10/03/04 06:51:56 0mx5jQOrO
某生
非エロだけど兄弟モノ注意。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサグエンガオオクリシマース!
父がしていたバッチが今は弟の胸にある。なんだか不思議な気分だった。
会いたいときに会えなかった父。その父と同じ道を選んだ弟。
顔を合わす度に頼もしさを増している姿が眩しい反面、その大変さは父を見てきたからよくわかってる。
「なんか、ちょっと、寂しいかも。」
さっきまで笑って鍋を囲んでたのに。
互いの近況や思い出を話すうち、なんだか弟が遠くに行ってしまうような…そう感じたら
じわりと涙が滲んで零れていた。
「はは、泣いたか。」
兄の涙もろいのを知っているからか、それとも照れ隠しか。
弟がコートのポケットからハンカチを差し出した。
「うっさい。」
爽やかに笑いながらも鼻の奥がツンと痛む。
寂しいと言ってみたところで状況がどうなることでもないし、どうしたいわけでもない。
そんなのは小さい頃からわかっている。言っても困らせるだけだ。
「寂しいのはお互い様でしょ。」
弟が手のひらで兄の髪をポンポンとして、慰めるようにあやす。
それは子供扱いするような仕草で、兄は照れるようにやや拒否したが、
弟は自分よりも背が高い体をそのままぎゅっと抱きしめていた。