10/01/28 01:30:56 nmw2KyCx0
(守くんと私が……ここで……)
風丸に言われた言葉を反芻し、じっと彼を見つめ―木野はカァッと頬を染めた。
約1ヶ月前。
それはGWに行った、合宿中の出来事。
男子は体育館、女子は音楽室が寝る場所で。
それをこっそり抜け出して、円堂と自分が部室でしていたことを知っている者がいるなど、思いも寄らなかった。
周りに誰もいないことを充分に確認したはずだったのに。
けれど、それは始める前。
行為に没頭していた最中に誰かが来たのなら、おそらく気づかなかっただろう。
(ウソ、あれ、見られてた―!?)
あの晩のことを思い出し、木野は真っ赤になる。
「―あの時の木野さん、可愛かったなぁ」
あまりの恥ずかしさに呆然としていた木野は、耳元にフッとかけられた吐息に驚いて身を引いた。
円堂としたのはあの時が2度目で、初めての時と比べれば多少は緊張もしていなかったせいか、随分とはしたない声を出してしまっていた。
それも聞かれていたということなのか。
風丸はクスクスと面白そうに笑っている。