09/10/19 23:25:51 WC4KcYksO
>>529
「蓮見られるの好きだもんね」
陸はしれっとそう言うと、蓮の頭をぽんぽんと軽く叩く。
「っ…ちがうよっ僕っ」
振り向いて反論をするが、陸はまたTVの前に移動してしまい、蓮の声を聞いていない。
「…ちがうもん、」
確かに、見られて興奮したりはすこし…すこしだけしたかもしれない。
けどそれは…
「れーたん」
自分を呼ぶ声にチラ、と恨みがましい視線を向ける。陸は視線はTVに向けたまま、右腕を上げてチョイチョイ、と蓮を手招きする。
「………。」
そのままおずおずと陸の側に近寄るとなに…、とまだ拗ねている事を声に含ませつつ声を掛ける。
するとそのままグイ、と腕を引かれて蓮の体はすっぽりと陸の胸の中に収められてしまった。
「っ…りっくんなに」
ぎゅっとされた事によって多少気分が優れたのか、それでもまだ不服そうに腕の中から陸を上目遣いで見上げる。
すると、陸は蓮のおでこにかかる前髪をソッと払うと、そのままそこに唇を寄せた。
「っ…!!」
びっくりして目を瞑る蓮を、また抱え込むように抱きしめると陸は含み笑いを浮かべた。
「知ってるよ。蓮は、俺に見られてたから興奮してたんだよね」
瞬間、腕の中の蓮がカアァァッと真っ赤になった。
顔を見られないように蓮はただただ陸の胸に顔を埋めるしかなかった。
お幸せに(*´∀`*)b