10/03/14 22:27:31 b5fM5CE+0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
タイガードラマの武智と飛来。>>347の続きで別ver。
ほぼ連投ですみませんが、あと数レスお借りします。
「なんですか?これは。」
「もらい物の菓子じゃ。今度は配れる数があっての。」
「今度は?」
「なんちゃぁない。」
武智が身支度を整えるのを待ちながら、通された部屋で収次郎は目の前に置かれた
風呂敷包みに視線を落としていた。
稽古が終わり、帰ろうとしていたところで呼び止められ、部屋で待つように言われた。
何事かと思えば、久しぶりに武智も藩の中屋敷へ顔を出すので共に行こうとの事。
そして汗を落とし着物を着替えた武智は、刀架から刀を取り上げると、それを腰に差しながら
この時、背後の収次郎にこう告げてきた。
「そう言えばおまん、伊蔵に何を言うた?」
「はい?」
唐突にそんな事を言われ、意味が把握できず間の抜けた声で聞き返す。
するとそんな自分に武智は微かに視線を後ろに流しながら、続きの言葉を口にしてきた。
「なんちゃあ嘆かれたぞ。わしは藩の屋敷におるよりも百井に世話になっておる方が
ええんやと、収次郎に怒られたと。」
「……っ、伊蔵っ、あいつ!」
「伊蔵を叱るなよ、収次郎。」
秘密裏に話した事を当人にばらされて、思わず声を荒げた収次郎に、しかし武智は穏やかな
戒めを告げてくる。そして、
「そんなに、わしに気を使うてくれんでもええぞ。」
まるでこちらの胸中を何もかもを見透かしたかのようにそう静かに諭してくる。
が、しかしそれに収次郎の憂いが取り払われる事は無かった。