に触れる。
悔しくておぞましくてしょうがない。
だというのに、ジョンのコックは先ほどより堅くなっていた。
あんなにおぞましいのに…、なんで、くそ!!
「苦しくないですか?」
男はポールに尋ねた。
「いいえ、大丈夫です。貴方は本当に紳士なのですね。僕は本当に素晴らしい協力者を得ました。
もっと貴方にご教授頂きたいところですが、まずは彼です」
「おや…、いつの間にやら御開帳ですね」
ジョンはコートの前を開いて立っていた。恥ずかしさと寒さで足が震える。
「私とあなたの姿を見て、羞恥というものが如何に愚かな感情か判り始めたのでしょう。さて、もうひと押ししましょうか」
そう言うとポールは車のフロントライトをオンにした。
ジョンのあられもない姿がぽっかりと闇に浮かぶ。
彼は絶叫したが、車内に声は届かない。
ポールはまた人差し指を立て「ステイ」のサインを送った。
「美しい…」
男は唸った。
「寒空で美しい長髪をなびかせた青年の姿がなんとも美しい。
そしてどうです、彼のコックときたら… なんて無邪気な…」
男は視線をジョンに向けたまま、執拗にポールの身体を触った。
『糞ったれ! やめろ!!! オヤジ、てめえ、ぶっ殺すぞッ!!!!』
「何か彼は叫んでいるようですが?」
「歓喜しているのでしょう、まるで犬のように」
「犬、ですか」
男の手がポールのそこに触れた。
「…あ」
「あなたのここも彼と同じく…」
ジョンからは男の手がどんな動きをしているのかは見えなかったが、下に回り込んだ腕とポールの表情を見れば判る。
アイツ、あの男! ポールに触ってやがる!!
92:Forbidden Game -7
10/04/20 00:03:48 qkIwuHaH0
『ポール、やめろ! もうゲームは終わりだ!!!』
ポールが快楽に身をのけぞらせ、更なる男のキスを誘った。
「すてきだ、一体どこでこんなキスを…」
男は唇を離すと口元をぬぐいながら呟いた。
「今、あなたに教わったのですよ」
「上手いことをおっしゃる」
『聞いてるのか! ポール!!!!』
ジョンがこのバカなゲームから降り、すぐさま車から男を引きずり出すことなんて簡単だった。
なのに彼はそうしない。できない。ずっとポールのサインが変わらない。
下半身が痺れてくる、ジョンはポールが汚らしい男に凌辱される姿を見て興奮していた。
不意にポールが車のクラクションを鳴らした。
「わああああ!!!!!!!」
ジョンは叫んだ。
「やめてくれ!!!!」
そう言いながら彼は一歩も動くことができない。コートの前を両手で開き、堅くなったコックを露わにして叫び続けた。
「やめてくれ…!!!」
ジョンは男の誘いに酔うポールの姿から目をそらせない。
「どうしてそんな男に触らせる。どうして俺の目の前で他の奴とキスする。
なんでそんな甘えた顔をする… ポール……」
ジョンはポールを心から呪った。
「コックを触られてるんだろう。いったいどんな風にだ。くそ
そんな男の手でよくなってるってのか… ああ、またキスしやがって… 」
コックの血管がぶち切れそうだ。
「ここからよく見えるよ、どうしてそんな表情するんだ… ああ、ポール。
俺はどうすればいいんだ。どうして俺のコックはこんなになっちまってるんだ…」
車内のふたりは騙し合うようにキスを繰り返し、男はジョンの目を見てニヤリと笑い、
まるで見せつけるかのようにポールへの行為を加速させた。
ジョンは五月の寒空の元、白い息を吐いては呪いの言葉を繰り返した。
そうしながら思わず自分のコックに手ばしたその時だった
「なんだこいつ、ヘンタイか」
93:Forbidden Game -8
10/04/20 00:07:19 liD/Jnv50
クラクションの音がでかすぎたのだろう、
近くを通りかかった見るからにガラの悪いガキが三人現れた。
思わずジョンはコートを閉じた。
「おいオッサン、金出せや」
さすが糞ガキ、すべてが直球だ。
「持ってないんじゃねえの? 乞食っぽいし、髪も長い。気晴らしに殴って川にでも捨てるか?」
ニキビ面の少年がナイフをちらつかせ、それをジョンの顔に近づける。
「車の方は? さっきまでうるさくしてたのはあれだろ? ライトで中があんまり見えないけど」
と、車のドアが開き運転席からネクタイを締めたポールが出てきた。
それと同時に猿ぐつわをかませ、両手を後ろに縛りあげた男を引きずり出し少年たちの足元に放り投げた。
「このおじさん、金、持ってるよ」
「マジ?」
少年のひとりがラクダ男のパンツの後ろからマネークリップに挟まれたキャッシュを引っ張り出して口笛を吹いた。
「へへ、随分金持ってるな。こいつ誰なの?」
少年が車のライトの逆光で顔の見えないポールに向かって尋ねる。
「ビートルズの関係者だって言ってたよ」
「ワーオ! どうりで金持ちなはずだぜ!」
少年達は男の衣服のそこここに挟みこまれたキャッシュを引き抜きながら、殴る蹴るの楽しいパーティーを開始した。
「あとで適当に川にでも捨てておけよ」
「いいの?」
「証拠隠滅だろ」
ポールは少年にそう言うと、ジョンの腕をつかみ車の助手席に座らせその場を後にした。
94:Forbidden Game -9
10/04/20 00:20:22 liD/Jnv50
「君は僕を見ていたね」
狭い車の後部座席、ふたりは身体を寄せ合っていた。
「ポール……」
「もっと誘えよ」
シートに仰向けになったジョンはコートの前を全開にしてポールの首に腕を回し引き寄せ、
さっきからずっと、そうずっと、何度も何度も彼のその唇を吸ってやめない。
「ああ、くそ。この唇をあんな男が…」
「でも今、欲しいのはこれだろう、ジョン」
「あんな男に…」
「彼はひどく僕の舌を吸っていたよ、何度も」
カーっとしたジョンは尚もポールを引き寄せ、彼の口の中の唾液を全て飲み込むかのようなキスをした。
「…っふ」
あまりの強いキスにポールが唇を離す。
「汚らしいおっさんに舐めまわされた、あんたの大嫌いな僕の唇だよ」
「言うな!」
「誘えよ」
ポールはジャケットを脱ぐとネクタイを緩め、ジョンの長い髪を指に絡めた。
「ツアーの時にはカットされてるのかな… もったいない…」
ジョンの手はポールのそこに触れようとする。しかしポールはそっとそれを制した。
「いいから、誘えって」
ここにはゼリーがなかったので、ジョンは先ほどから指を使って自分の粘膜と唾液でそこを潤わせていた。
「は… 早く… …」
「もっとだよ」
「欲しい… ポール……」
いやらしい音は絶え間なく、徐々に彼のそこは潤いひらいてゆく。
ポールはそこに引き出した自分のコックを軽くあてがい、潤いを与えた。
「ポールのこれで… は…ぁ… ほら、もうこんなに。 もう少しだよ、ねえ、もう少しなんだ」
ジョンはうなされたように言う。
「はやく はやく」
彼は苦しそうに呻き、必死に自分のそれをひらく。
95:Forbidden Game -10
10/04/20 00:25:55 liD/Jnv50
ポールはそこにそっとコックを押し当てた
「ク… …ッ」
ジョンは投げ出した両脚を車内上部を支えにして全開にし、腰を上げると彼を待った。
ポールはコックをほんの少し強く押し当て、いくらからの拡張を促す。
「あの男に… どんな風にされたの…」
ジョンは興奮と怒り、嫉妬、期待、喜びの強烈に入り混じった表情で言った。
「とってもよくされたよ」
「よくされた?!」
あまりの悔しさに涙が溢れ、彼は両手で顔を覆った。
「嘘だ、よくされたなんて嘘だ!!!」
「本当にこれが欲しいの? あの男の指が触れたこれが」
そういって彼は一度腰を引き、自分の粘膜で彼のそこをうるおし、
そして今度は先ほどよりもう少し強く腰を強く押し当てた。
「あ… ぅ……ッ」
「先の方まで少し入っちゃったよ、ジョンの嫌いな僕のコックが、散々弄ばれた僕のが」
「言うな…」
「誘えよ、もっと」
ポールは自分の根元を圧迫し、先端の膨張を促し
そしてそのままそれを数度、ゆっくりと出し入れした。
「…くっ …」
「僕は何もしていないよ」
そして腰をそのままに根元から手を離し、ゆっくりとジョンの上半身に触れると同時に顔を近づけた。
そうやってゆっくりと唇を赤くはれ上がった乳首の先端に持ってゆく。
「声、出すなよ。ジョン」
ポールは右手でジョンの左足の開脚を助けながら、左指をジョンの唇にかませると堅くした舌で小刻みな刺激を与えた。
「(グうぅ… ッ!!)」
ジョン身体は刺激に反射的にのけぞりかえり、せっかく先端まで入ったポールのコックが抜ける。
そして声を出さないように、ああ、でも彼はベーシストだから、ジョンは与えられた指を舌でうまくからめとり、
口から声が出ないように努力した。
ポールの舌が数度、同じように細かくするどい刺激を与え、尚もジョンは指を咥えながら呻いた。
「まるでキャンディー好きの子供だ」
そう言うと彼はジョンの口から指を引き抜く。
96:Forbidden Game -11
10/04/20 00:33:30 liD/Jnv50
同時にのけぞったジョンの身体がシートに沈み、両脚はシート。彼は浅い息を繰り返した。
このままでは心も身体もばらばらになりそうだ。
ポールは顔にかかるジョンの前髪をそっと横に長し、涙の跡に唇を這わせながら、
しめった指で彼のバックに潤いを与え、再度腰を押し当てた。
「欲しい?」
イエス
「どれくらい」
ポールは狭いスペースでできうる限り身を立て、両手の人差し指でジョンの胸のふたつの先端を同時に刺激した。
「あアッッっっ…!!」
ジョンは身をそらし、両脚に力を入れると自然と腰は浮きあがる。
言葉にならない言葉を呟きながら、彼のうきあがった腰が動く。
もっと中、もっと中に
「自分で動いてるの?」
ポールは更に先端を指で絶妙に刺激した。
「腰、動いてるよ」
「……」
「ジョン」
「はずかしい」
「もう半分まで入ってる」
「きもちいい」
「動きたい?」
ジョンは涙を流し、そして長く伸びた髪がそんな彼の顔に絶妙な影を与えこの世のものとは思えぬほど美しい。
ポールは更にネクタイを緩め、また更に開脚を助けながら彼のコックに刺激を与えながら、ジョンの腰に合わせて自分も動いた。
「ポール。それ、いっちゃ…」
言い終る前に彼はあっさりとポールの手のひらの中に射精してしまった。
それは本当にあっという間の出来事だった。
ポールは腰を引くと手を汚すそれを自分のコックにそれをすりこみ、残りは全てジョンのそこを潤したかと思うと
突然の放出に茫然とする彼にキスするよりも早く、深く深く腰を沈めた。
「………っ!!!」
ジョンの口から絶叫にも近い声が漏れたが、重なるポールの唇がすべてを飲み込んだ。
ポールは深く沈めた腰を一度引き、浅く三回、そして深く一回…
それを二度続けた
97:Forbidden Game -12
10/04/20 00:39:24 liD/Jnv50
堪えきれなくなったジョンが唇を離す。
「くはぁぁ…… ぁぁああああああああ!!!!」
ジョンは叫んだ。
「ああ、 ポール やっと、 やっと来てくれた!!!」
もう一度、浅く三回
そして深く一回
半分まで腰を引き、グラインドさせる
今いったばかりだというのに、ジョンはひどく反応してとまらない。
「はあぁぁあぁ…っっ… すごいポール、もっとして… もっと…!!」
「もっと?」
「もっと!!! もっときて!!!!!」
ポールは更にじらすようなグラインドを続ける。
「せっつくなよ、昔からの悪い癖だ」
そう言うと彼はグラインドすることによりじっくりとジョンの壁を前後左右に押し広げる。
そして探り当てた。
ポールはちょっと腰を落とすと、繊細なそこをゆるりゆるりと擦るかのように刺激する。
「あッ アァッん!!!」
ジョンのコックはビクビクと反応し、その度に腹についた粘膜が糸を引く。
更に腰を落とし、角度をつけ強く圧迫。
ジョンのコックが一瞬強く跳ねあがった。
それを見計らってポールは彼の奥深いところを不意に強く二度突く。
「!! !!!!…」
ポールは深く彼に覆いかぶさると車がバウンドするほど、彼のそこを五度ほど突いた。
「あ あ あ あぁ っッ」
ジョンは必死にポールの身体にしがみつく。
「…あっ… アッ あっ… アアッ…!!! …」
「もっと誘えって」
そういってジョンの長い髪に顔をうずめた。
浅く三回
そして深く一回
「僕が男に抱かれてるのを見て興奮してたろう」
98:Forbidden Game -13
10/04/20 00:41:55 liD/Jnv50
深く三回
そして浅く一回
「どんな気分だった」
深く五回
「どんな気分だったか言ってみろ!」
浅く三回…
「…ジョン…」
ポールはとめどなく快楽の波を送り続けた。
ジョンの身体はガタガタを震え、もう声も出ない。
ただカウントする
浅く三回
そして深く二回
3…
2……
3… 1…… 3…
2……
2… 5……
「きれいな髪だ」
2…… 1………
3…
2…… 4…
1…… 1……
ジョンは白目をむき、喉の奥からごぼごぼと音を鳴らした
99:Forbidden Game -14
10/04/20 00:46:43 liD/Jnv50
3… 1…… 3… 3…
…… 2…………
2……
5… 3………
「来いよ」
5…… 2…
1…… 3………………
「遊びはここまでだ」
カット
告知
ついに私の作品は完成した。近日この画期的作品の上映会を行うにあたり告知する。
私の「実験」はここに終わる。
先日イングランドのミュージックバンドがツアーを止めると宣言したように。
そしてそれは新たな「実験」の始まりとなるだろう。
上映会参加希望者は以下に連絡されたし
+44-208-636-xxxx
Aug, 1966
Ian Iachimo
100:風と木の名無しさん
10/04/20 00:49:58 liD/Jnv50
***
>>78です
ありがとうございました
スレ独占して申し訳ありませんでした
イアン・イアチモーというマイナーネタで再度申し訳ありません
101:風と木の名無しさん
10/04/21 06:31:54 OiXg9dLqO
すげ…!
大作読破したような後味です~。完成度高いですねぇ。ありがとうございました。
ちなみに本来はJP一筋ですw
102:風と木の名無しさん
10/04/21 21:44:39 rQJIzxmV0
禿萌えました。ポールのSっぷりが最高
103:100
10/04/21 21:48:06 0yco9j990
>>101
投下後ピタっと動きが止まってしまい
ドン引きさせてしまったかとかなり焦っていました。
罵倒でもなんでもいいのでコメが入らないかかなり祈っていました(涙)
ありがとうございます
そして場所をとってしまってすいませんでした
104:風と木の名無しさん
10/04/21 21:49:54 0yco9j990
>>102
すいませんリロっていませんでした!
ありがとうございます
お邪魔でなければまた書かせてください
105:風と木の名無しさん
10/04/22 02:25:27 5EYu+JlGO
自分もJP一筋なんだが楽しませていただきました。
次はそろそろJP来ないかな?
106:風と木の名無しさん
10/04/22 03:20:59 sYKeFKK90
>103
このスレ住人それぞれのGが「僕にもこんなスキルがあったら…」と
嘆く後ろでRが「これ以上俺の腰を壊す気かー!!」と悶えのたうち
回っていたに違いない。
大作GJ!
107:風と木の名無しさん
10/04/22 04:09:56 5RQTTodmO
>>103
書いて下さってありがとうございました。私PJが大本命なので本当に嬉しかったです。よろしければまた書いて下さると泣いて喜びます。
108:風と木の名無しさん
10/04/25 02:09:28 l7PNkIwO0
投下来てた!と思って読み出したら凄かった(色んな意味で)
がっつり読ませてもらいました。乙です!
109:風と木の名無しさん
10/04/25 22:11:19 WZidcC050
>>100です
長々場所とりして本当に申し訳ございませんでした
そして感想をありがとうございます とても嬉しいです
>>52さん
>>85さんもおっしゃっていますが、私も同感です
場所とりした私が何を言える立場にないことは重々承知ですが
ぜひ読ませてください お願いいたします
110:風と木の名無しさん
10/04/30 00:39:36 EFHGXIyM0
誰か書かないのですか?
111:風と木の名無しさん
10/05/02 19:48:15 ldxwMXwa0
海外のスラッシュ紹介とかも、ここでいいのかな?
112:風と木の名無しさん
10/05/02 21:09:48 6YAfwlxP0
>>111
いいと思いますよ
113:風と木の名無しさん
10/05/02 21:20:22 ldxwMXwa0
URLリンク(community.livejournal.com)
G/Rイラスト紹介。
114:風と木の名無しさん
10/05/02 21:43:40 6YAfwlxP0
>>113
・・・衝撃だね
115:風と木の名無しさん
10/05/02 22:36:11 ldxwMXwa0
さらに衝撃的なやつをw
URLリンク(community.livejournal.com)
URLリンク(community.livejournal.com)
116:風と木の名無しさん
10/05/02 22:50:38 6YAfwlxP0
>>115
・・・凄すぎだろ!!!
しかも1番目のやつの※のポールアイコンの人
PLEAZZZZZZZEEE more!!! って・・・
海外のビートルズ事情は凄まじいつーか力強いな
心奪われた
117:風と木の名無しさん
10/05/03 18:20:50 ZDhRGcXa0
海外ってアメコミ風も多いけどリアル絵も多いからびびるよね
こっちでは少女漫画風?に慣れてるからさ
118:風と木の名無しさん
10/05/03 20:41:34 FNsRlNH10
そういえば日本でビーの劇画風というかリアル系の801絵師って見たことないかも。
119:風と木の名無しさん
10/05/03 21:28:00 Wi9Ghy9f0
なんで日本のこういう文化はものすごくアングラなイメージなんだろう?
ナマモノだから?海外のサイトは見てると楽しくなる。
120:風と木の名無しさん
10/05/03 22:12:51 ZDhRGcXa0
そりゃ堂々とやるもんではないだろう
某事務所から厳重注意された人もいるけど海外ではそういうのないのかな
121:風と木の名無しさん
10/05/03 23:36:26 14Vwu+Ww0
たとえばアメリカ辺りならゾーニングさえきっちりしておけば、
後は自己責任でわりと自由にやれるし大目に見てもらえるって感じっぽい。
ファンフィクはやたら大作が多くて、自分の英語力ではなかなか読み切れない……。
授業中に問題集の裏に落書きしたらしい。ほほえましい。
URLリンク(community.livejournal.com)
122:風と木の名無しさん
10/05/04 00:04:39 Wi9Ghy9f0
>>121
すごく微笑ましいw
なんだか見てるこっちまでニヤけてくるw
123:風と木の名無しさん
10/05/04 00:05:23 gTtDdS6aO
海外のスラッシュだと、話し言葉を自分の思う通りに変えて読める所がいい。
日本語はわかりやすいのはいいけど、イメージとずれると違和感あるし。
ホントの所どんな風に喋ってるのかわからないんだけどさ。
124:風と木の名無しさん
10/05/04 00:12:57 J6xpwjeK0
確かにそれはあると思う。
日本にもこういう物語チックなマンガとかが載ってるサイトとかあるのかな。
話だけのしか知らないや。
125:風と木の名無しさん
10/05/04 00:20:15 Yo9DeGIg0
実際に彼らの喋りを日本語に変換するとなると、相当のズーズー弁になるのでは…>リバプール訛り
それぞれの一人称は、例えばジョンが「俺」、ポール(&ジョージ)が「僕」、っていうイメージが多くなるかな?
自分の場合は全員「俺」になるけど。
>121
自分はいくつか見かけてるけど、ここで紹介するのはまずいかな。
126:風と木の名無しさん
10/05/04 01:07:51 adVKWVSxO
リンゴは子供の頃ロンドンの病院に入院してたから
リバプール訛りじゃないよ。リンゴはスルーしてるだけかな?
健全、腐問わずジョン、ポール、ジョージだけでリンゴスルーする人が多いよね。
127:風と木の名無しさん
10/05/04 03:27:17 nP1p4QHg0
>>126
私は相当なリンゴ萌えですぞ
128:風と木の名無しさん
10/05/04 03:36:20 nP1p4QHg0
しまった、途中でカキコしてしまった。
リンゴはかわいいキャラになりがち(されがち)な感じだけど
私はあんまりそういう印象はないなあ
腐視点でチラ裏だけど、リンゴはかなりの攻めキャラに見える
129:風と木の名無しさん
10/05/04 12:20:39 adVKWVSxO
始めに読んだスラッシュの影響でG/Rのイメージはペケの俊夫と瞳
130:風と木の名無しさん
10/05/04 13:33:51 n3T4xhdj0
>>128
私もR攻めキャラ全然いけるよ・・・あの鼻を見た瞬間からw
というかGとRならGRでもRGでもどっちもいけるんだけどね
131:風と木の名無しさん
10/05/04 16:01:42 adVKWVSxO
凄まじい体毛見てから最強の攻めはポールだと思ってる。ガタイもいいし。
とりあえず4人で仲良くじゃれてるのを見るのが1番楽しい。
132:風と木の名無しさん
10/05/04 17:55:09 exI6w2Mu0
G「眉毛なら負けない…!」
アメリカでアニメ化された4人のキャラクター造形のうち
一番「これはちょっと…」なデザインに変更されたのはG。
133:風と木の名無しさん
10/05/04 18:53:15 J6xpwjeK0
最近読んだビートルズの関連本で、自分がキュンとしたのは、ホワイトアルバムを作ってる頃
セッションが夜中から朝にかけてが多かったので、4人がアビイロードの
スタジオに歯ブラシを持参してた。っていうのがあって、4人が並んで
歯を磨いてるのを想像して(多分すでに仲が悪かったはずだから、それはないと思うけど)
不覚にも萌えた・・。
流れを読まずにカキコしてスマソ。
134:風と木の名無しさん
10/05/04 20:06:01 FqioAuF8O
GはRをかわいいかわいい言って攻めるも良し。誘い受けるもまた良し。
アニメザビートルズといえば、Gが女装してRの婚約者になりすます話とかあったなぁ…
135:風と木の名無しさん
10/05/04 20:29:36 n3T4xhdj0
>>134
あったねーそんでRを助けるんだよね
アニメは結構萌えどころが多いから侮れない
PがJをお姫様だっこしたり
136:風と木の名無しさん
10/05/04 22:45:53 e1rGhvwy0
>>134
>Gが女装してRの婚約者になりすます
KWSK
www。bea tle scar to on。comに当時の全作品放送リストがあるけど
話の内容についての解説が一歳ないので探し出すのは骨が折れそうです
137:風と木の名無しさん
10/05/04 23:21:16 FqioAuF8O
>>136
What You're Doingの巻だよ。
つべに行けば英語・日本語両方ともある。
胡散臭い占い師のせいで、ジプシー1の美人(らしい)と無理矢理結婚式を挙げることになったリンゴ。
「結婚するぐらいなら死んだ方がマシ」と泣き叫ぶ彼を陰から見ていた残りのfabは リンゴを救出することは出来ないかと考える。するとポールは 風に揺れる洗濯物のドレスを見て何かを思い付く。
リンゴの足掻きも虚しく ついに結婚式が行われようとしたその時、
「その式をやめてぇー!」甲高い声と共に駆け込んでくる ピンクのドレスを着た少女(?!)が……
続きはつべで。
138:風と木の名無しさん
10/05/04 23:58:54 nP1p4QHg0
みんな物知りだなあ・・・
ビー萌えって結構いるんだね、びっくりした。
139:風と木の名無しさん
10/05/05 14:05:23 5xg3/MqyO
最近急にB熱が!
主演映画やら動画やらなんやらを見てニヤニヤしてる毎日です。
JがPを笑わせようと頑張ってる動画を何度もリピートしてしまう…!
140:風と木の名無しさん
10/05/05 18:12:49 FPkp/gQT0
Rock Band:兜虫のOPムービー、4人がティータイムを楽しむシーン
背中を丸めGの顔をのぞき込むように話しかけているRが愛らし過ぎて
どこかのレコード会社日本の横やりによる国内版発売中止が超憎いです。
泣く泣くプレイ実況をYoutubeで見て回っているけど、運良く海外版を
本体・演奏端末ごと予約・個人輸入で購入出来た人が本当に羨ましい。
141:風と木の名無しさん
10/05/05 22:23:43 K6j54xtY0
>134
Gは63年のクリスマスショーでも女装してるね。写真はいくつか見かけたけど、映像の方が見あたらない。
>140
あのOPは確かに素晴らしい。あれで一本映画を作ってくれないだろうか。
142:風と木の名無しさん
10/05/05 23:35:37 Yza2YUbD0
>140
公式が期間限定で配布していた高解像度(Youtubeにアップロードされた
HDから透かしロゴなど削った奴)トレーラーをキャプって個人使用限定
デスクトップに設定しているファンも多いとか。
EDムービーとゲーム、2つのthe Endも最高です。ギターソロに入った
ところから終わらないで~!!と半べそかいてしまうし、ムービーの方は
色とりどりの花が芽吹いてゆくロンドンをアビースタジオの屋上から
4人そろって見つめているシーンは演出過剰かもしれないけど素晴らしい。
海の向こうのファンや版権使用作品が彼らに傾けた愛情表現が羨ましく
なります。
143:風と木の名無しさん
10/05/05 23:57:37 AGpdxWF90
>>140
Rock Band: The Beatles take3
スレリンク(beatles板)
144:風と木の名無しさん
10/05/06 04:13:16 cXY4Ny8OO
ずいぶん下がってて探しました~
実際のPは受とはとても思えないけどあのキュートな笑顔を見ちゃうと…。
それと解散後もJやその他あちこちから何を言われようと耐えて絶対Jを悪く言うことは無かった今に至るまで。切ないTT
黙るPを虐めたくなっちゃう不器用なJ……に萌える私です。
145:風と木の名無しさん
10/05/06 19:54:03 dHcHTy1l0
ジョージがインナーライトを作った時
あまりのメロディのすばらしさに(自分で作ったのにw)
ジョージは歌入れを躊躇したらしい。で、そばにいたポールが
「大丈夫、おまえなら出来る」と励ましたらしい。
自分はジョージ好きだけど、ポールの優しさに萌えた。
146:風と木の名無しさん
10/05/06 22:18:38 pLomdJW1O
ジョンとリンゴは最後まで穏やかで仲良い感じが萌える。近くに住んでた時は
約束せずにふらっと行き来して、一緒に出掛けたりするのがいい。
147:風と木の名無しさん
10/05/07 01:52:17 0uampISf0
>>144
>>145
素晴らしく萌えました
148:風と木の名無しさん
10/05/07 02:00:28 s2WSrPFa0
>145
そのエピは良いね! ポールはジョージにはキツいイメージがあるだけになおさら。
ジョージ、勝利の舞
URLリンク(community.livejournal.com)
149:風と木の名無しさん
10/05/07 02:24:22 UH7bhIBB0
>>148
ジョージかわいいいいい!
メンバーの中で一番寡黙に思われがちだけど
結構お茶目なところがあるんだよねww
150:風と木の名無しさん
10/05/07 03:29:34 xwoO8JU+0
まいどほなさいなら(直訳)のおふざけバージョンPVでさりげなく
紫の上着をストリップ脱ぎするジョージが大好物です
151:風と木の名無しさん
10/05/07 04:56:08 Fpq3woqEO
PへのJの辛辣な悪態は強すぎる愛情表現と心得てます。
そうでないとつらい。
(下がりすぎてるので一度上げましょうか)
152:風と木の名無しさん
10/05/07 09:39:50 H/IqjvanO
Pって基本SっぽいのにJに対してだけ非常にMっぽいと感じてしまう。
そんなMカットニーがすきです。
153:風と木の名無しさん
10/05/08 00:17:48 aEls8+Rw0
>>151
普通にそうだと思ってますw
How Do You Sleep?なんてすっごく萌える
ヨーコさんがほとんど歌詞書いた説もありますが・・・
154:風と木の名無しさん
10/05/08 00:22:58 57UdgUtL0
URLリンク(newmachine.exblog.jp)
リンゴかわいい
155:風と木の名無しさん
10/05/08 00:31:59 57UdgUtL0
>>154の画像は見れないです すいません
URLリンク(www.flickr.com)
156:風と木の名無しさん
10/05/08 14:19:58 DE3XWksH0
まったく空気を読まなくてすいません
J/Pのお話しを投下してもよろしいでしょうか
とても長いので、もし途中でうざくなったら言ってください
すぐにやめます
157:風と木の名無しさん
10/05/08 16:10:54 aEls8+Rw0
>>156
読みたいです
ぜひよろしくお願いします
158:156
10/05/08 16:20:35 DE3XWksH0
>>157
ありがとうございます!
もし途中でうざくなったらすぐ言ってください。素早くやめます。
投下するものは正当な教会とやおいがミックスされていますが
その教会を冒涜するものではないと前書きさせてください。
内容は完全なフィクションです
そして私は無宗教です
159:Videre Est Credere - 1
10/05/08 16:22:01 DE3XWksH0
木漏れ日の昼下がり
彼はビロードの修道服に身を包み、そっと神の前に跪いていた。
ここはアングリカン・チャーチ
今教会の中は静かで、ふたり以外の人間は居ない。
小さないくつかのグラスから差し込む光が、薄暗い教会内にいくつものラインを描く。
そこにこまかいチリが照らし出され、なんとも言えない煌めきを示していた。
ポールは組んだ両手を額にあて、神に祈る。
並んだベンチの丁度真ん中あたり、ジョンはそんな彼を静かに見詰めている。
「ねえ、ポール。最近教会へは行ってるの?」
ジョンの言葉にポールは悲しそうに首を横に振った。
「ビートルズが有名になった時から一度も…」
そう言って彼は両手を後ろに組むと視線を斜めに落とし口を閉じた。
諦めにも似たそのポーズ、これはポールの悪い癖。
その瞳は態度とは裏腹にとても悲しそうで、
でもそれを何とも思っていないと振る舞う彼の姿は尚つらく見えてしょうがない。
バンドは成功し、彼は多くのものを手に入れた。
多くの人が「四人は世界一の幸せ者だ」と言った。
そんな言葉を聞きながらポールが誰にも気づかれぬようそっと視線を落とす時、
ジョンは全ての言葉を失ってしまう。
「……僕はなんとも思ってないよ」
ポールは気丈に振る舞い、彼の顔を見ないまま呟く。
「そう」
ジョンはじっとポールの言葉に耳を傾ける。
「神なんているはず……」
そこまで言いかけ、そしていつも彼の言葉はそこで終わってしまう。
いつだって 今も。
ポールは自分の靴先を見詰め黙ったままだ。
「週末の予定は?」
ジョンはポールに尋ねた。
「もし時間があるなら、デートに誘うよ」
ポールはサンキューと言い、そしてまた口を閉じてしまった。
160:Videre Est Credere -2
10/05/08 16:23:45 DE3XWksH0
タクシーに乗り約束の時間にそこへ行くと、ジョンは黒い僧衣に身をつつみ彼の到着を待っていた。
「あれ、メガネしてる」
「車を運転してきたからね」
近眼のジョンが頑なにメガネをかけないのはビートルズでいる時だけ、
プライベートではおそろしくぶ厚いレンズを鼻の頭に乗せている。
しかし外に出る時は絶対にかけない なんだか今日の彼は不思議にみえる。
「それにどうしたの? その修道服はどこから?」
「教会の人に借りた」
ポールはあたりを見回した。
「今日は日曜だっていうのに誰も居ない… 一体どういうこと?」
「俺たちがここを貸し切ったからさ」
あまりの突拍子もないジョンの台詞にポールは驚いてしまった。
「へ…え… ジョンは教会に興味があるんだ…
しかもここは君の教会じゃない、ジョンは確かカトリックだったはずだ」
素直に喜べばいいのに、もう涙が溢れそうなのに、
ポールはどうでもいい回り道をしそれを言葉にしない。
ジョンはそんな彼のすべてをお見通しだ
そっと彼に修道服とロザリオを手渡す。
「そんな… 僕は……」
言葉とはうらはらに、彼の震える手はそれを素直に受取る。
「おまえはそのおサイケな格好で神の前に行くのか?」
ポールは俯いたまま首を横に振る。
「何も悪いことじゃないよ。おまえはここの信徒だろう、着ればいい。
神の救いを求める者は皆平等 ― 俺がいい例だ
だっておかしいだろう、俺はこの教会の信徒じゃないのに。
もしそれを神が許さないのなら、おまえが来る前に雷が俺の頭を貫いていたろうよ」
ジョンはそう言ってふざけた手ぶりをした。
ポールの瞳にじわっと涙がたまり、受け取ったギフトを抱きしめる。
「それにほら… 落ち葉がキレイだろ
ねえ、俺たちが知らないだけで今はきっと秋なんだよ」
そう言うとジョンはその場でくるりと回ってみせた。
161:Videre Est Credere -3
10/05/08 16:25:53 DE3XWksH0
「どう? 地面が覆い尽くされない前にこうするんだ、なんともきれいな色合いだ
おまえもそうするといい、落ち葉だけの風景じゃさびしすぎる。オレンジ一色じゃかなしすぎる。
きっとこの黒い服は似合うだろうし、おまえの髪がブラックじゃないのがよく見えて楽しい」
わざとおどけるジョンの姿を見ながらポールはかたく唇を結び、じっと涙を堪えた。
ジョンはそんな彼の頬にキスをする。
ポールは今にも涙がこぼれそうな瞳でジョンの顔を見ると、そっと彼に身体を寄せ肩に額をあてた。
「…ジョン」
「ん?」
「…いや、なんでもない」
「そう」
何時間たったろう。
ポールはずっとずっと、もうずっと神の前に膝まづいている。
そんな彼の姿をジョンは見守る。
誰にも邪魔されず、ポールは静かに祈りを続ける。
一体彼は何を祈っているのだろう
彼がそうすることによって、少しでも心の平安を得られるというのであれば
ジョンに出来ることといえば、ポールの為に小さな小さな時間を作ってあげることだけだった。
そして彼はそんな自分の行動について、ポールから何かを得ようとは考えてはいない。
身動きひとつせず、祈り続けるポール。
もう何時間も。
そんな彼の姿を、ただ彼は見守っている。
ポールは少し素直じゃない。そして無理をしすぎる。
ほんの少し時間をつくって教会に足を運べばいいのにそれを止めてしまった。
でも彼がそうしようと決めた理由はよく判ってる。
ポールが言う通り、バンドが有名になって以来もうそんなことは出来なくなっていた。
教会に彼が顔を出せばわっと人が群がり、その場にいる皆が一斉に神に背を向けるだろう。
彼はそういうことをよく理解し、幼い頃から続けていた教会への立ち入りを自分に禁じたのだ。
今日は特別に、いやほとんど奇跡的に教会から許可がおりた。
アングリカン・チャーチとはいえ、カトリックの彼が教会に話をつけるのは本来無理な話しに思えた。
162:Videre Est Credere -4
10/05/08 16:28:11 DE3XWksH0
「…話はよく判りました、貴方は貴方の友人の為に神を独占させろと言うのですね」
牧師は静かに、それでいて重たくジョンに言った。
「独占とは言っていません。わたしは友人に祈りの時間を与えて欲しいとお願いしているのです」
ふたりのこんなやり取りはもう半年以上も続いている。
ジョンは粘り強く教会に通った。
「時間…」
彼はそう言いながらゆっくりと庭に咲く花の手入れを続ける。
「求める者に対し、神はいつも平等に接せられる。
いつしか神は人により分断され、そして今この時でさえ人間は争いをやめようとしない。愚かなことです。
しかし神の光を求めて止まない者は如何なる時も神につき従い、父の前に跪こうとする。
ここは小さな街です。あなたのようなカトリック信徒でさえこの教会に足を運びます。
しかし神はそんな彼らを遠ざけることはけしてなさらない。
父の愛は平等で深く、我々人間のはかり知れるところではありません」
そこまで言うと彼は振り返り、そっと両手を前で組みジョンを見据えた。
「貴方は神に何を求め、そしてこの教会に何を求めますか。
同時に友人に何を与え、そして自分自身に何を与えますか」
ジョンは牧師のまっすぐな視線をけしてそらすことはなかった。
「牧師さま、牧師さま!」
教会の表門から子供の声がする。
「ねえ、聞いて。妹の植えた種がついに芽を出したんです。
どうか僕を中に入れてください、僕はかみさまにありがとうのお祈りをしたいんです」
小さな彼は息せききらせ、笑顔で教会の門をたたく。
ゆったりとした時間の中、誰もが神の愛を感謝してやめることはない。
ジョンはしっかりと牧師の目を見ると口を開いた。
「既にわたしは神のしもべではないかもしれません。その罰はいつか受けるでしょう。
しかし彼は…、私の友人は違います。彼はよく人を想い、けして神の側を離れません。
そしてだからこそ彼は教会から離れる決心をしました。こんな激しい神への愛はあるでしょうか。
彼は自身の身を切り裂き、多くの人に愛と祈りの時間を与えました。
わたしには彼の姿が、血を流し神の元へと旅立った多くの殉教者と同じに見えるのです。
そんな彼にほんの数時間、いえ、数分でもいい、教会での祈りの時間を与えて欲しいと願います」
163:Videre Est Credere -5
10/05/08 16:31:03 DE3XWksH0
「牧師さま、ねえ、どこにいるの?」
夏ももう終わろうとする季節、そんな柔らかな日差しの中多くの願いと祈りが交差する。
「牧師さまあ」
おだやかな午後の日を受け、牧師は彼の瞳をまっすぐに見詰めつづける。
「あなたの質問に答えます、プリースト
神に求めるのは友人への愛、そして教会に求めるのは友人への慈悲です
これはわたしの… 友人に対する愛でもあります。わたしは神と教会、そして友人により満たされます」
その言葉に牧師は静かに微笑み、ジョンに歩み寄るとそっと頬にキスをした。
「神はきっとあなたたちを祝福されることでしょう。
そして友人に伝えなさい。神はいかなる時もあなたを愛していると」
何度もこんなことはやれないし、出来ないだろう。
そしてするつもりもない。
もし何度もやれば、ポールまた口を開かなくなる。
今日一日だけだ、ポール。
心落ち着くまで、そうしているといい。
ジョンは教会内を見まわした。
簡素な教会、何かを押し付けるような聖母やエンジェルの像があるわけでもなく
またステンドグラスを埋め込んだ窓だってないんだ。
でもジョンにはそれが素晴らしく思えてしょうがない。
ただひとり、静かに祈る信徒がいる以外一体ここに何が必要だと言うのだろう。
だから朝からずっと、こうやって君の側にいる。
息を殺し、きみの気が一瞬でも散らないよう気をくばりながら。
164:Videre Est Credere -6
10/05/08 17:05:51 DE3XWksH0
ゆっくりとポールは立ち上がり、そして静かに胸の前で十字をきった。
振り返った彼の表情は穏やかで、あの日のようにふてくされた態度の欠片もない。
そして何の迷いもなくまっすぐに、ベンチに座りつづけているジョンに歩み寄った。
ポールは身をかがめるとそっと彼の頬に唇を寄せ、ジョンもキスを返す。
互いを想い、心から信頼を寄せ、手をつなぎあうふたり。
ふたりは許され、祝福されていた。
ポールはジョンの首にかかるロザリオを手にとるとそっと口に寄せた。
「感謝のキスを」
とても穏やかな瞳をもってジョンは呟き、そのロザリオに唇を寄せる。
「ありがとう、ジョン…」
「俺はここで居眠りしてただけだ」
ジョンはポールに微笑みかける。
ポールはうっすらと涙をうかべ頷く。
「いつでも神の言葉を胸に、それをけして忘れることなく。
そしていつだっておまえは神の側を離れはしないだろう」
教会に何度も礼を言い、ふたりはジョンの運転する車にのると予約を入れておいたホテルへと向かった。
そのホテルはとんでもない田舎街にあり、いつも彼らがツアーなんかで寝泊まりしている高級ホテルとは違う。
外観、エントランス、すべてが素朴なつくり。
何一つ気取ったものなどなく、部屋の内装も柔らかくどこか懐かしい。
ふたりはレストランで簡素な料理の並ぶテーブルについた。
ポールは食卓につくとニッコリと微笑み、そして両手を組むと祈りをささげた。
ジョンもそれに続き、静かに唱和する。
口に運ぶ一見何の変哲もない野菜のソテーの味といったら
ふたりは口を動かしながら、いたずらっぽく微笑みあった。
パンをちぎり口に運び、グラスに注がれたワインを飲み
ふたりは会話をするわけでもなく、ゆっくりと、そして静かに食事を楽しんだ。
隣のテーブルの老夫妻が「素敵な夜ですね」と彼らに言った。
「そうですね、本当に素晴らしい夜です」
ポールはとてもリラックスした表情で微笑みをかえす。
165:Videre Est Credere -7
10/05/08 17:07:15 DE3XWksH0
この老夫妻は彼らが何者か承知しているようだったが、一切騒ぐことはしなかった。
「素敵な夜を」
「すてきな夜を」
グラスに唇をあてると、ポールはジョンの顔を見た。
ジョンはテーブルの上のパンを小さくちぎりポールの口に運ぶ。
ポールはちょっと恥ずかしそうに笑いながらグラスを置くと、それを受け入れる。
ふたりをよく知る人間がみたら驚いて腰を抜かすかもしれない質素な食卓。
しかしそれは、彼らにとっての最上の食卓に他ならなかった。
部屋の明かりをけしベッドの上、ポールは身体をまるめ声たてることなく泣いていた。
そんな彼の身体をジョンは包み込み、そっと背中をあやし続ける。
「ごめん…、なんだか母さんのことを思い出してしまって……」
ポールは両手で顔をおおい、ジョンに身をあずける。
「みんなそうさ。時々思い出すんだよ、永遠に会えないだろう人のことを想って。
理由はわからないね、でも時々そうなるのはおまえだけじゃない。特にこういう夜には」
ジョンの言葉にポールはこくりと頷く。
「あの日は反対だった。おまえがずっと側にいてくれた」
そういって彼はちょっとだけポールの身体を引き寄せ髪にキスをする。
「ジョンも… 泣くことがあるの?」
「ん 時々ね。 本当に時々だよ」
いくらか落ち着いたのか、ポールは両手を顔から離すとそのままジョンの顔に触れ、そっと口づけした。
「…ごめん」
「どうして謝る」
「だって… 君が嫌がるかと思って」
「嫌ならせっかくの日曜におまえとこんなど田舎に来てない」
ポールは吹き出した。
「何かおかしなこと言ったか?」
ジョンはポールの頬をすっと指で撫でながら言った。
「いいや、なんでもない」
「そう」
「なんでもないんだ…」
そういってポールはあふれる瞳の涙をすくった。
166:Videre Est Credere -8
10/05/08 17:08:41 DE3XWksH0
月明かりを頼りに
ベッドに身を沈めるジョンからポールの身体がよく見える
彼らはひとつになっていた。
「つらくない?」
ジョンは両手でポールの身体を支えながら彼を気遣う。
「… うん…」
「気持ちを楽にして」
そう言いながらポールのなめらかな腰に触れる。
ひとすじの光さし込むホテルの一室、うす暗い月明かりの元、
ポールはこの世のものとは思えないほど美しかった。
彼はベッドの中でさえ、いつも通り無口だ。
あの映画のせいでポールという男は陽気でお喋りというレッテルを貼られていたが
けしてそんなことはないことをジョンは知っていた。
ポールは素直じゃないし、そして言葉が上手くない。
彼らが出会ったあの日から、そしてメンバー、スタッフの間でも、
ポールは必要以上に口をきかない男で通っている。
必要なことは喋る、でも大切なことは口にしない。
(― だから俺はこいつの言葉を代弁してるんだろうか?)
そんなことを深く考え込んだこともあったけれど、もうかなり昔の話しだ。
今はそれが自然になっている。
あの日、ジョンはけして神を冒涜しようなどとは思っていなかった、
しかし苦しむポールを見捨て救わない彼を憎んでいたのは本当だった。
(― だから俺はあんなことを言ったんだろうか)
それももう昔の話し
あとは甘い果実を味わうか苦い果実を味わうかのどちらか。
ジョンの両手がポールの胸まですべりあがり、指がゆっくりとその先端に触れる。
親指で両方のそれをくっと上に向けたかと思うとキープし、背中を支える四本の指で彼の肩甲骨の下を軽く押す。
ぐっとポールの身体は後ろに傾き、親指はその敏感な先端を逃すまいと更に押し上げる。
「…… ふ……」
ジョンの両親指は先端の下部からするりとその頂点に達し、ゆっくりとゆっくりとそれを愛撫した。
167:Videre Est Credere -9
10/05/08 17:09:58 DE3XWksH0
更に肩甲骨の下に力を加え、上半身を開放させる。
思わずポールは倒れまいとジョンの投げ出された足に両手をついた。
ジョンの指が、ポールのとても敏感なそこをじらし、じらしたかと思うと強く押し上げ、または押し下げる。
「………」
ポールは首を後ろに反らせるのが辛いのか、かなり傾いた姿勢にありながら頭を斜め前に垂れている。
「……ぁ…… …」
絶妙な指使いで彼の敏感なそれに刺激が与えられる。
それに呼応するようにポールのそこがジョンのコックを甘くしめつける。
「まだ苦しいか?」
ジョンはとても落ち着いた声でポールに尋ねた。
こくりと彼が頷く。
「もっとリラックスして… そう…」
そう言いながら更に彼の先端を押し上げる。
「…… ………」
ポールは前に垂れた長い前髪の間から苦しげな表情でジョンをうかがう。
そしてそっと瞳を閉じ、与えられる波に合わせて呼吸をした。
「いつもおまえは無口だね」
ジョンはポール言った。
「… 聞かれたくないんだ」
「どうして」
「……」
「もうずっと俺たちはこんな会話をつづけてる」
ポールは声をこらえ、その瞳をもってジョンを見詰めるばかりだ。
一瞬ポールの身体がふるえ、それがリズムを乱し、
思いがけず指が強くポールの先端をこすりあげた。
「ッ… !」
ポールは瞳を見開き、反射的に身を反らした。
ジョンはこのタイミングを見逃さず、人差し指をすっとフロントに移動させると、
充分に熱くなったポールの両先端を親指と人差し指でつまみあげ、挟みこんだ指で愛した。
ポールは必死で唇をかむ。
「声、聞かせてくれないか」
ジョンは緩急つけてそこから快楽を送りこんだ。
168:Videre Est Credere -10
10/05/08 17:11:25 DE3XWksH0
「ポール」
「聞かれたくないんだよ… 君には」
ポールは身体を震わせながら、なんとか言葉をしぼりだした。
「あんなに熱心に神に語りかけていたのに。いや、だから俺みたいな男にきく口はないか」
「違うよ」
そういうとポールは両手をジョンの足から離しまっすぐに身を立てると、そっとジョンの両手首に触れた。
「……僕には君にきく口なんかない、出会ったあの日からずっと。
… ……ぼくは…… ただ… 君に祈るだけだ」
ジョンは彼の言葉に強く打たれた。
瞬時に身を起こすとポールを抱きしめる。
そして今までポールの両脚の間にあった自分の右足を抜くとあっという間に彼の背後にまわった。
ポールは予期せぬ彼の行動に驚き、両手をつく暇もなく枕に頭をおとす。
ジョンのコックがポールの中で反転する。
「痛い!」
「そのままの姿勢で」
ポールは苦しみの中、なんとか顔を半分だけジョンに向けると少し怯えたような顔をした。
「大丈夫」
ジョンの右手がそっとポールのコックに触れる。
「いい子だ」
そう言って彼はポールの背に身をよせた。
負担をかけぬよう左手で自分の身体を支えながらジョンはポールのコックの根元にあるヘアーを指にからめる。
そうしながら彼の器用な薬指はバックにつづくラインに伸び、なぞった。
「ぁッ!」
思わずポールの口から声がもれる。
それがジョンをぞくぞくさせた。
ジョンはヘアーへの愛着をやめることなく、指をライン上で何度か行き来させたかと思うとそっと結合部に触れた。
「痛くないか」
ジョンの指が悲鳴をあげるポールのそこを慰める。
「もうすこしゼリーを足そう、でもまずはりラックスが先だ」
そう言うとジョンは何事もなかったかのように、ポールのコックに指をからめた。
「はは、こっちもだんまりか」
「ち、違うよ!」