09/04/07 18:29:59 hyJLDPoq0
■こういう場合はどうするの?
Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。
Q2 荒らしらしき人が*0をとりました。
A2 *9より12時間経過以降に*0以外の人の投下の可能性があります。
それまで書き込みはせずに投下を待ちましょう。
*1以降に書き込みがあっても書き込みはしないで下さい。
*9より24時間経過後にまわしてください。
Q3 まとめサイトに投下された作品にGJしたい。
A3 まとめサイトのグッジョブスレにお願いします。
本スレへのグッジョブとあわせて行う場合は、本スレへの投下OKです。
Q4 続編書きたいです。二次創作してもいいですか?
A4 本人による続編投下は、まとめサイトの*0以外の人が投下するスレへ。
本人以外の続編・二次創作は原則禁止です。
Q5 判断の難しい投下や書き込みがありましたが、どうしたらよいですか?
A5 数字板の絡みスレや、まとめサイトBBSのチラシの裏もしくはテンプレ審議委員会で
他の人の意見を聞いてみましょう。
チラシの裏 URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
テンプレ審議委員会 URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
3:風と木の名無しさん
09/04/07 18:44:28 uT2YRlpa0
大麻智
4:風と木の名無しさん
09/04/07 18:48:45 gcqWqLXF0
>>1乙!!
5:風と木の名無しさん
09/04/07 19:11:41 hDAaXWNGO
>>1、乙!
新しいテンプレ美しいな
6:風と木の名無しさん
09/04/07 20:26:23 mU1jCqOE0
1乙です!無事に建ってよかった!
すみませんでした。
7:風と木の名無しさん
09/04/07 20:31:01 iLkMfRul0
1乙です!
8:風と木の名無しさん
09/04/07 20:37:47 t4HRf1u8O
ふみなはれ
9:風と木の名無しさん
09/04/07 20:38:28 CgiMFA740
お花見
10:風と木の名無しさん
09/04/07 22:03:43 CYvuS8M50
「私が死んだら、この桜の木の下に埋めて下さいませんか」
ひとけのない真夜中の一本桜を見上げていると素直に本心が口をついて出た。
「執事に頼んでおこうか。そのときは私もお前と一緒にいくから」
「お戯れを。貴方は本家の当主となられる御身ではありませんか」
彼は私をきつく抱きしめた。
「放してっ。誰かに見られます」
「お前は誤解をしている。今までお前が負担に思わぬよう黙っていたが」
「何ですか、とにかく手を放して下さい」
「こんな辺鄙な場所での夜桜見物になど誰が訪れようか。顔を見られると私も恥ずかしいのだ。
このままで聞いておくれ」
「…」
「私はお前を無理やり花嫁に迎えたが、その時点で、本家に関する一切の権利を義弟に譲り渡してきた」
「…!」
私は息をのんだ。なんということを!
「金も仕事も地位も、一から築き上げていくことに何の問題があるのだ」
「でも、そんな…そんな…ご両親様がお赦しになられるはずがございません」
「両親は既に納得している。花見に誘ったときお前が言ったとおり真夜中にこんな場所まで来たのは、
お前が心配していた人に見られることを気遣ってではないのだ。」
「では…なぜ」
彼は私の前で膝をついた。
「なにをなさるのですか。お立ち下さい」
私が彼の正面に倒れこむようにしゃがみ込むのと同時に、彼は私の左手をとり大事そうにみつめながら
静かに告げた。
「この指輪を。私だけのお前に」
そのとき、桜の花のように頬が染まった彼を初めて見た。
11:風と木の名無しさん
09/04/07 22:04:21 LOJn1REJ0
ブ~ラブ~ラ~
12:風と木の名無しさん
09/04/07 23:42:40 gcqWqLXF0
>>10
ロマンチックな花見GJ。
13:風と木の名無しさん
09/04/07 23:45:44 x3MJErHc0
桜っていう花自体萌えアイテムだよね GJ
14:風と木の名無しさん
09/04/08 01:17:36 vZv1DKJ10
初萌えGJ~
>>13ちょw名言w
15:風と木の名無しさん
09/04/08 05:00:21 rNf2stA00
しかしこれ、男女物としても読めてしまうな
16:風と木の名無しさん
09/04/08 08:11:51 PG4UTDcU0
>>15
自分は「BLだな~」と思ったw
花嫁はもう王道ジャンルになった気がする。初萌えGJ
17:風と木の名無しさん
09/04/08 16:31:13 XQbI6dFnO
一人称私+敬語萌えるよGJ!
よくあるジャンルでも、
まだまだ男嫁は好き嫌いが分かれるってことなのかね
18:風と木の名無しさん
09/04/08 16:36:43 LFXrMHVFO
花を踏んで同じく惜しむ少年の春
さあ惜しみなく踏んで!
19:風と木の名無しさん
09/04/08 16:38:36 /uK0uBRA0
邪馬台国
20:1/3
09/04/08 19:04:10 1VTZRahc0
最後の記憶は、睡魔に襲われて歴史の教科書の上に突っ伏したところだ。
顔を上げたら黒板が見えるはずだった。なのに、今俺の目の前には威圧感を放つ大きな木造りのやぐら。
周りを見回しても、他に大きな建物はなく―それどころか、近代的な建築物は一つもなかった
。遠くに霞がかった山が見える。校庭ぐらいの広さを、柵でぐるりと囲っていて、地面に直接建てられた小さな小屋。
すごく既視感。そう、これは。
最後に見た教科書の弥生時代、環濠集落遺跡によく似ていた。
感慨深く辺りを見回していると、駆けてくる足音とともに、聞き取れない言葉の叫びが耳をつんざいた。
「%#$*θ!」
うん、文字にあらわすとしたら、こんな感じだ。
暢気なことを考えていたら、現れた男にいきなり矛を向けられた。
男は髪を二つに耳の横に…八の字に結って、質素な布を腰で留め、顔や腕に複雑な入墨を施していた。
俺はなぜか、矛を向けられて絶体絶命なのに、不思議と怖くなかった。
「*εб&%$!?」
男は矛をそらさずまくしたて、俺が何も答えられないのを見ると矛を振り上げ
―ああ、刺される。何か、俺はここを襲いに来たんじゃないって、アピールしないと。
「ヒミコ!」
とっさに口をついて出たのは、古の邪馬台国の女王の名だった。
「#Ω*…ヒ、ミコ…?」
間一髪、男は矛を止め、その名前をなぜ知っている、という混乱の面持ちで俺を睨んだ。
そして少しためらい、考えるような素振りを見せた後、俺を後ろ手に掴むと、小さな竪穴住居に追い立てた。
俺に矛を向けた男の他に、何人かの男たちがあれから続々やってきて、俺を囲んだ。
「*εб、χ*+、*$#…」
捕まってから何時間こうしているだろう。男たちが何を言っているかは分からない。
俺を殺す算段をたてているかもしれない。不安が入道雲のようにどんどん大きくなって、
俺はそっと学ランのボタンを握り締めた。
21:2/3
09/04/08 19:07:19 1VTZRahc0
「……ξЩ%?」
最初に出会って俺に矛を向けてきた男がおもむろに話しかけてきた。
彼の目は周りを囲むように緑の入墨が施されて、手の甲にも同じような模様がある。
彼は同じことを尋ねた。多分、声の穏やかさからそう悪いことを言われているのではなかろうと思い、小さくうなずいた。
すると彼は俺を立たせ、仲間たちに一声掛けると、俺の腕を引いて屋外へ連れ出した。
「*δ$#、*#」
呟いて、俺の肩に手を乗せる。その手は大きくて、温かく、力強かった。
彼は俺を、慰めようとしているのかもしれない。鼻の奥がつんと痛んで、目の前が涙で曇った。
不安で押しつぶされそうな俺を気遣ってくれたこの男を、俺は初めからなんだか憎めなかった。
「…ホシ」
すっかり群青色に染まった空を指して、彼が言った。俺にも分かる言葉だった。
宵の明星が、現代よりもずっと暗い空にきらりと輝いていた。
「そうだな。ホシ、だな」
俺たちはそのとき初めて、同じものを見て心を通い合わせた。
捕まって数日。このまま、帰れないかもしれない。
でも俺って、さしずめ渡来人ってところか。機織や稲作を持ち込んだ―。俺はこの時代に何をもたらせるんだろう。
「бид」
彼が土の器を差し出した。飲め、と仕草で訴える。
ここの食べ物の中で、酒らしい飲み物だけは旨い。どろりとした濁り酒が、頭の芯をぼんやりさせる。
「俺さ、もう戻れないのかな」
彼には、俺の言うことなど分からない。
「君は最初から、俺に優しかったよな。不安な俺を元気付けようとしてくれたり。
いろんなもの一緒に見て、名前教えてくれた」
彼は何日か一緒にいる間に、笑顔を見せてくれるようにもなっていた。
今も少し微笑んで、俺を見つめている。
「д%&*」
「うん、わからないけどありがとうな」
俺はなんだか嬉しくなって、学ランのボタンを一つ、無理やり引きちぎった。
彼の手のひらに、それを握らせる。
「金色で、綺麗だろ?それ、あげるよ」
彼はボタンをつまんですかしたり振ってみたり、ひとしきりいじった後、大事そうに紐を通し、首に掛けた。
22:3/3
09/04/08 19:09:14 1VTZRahc0
「…Ψ*%」
多分、ありがとうの言葉。やさしい表情でそれはわかった。
ああ、なんだか気分が落ち着いたら眠くなってきた。安心したせいかな。
酒のせいかもしれない。まぶたが重い。
「あ、そういえば俺、君の名前聞いてなかった。ずっと一緒にいたのにな」
分からない。彼は首を振る。もどかしい、どう伝えたら良いんだろう。
ぼんやりした頭を振り振り、考えをひねり出す。
「…俺の名前、クニヤっていうんだ。君は?」
俺の名前、で自身を指差して。君は?と彼を指す。
彼も合点がいったらしく、入墨の顔をくしゃっとゆがめ、こう言った。
「ヤマト」
いい名前だな。……俺、眠くなったわ。また明日も早いんだろ、もう寝るよ―。
「クニヤ、」
溶けるように眠りに落ちて、最後に鼓膜を震わせたのは、彼がやさしく、たどたどしく俺の名前を呼んだ声だった。
跳ね起きると、俺は高校の教室にいて机に座り、何の変哲もない授業を受けているところだった。
瞬きを繰り返し頭を振っても、目の前には黒板、見慣れた日本史の教師。
「えー、邪馬台国の位置については諸説ありますがー…」
授業は邪馬台国の件に差し掛かっていた。
俺が、ついさっきまで過ごしていた世界が、教科書の中にある。
「邪馬台国をヤマトコクと読む説もあります。新井白石の記した…」
そうか。
あの場所は、俺とヤマトが同じ星を眺めたクニの名は―。
思い出して、学ランの襟元に手をやる。第一ボタンは、確かになくなっていた。
その事実だけが、あの時間は夢じゃないと、俺にささやき続けている。
23:風と木の名無しさん
09/04/08 19:34:06 3w6vghz90
その後遺跡か古墳からボタンが発掘されるところまで妄想した!
GJ!
24:風と木の名無しさん
09/04/08 20:03:06 yxVbFy17O
萌えた…!
でも切ない(´・ω・`)
GJ
25:風と木の名無しさん
09/04/08 22:13:06 vZv1DKJ10
おおー雰囲気あるー
盛り上がってきたねGJ!
26:風と木の名無しさん
09/04/08 23:35:01 Tf4tq6gD0
おーう直球ど真ん中大作グッジョブです。
異世界?もの大好きだー
27:風と木の名無しさん
09/04/08 23:45:43 dkOgtJVGO
引き込まれる文章だ……!
GJ!
28:風と木の名無しさん
09/04/08 23:59:37 f+lBEfKbO
お次の萌えは?
29:風と木の名無しさん
09/04/09 00:06:12 AwM1k745O
たとえ傷付けるためだったとしても構わない
30:風と木の名無しさん
09/04/09 10:35:13 3oEm/cYY0
たとえ傷付けるためだったとしても構わない
31:1/2
09/04/09 17:56:21 db4sJAaQ0
姉にとっては真実の恋だったのだろう。
だから、義兄を捨てて男と逃げた。
「……僕はいい笑いものだよ、結婚してまだ1年だというのに」
義兄は唇をゆがめた。怒りなのか、笑いなのか。伏せられた表情は読みにくい。
「父も母も、姉は死んだと思おうと。義兄さんにはできる限りのことを」
「金なんか要らないんだ、ただ……僕は本当に好きだった、彼女を」
「姉は……馬鹿です。僕も、許せない」
父も母も憔悴しきっていて、代わりに弟である僕が義兄と姉の家に来た。
何もかもまだ新しい新居には、片付けるほどの物もない。
姉は、大切な物をすべて持って行ってしまったらしい。
行方はわからず、ただ、署名済みの離婚届が郵送されてきた。
姉は幸せなのだろう。昔からやりたいことは思ったとおりやってのける人だった。
そんな姉を羨ましいと思っていた。
僕にはできない生き方だった。
32:2/2
09/04/09 17:58:15 db4sJAaQ0
「姉は馬鹿です。義兄さんみたいないい人を……僕にはわからない」
「言わないでくれ。余計みじめだ」
「僕が……姉の妹だったら良かったのに。弟じゃなく。
そしたら、こんな時義兄さんにもっと優しくできましたよね?」
「馬鹿な。お姉さんの代わりになるとでも? ハッ、ますます笑いものだ」
「誰にもわからなければいいじゃないですか」
─僕は何を言おうとしているのだ。
自分でもよくわからず、ただ頭の後ろがジンと熱く痺れだす。
これ以上は駄目だ。急に、義兄と姉の結婚式が思い出された。
白いウェディングドレスの姉。隣に立つ義兄。
……あの時、僕は、何を思って二人を見ていた?
「そうだな……君が妹さんなら、ここで慰めてもらうこともできたかもな」
似合わない下卑た笑みを浮かべ、偽悪的に呟く義兄に、あの日の幸せな輝きはかけらもない。
「いいですよ、妹じゃなくても。僕は……実は、慣れてるんです」
僕が浮かべた微笑みはどんなだっただろう?
「前から義兄さんには興味があったと言ったら?」
願わくば震えないでほしい、僕の声。
驚いたような義兄の表情が、何故か悲しげだった。
「姉が姉なら、と言うべきだな、この場合。……いいね、慰めてもらおうかな」
きっと、義兄は僕を傷つけることしか考えていない。
いや、僕ですらなく、僕を傷つけることで姉を傷つける、ただそれだけを。
義兄の手が、僕の髪をつかむ。
それでいい。僕は目を閉じた。
33:風と木の名無しさん
09/04/09 18:12:16 UXKL1Y6kO
幸薄げな二人に萌えた、GJ!
新ルール適応でいいんだよね?
34:風と木の名無しさん
09/04/09 18:13:18 xHhEEU7x0
切な~~~~い!禿切ない!
凄く良かった!GJGJGJGJ!
35:◇Jyj5OiZTN.
09/04/09 19:11:33 sLUhSnN9O
てす
36:風と木の名無しさん
09/04/09 20:13:02 uX2ZPL2U0
新ルール適用初GJ
待ち時間が短くなって良かったね
37:風と木の名無しさん
09/04/09 20:31:37 p6WzImHXO
GJ!
二人とも救われないんだけど切なくて萌えたー!
38:風と木の名無しさん
09/04/09 20:36:28 wxXqfaqEO
さあこい!
39:風と木の名無しさん
09/04/09 20:40:10 sWhs6tIn0
優しいふり
40:風と木の名無しさん
09/04/09 22:27:21 kpNYnxP60
優しいふり
41:風と木の名無しさん
09/04/09 22:50:10 JyPLozQ30
不二子ちゃん、またですか
42:1/2
09/04/10 09:03:49 UfrRilHu0
古今東西相手を油断をさせる方法というのは数多くあるものだが、その中でも
強い効果を発揮するやり方の一つに「親切である振りをする」というのがある。
それもただ相手に優しくするだけでは効果は薄い。まずは相手の窮状に現れ、
解決あるいは解決の手助けをして相手に己を印象付ける。この際金品等の要求は
せず、あくまでも『善意による行動』と思わせるのが重要だ。
そして、その後も押し付けになり過ぎないようにアフターケアを行い相手との
距離を縮め、個人的に親しくなり、警戒心を取ってしまえばこっちのもの。
煮るなり焼くなりお好きにどうぞというやつだ。
さて、何故私が急に講釈ぶった話を始めたかといえば理由は簡単。私が今現在この
「優しいふりで相手を油断させる」作戦の真っ只中だからである。
そう、これはあくまで振りである。嘘なのだ。憎きこの男を内側から責め落とし
破滅させてやるために私はこのような…
43:2/2
09/04/10 09:04:45 UfrRilHu0
「レギー腹減ったー飯ーメーシー」
「あああ五月蝿いぞ貴様は!人が考え事をしているのが見えんのか!」
「だって腹減ったんだよー何か食えるもん無いのかー?」
「ああもうしょうがない、今用意してやるから少しは大人しくしてそこで待ってろ!」
「おー流石レギ、俺の相棒」
「誰が相棒だ!」
誇り高き私がこのような阿呆で間抜けで大食いででも剣だけは強い馬鹿者と行動を
共にしている理由はただ一つ。
私、つまり魔王が率いる魔王軍を打ち倒そうとするこの勇者を倒す為なのだ!
だから私は断じてこの男の為に飯を作ったり掃除したり買い物したり地図を描いたり
口論したり仲直りしたり旅して馬鹿話して笑ったりするのを楽しんでいるわけではない!
ないったらない!
「じゃあ俺の恋人」
違うったら!
44:風と木の名無しさん
09/04/10 09:55:01 3rbFzIqB0
切ない系が来るのかと思っていたら、明るい話でGJw
45:風と木の名無しさん
09/04/10 12:57:35 oJBJXDRRO
魔王様絶対楽しんでるwwかわいいな
勇者もツボでした!GJです!!
46:風と木の名無しさん
09/04/10 15:48:37 5mM+7MAZ0
魔王かわええwwGJ!!
47:風と木の名無しさん
09/04/10 17:58:41 emSjyVe3O
かわええwこの二人の続きが読みたくなったよーGJでした!
48:風と木の名無しさん
09/04/10 18:40:04 sRgESx/oO
魔王かわいいよ魔王
49:風と木の名無しさん
09/04/10 18:41:00 HTvaBeqV0
夜桜
50:風と木の名無しさん
09/04/10 22:09:06 SXKJsCta0
こんなにも月の明るい晩に、一人だけで呑むなんて、なんとも味気ないじゃないか。
だから安酒片手に、こうやってふらりと出てきたってわけさ。
行き先?そうだなぁ、花見でもしに行こうか。風流だろう?
しかし今日の月は本当に明るいな、
街灯なんて野暮なものは要らないくらいだ。
こんな足元の悪い石段だって、昼と変わらない調子で登れる。
気味の悪いほど静かだなぁ。
そりゃそうだ、この先には墓場しかないからな。
けど、月夜の花見を邪魔する野暮ったい人間も現れやしないから、いいだろう?
そら、登りきったぞ。
ああ、見事なもんだなぁ。
こんなさびしい墓場の真ん中に、あんなに古びて大きな桜が咲いてる。
ちょうど具合よく満開だ。全く、素晴らしい晩に出てきたもんだ。
こんな見事な桜、死人だけが楽しむにはもったいない。
生きてるうちにこの景色を見られるなんて、まったく俺は幸せ者だ。
それとも、おまえが俺に見せてくれたのか?
こいつ見せようと、お前が俺を呼んだのか?
風もないのに揺れる桜の枝の下、
花びらの散りかかる墓の下に埋まってるお前が。
51:風と木の名無しさん
09/04/10 22:18:24 6otPgj170
うおおお、美しいGJ!
切なくて少し怖い状況なのに暖かくて好きだ
52:風と木の名無しさん
09/04/10 23:09:50 IncBanBl0
夜桜ってなんかそんな感じあるよな。
美しくて怖いみたいな。GJ
53:風と木の名無しさん
09/04/11 01:36:06 s0DAvw2X0
まだまだ桜の季節にこれはGJ!
54:風と木の名無しさん
09/04/11 01:58:21 JP127LcG0
きれいだ。GJ!
55:風と木の名無しさん
09/04/11 02:08:16 NuzNB0gO0
さばさばした口調と裏腹な切なさがいいな。
私的に、良い具合に枯れたおじいちゃんだと禿萌える。GJ!
56:風と木の名無しさん
09/04/11 08:49:26 kbeGB6vT0
墓場の桜で一人酒をしているおっさんに
このような萌えが潜んでいようとは!
GJ!
まとめもGJ!
夜桜には酒と萌えが似合うな。
57:風と木の名無しさん
09/04/11 10:23:18 nZ3HjwurO
これは!
切なくて綺麗だ、GJGJ!
58:風と木の名無しさん
09/04/11 10:32:09 Rlur5Zsj0
桜がきれいだったので踏んで下さい
59:風と木の名無しさん
09/04/11 10:35:35 sy4aCDstO
高気圧×低気圧
60:風と木の名無しさん
09/04/11 12:44:04 SK92yMBt0
低気圧×高気圧
61:風と木の名無しさん
09/04/11 17:21:13 dHCOSjrD0
高気圧ガール
62:風と木の名無しさん
09/04/12 00:48:49 9WkOtxq20
昼食時、今日もまた今井君がひやむぎ定食を半分以上残して、
無言で空になった俺の皿と自分の皿を交換してくる。さりげなく。
俺も、もう特に何も言うこともなく、当然のように、残りの0.5人前をたいらげる。
前に今井君が、俺にだけ聞こえるか聞こえないかの一人言みたいに、言った。
すごいね、吸い込まれるみたいだね。なんで、そんな食えんの。
え、なんでって、まぁ…全然いけますよ。
「吸い込まれるみたいだ」って言葉にやけに、ヒヤリとした。
そんな気持ちで今井君の横顔を見ている自分に、
気付いたばかりの時だったから。
63:風と木の名無しさん
09/04/12 13:12:27 87BnOBkp0
残念、お流れか
あとからでも萌えがあればまとめの*0以外へお願いします
64:風と木の名無しさん
09/04/12 13:46:34 ZCza6O3hO
いや、お流れではないと思う、多分
>>62はお題に沿って投下したんだよね?
もし*9まで埋まったら絡みスレかまとめのチラ裏にその旨書いて貰えると助かります
65:風と木の名無しさん
09/04/12 14:41:10 dqABhS9T0
空気は気圧の低い方に流れてくから高気圧→低気圧だと
勝手に脳内補完しちゃったけど違ったのか?
そんで吸い込まれちゃうんだろ?エロ脳すぎか?
66:風と木の名無しさん
09/04/12 14:51:50 /66juQh+0
一応お題に沿ってなくもない・・・と思うけど
抽象的すぎると思った
67:風と木の名無しさん
09/04/12 15:09:11 274qAsE60
>>65
いや、たぶんそういうことなんだと思う。エロ脳ではない。
でも、自分は気圧の知識がなかったもんだから、
65でやっと理解した。ありがとう。
68:風と木の名無しさん
09/04/12 15:24:16 +e+2UxYh0
>>65 なるほどthx
すごくいい雰囲気だ、GJ!
69:風と木の名無しさん
09/04/12 15:24:33 4dFqL9ehO
自分も気圧の知識がなかったw
でも文章とかの雰囲気は好き!
お次どうぞ
70:風と木の名無しさん
09/04/12 16:04:20 274qAsE60
「ここ違ってる」
「あ……すみません」
「いい加減、気圧の知識ぐらい頭に入れとけよ」
「すみません……」
俺はお天気お兄さんになりたくてテレビ局に入った訳じゃないんで
という言葉は飲み込んだ。
お天気お姉さんが急性盲腸炎の為、ピンチヒッターで出た俺は、
しどろもどろの放送が受けて、そのままレギュラーになってしまった。
未だにわからないことだらけだけれど、こうなった以上は、
俺はテレビ局一のお天気お兄さんになってやると決めた。
視聴者の皆さん、頑張ります。待ってて下さい。
「文章の流れの雰囲気は悪くないと思うけどな。主婦受けすると思うぜ」
リップサービスだとわかっていても悪い気はしない。
「次いっていい?」
「どうぞ」
「今日、これから空いてたら飯行かない?」
「打ち合わせですか? よろしくお願いします」
「……」
「どうかしましたか?」
「いや。やっぱりお前もう少し教育しないとだめだなと思って。危なすぎ」
「そうかもしれませんけど…頑張りますから」
「襲われた時の対処法も勉強しといた方がいいぜ」
「気圧にですか?」
「……気圧ならいいんだけどな」
「台風レポートのことですか?」
「……まあ、ある意味台風かもな……」
「頑張りますんで!」
「まあ、頑張ってくれ」
71:風と木の名無しさん
09/04/12 16:08:25 ZCza6O3hO
すげぇ萌えたww
処理の仕方もうまいし激しくGJ!
72:風と木の名無しさん
09/04/12 16:39:00 4dFqL9ehO
すごい萌える!GJです!
お天気お兄さんの天然ぷりがかわいいw
自分*9を取ってしまった者ですが、リロミス失礼しました
>>70さん本当にありがとうございます!
まとめの方もGJです!
73:風と木の名無しさん
09/04/12 16:40:39 dPabLqQZ0
これは流すしかないかなと思ってたけど、お天気お兄さんGJ!
個人的にお相手は40代くらいのおじさん×20代とかだと萌える
74:風と木の名無しさん
09/04/12 16:50:09 ziMPUfi9O
スポンサーやら局のお偉方やらからあの手この手で守ろうと頑張るけど
狙われてても気付いてないお兄さんに先輩が苛立って思わず押し倒す
まで受信した
いくら払えば続きが見られますか! GJGJ!!
75:風と木の名無しさん
09/04/12 17:21:59 AQq4IJO20
早いし巧いぜGJ!
まとめの人もGJ
76:風と木の名無しさん
09/04/12 18:45:27 vovFxRLE0
イイヨイイヨー!
お題に絡む度に笑いながら萌えた!
77:風と木の名無しさん
09/04/12 19:34:32 76wVekVDO
これはうまい
天然萌え!GJ!
78:風と木の名無しさん
09/04/12 19:39:48 ZCza6O3hO
一思いにやってくれ
79:風と木の名無しさん
09/04/12 19:43:06 nN3FClHM0
探偵
80:風と木の名無しさん
09/04/12 20:23:13 +e+2UxYh0
「おまえだったのか」
「もう解っているんだろう」
「なぜだ、なぜ。俺の知る君はそんなんじゃないだろう」
「これが俺だよ、お前が知らなかっただけさ。俺はずっとあの人を愛していた。
あの人は、妻を娶っても、子供が産まれても、俺を捨ててはくれなかった。だからやったんだ。
あの人はもう俺だけのものさ、あの女にも、子供にすら渡しやしない」
くっ、と笑いを噛み殺した彼は、俺が知る彼ではなかった。
「お前がいたからさ」
目が、昏く光った気がした。
「お前なら、暴くと思った。知っていたか、俺はお前を愛した時もあったんだ」
ああ知っていたさ、逃げたのは俺だ、ずっと見ないふりをして遠ざけた。
あんな心地良い関係を崩せるはずがなかった、君への愛情は君が望むものではなかった、
だから、君が俺の相棒を降りるといった時も止めなかった。
あの頃何も言わなかった君は今、こんな風に報いるのか。報いて、堕ちていくのか。
俺が君の心を蝕んだのか、赤く染まったベッドの上の物言わぬ男が、彼を追い詰めたのか。
この、じりじりと身を焼いていく嫉妬はどこへ向けられたものなのか。
犯人を捉えた途端に、迷宮への扉は開かれた。
81:風と木の名無しさん
09/04/12 22:55:00 GxRsQ5Ii0
胸がきりきりするような切な萌えをぶち壊してすまないが、
「おまえだったのか」の時点で神々の遊びがでてきてしまった私を許してくれ…
82:風と木の名無しさん
09/04/12 23:30:09 RuelrVPP0
なんかよく分からない
83:風と木の名無しさん
09/04/12 23:44:34 xT1Me8OaO
被害者(犯人と恋人)←犯人(警官)←警官(元犯人の相棒)
で、ヤンデレ犯人の愛ゆえの殺人に警官が嫉妬っていうので解釈した
切なくって萌えた。ヤンデレ好きの自分には堪らんGJ!!!
84:風と木の名無しさん
09/04/12 23:47:25 76wVekVDO
自分はこの話好きだ
歪んだ愛情いいよ、GJ!
85:風と木の名無しさん
09/04/12 23:48:50 ZCza6O3hO
>>80
ひょっとしてこれの楽しみ方って、逆から読んでいったら
色々明らかになっていって最後に神々の遊びネタだったことがわかるっていう
一見不可解な文章の謎を読み手に解いてもらう、読み手こそが探偵ということ?
逆から読んでいったら見事にあのネタが成立しててびっくりした
86:風と木の名無しさん
09/04/12 23:52:42 AQq4IJO20
>>85
その発想はなかったわ
もしそうだとしたらめちゃくちゃ凄いねGJ
87:風と木の名無しさん
09/04/13 00:00:27 9WkOtxq20
か、かっこいい…めちゃめちゃ好み!GJです!
犯人のヤンデレっぷり、探偵の歪んだ嫉妬とか、いちいち萌えすぎ。
88:風と木の名無しさん
09/04/13 00:15:58 FnuRkxrcO
さあどうぞ
89:風と木の名無しさん
09/04/13 00:18:14 WIYqz+H2O
愛馬
90:風と木の名無しさん
09/04/13 01:17:33 tq+klvRF0
相葉
91:sage
09/04/13 12:25:54 Ik1SiiTR0
「―様の、馬だけが戻られました」
その報に、心の臓を鷲掴まれた気分だった。
精鋭を率いての重要な任務で、彼は敢えて危険な役目を買ってでた。
「馬の鞍にこれが」
破られた布片に、敵の罠にかかったこと、これからの戦局に必要な情報などが簡潔に書かれている。
荒く、震えた字だが、確かに彼のものだった。
「……、」
最後には、私あての一文があった。
吐き気がする。こんなに簡単に失ってしまうのか。
「これ、どうどう」
厩番が彼の愛馬を落ち着かせようと必死になっている。
「どうやら、戦場に戻りたいようで…主人の事をまこと思うているのでしょう」
私は、厩番から馬の手綱を預かりその鼻筋を撫でる。
「行ってはならぬ」
決して行ってはならぬのだ、何度も、何度も繰り返した。
92:風と木の名無しさん
09/04/13 12:59:10 s6njzyI00
最後にはきっと「決して私を助けには来ないように」と書かれていたのか。
自分も行きたい気持ちをぐっとこらえての「行ってはならぬ」に萌える。
GJ!
93:風と木の名無しさん
09/04/13 13:22:03 GSpsaS8+O
最後の一文の内容が明かされていないから、片思いだったのか両思いだったのかも
わからなくて、より想像が掻き立てられるね…シンプルなのに深くて凄い。
「行ってはならぬ」は馬と自分と、相手にも向けて言った言葉なのかも。
どうにか無事でいてくれたら…とか、思っちゃうよー。GJでした!
94:風と木の名無しさん
09/04/13 14:11:58 /z+3sJV30
自分的には
>吐き気がする。こんなに簡単に失ってしまうのか。
にしびれました。GJ!
95:風と木の名無しさん
09/04/13 16:08:19 F2WwiSKX0
お題から馬乗りSM調教しか浮かばなかった自分を殴ってやりたい
禿しく妄想を掻き立てられました。GJGJ!
96:風と木の名無しさん
09/04/13 20:41:48 LXjWTi3Q0
愛馬の擬人化とか、飼い主×愛馬ラブラブとかしか思い浮かばなかった自分が恥ずかしい!!!!
たった1レスでこの切ない萌え…貴方が神か!GJGJGJ!
97:風と木の名無しさん
09/04/13 20:58:15 9XWoxW6MO
素晴らしい…情景やドラマがありありと思い浮かぶよ
神投下乙でした
98:風と木の名無しさん
09/04/13 22:01:04 43Vd9G9w0
踏んでくんちぇー
99:風と木の名無しさん
09/04/13 22:02:01 8yk328D20
お屋敷のお坊ちゃま×下町のガキ大将
100:風と木の名無しさん
09/04/13 22:02:04 934iXtF90
永遠に手を繋いで
101:100 1/2
09/04/14 01:24:40 M+X2soVe0
俺は暴君だった。弱い奴はいけすかなかった。
腕力で強い奴が一番この世でえらいと思っていた。
転校生は俺よりも背が低く、色白で、ひょろりとやっと立っているように見えた。
そいつは町外れのお屋敷のお坊ちゃんで、父ちゃんが世話になっているから、
くれぐれも失礼のないようにと母ちゃんから言われていた。
俺は貧乏だったから、いつも破れた着物を着て、泥だらけの下駄を履いていた。
そいつの皺のない洋服や、光沢のある靴がたまらなく気に入らなかった。
奴を落とし穴にはめたり、相撲と称して投飛ばしたり、持ち物を盗んだ。
奴は何も言わずに、落とし穴から這い出て、自分で怪我の手当てをし、先生には忘れましたと言っていた。
とても強い奴だった。
たまらなく自分がつまらない人間に思えて、俺は彼に謝った。
彼は驚いていたが、「無視されるよりよっぽど良かったよ」と笑って言った。
彼が愛人の息子だと知ったのは、それからしばらくしてだった。
田舎だったからそんな噂はあっという間に町中に広まって、彼はどこに行ってもひどい目にあった。
俺なんかよりも、皆残酷だった。
俺は彼と一緒に行動し、彼と一緒にひどい目にあった。その分少しは彼が楽になるといいと思った。
夏になっても彼は長袖を着るようになった。
理由を聞いても言わなかったが、袖から痣や火傷が見えた。
誰にやられたのか聞いても、彼は何も答えなかった。
102:100 2/2
09/04/14 01:25:52 M+X2soVe0
だんだんと俺は成長がとまり、彼の方が体格がよくなっていった。
誰も彼を暴力で押さえつけられる人間はいないと思うのに、彼の痣や傷は消えなかった。
やっているのは家族だとやっと教えてくれたのは、ずいぶんたってからだった。
「無視されるよりずっといい」
そう思って、ずっと耐えてきたらしい。
「どうしてお前は逆らわないんだよ。俺はくやしい。くやしいぞ」
そう言ってボロボロと涙をこぼすと、彼はそれを手ですくい、俺に言う。
「君がいるから、耐えれてる。とても感謝してる」
どうしても、俺は彼を守りたかった。今の俺の力ではどうにもならないものたちから。
今、俺たちの手には小さな荷物と小額の金と列車の切符がある。
彼は最後まで断った。俺に迷惑をかけるわけにいかないと。
でも俺は暴君で、お前がついて来なかったら死んでやると脅してついてこさせた。
神様、今まで悪いことばかりしてきて、こんな時ばかりお願いするのはずるいけれど。
壊した社は直しました。盗んだ賽銭も倍にして返してます。小便を樹にかけたのは時効にして下さい。
すべて改心しますから、どうかこいつが幸せになっていけますように。
103:風と木の名無しさん
09/04/14 01:42:43 yLTcUIf6O
>>102
GJ!!
彼の強さと“俺”の強さがあればどこへでもいけそうだなw
104:風と木の名無しさん
09/04/14 08:06:44 e6LfEY0HO
GJです!
最後の文章の雰囲気がすごく好きだ
幸せになってほしい!
105:風と木の名無しさん
09/04/14 08:32:37 H/CXahCR0
こいつ「と」じゃないところになんだかすごく萌えた
GJです
106:風と木の名無しさん
09/04/14 15:28:17 0DG8QesnO
ツボにハマって萌え過ぎて泣きそうだ
二人で幸せになればいいよ
超GJ
107:風と木の名無しさん
09/04/14 18:29:00 pVA/y0xf0
お題見た限りではまったく萌えなかったのに
>>102,103でとてつもなく萌えた
すばらしい、GJ
108:風と木の名無しさん
09/04/14 18:37:37 noBMjlpj0
お次は?
109:風と木の名無しさん
09/04/14 18:40:36 AV/pB27f0
秘密を告白したあとで
110:風と木の名無しさん
09/04/14 20:45:19 vwXixXQ70
お慕いしていました。
貴方が戦火の中の村から俺を拾って下さった時から。
「おまえはもう私の子なのだから、下を向く必要などないのだ」と微笑んで下さった時から。
拾われてすぐに教え込まれた学問も剣術も、学ぶ喜びが無かったわけではありません。
ですが、貴方の喜ぶ顔を見たくて、大きな手で頭を撫でてほしくて、
私のことを誇らしげに語る貴方の姿を見たくて努力していたことを、貴方は知っていたでしょうか。
下賤の子だという侮蔑と嘲笑、暴力には、絶望を感じたことはありませんでした。
貴方がいたから。貴方さえそばにいて下されば、他のことなどどうでも良かったのです。
私のすべては貴方のためにありました。
あの日、国の領土を広げるため決断した結婚に、貴方は苦渋の色を浮かべました。
「おまえには愛する人と一緒になって欲しい」と静かに私の目を見つめました。
それは愛する妻を早くに亡くした後、後妻を迎えることをしなかった貴方の慈愛に他なりませんでした。
私は貴方のお役に立ちたい、とただそればかりを繰り返しました。
そんな私に貴方は「たとえ愛する人を亡くしても、愛した記憶は残る。
それは人を豊かにしてくれるのだよ」と、私がこれまでに目にしたことの無い微笑みを浮かべました。
喜ぶべきその瞬間、私の奥底で渦巻いたのはどす黒い炎と絶望でした。
「誰かを愛しなさい」という貴方の言葉が、ひどく遠くに聞こえました。
私はその時初めて、貴方に抱き続けてきた感情の正体を知ったのでした。
お慕いしていました。どうしようもなく焦がれていました。
―愛していました。
青年は真新しい王の墓に跪き、名の刻印をそっと撫でた。
秘密を告白したあとで、父上、としか呼ぶことを許されなかったその名をそっと、震える唇に刻んだ。
111:風と木の名無しさん
09/04/14 20:47:33 YQ2mxyFD0
切ないね、切ないね。GJ!
112:風と木の名無しさん
09/04/14 20:56:14 hyiFc1QYO
こういうプラトニック好きだ!GJGJ!
113:風と木の名無しさん
09/04/14 21:05:03 81EgYClh0
秘密を告白したあとで、の後が上手い!
素晴らしい包丁さばき!
114:風と木の名無しさん
09/04/14 21:22:38 XiRidXHd0
これは切ない。素敵です!
115:風と木の名無しさん
09/04/14 22:04:31 iMLecgHk0
雰囲気あるねーGJです!
116:風と木の名無しさん
09/04/14 23:00:41 5ph2wD7X0
相手がいなくなって初めて許される告白って切なすぎる…。
涙出そうになった。GJ!!
117:風と木の名無しさん
09/04/14 23:12:28 pVA/y0xf0
やべえ、目によだれがたまって仕方がない・・・
118:風と木の名無しさん
09/04/14 23:22:17 v+dTT0H/O
どーぞ!
119:風と木の名無しさん
09/04/14 23:23:59 igCVjTrS0
愛してはいけない人
120:1/2
09/04/15 00:07:48 S6Kp/NMHO
「ご結婚、決まったそうですね。おめでとうございます」
仕事終わりの合図であるコーヒーに砂糖を2杯溶かし、社長室のシンプルな椅子に座るまだ年若い幼馴染に差し出す。
「それ、本気で言ってるのか」
いつもより低い声がかすかに震えているのが分かる。
「ええ、秘書として社長の幸せを喜ばしく思っていますよ」
「そうじゃない!」
縋るような目で見上げられる。
若くして父親の会社を継ぎ、毎日それなりの人数を動かしている男のものとは到底思えない情けない表情。
「好きだって、言っただろう」
「何のことです?」
「俺がずっと、学生の頃からお前が好きだと言ったとき、お前も俺が好きだと言ったはずだ」
「はい、言いましたね」
じゃあなんで、というような表情で僕を見上げる。なんて情けない。
そうか、僕の前では貴方の弱い部分も全部見せてください、なんてくだらない台詞を吐いたのも僕だっけ。
なぜだろう、笑いが込み上げてくる。
「そんな事、本気で信じていたんですか?」
「……え?」
「僕は仕事を失って途方に暮れているところを幼馴染である貴方に拾ってもらいました。貴方に逆らえるはずないでしょう」
彼の動きと表情が停止した。
頭の良い人だ。すぐに言葉の意味を理解してしまったのだろう。
「だって、ずっと一緒にいようって、結婚はできなくてもずっと一緒にいようって……」
まったく、この人は人間の頂点に立つにはとても純粋すぎる。
「正直、迷惑だったんです。僕が本気で男性を好きになるはずないでしょう」
自分がどれだけ冷たい目をしているのか容易に想像がつく。
彼は動きを止めたまま、光を失った目で宙を見ていた。
121:2/2
09/04/15 00:09:14 S6Kp/NMHO
コンコン、と軽いノックの音が重苦しい空気を遮った。
僕は突然の来客の正体を確認し、部屋へと通す。
彼女は僕に丁寧に挨拶すると、そのやわらかい笑顔を彼に向けた。
「偶然近くを通ったので、貴裕さんも食事を一緒にと思って」
僕が視線で促すと彼は自嘲気味に笑って彼女の誘いを受ける。
本当に似合いの二人だ、と僕は思った。
彼女は申し分のない素敵な女性だ。また結婚することにより仕事も安定するだろう。
これで彼の幸せは保証される。そう彼の父に言われた。
「馬鹿だよな、本気で思ってた。お前に愛されてるだなんて」
去り際の彼の自嘲を含む、
「ごめんな、気づかなくて」
でもいつも通りの困ったような優しい笑顔は見えなかったことにした。
「今までありがとうな」
彼は、僕なんかが愛してはいけない人だったから。
122:風と木の名無しさん
09/04/15 00:23:10 WX7V39O20
切ない系多いね
連発だと飽きる
123:風と木の名無しさん
09/04/15 00:33:24 XzgzGGBE0
>>122
*0はSS、萌え語りなど、どんな内容でも構わないので萌える思いを語ってください。
だから、切ない系のお題が続いたとも言える。
120は王道だったね。GJでした。
124:風と木の名無しさん
09/04/15 01:47:57 oeWVfsLy0
切ない系が好きな者としては嬉しいな
GJです!
最近早い人多いね、すごい
125:風と木の名無しさん
09/04/15 06:58:09 OIRG8Ced0
辛い萌えもまたよし。GJ!
126:風と木の名無しさん
09/04/15 08:35:16 BuwYhUBU0
その後の切ない展開も想像できる。GJ!
>>122
萌えるものが見つからなければ自家発電が基本w
是非切なくない「愛してはいけない人」をまとめに投下してください。
127:風と木の名無しさん
09/04/15 22:23:37 wZ/aUrQW0
最近の流れは早いね
128:風と木の名無しさん
09/04/15 22:29:31 9IyhWqTgO
さぁどうぞ
129:風と木の名無しさん
09/04/15 22:34:00 XzgzGGBE0
ギャルソン
130:風と木の名無しさん
09/04/15 23:28:20 rmOGnbZ+0
橋本あおい「ビストロRYUへようこそ」
短編集のうち2編が同じイタリアンレストランを舞台にしてます。
1話目がギャルソン×ギャルソンで2話目がオーナー×シェフ。
絵が丁寧できれいな作家なのでビジュアル的にはいいと思います。
ただ料理はあまりでてきませんでした。絵柄の割にエロが濃いのでご注意を。
131:風と木の名無しさん
09/04/16 20:52:23 0umsOH5d0
ギャリソン時田
132:風と木の名無しさん
09/04/16 22:08:32 /5k0muEI0
・・・流れたと思っていいのか・・・?
133:風と木の名無しさん
09/04/16 22:13:19 D9sQc1CI0
>>132
まだ20分ほど気が早いw
134:風と木の名無しさん
09/04/16 22:37:46 wqzF8SDJ0
お流れー
駄目だー書けなかった……松本幸四郎大好きだったのに……
135:風と木の名無しさん
09/04/16 22:44:20 7jFlpjB4O
ではまわしますね
136:風と木の名無しさん
09/04/16 22:44:27 v8TM259N0
もしかして0さんソムリエスレと間違ったのかな?
まわし
137:風と木の名無しさん
09/04/16 22:50:47 oodiYVkh0
まわすよまわし
138:風と木の名無しさん
09/04/16 22:51:26 q+XySDEZ0
ご希望は?
139:風と木の名無しさん
09/04/16 22:51:50 d4CWSrZC0
>>136
つ まとめBBSのチラシの裏
ソムリエスレのコピペ
140:風と木の名無しさん
09/04/17 00:01:21 1vYWE1tm0
赤いきつねと緑のたぬきで801
スレリンク(801板)
141:1/2
09/04/17 02:37:30 5hNaL/NL0
「おいポン」
「何?」
「これ、見てみろ」
コンに差し出されたチラシには、デジタルカメラ5万円という広告がでかでかと載っていた。
「買うの?」
首を傾げて、僕はチラシからコンへ目を移した。
「バカ、裏を見ろ」
そう言ってチラシを僕に押し付ける。言われた通りに裏を見ると、そこには小さなゴシック体で
『カップ麺・ソムリエコンテスト 4月25日開催…優勝賞品:ペア・ハワイ旅行』とだけ、書かれていた。
多分、どこかのウェブページからそこだけコピペして印刷したみたいだ。
チラシを使ってまでしてわざわざ印刷するなんて、なんてまわりくどいんだろう。メモすればいいのに。
きっとどうしてもプリンタを使いたかったんだろうな。そういえば最近嬉しそうにパソコン買ったって言ってたし。
「これが、どうかした?」
聞くと、コンは胸を大きく反らせて言い放った。
「参加する!」
142:2/2
09/04/17 02:38:00 5hNaL/NL0
「誰が?」
答えを予想したうえで、僕はあえて聞く。
「決まってる。お前が、だろ」
僕の鼻をトントンと人差し指で叩き、嬉しそうにコンは笑った。
はぁ、やっぱりね。
「お前、すげえグルメだろ。俺はな、お前の舌なら優勝も狙えると確信している」
うんうんとうなずきながら、コンはまるでもう優勝したみたいな勢いで僕にまくしたてた。
「ふーん…」
正直乗り気じゃない僕は、優勝賞品・ハワイ旅行っていうところに目を走らせた。
「優勝してどうするつもり?」
「そりゃ旅行に行くだろ」
「ペアは?」
「決まってる」
困らせてやるつもりで言ったのに、コンは、お前とだろ、と恥ずかしげもなく言った。
こういうところ、本当に憎たらしいと思う。
盛大な溜息をついて、僕が承諾すると、きっとコンは何の気無しに僕に抱きついてくるんだろうな。
僕はまた溜息をついて、コンの期待に満ちたにやけ顔をうらめしげに見返した。
コン、僕の気持ち、知ってる?
143:風と木の名無しさん
09/04/17 07:48:59 GWeLUJq70
>>141-142
残念だけど*9に萌えるスレだから*0に萌えてもスレちがいになっちゃうよ
(スレタイと>>1->>2参照)
一応>>139のお題で10:51~22:51までが投下タイムのはず
無駄レスごめん。*0以外の神を待ちます
144:風と木の名無しさん
09/04/17 09:42:22 5hNaL/NL0
141-2の者です。
12時間ルールに気がつかず、うっかり投下してしまい申し訳ありません。
もっと注意深くルール見るべきでした。秩序を乱してしまってすみません…><
145:1/2
09/04/17 12:28:31 1SRdiA1b0
マンション一階の郵便受けを覗いたら見慣れたDMに混ざってチラシが入っていた。
近所のスーパーの安売りチラシ。
黄色いざらざらする紙は片面刷りで、裏には鉛筆で文字が書かれている。
【ゆーきくんがだいすきです。
おおきくなったらおれのおよめさんになってください。】
俺の名前はユウキだけれど平仮名の手紙を貰う覚えはない。
差出人の名を探したけれど、どこにも書かれてはいなかった。
「ゆーきくん、か……」
まだ俺が高校生だったとき、俺の名を優しく呼んでくれた人がいた。
近所に住んでいた松本さんを俺は愛していた。
松本さんは奥さんを早くに亡くされて、まだ二つの息子さん、あきらくんと二人暮らしだった。
その時の俺はとにかく夢中で松本さん以外は何も目に入らなかった。
だから近所や親が俺と松本さんの仲を疑ってるのに気づけなかった。
更にそれに気づいた松本さんが引っ越しの準備をしているのも、何も。
突然空き家になった家を見て俺は泣くことも出来ずに呆然となった。
庭に置き捨てられた特売チラシの裏には「愛してる」が薄い文字で書かれていた。
そこまで思い出して、俺は勢いよく郵便受けの戸を閉めた。
「これ、貰っちゃおうかなぁ」
マンションの掲示板で落とし物として貼るのは嫌だし、返す先も分からない。
やもめは辛いよ、と笑っていつも激安のチラシとにらめっこしてた松本さん。
昔、ソムリエになりたかったと遠い目をして聞かせてくれたこともあった。
そして俺は昨年、松本さんの影を追うようにしてソムリエの資格をとった。
「あー、にいちゃん、なんでそれ持ってるんだよ!」
子供独特の舌っ足らずな声に振り返ると小学生らしき男の子が立っていた。
彼と同じ目線までしゃがみ、黄色い紙を見せる。
「これ、君の?」
問いかけるとおう!と男の子は元気よく返事した。
「俺のポストに入ってたよ」
ざらざらの紙を手渡す。
「おれ、入れるとこ間違えたのかも。ごめんなさい」
素直に謝った男の子に手を振って構わないと返事をする。
「おれさ、ぜったいゆーきとけっこんするんだ!」
146:2/2
09/04/17 12:29:02 1SRdiA1b0
嬉しそうな表情に胸が苦しくなって俺は曖昧に笑んだ。
「そっか、幸せになれよ」
頭を撫でてやると男の子は大きく自信たっぷりと言うように頷いた。
「にーちゃん、いい人だな」
思い出に引き摺られて感傷的になっている俺はそう?とだけ返す。
「うん、とーちゃんは男同士は結婚できないから無駄って言うんだぜー」
そのとおりだよ、と俺は心の中で叫んだ。
そのとおりだよ、君のお父さんはとっても正しい。
「君がゆーきくんを大好きなら問題無いよ」
大事なのは紙の誓約よりも気持ちの誓約なんだよ。
郵便受けに泣きそうな俺が映ってて、俺は無理矢理に笑った。
その時、ガラス扉が左右に開き、マンションの住人を迎え入れた。
「とーさん!」
男の子が弾かれたようにスーツ姿の男性に抱きついた。
足下の黒い革靴から俺はゆっくりと視線を上に向ける。
「ただいま、あきら。誰かと遊んでたのかい?」
あきら、と発音した口元から目が離せない。
「おにーちゃんがね、ゆーきとけっこんできるって言ってくれたー」
嬉しそうに、男の子は男性に話し続ける。
「おれがゆーきを好きなら、大丈夫なんだって!」
空気が冷たくて、呼吸の方法が分からなくなった。
男性の視線がこちらを向く。
「ゆうき……くん、ゆうきくんだろう?」
声も瞳も、夢の中でしか会えないものだと思っていたのに。
「松本、さん」
言う言葉もするべき動作も見つからなくて俺はただ立っているだけだった。
「なに?おにーちゃんととーさん、おともだち?」
「うーん、おともだちとはちょっと違うかな」
松本さんは困ったように笑う。
それから俺の目を見て、言った。
「この人はね、お父さんのゆーきくんだよ」
黄色いざらざらのチラシが、俺の心の中で舞い上がった。
147:風と木の名無しさん
09/04/17 12:32:46 qzKn3OlOO
うわあああすげぇ萌えた!
GJGJ!
148:風と木の名無しさん
09/04/17 12:53:27 sPBZviw2O
料理の仕方うますぎ!GJ!
次どうぞー。
149:風と木の名無しさん
09/04/17 13:10:03 SBBx7DlxO
誇り
150:風と木の名無しさん
09/04/17 15:01:36 Mri7dFAB0
「何をする!」
荒っぽくベッドに突き飛ばされ、僕は怒鳴った。
「何をするって、あなたを抱くんですよ、鳳家のおぼっちゃま」
ネクタイを緩めながら、奴は言った。
「さっき、食べるためなら何でもすると言ったでしょう?約束は守っていただかなくては
困ります」
抱く?男の僕を男の奴が?
混乱する僕に構わず、奴は僕の上に覆いかぶさろうとした。
四つんばいになって慌てて逃れようとする僕を、奴は体を使って背中から押し潰すように
押さえつけた。
ベッドカバーと僕の体の間に押し込むように手を入れて、さっき着たばかりの風呂上りに
用意されていた新しいスラックスのベルトを外しにかかる。
「やめろ!やめろよ!!」
「大丈夫、痛くはしませんよ」
「やめろっつってんだろ!東山!!」
かつての学友であり、元・父の秘書、そして、父の死後に会社を乗っ取り、僕を無一文で
路頭に彷徨わせた張本人の名を、僕は呼んだ。
「まだ、立場がわかってないようだな?」
耳元で、奴は口調を変えて囁いた。
「お前は俺に買われた身なんだぞ? 快適な温度の部屋と、快適な湯温の風呂、新しい
上等な服、最上級の食事と交換に、お前は俺に生殺与奪の権利を売り渡したんだろうが」
「確かに、何でもすると言ったけど....」
段ボールの上に座っても染み渡るコンクリートの冷たさ、一週間着続けの服、ホームレス
と一緒に並んで得た炊き出しの食事、それらから逃れられるのなら、何だってできると思
ったけれど。
「僕にだってプライドがあるんだ!こんなこと我慢できない!」
「プライド?」
くくっと、奴は喉の奥で笑った。ゾッとするような響きだった。
僕のしていたベルトを抜き取ると奴は、僕の両腕を後ろにねじ上げベルトで縛り上げた。
僕の自由を奪うと、奴は体を離した。立場の差を僕に見せ付けるために、わざと立ち上
がり、僕を見下ろして言った。
151:150続き
09/04/17 15:02:18 Mri7dFAB0
プライドにはな、「自尊心」と「矜持」があるんだよ。
違いがわかるか?
自尊心には根拠は要らないんだ。甘やかされて育った坊ちゃんが、自分にはそれだけの
価値があると勝手に思いこんで持つことができるもの、それが自尊心。
矜持ってのはな、それを持つのに根拠が必要なんだよ。自分が過去にどれだけの努力
をしてきたか、どれだけのことを果たしてきたか、その積み重ねによって培われた自信と
いう根拠が。
お前のプライドはどうだ?お前は何をしてきた?
ただ、親の庇護の元ぬくぬくと暮してきただけじゃないか。学生の本分である学業もろく
にせず、スポーツに励むわけでもなく、ただ、偉そうに親の金をばら撒いて生きてきただ
けじゃないか。俺が、大学時代、何回お前のレポートを書かされたか覚えているか?31
回だよ。挙句、卒論まで書かせてくれたな。
お前は何も成してこなかった。何の努力もしてこなかった。
そんなお前の傲慢な自尊心を、お前を買った俺が何故配慮してやらなきゃいけないんだ?
酷薄な笑みを浮かべ、奴は近づいてきた。
スラックスと下着を一気に引き下ろし、背中にのしかかり、僕の耳元に囁いた。
「そんなプライド、ずたずたに引き裂いてやるよ、おぼっちゃま」
152:風と木の名無しさん
09/04/17 15:24:22 hrNrtTpu0
BLだ~w
刺激的GJ
153:風と木の名無しさん
09/04/18 02:01:49 89+4FyuI0
愛がない系キタ!大好き!攻め怖ええええ!GJ!
154:風と木の名無しさん
09/04/18 02:05:29 34dnqzbj0
つ
155:風と木の名無しさん
09/04/18 12:33:23 t68np8EJ0
鬼畜!鬼畜だ!
GJでした!!
156:風と木の名無しさん
09/04/18 12:46:05 1w12pXgm0
まともにも2つ来てたー
それぞれに違う作風で面白いGJ!
157:風と木の名無しさん
09/04/18 14:27:44 VMouGlQE0
王道だ!?そこが良い!
158:風と木の名無しさん
09/04/18 14:47:53 RAexpN9/0
次はどんなので?
159:風と木の名無しさん
09/04/18 14:50:53 AZfhdZmp0
女顔がコンプレックスな攻め
160:1/2
09/04/18 19:58:06 YaHtKwRJ0
一年前、職場に新人が入ってきた。
大学出たてほやほや。俺の初めての後輩だ。
「─今はまだ未熟ですが、早く成長して有能な社員と呼ばれるように頑張ります!」
意欲的な、でも緊張で少々たどたどしい、誠実で初々しい挨拶に
好感を持たなかった奴はいなかったと思う。
教育係は別のベテランがついたが、俺もできるだけこの後輩、矢野に目をかけた。
簡単な書類の書き方でも教えれば、クリクリお目々を輝かせて
「ありがとうございます、石田さん!」
なんてニッコリ微笑む。
壁に当たったのか何やら真剣に考え込む姿には、アドバイスの一つも与えずにはいられない。
ああそうか。ある日急に思い当たった。
こいつ、顔が可愛いのだ。
間近に見ればヒゲもある、骨格のやや尖る、粗い肌を持つ成人男性であることに
間違いないのだが、遠目で見ると一瞬女の子に見える……気のせいじゃない。
まつげビシバシ。大きな目。ツヤツヤ桜色の唇。
なんじゃこりゃあ。うつむく横顔はまるで乙女の風情だ。
何で今まで気づかなかったんだろう。こいつ可愛い。
気づいてからは、うっかり今まで以上に可愛がってしまった。
だって、普通に後輩としても十分可愛い奴なのだ。
先輩をたてる事を知ってるし、教わり上手のおごられ上手、甘え上手だがけじめはあるし。
「石田さん、さすがですね!」
なんて言われると、おだてられてるのかと思いつつその気になる。
そんなわけで、ついつい目をかけた。可愛がって育てた。
仕事のノウハウも、美味い飯屋も秘蔵の合コン先も、みんな教えた。
そうして一年。立派に育ったと思う。もはや奴も新人ではなく、一人の若手だ。
161:2/2
09/04/18 20:02:59 YaHtKwRJ0
なのに今年の歓迎会。
新たな新人を迎えた席で、幹事である矢野にうるさく世話を焼いてしまった。
「石田さん、ありがとうございました、ですが」
内輪の人間で流れた3次会を2人で帰っていると、初めて聞いたかもしれない堅い声。
「ビールの本数、乾杯の人選も二次会のセッティングも、大丈夫でした。
だから次回はそっと見ていていただけませんか。僕も成長したと自分では思うんです。
……それとも、僕はやっぱり頼りないですか?」
「いや、いやいや、そんなことはないんだけど。お前はよくやってると思うんだけど」
汗が出た。
「その、なんだか、気になっちゃったんだ」
「石田さん、僕に『もうお前は新人じゃないぞ!自信もってドーンといけ!』って
言ってくれましたよね?」
「そうなんだが……何でかな」
「……僕、こんな顔してるから」
強かった口調が急にトーンダウンした。
「よく言われるんです。頼りなさそうに見えるって。
昔、女の子にも、あなたみたいな顔の人とは付き合えないって言われたことがあります」
それは、ひょっとするとヘタな女の子より可愛いからなのでは?
「正直コンプレックスですよ、顔のことは。本当は、可愛がられるより可愛がりたい方です。
僕より可愛い人を抱きしめて、優しくしたい。可愛がりたい」
それは……そうだろうな。でもお前より可愛い女なんて、高望みじゃないか?
しかし、そんな理由で彼女のなり手がいないとは。
「……意外と可愛いのも楽じゃないんだな……」
「……石田さん、体育会系なのにちょっと天然入ってるお茶目な石田さん。
僕には、石田さんのほうが僕よりずっと可愛い人に思える。
僕が……石田さんを……可愛がるってのは……駄目でしょうか?」
言われている意味がわからない。わからないまま抱きしめられた。
こいつ、案外と鍛えてやがる。女の子みたいなのは顔だけだったらしい。
「石田さん……可愛いです」
ささやかれて、真っ赤になった俺の方が女の子みたいだ。
162:風と木の名無しさん
09/04/18 21:41:49 2mBQRStY0
にやけるー!脳が溶けるほどにやけるー!にやけるー!
お互いに可愛い可愛いと思ってる二人がかわいいかわいいかわ(ry
163:風と木の名無しさん
09/04/18 21:56:36 Uijp1jK40
その後の石田さんの葛藤を呼んでみたいw
GJ!
164:風と木の名無しさん
09/04/19 00:18:02 A1ebIS7l0
いやー萌えたー今月で一番萌えたw
165:風と木の名無しさん
09/04/19 00:58:43 hM4qaiGrO
かわいい二人ともかわいい!
GJGJ!
166:風と木の名無しさん
09/04/19 02:15:07 EzjAUAGA0
なんという怒涛の萌えラッシュw
>>145の松本さんが>>134のせいで松本幸四郎で再生された
萌え(*´Д`)
167:風と木の名無しさん
09/04/19 02:18:38 LcKd7nU/0
思わずにやにやしたwGJ!
どつちも可愛いなぁw
168:風と木の名無しさん
09/04/19 02:22:40 voZMA3Uj0
夜更かしはだめですよ
169:風と木の名無しさん
09/04/19 02:27:39 VoVYLsNe0
サボテン
170:風と木の名無しさん
09/04/19 02:27:43 tWQDbNP90
あなたは僕達の物なんです
171:1/2
09/04/19 04:38:43 tWQDbNP90
春の暖かい日差しがいっぱいの、俺が住むボロアパートのベランダ。
ここのアパートのベランダは隣二部屋ずつで繋がっていて、
俺の部屋は、今年から一緒に上京した幼馴染の蒼の部屋の隣だった。
蒼くん、一緒の大学に行くのならお隣に住んでくれないかしら、ってうちの親が蒼を説得したのだ。
なんでかわかんないけど。
そんな共用のベランダに、あるものを置こうとしていた俺の背中に、鋭い声が突き刺さった。
「おいてめえ、共用のベランダに何置いてんだ」
蒼の声はいつもトゲトゲしている。俺と話すときは特に。いつもバカって言うし。
あーあしかもこの声は怒ってるな。
「え、えっとね、サボテンだよ~ジャーン!」
蒼の方を振り返りながら変なポーズでサボテンを掲げる。あ、さらに怒った。
「誰が育てんだよ」
「俺ががんばる」
「無理だろーが!いつも放り出してあとは俺がやってやってんだろ!」
「こ、今回は大丈夫だもん!トゲトゲかわいいし、水やらなくてもいいって聞いたし、簡単だもん!」
蒼がでっかいため息をついて俺をにらみつけた。
「バカ、水はやんなきゃなんねーよ。季節ごとにやる量とか注意して、やんなくてもいい時があるってだけだ」
「そう、なんだ……」
「あと花もなかなか咲かねーし、つまんねーぞ、トゲトゲしてるだけで」
「花、咲かないんだ」
「咲くけど、環境が悪かったり十分に育ってなきゃいけなかったり……何十年もかかったりすることもあるらしいし」
172:2/2
09/04/19 04:39:25 tWQDbNP90
「それって、サボテンの花はまぼろしってこと!?俺絶対咲かせる!」
「いや別にまぼろしじゃねーし」
「すごいことだよこれ、咲かせたら願い叶っちゃうって!流れ星見るよりすごいよ!」
サボテンの花にそんな辛い過去があったとは……!
つまり花が咲くのは、蒼が俺に笑ってくれるぐらいすごいってことだよね?
俺の勢いに負けたのか、蒼が諦めた顔で言う。
「……絶対、投げ出さないで育てられんのか?」
「やります!」
「じゃあ俺は絶対何もしないからな、責任持って育てろよ」
そう言うと踵を返して部屋へ戻る……途中で、振り返った。
「あ、あとお前、部屋で奇声上げて笑うのやめろ。ここ壁薄いからうるせぇんだよ」
「わかった、了解です」
びしっと敬礼して言うと、蒼はよしと頷いて、今度こそ部屋に戻っていった。
俺もそれを見送って部屋に戻る。やったあああこれでサボテン育てられる!蒼大好き!
「よーしサボテンに花が咲いたら蒼に好きって言うぞー!」
「さっき壁薄いって言っただろーが!聞こえてんだよバカ!」
真っ赤になって俺の部屋に駆け込んできた蒼もかわいいな。
花が咲く前に願いが叶っちゃいそうです。サボテンさんありがとう!
173:風と木の名無しさん
09/04/19 05:49:15 1W5TEqdo0
おおおおおおGJ!ほのぼのいいよほのぼの
どっちもかわいいなぁ
174:風と木の名無しさん
09/04/19 08:07:57 sfivbaJq0
天然ボケ俺萌えw
GJ!
175:風と木の名無しさん
09/04/19 08:47:34 jDj+Mu2U0
財津和夫キター!と思って歌詞ググったら、あっちはバッドエンドなのね
この2人は間違いなくハッピーエンドだろw GJでした!
176:風と木の名無しさん
09/04/19 23:00:31 voZMA3Uj0
かぶりで夜中に考えて投下したのを思うと泣ける…
GJ
177:風と木の名無しさん
09/04/19 23:41:03 8p6u/CdA0
可愛いーv GJ!
ばかな子に萌えたーv
>>170、4秒差かー、惜しい!
そのお題も萌えるので、いつか*9ゲトできることを祈るよ
178:風と木の名無しさん
09/04/20 00:02:05 KFHQTWI6O
なんだろう、愛しすぎるよ…思わず顔が笑ってしまったw
GJ!
179:風と木の名無しさん
09/04/20 00:05:35 k1HBQKa00
昨日
180:風と木の名無しさん
09/04/20 00:47:17 jQgXGL8fO
昨日はたった一度きり
そしてそれは取り返しがつかない1日だったり
何もなかったように忘れさられる1日だったり
昨日が終われば今日になり
今日は明日には昨日になる
もう戻れない、もう戻らない昨日
けれど忘れてはいけない
昨日があるから今があり
そしてそれは未来へと続いて行く
それは、
ささやかな光
ささやかな幸福
ささやかな記憶
ささやかな痛み
そんな昨日を、僕は愛する
181:風と木の名無しさん
09/04/20 01:34:55 2mQB8rYk0
ポエム…?
182:風と木の名無しさん
09/04/20 02:32:24 HhRWB4BPO
シチュの指定じゃなく誤爆っぽいカキコなのに凄いな
183:風と木の名無しさん
09/04/20 05:50:11 R47okn6+O
新しい感じがするな。
184:風と木の名無しさん
09/04/20 07:43:15 Jk0wGr240
確かに昨日というお題ではあるのだけれど、
801板なのでちょっと違うかなと思う。
ソムリエスレのコピペがはられたこともあるので、判断がつきにくい。
出来れば、まとめBBSチラシの裏で解説欲しい。
185:風と木の名無しさん
09/04/20 18:37:25 jQgXGL8fO
どうぞお回し下さい
186:風と木の名無しさん
09/04/20 18:52:40 Y9yfQa5S0
おつかれまわし
187:風と木の名無しさん
09/04/20 19:13:43 P1oTmfCz0
昨日と今日
みたいなお題なら萌えやすかったかな…まわっしw
188:風と木の名無しさん
09/04/20 19:26:23 j9hypd5O0
一夜明けてようやく理解した。
僕×昨日だったのか!!
189:風と木の名無しさん
09/04/20 19:37:48 60LS9m89O
丁寧語天然ぼけ優等生×幼なじみで口の悪い不良だけど常識人
190:1/2
09/04/20 21:24:17 jt0kCBM80
ゴトン。ザクッ。何の音だ!
すっげー不安。見ててはらはらする。
「おい、なんだその包丁の握り方は」
とうとう我慢できなくなって、まな板に向かう背中に声を掛けた。え?とピンクのエプロンをつけた健也が振り向いて、
包丁の切っ先がひゅっと目の前をかすめる。危なえな!
「そんな持ち方で大根切れんのかお前はよ」
「嫌だなあ、剛くんは黙って待っててくださいよ。今日は僕が家事全部するって約束じゃないですか」
さわやかな笑み。俺は昔から―幼稚園の砂場にいたときからルームシェアを始めた今までずっと、
この笑顔には勝てない。
「さっき洗濯もしましたよ。それから今お風呂にお湯ためてます。ご飯食べたら、入ってくださいね」
「お、おう」
はっきり言おう。健也には生活能力が極端に不足している。いわゆる天然ちゃんだ。
小学校の思い出―給食のお代わりというのは、先生が配ってくれるのを待つものだという、
俺からしたらありえないボケ。自分からプリンを奪う戦いに挑めよ!
中学の思い出―試験は、回答し終えて時間が余っても、ペンを動かし続けなければならないという、
俺には縁遠いボケ。俺はどうせ、時間なんか余りまくりだったさ!答案はほぼ真っ白だったからな。
とにかく、オムツはいてたころから、眼鏡でチビで守ってやらなきゃならない子分だったころ
―そして、俺の身長を抜いて眼鏡も外し垢抜けた今まで、俺は健也の天然っぷりに振り回されてきた。
「剛くん、お風呂見てきてもらえますか」
ザシュッ、と料理らしからぬ音に後ろ髪を引かれながら、風呂場をのぞく。
すると、信じがたい光景が目の前に広がっていた。
「健也お前、なにやらかしたんだ!」
洗濯機は蟹のごとく泡を吹いて震え、浴槽からはお湯が溢れ出てユニットバスの狭い浴室は水浸しになっていた。
目の前が暗くなりそうになるのを必死でこらえ、とりあえず蛇口を閉める。
ばたばたと駆けてきて健也は顔を真っ青にする。
191:2/2
09/04/20 21:28:13 jt0kCBM80
「わあっ、ごめんなさい!うっかりしてました、お湯が溜まるのにどれくらいかかるか分からなくて・・・」
「15分もありゃ溜まるだろうが!それに洗濯機!お前洗剤どんだけ入れたんだよ!!」
「ええ…汚れがひどかったから、山盛り一杯いれました」
「馬鹿!俺はいつも水少なめで洗ってるんだからそれじゃ多すぎんだよ!」
水浸しの床、どうすんだこれ、と大げさにため息をつくと健也はおずおずと口を開いた。
「いつも剛くんにはお世話になってるから、今日くらいは僕が全部お世話してあげようと思ったんですけど」
失敗してしまいました、と、しょんぼり肩を落とすから、俺はなんだか申し訳なく思ってつい、こう答えた。
「馬鹿野郎。お前の面倒は、俺が見てやるっつーの。今まで、ずっとそうだったじゃねーか」
お前の好きなひじきの煮物だっていつでも作ってやるよ。安いスーパー巡るのだってお前のためなら苦じゃねえし。
シャツも、パリパリにアイロンかけてやる。ゴミの分別も俺は超詳しいぜ。
だから、そんな悲しい顔するなよ。
「その代わり、一つ条件がある」
ぴっと人差し指を突きつけて、俺は胸を張る。
「お前はこれからずっと俺のそばにいて、笑顔でいろよ。んで、
その無駄に良い脳みそ使って良い会社入ってバンバン昇進して、俺を幸せにしろよな!」
今は見上げる形になってしまった健也の顔を、両手で挟んでぐっと引き寄せる。
真剣な目に射抜かれて、俺の体が不思議な喜びに震えるのが分かった。
「剛くん…じゃあ、僕のために、毎日おみそ汁を作ってくれますか?」
お決まりのせりふの後、俺たちは軽く誓いのキスをした。
「今日は僕の作ったおみそ汁ですけど、剛くんの口に合うかどうか…」
怪音を発しながら作っていたものの正体はコレだったのか。湯気を立て、一見おいしそうなそれを一口すする。
「げっ、これ何だよ、味がねえ!お前、これ味噌溶いただけだろ!」
「えっ、みそ汁ってそうやってつくるんじゃないんですか?」
「馬鹿野郎!だしを入れろ!」
こいつが家事をやりたいと言い出す限り、逆亭主関白(逆でもないか?)は続きそうである。
192:風と木の名無しさん
09/04/20 21:39:11 wzWWySwv0
0点
193:風と木の名無しさん
09/04/20 21:46:23 yL6IzTx1O
天然ぼけと言うよりは物知らずてか生活能力の著しい欠如と言うか
そして受けは攻めに養ってもらう気満々 女みたい
194:風と木の名無しさん
09/04/20 22:16:55 Jk0wGr240
??
可愛いお話だと思ったけど?お題にもあってるし。BLの新婚物みたいなのは好みでしょ。
本スレはGJしたい人がいるかもしれない訳だから、絡みたければ絡みでお願いしたいです。
195:風と木の名無しさん
09/04/20 22:53:11 mWIfrDc+0
甘いな~ww新婚ものて表現に納得したw
受が口が少し悪いだけの少年みたいだから
もっと不良ぽかったら更に萌え
196:風と木の名無しさん
09/04/21 00:04:39 10dyKABQO
萌えたよー!>>190GJです!
自分には書けないお題だと思ったからどう来るのか楽しみだったよー!
197:風と木の名無しさん
09/04/21 00:20:10 W6pznE1X0
可愛いな~良かったよ。GJ
198:風と木の名無しさん
09/04/21 00:52:15 xp0eKcGx0
踏まれよう
199:風と木の名無しさん
09/04/21 00:53:18 ymWUaAMTO
純情
200:1/2
09/04/21 06:56:01 6072nuRY0
「…ふざけんなよお前!」
「ビックリした!ちょ、どうしたんスか先輩、急に」
「どうしたじゃねぇ!何?彼女できたからだぁ?!」
「そうなんスよ、実に7ヶ月ぶりの女なんスよぉこれがw」
「そんなこと聞いてねぇよ!てか彼女と遊んでたから練習無断欠席だと!?しかも1週間も!?そんなバカみたいな嘘で許されると思ってんのか?!」
「ちょっと落ち着いてくださいよ!それに嘘じゃないっスよ!…ほら、これ、彼女の写メです。なかなかっしょ?」
「…っ、どうでもいいそんなの!お前な!お前の勝手で部員全員に迷惑掛けたってこと自覚してんのか?!それなりの覚悟はあるんだろうな!?」
「…」
「なにニヤニヤしてんだ気持ち悪ぃな!黙ってないで何とか言えよ!」
「…じゃあ、先輩」
「なんだよ」
「今の先輩ってさぁ…『部の先輩』として『後輩が不甲斐ない』から怒ってるんじゃなくて実は『想い人』として『裏切られた嫉妬』的なことから怒ってるんじゃないスか?w」
「え…はぁ?!…な、に言ってんだお前…」
「だってそーでしょ?俺が彼女できたっつってから急にキレるんスもん。分かりやすいったらもーw」
「だからニヤニヤすんなっつってんだろ!」
「さらに言っちゃうと、あの時に告ったときから先輩、若干俺への態度違ってきましたもんねー?あ、意識しちゃいました?w」
「…おい」
「先輩も俺のこと、ホントは好きなんですよねぇ?」
「…お前、いい加減に」
「好きなんですよねぇ?!」
「…っ」
「ハハ、なーんちゃtt」
「っ…そーだよっ!嫌だから怒ったんだよ!だって好きになったんだもん俺、お前のこと!悪いかよ!?」
「…え?」
「だってお前言ってくれたじゃん、『先輩のことマジ好きだ』って!『マジ付き合って』って!お前は、冗談だったかも、だけど…俺…俺は初めてだったんだぞ!?そーゆーこと本気で言ってくれた人!お前が!」
「え、マジで?あの、これ嘘って」
「そら確かにお前には叱って、ばっかで、くっつくなとか、離れろ、とか、言ったけど、恥ずかしくて、それでも俺、お前の、為、思っ…グスッ、嫌い…違うのに…ぅぅ…」
「えぇ!ちょと、泣くとかマジでちょっと・・・」
「…でも、もう…グス…だから…俺…うぅ」
「だから、あのっ!先輩!?」
「…?」
201:2/2
09/04/21 06:57:54 6072nuRY0
「俺、彼女なんていないんですってば!」
「…は?」
「あれ実は講義が一緒の娘で…」
「…は、あ?」
「いや…ちょっとからかってやろうと思って…その、冗談のつもりで」
「……はぁ、あぁ?」
「そしたら先輩一人でなんか色々と…ハハ」
「…あぁ、あぁあ?!」
「ちょ、あれ?先輩、目がなんか怖―」
…
「ホントもう、マジすまいせんっした」
「…いいよ、もう…気持ち良い1発入ったし…」
(…しっかり3、4発殴ってたっての;)
「…でも」
「はい?」
「だとしたら…彼女ができたのが理由じゃなかったんなら、本当の無断欠席の理由は?」
「あ…それは…ぇーと;」
「…。」
「…すいません、ちゃんと別れてきますから!」
「…やっぱりな」
「いや、あの、正確に言えば恋人未満的なアレで…」
「もういいってば。…お陰さまでなんか吹っ切れたし。…俺も全部忘れるからお前も忘れてくれ…」
「…いや、俺、やっぱ先輩のがいいっス。」
「無理しなくていいから。俺だって気マズくなっt」
「ほら!メール、今、送りましたから!ね?」
「……ホント、馬鹿だ、お前は。」
「いやぁきっと向こうだって俺のことなんて本気に…って、もー!すぐ泣かないでくださいよぉ」
「…っ黙れ」
202:風と木の名無しさん
09/04/21 08:38:35 CQ167j8aO
わぁぁあぁあぁGJ!早朝にGJ!
萌えすぎて涙ぐんだw
純情な先輩たまらん…!
203:風と木の名無しさん
09/04/21 16:40:02 cgKXFkDgO
なんというGJ
204:風と木の名無しさん
09/04/21 19:04:09 0ohkKrea0
なんというGJ
205:風と木の名無しさん
09/04/21 19:07:01 nOM/VYfz0
相手の女の子が実は本気で…な感じに進んだら萌える
女が入る三角関係萌えとしては妄想させられました
206:風と木の名無しさん
09/04/21 19:16:21 5P+b+XvK0
浮気な後輩に振り回されてもんもんとした毎日を送るようになるか
べったべたに甘やかされていちゃいちゃ強制されてぎゃんぎゃんわめき倒す日々を送るか・・・
続きが気になるがしかしここで終わってほしいとも思う、見事なGJだ
207:風と木の名無しさん
09/04/21 21:26:39 R5oxMjXt0
ヤリ捨て?女の子かわいそ
ダシにして先輩に「俺のこと好きでしょw」
「ちゃんと別れますからーw」なんて
最低のチャラ男だな
こんな奴に惚れる先輩も見る目ねえ
208:風と木の名無しさん
09/04/21 21:39:53 c0cohiOt0
なにはともあれ踏んでいってくれ
209:風と木の名無しさん
09/04/21 21:42:53 gX06Mwx20
「死ぬ気でがんばります!」
210:1/2
09/04/22 00:34:04 zLCAgM7G0
「えーと、ローションと、ワセリンと……ああ、先輩。スタミナドリンクなんてどうですか?」
「スタミナドリンクは要らない」
コン、コン、コン、と卓の上に置かれた物を見て、思わず俺は脱力してしまった。
「そうですか?わかりました!」
色気のかけらもない夜だ。
まあ、こいつにも俺にもそんなものを求めるのは酷だ。
「聞いていますか?先輩」
「ああ、聞いている」
「僕、今夜のためにいろいろ勉強して来たんです。本とか、ビデオとか」
「そうか」
「それもこれも、今日の初体験を成功させるためです!」
目を輝かせ、こぶしを握りつつ奴は宣言した。
211:2/2
09/04/22 00:35:13 zLCAgM7G0
「今まで散々でした……特にファーストキス」
「ああ」
確かに。歯もぶつかったわ、舌は噛むわで大変だった。
俺の人生の中では最悪の部類に入るキスだった。
「だから、今日は」
「先輩が忘れられないような、すばらしい初体験になるように死ぬ気でがんばります!」
にかっ、と奴は心底うれしそうに笑った。
こいつの見ていると、自分もまんざらではない気分でいることに気がついた。
俺はこいつの笑顔は好きだ。
空回りしがちな愛情も嫌じゃない。
俺はこいつが好きだ。
俺は奴の頭を撫でて、そっと耳打ちした。
「じゃあ、お互いに頑張るとするか」
「は、はいっ!」
奴は顔を真っ赤にしながら笑った。
「ええっと、僕が先輩のズボンを脱がすべきですか?それとも上から脱がせたほうがいいでしょうか?」
「いちいち俺に聞くな。好きにしろ、好きに」
「わかりました!」
おそまつさまでした。
212:風と木の名無しさん
09/04/22 09:33:59 K8w5EPNN0
0点
213:風と木の名無しさん
09/04/22 12:55:17 Nq3cqXpM0
読みやすくてかわいい。GJ
214:風と木の名無しさん
09/04/22 15:09:18 7inTT0pFO
まさかの先輩受けにうっかり萌えたw
GJでした!
215:風と木の名無しさん
09/04/22 17:56:19 0Bu/gjmvO
規制中だけど禿萌えたんで頑張ってGJしにきたよ!
大好きだ、こういう色気のない初体験モノ。
お互い照れたり真剣さがズレてたりかわいーよ!
216:風と木の名無しさん
09/04/23 00:47:44 xuYM8XTfO
まとめともどもGJ!
217:風と木の名無しさん
09/04/23 09:06:35 efyEEM8B0
草なぎメンバー
稲垣メンバー
218:風と木の名無しさん
09/04/23 09:15:08 ggFamsaKO
あなたの踏み台になりましょう
219:風と木の名無しさん
09/04/23 09:17:14 BS+2v+nK0
手を差し伸べる君
220:風と木の名無しさん
09/04/23 09:34:05 efyEEM8B0
草なぎメンバー
稲垣メンバー
221:風と木の名無しさん
09/04/24 01:54:27 VhAN/JnBO
「先輩」
「………ん」
「先輩」
「…うん」
「先輩」
「……」
「先輩」
「さっきからうっさいなお前!! いいからほっとけよ!一人にさせろ!」
「いやです」
「……なんでだよ」
「だって、俺が居なかったら先輩一人で泣くじゃないですか」
「…一人で泣きたいんだけど」
「ダメです」
「なんでだよ…」
「先輩いじめて泣かしていいのは俺だけだからです」
「ドSめが」
「Sでいいから、ほら」
「…なんだその両腕は」
「俺の胸で泣いてみませんか?」
「…」
「一人で泣くと余計しんどいですよ? 心配なんです、先輩が」
「あーもう! 制服鼻水でべたべたにしてやるからな」
「クリーニング代は後で請求しますよ」
「………」
「………」
「……ありがとうな…」
「どういたしましてー」
222:風と木の名無しさん
09/04/24 20:55:06 o5wVmgpn0
スタンダードな感じでよかったです。
似たような設定が続いたので損だったね。
223:風と木の名無しさん
09/04/24 21:07:38 SHxSQ2H/0
>>200の後輩×先輩(というか後輩君)が最悪だったから余計にね
224:風と木の名無しさん
09/04/24 22:09:34 JNpVQ5mwO
みんな違ってみんな良い
まとめもGJ!
225:風と木の名無しさん
09/04/24 22:29:14 MKBikLZAO
こういうのって実際にありそうでない会話だよな
GJ!
226:風と木の名無しさん
09/04/24 23:31:27 ySZQa7mi0
なごんだ…ほのぼのかわいいなぁ
GJ!
227:風と木の名無しさん
09/04/25 13:18:08 9bxexUx9O
まわします
228:風と木の名無しさん
09/04/25 13:20:08 4zk0l8Kp0
踏んでくれええええええ
229:風と木の名無しさん
09/04/25 13:26:32 revpnQg7O
最後の手紙
230:風と木の名無しさん
09/04/25 16:14:20 e5lKW0eC0
御国のためとは思へども、明日のことを考へると手の震へがとまらない。
字が乱れてしまふのを許して欲しい。
先刻は本当にすまない事をした。
好いてゐる、などと突然言はれても、君は困るばかりだつたらう。
本当は君に告げるつもりはなかつた。早まつた出撃のため、気が動転してゐた。
君に告げた事はどうか忘れて欲しい。
君の記憶の中には、一人の戦友としての自分がゐて欲しいと願ふ。
勝手な事ばかりを言つてすまない。
君と話したい事はまだ沢山あつた。君と行きたい場所も沢山あつた。
君を僕の故郷へ呼び、共に酒を飲み交はしたかつた。
こんなことばかり考へる僕を、君は笑つてくれ。
そして、僕が笑つて征けるやう、どうか祈つてゐて欲しい。
僕も、君の為に祈る。
死して靖国でまた、会はう。
231:風と木の名無しさん
09/04/25 18:23:22 xBJUXBrW0
うおおぉぉおGJ!この時代の事ってなかなかネタにしづらいけど
この時代の遺書ってガチで涙無しでは見られない・・・
2人とも軍人なんだよね?切な悲恋泣けるよGJGJ
232:風と木の名無しさん
09/04/25 19:01:29 MZxSHP2H0
はげ萌えた!
GJすぐる!!!
233:風と木の名無しさん
09/04/25 19:20:20 i8zxVJMU0
・゜・(つД`)・゜・
萌え泣いた。GJ
234:風と木の名無しさん
09/04/25 19:40:01 tku2yzbU0
ピャー
235:風と木の名無しさん
09/04/25 22:11:55 nIpx122/0
萌えよりも純粋にGJ!
236:風と木の名無しさん
09/04/26 10:31:21 pJ51m9aB0
切ないなあ…GJ!
この手紙が想い人に届く頃には…萌え泣ける話をありがとう!
237:風と木の名無しさん
09/04/26 11:20:10 d3zEqjMu0
休日なので慎重に踏み台の下敷きになります
238:風と木の名無しさん
09/04/26 11:30:57 3fpCNIAyO
優しく踏んでいってね
239:風と木の名無しさん
09/04/26 11:36:09 l3qCcWnG0
「そろそろ本気だしていいですか?」
240:風と木の名無しさん
09/04/27 12:02:36 yFOJbivzO
お流れか残念
241:風と木の名無しさん
09/04/27 12:21:00 l1NykYCPO
個人的に楽しみなお題だったんだけど残念まわし
242:風と木の名無しさん
09/04/27 12:28:41 waBddMCN0
素敵なお題だったけどまわし
243:風と木の名無しさん
09/04/27 13:11:34 5t/1MhyuO
次の萌えに期待まわし
244:風と木の名無しさん
09/04/27 13:17:20 Kkm39hZW0
まわします!
245:風と木の名無しさん
09/04/27 14:15:52 cDWXaO5u0
サクサク
246:風と木の名無しさん
09/04/27 15:04:10 b8EDansJ0
ぐるんぐるん
247:風と木の名無しさん
09/04/27 15:30:27 k7sOI/O60
もりもり
248:風と木の名無しさん
09/04/27 15:31:05 ESy5QCvx0
ふ、踏んでください!
249:名無し募集中。。。
09/04/27 15:35:52 waBddMCN0
雪の子
250:風と木の名無しさん
09/04/27 17:50:43 HmwZrzFGO
俺の初恋の女の子は、同じ幼稚園のゆきちゃん。
まわりの子供より体が弱く、ちっちゃくて色白で、雪んこと苛められてたのを助けてやったのが最初だった気がする。
おっきな目が可愛くて、いつもいつも俺の後ろをついてきて。
その子の、妖精みたいなふわふわの髪を撫でてやるのが好きだった。
「ゆき、おおきくなったらアキちゃんとけっこんする」
そう言って笑ってくれたのに、ゆきちゃんは小学校にあがる時、病気の療養の為に田舎へと引っ越してしまった。
あれから9年。
「アキちゃん。迎えに来たよ」
高校生になったゆきちゃんは、陽に焼けた笑顔でにっこりと笑って抱きついてきた。
「え、ゆきちゃん?…あれ?」
「約束どおり、結婚しようね」
俺の初恋の雪んこは、太陽の似合う男の子になっていた。
251:風と木の名無しさん
09/04/27 19:18:04 gwON06c/0
俺の初恋の女の子は、同じ幼稚園のゆきちゃん。
まわりの子供より体が弱く、ちっちゃくて色白で、雪んこと苛められてたのを助けてやったのが最初だった気がする。
おっきな目が可愛くて、いつもいつも俺の後ろをついてきて。
その子の、妖精みたいなふわふわの髪を撫でてやるのが好きだった。
「ゆき、おおきくなったらアキちゃんとけっこんする」
そう言って笑ってくれたのに、ゆきちゃんは小学校にあがる時、病気の療養の為に田舎へと引っ越してしまった。
あれから9年。
「アキちゃん。迎えに来たよ」
高校生になったゆきちゃんは、陽に焼けた笑顔でにっこりと笑って抱きついてきた。
「え、ゆきちゃん?…あれ?」
「約束どおり、結婚しようね」
俺の初恋の雪んこは、太陽の似合う女の子になっていた。
252:風と木の名無しさん
09/04/28 08:55:57 xydqg8cfO
ゆきちゃんビフォアアフター超GJ
彼のために頑張ってお日様の子になったんだね!
253:風と木の名無しさん
09/04/28 10:01:26 WdfawtA80
可愛いね!GJ!
252でわかった自分って…
女の子が男の子になっててびっくりっていう主人公視点しか
見てなかった自分乙…
254:風と木の名無しさん
09/04/28 11:17:49 Ce9wWgmlO
幼なじみが変わって帰ってくる系が好きだ。GJ!
個人的にゆきちゃんとアキちゃんが再開して、なんやかんやあって結局ラブラブお付き合い。までの続きも見てみたい
255:風と木の名無しさん
09/04/28 12:06:10 j4X/sDRGO
そういう事か!
男らしくなった幼なじみにドキドキするなんてなんという萌えシチュ!GJ!
256:風と木の名無しさん
09/04/28 12:23:17 HxrXNrD7O
褒め子頑張り中
257:風と木の名無しさん
09/04/28 20:56:50 DCM963/j0
ゆきちゃんが攻なんですよね?もちろん。
GJ!
258:風と木の名無しさん
09/04/28 21:04:12 63TaIhAg0
それではどうぞ
259:風と木の名無しさん
09/04/28 21:06:55 tdM55qMm0
漢を目指す受とそれを必死で止める攻
260:風と木の名無しさん
09/04/29 14:08:56 r2p3++Dj0
「俺さあ、岩城さんのところに弟子入りしようかなあと思って」
「なんで? 今さら大工目指してどーすんの?」
「大工じゃなくてさ、漢になりたいんだよね、俺」
「なんだそりゃ」
「俺、女みたいなんだもん」
「女相手にこんな事しないぞ。俺は生粋のゲイだ」
「知ってるけど」
「じゃあ別にいいじゃん」
「いっつも俺の方が組み敷かれてるしさ」
「上になりたきゃいつでもどうぞ。大歓迎」
「上になったって、いっつもお前にされるがままじゃんか。意味ない」
「俺に入れたいってこと?」
「やめろよ、想像しちゃっただろ!」
「どーしたいのよ、それじゃ」
「岩城さんみたいに筋肉つけて、日焼けして、性格もさっぱりして、決断力つけて、人に頼られて」
「弟子入りしたって意味ないと思うけど」
「なんで」
「岩城さん、あのガタイだけど、家に帰れば乙女だもん」
「乙女?」
「彼氏と、フリル一杯の姫系の部屋に住んでんの」
「うっそお」
「岩城さんの携帯見たことないんだろ。デッコデコだぞ」
「彼氏の趣味じゃ?」
「自分でやったって自慢してたよ。あんなチマチマしたものも得意なんだな」
「信じない!」
「信じないならそれでもいいけど。もういい加減こっちに集中しようぜ」
「また話題はぐらかしてー」
「はぐらかしてんのはそっちでしょ……いじめなの?コレ」
「なんだよ」
「いえ、なんでもありません」
261:風と木の名無しさん
09/04/29 14:56:31 9s96iWcK0
可愛い会話ではあるが、むしろ乙メン岩城さんに興味が出た。
262:風と木の名無しさん
09/04/29 17:59:56 vfEg1evO0
岩城さんの真実が気になる
ていうか集中してあげて受けw
263:風と木の名無しさん
09/04/29 18:40:59 xq3j6IqeO
岩城さん可愛いよ岩城さん。
264:風と木の名無しさん
09/04/29 20:14:42 tkVCwhEOO
岩城さんは受けなのか攻めなのか
それが問題だ
265:風と木の名無しさん
09/04/29 21:10:25 dHmsJ1h6O
最中だったのかよw
サイドストーリーとして岩城さんとその彼氏の話が読みたい
GJでした!
266:風と木の名無しさん
09/04/29 21:26:47 qvkghGO+O
岩城さん人気すぎww
GJです!
267:風と木の名無しさん
09/04/29 22:27:10 mjaZaNOBO
乙男な岩城さんが素敵すぎる。
彼氏は優男な男前がいいな。
ギャップ萌え!
268:風と木の名無しさん
09/04/29 22:28:59 7IyPjEEG0
あなたに踏まれたい
269:風と木の名無しさん
09/04/29 22:30:43 6UOTabmf0
花嫁の父
270:風と木の名無しさん
09/04/29 23:54:05 QScmeXtI0
今日、娘が嫁いだ。
妻を早くに亡くし、親子二人だけで過してきた家はとうとう私だけの家となってしまった。
小学校の時は真っ暗な家にいたくないと泣きながら会社に来た。
中学校になると部活があると言いながらも、私より早く帰って出迎えてくれた。
高校に入ったときは夕食の支度までして私の帰りを待っていてくれた。
大学は家から通える場所、と主張し、いつまでここにいる気だと笑いながら話した。
長いようで、あっという間だった。
白いドレスを見に纏った娘は美しく、妻の若い頃を彷彿させた。
目を瞑れば幸せになるから、と笑いながら泣いた娘の姿が浮かんでくる。
夫となる男はきっと娘を支えてくれる。
私はここで彼女たちの家庭を見守るだけだ。
もうするべきことはない。
正直、全力疾走でここまで来たことがたたってか、疲れがどっと来た。
このまま、妻の所に行くのも悪くはない。
ソファーに崩れ、意識を深いところまで落とそうとした。
「忠義さん?」
誰もいないこの家の中。私以外の声がした。
目を開けると、そこには見覚えのある青年が立っていた。
「君は……」
271:風と木の名無しさん
09/04/29 23:56:07 QScmeXtI0
娘の夫の弟。確か大学生だと言っていた気がする。
一応、私の義理の息子ということになるだろうか。
何故彼がこんな所にいるのかわからず、不躾ながらジッと見ていた。
「呼び鈴を押しても反応がなかったので。勝手に入ってすいません」
「いや、大丈夫だよ。けど、どうしたんだい?」
彼との面識は数えるほどしかない。娘に何かを頼まれて来たのだとしたら、早く帰してやらないと可哀想だ。
が、彼の言葉は予想を反していた。
「忠義さんに会いに来たんです」
私に?
「兄さんと義姉さんが結婚するまで待ってました。初めて会ったときから、ずっと。
忠義さんが一人になるのを怖がっていたのがわかったから」
妻が先立ってから、私は一人を恐れた。
娘がいなくなったら。考えるだけで目の前が真っ暗になった。
今、その状況がまさに起こっている。
「だから来たんです。忠義さんのそばにいなきゃって。俺がいなきゃ駄目なんだ」
「どうして、君が……」
「同じ、だからかな」
『同じ』
彼もまた、誰かが離れ、自分一人取り残されたのだろう。それがなんなのか。聞かなくてもわかる。
「俺たちは同じなんです。だから、一緒にいましょう」
私は肯定も否定もせず、ただ彼を見つめていた。
272:風と木の名無しさん
09/04/30 02:38:05 Qf4zEbHk0
うわあああああああああ!!!!!!!!!!
GJすぐる、GJすぐるよおおお!!!
ここ最近読んだ文章の中でいちばん好きだ!
ほんわかしてるのだいすきだ!
273:風と木の名無しさん
09/04/30 07:04:42 R6fWzkky0
お題の「花嫁の父」にどういう立場の人間を組み合わせたら良いか
自分には思い浮かばなかった。
なるほど、取り残される者同士かっ!
上手い処理&ナイス歳の差萌えGJ!
274:風と木の名無しさん
09/04/30 23:11:17 D3HgCWwa0
難しいお題だったよねえ。GJ
275:風と木の名無しさん
09/04/30 23:51:21 0GGHUBw/0
いいよねぇ花嫁の父
中年+寂しげのコンビネーションが織り成す魅惑の響き
276:風と木の名無しさん
09/04/30 23:56:30 oy2ABqfB0
前半に萌えたというかうわーっときた
これ801萌えじゃないかもしれないけど
いい娘さんだったんだなぁ…
家族を大事にしてるのいいな、父親にしろ娘にしろ
277:風と木の名無しさん
09/05/01 01:05:31 Iv36kCHw0
最後の台詞に無性に切なくなった・・・・
これから大変な二人なんだろうけど幸せになってほしいな。GJ
278:風と木の名無しさん
09/05/01 01:07:55 lS+CslBP0
さあ!
279:風と木の名無しさん
09/05/01 01:10:00 gVgp+VB2O
末っ子の先輩×長男の後輩
280:風と木の名無しさん
09/05/01 22:14:21 6ydZU3Sc0
「昭島!見つけたぞ!」
部室である地学講義室の戸を開けるなり、何かを振り回して突入してきた先輩。
また何か変なものでも持ってきたのかと密かにため息を吐く。
「今度はなんすか。グレープフルーツ味のヨーグルトシェイクは微妙でしたよ」
「アホか。そんなくだらないジュースのためにこんなに走ってくると思うか?」
でも前回、大発見だ!!とか言って、地学部員全員分買い占めてましたよね。
不味くて処分に苦労しました。
「これ!イチ兄ぃが持ってきた」
―ああ、ブラコンで有名な先輩のお兄さんその1か。
先輩のお兄さんは三人。皆さん弟が可愛くて仕方がないらしく、甘やかしまくって育てたらしい。
その結果がこれだけど。
先輩を見ているとまるで自分の弟、妹といるような気分になる。
大きな声で騒がれても、イタズラされても、止めましょーね、と言って流してしまう。完全に弟たちと同じ扱いだ。
そんな先輩の手元にあるのは
「あれ、これって雑誌に載ってた……」
以前、俺が欲しいと思って眺めていたシルバーリング。数量限定で東京だけでの販売と知って、田舎住まいの高校生は早々に諦めた。
けれどもそれが今目の前にある。
281:風と木の名無しさん
09/05/01 22:14:59 6ydZU3Sc0
「昭島が欲しがってたから何が何でも買ってきて、って兄貴たちに頼んだら、イチ兄ぃが見つけてきた。
やるよ」
サラッと我侭っ子ぶりを発揮して、サラッと手放すんですか、アンタは。これ、ヤフオクで定価の三倍の値付いてるのに。
いくら弟が可愛いからって、そこまで甘やかさないぞ、俺は。
「先輩、これは先輩のお兄さんが先輩のために買ってきてくれたものでしょ?
そんなものを簡単に人にあげたら駄目ですよ。大切にしてください」
「俺に説教する気か。昭島のクセに生意気だ」
「生意気でも良いです。人に貰ったものは大切にしましょうって習ったでしょ」
なんで先輩相手に説教なんかしてんだろ、俺。しかもこの内容、この前妹に話したのとまるっきり同じだぞ。
けど先輩は俺の話なんぞ聞いてるわけもなく、
「大切なものを大切な人に渡すのって、大切にしてるのと同じだろ?」
またもやサラッと変な言葉とリングを俺に寄越した。
「それ、絶対に左手の薬指にしろよ」
先輩のお兄さんたちへ。
弟のしつけの仕方、教えます。今すぐマイペースな性格を矯正してください。
282:風と木の名無しさん
09/05/02 06:26:20 5xr8WA68O
なんだこれ萌えすぎてどうしよう
お兄ちゃんな年下好きだーGJ!
283:風と木の名無しさん
09/05/02 09:00:18 +L3wamTZ0
0点
284:風と木の名無しさん
09/05/02 09:08:04 n/l2pOIlO
可愛い!gj
285:風と木の名無しさん
09/05/02 09:09:22 Sp6LHZ+O0
2830点とは!粋なことしやがる
286:風と木の名無しさん
09/05/02 11:11:36 PMI/To010
285も粋なことしやがるw
287:風と木の名無しさん
09/05/02 13:07:05 OVEiAEGEO
GJです!
お兄ちゃん属性な年下がツボすぐる
末っ子でわがままな年上かわいいです
288:風と木の名無しさん
09/05/02 13:09:25 +GReySDJ0
お望みは?
289:風と木の名無しさん
09/05/02 13:15:15 2MMgbYXJO
1cm
290:風と木の名無しさん
09/05/02 13:22:42 TPJLob160
「…惜しいなあ」
「何が?」
「あと1cmなのに」
「だから何が?」
「…身長。あと1cmで、僕は君と並べるんだ」
「そんな1cmなんて気にしなくても」
「君が気にしなくても僕は気にするんだ!」
「ぁ…すまん」
「ずっと身長が低かった僕が、やっと、やっと君に追いつけそうなんだ。」
「…」
「身長が君と同じ、173cm」
291:風と木の名無しさん
09/05/02 13:29:12 TPJLob160
すいません途中で送信しちゃったorz
「身長が君と同じ、173cmになったら、僕は君に伝えたいことがあるんだ」
「伝えたいこと?」
「うん。だから、もうちょっとだけ待っててね。すぐに、すぐに君に追いつくから」
「…わかった、待ってる」
「うん」
あと1cm伸びたら、僕は君に最高の告白を送ろうとおもう。
だから、あと少し。あと少しだけ、伸びないで待っていてください。
292:風と木の名無しさん
09/05/02 15:26:19 qgWWaTQu0
100点満点中2点
293:風と木の名無しさん
09/05/02 17:59:32 PMI/To010
早いね。短いやつだから、途中送信しちゃったのは残念。
294:風と木の名無しさん
09/05/02 19:27:36 wvVs+3xZ0
「これだから早萌えは・・・」と言われるクオリティ
295:風と木の名無しさん
09/05/02 19:39:10 mcvWAmvy0
1cm差って微妙なところがいいよね。
>>294
別に早萌えだからどうとかってこともないでしょう。
何度も出てるけど、自分に合わない萌えだったら、自家発電。
*0以外に投下しましょう。
296:風と木の名無しさん
09/05/02 22:09:30 KYZH3AxYO
成長期の青い感じが良いなぁ。GJ
297:風と木の名無しさん
09/05/03 08:55:34 VpkMNL3V0
踏み台の踏み台
298:風と木の名無しさん
09/05/03 09:17:33 k8qtIPaTO
踏まれても良いよ
299:風と木の名無しさん
09/05/03 09:19:33 lDZuolg40
攻め×攻め
300:風と木の名無しさん
09/05/03 10:33:31 a58V0Toq0
所さんのまもるもせめるも
301:風と木の名無しさん
09/05/03 21:24:00 Q1FVt5b40
「振られた」
―またか。
思ったけれど、口にはしない。目の前にそっとコーヒーを置く。
こいつは振られるたびにここに来て、重苦しい空気をまとったまま居座る。
いっそ愚痴れば気が済むだろうに、こいつが相手を悪く言う姿を見たことがない。
だから俺から聞いていく。
「今回の相手は中学時代の後輩か」
「ああ」
「やたらと面食いだったし、お前と付き合うなんて珍しいと思ったんだ」
「優しいから、あいつは」
優しいというか、ただの気まぐれだろ。あれは。
小柄でアイドル系の容姿。少しきつめな印象を与えるが、お兄さんたちには人気があった。
それが先輩だからというだけで、こいつと付き合うとは思えない。
ガタイだけは良くて顔は平均値。そこらの大学生と変わらないキャンパスライフを送る普通の男だ。
良くも悪くも、あの華やかな奴には釣り合わない。
「どっかに俺のことを好きになってくれる可愛い子はいないのか」
302:風と木の名無しさん
09/05/03 21:24:42 Q1FVt5b40
テーブルに突っ伏して嘆く姿を見ると、いつもの思いがこみ上げる。
そして、口走る。
「目の前にいるだろ」
「……抱いてやろうか?」
「断る」
俺たちは相性が良い。お互いに好みのタイプでもある。
俺はこいつの性格に惹かれるものを感じるし、こいつが好きそうなアイドルのような容姿もしている。残念ながら、背丈はほぼ同率だが。
大学からの付き合いとは言え、友人としての関係もかなり友好に築き上げている。
だからこそ、俺はこいつとそれ以上の関係になりたいというのに。
「お前がネコなら本気で付き合うのに」
「俺も。そっくりそのまま言葉を返す」
どっちも引けない攻防戦。
でも、こいつがコーヒーを口にした時点で俺の一歩リードかな。
「じゃあさ、勝負しようぜ」
先に抱いた者勝ちという単純な勝負を。
303:風と木の名無しさん
09/05/03 22:01:20 UsnR1IWlO
リバでもなんでもいいからつきあっちゃえばいいのに!
攻め×攻めってのもいいなぁ…GJです!
304:風と木の名無しさん
09/05/03 22:13:25 L4y1Ck1t0
リバ萌えの自分が萌え転がりながらGJGJGJ!
先に抱いた者勝ち萌える!
攻め同士のクールな会話GJでした!
305:風と木の名無しさん
09/05/04 01:16:57 gJEnCtT90
「抱いてやろうか?」に、禿げ萌えた……!!
スゲーイイよ~~GJだよ~~!!
306:風と木の名無しさん
09/05/04 12:46:39 FYGkBP3nO
これは新しい……!
男前いいよ萌えたよGJGJ!
307:風と木の名無しさん
09/05/04 13:50:12 SMKpJ39G0
も、もしかして、コーヒーに何か入ってるのか?
とどきどきしながらGJ!
308:風と木の名無しさん
09/05/04 16:00:29 4uePZ5azO
お好みは?
309:風と木の名無しさん
09/05/04 16:02:37 Zrxr+b3+0
ダンサー×演出家
310:風と木の名無しさん
09/05/05 18:15:42 XPm3DRml0
311:風と木の名無しさん
09/05/05 18:45:59 6NIAgt9xO
残念まわし
312:風と木の名無しさん
09/05/05 19:48:49 9e1nBiC00
まわしまわし
この題材自分には想像できなかったからどうなるか楽しみだったので
お流れで残念だー
313:風と木の名無しさん
09/05/05 20:28:01 sXAJPNhNO
お流れかぁ。残念。
次は素敵な萌えがあるといいな。まわし。
314:風と木の名無しさん
09/05/05 20:45:38 NE1bqtSK0
MA☆WA☆SHI
315:風と木の名無しさん
09/05/05 20:47:57 DEWYT/6G0
自分ひとりの力じゃ回せないんだ!
316:風と木の名無しさん
09/05/05 21:06:51 kMV/Qrjk0
まわれま~われ~ラリー・モーガン
317:風と木の名無しさん
09/05/05 22:09:06 0u4eBx6q0
もっとまわれ
318:風と木の名無しさん
09/05/05 22:35:28 uio9arYXO
踏んで下さいまし
319:風と木の名無しさん
09/05/05 22:36:16 Wmn3UGPCO
モラリスト不良×ドM優等生
320:風と木の名無しさん
09/05/05 22:36:27 9e1nBiC00
鏡越しに目が合う
321:風と木の名無しさん
09/05/05 23:18:29 9e1nBiC00
「嗚呼、またこんなところにいたんですね」
また来た。俺が隠れてタバコを吸ったり、授業をさぼっていると、どこで嗅ぎ付けるのかいつもこいつがやってくる。
そして、いつも決まったことを言うのだ。
今回のように俺が体育館裏でタバコを吸っているとだ……。
「あ、タバコ……貴方のタバコ……羨ましい、実に羨ましいですよ、このタバコ!
貴方の口内に咥えられ、ジリジリとその身を焦がし、貴方の一部となっていく!
なんて素晴らしいのでしょう……貸しなさい!」
こいつはものすごい変態だった。しかも俺にだけ。
無理やり俺が銜えていたタバコを奪い取ると、何故かこいつはフィルターではなく、煙の昇っている灰の部分を自分の口に銜えようとしている。
本当にこいつはバカだ。
放っておくと実際に火がついていようが構わず銜えてしまいかねないので、俺としては止めるしかない。
高校生でタバコを吸っちゃう不良の俺だけど、目の前で自傷行為をしようとする奴がいたら、止めるだろ普通。
「頼むからやめてくれ。俺が悪かったから」
「だって、羨ましいじゃないですかこのタバコ!貴方に吸われてたんですよ!?」
「ならフィルターの方を吸えばいいじゃないか……なんでわざわざ火ついてる方吸おうとすんだよ……アホか」
心底呆れた目線を送るが、この委員長は意にも介さない。むしろ俺が直視したことで、さっきより顔を赤く染めた気がする。
面倒な男だ……。
「だって……間接キスなんて、は、恥ずかしいじゃないですか!きゃー!」
322:風と木の名無しさん
09/05/05 23:18:50 9e1nBiC00
……今の台詞が、純情乙女が恥らいながら伏目がちに言ったものだったら良かったのに。
中肉中背の健全な高校生男子に言われても、ぜんぜん嬉しくない。
盗られたまんまだったタバコを奪い返して、携帯灰皿に押し込める。ポイ捨ては良くないからな。携帯灰皿は喫煙者のマナーだ。
「あ……」
しかし何故そこで残念そうな顔をするのだ、全く。
「おい」
「は、は!」
口が開いたところで人差し指を突っ込んだ。一気に第二間接くらいまで入ったか?
びっくりしたように目を見張った奴だったが、俺が指を口内で動かし始めたらうっとりした目に変わった。変態。
「タバコはあぶねぇからこっちで我慢しとけ」
嬉しそうにコクコクと首を振っては、舌をぬるりと俺の指に絡ませてきやがった。
そして俺の指を奥まで飲み込む。爪先に咽喉ちんこがあたる。
えずいて苦しいと思うんだが……全くこいつのやることはいつも理解ができない。
323:風と木の名無しさん
09/05/05 23:27:40 uvOBlJ9q0
速いなー、エロいし
11秒差お疲れ様でした!萌えるお題だったので、次とれるといいね
324:風と木の名無しさん
09/05/05 23:47:09 1AEXBD5ZO
変態受け…いい…!
GJです
325:風と木の名無しさん
09/05/06 00:11:49 RKV+9s6NO
100回熟読した
攻めかっこいい…
受けかわええw
326:風と木の名無しさん
09/05/06 00:13:20 dJTjUejw0
変態受けはいいものだGJ!
苦労性の攻めも萌えるー
327:風と木の名無しさん
09/05/06 00:18:34 vJRlIGzH0
えろい・はやい・うまい!GJ!
328:風と木の名無しさん
09/05/06 00:22:58 fREIwV4eO
お…お願いします踏み台にして踏み潰してやってください!
329:風と木の名無しさん
09/05/06 00:23:44 ueC4YmeI0
いい夢見ろよ
330:1
09/05/06 09:37:24 GvHmmcYV0
何かが布団の中に滑り込んできた気配に目が覚める。
玲人だ。
「どうした?」
尋ねる俺の体を、小さい手でぎゅっと抱きしめた。
両親が死んでずっと親代わりだった兄貴が、嫁さんと一緒に事故で死んで半年。
遺された小学3年生の玲人は他に引き取る人もなく、俺が面倒見ることになった。
幸い、賢明な兄貴達は合わせて6千万の生命保険をかけていたし、ローンを組んで
立てたばかりの家も団体信用生命保険のおかげで玲人に残された。
家もあれば当面の生活費養育費もあるので、金銭的には問題は無い。俺の職場に
通いやすい場所だったのも良かった。
兄貴が「この家はお前の実家でもあるんだ。ここがお前の部屋だからな。いつでも
帰ってきて良いんだぞ」と用意してくれていた部屋に少ない荷物を運び込み、玲人の
学校や俺の仕事を変えることなく、俺達は同居生活を始めることができた。
義姉さんの教育のたまものか、玲人はとても良い子だった。
出したおもちゃは片付けるし、家での仕事だったらしい風呂掃除もきちんとする。
一緒に買い物に行っても「あれ買って、これ買って」なんていうわがままも言わないし、
電子レンジでする簡単な料理のレパートリーのいくつかも持っていたりする。
おかげで俺は、ずいぶん楽に子供の保護者をさせてもらっているのだが。
331:2
09/05/06 09:39:02 GvHmmcYV0
枕元の読書灯を手探りで点ける。無段階調節のつまみで、まぶしくない程度の明かりを
確保し、俺は玲人に話し掛けた。
「怖い夢、見たのか?」
俺の言葉に、玲人は俺を抱きしめる手にぎゅっと力を入れて首を振った。
子供の高い体温が密着した小さな体から伝わってくる。
玲人がこんな子供っぽいことをするのは、俺がこの家に引っ越して来てから初めてだ。
あれ?と俺は思った。
子供っぽいって、こいつはまだ子供で当然じゃないか。
俺は玲人を抱き寄せて言ってやった。
「今日は一緒に寝るか」
玲人は顔を伏せたまま頷いた。
玲人の肩を抱き、昔兄貴がぐずる俺にしてくれたようにぽんぽんと同じリズムで優しく
体を叩いてやっていると、やがて玲人が口を開いた。
「おじちゃん」
「ん?」
「僕、良い子だよね?」
ははん。
俺はぴんときて言ってやった。
「ああ、良い子だ。玲人は良い子だよ」
俺が両親を失ったのは俺が小4の時で、俺は「良い子にしていれば神様が両親を生き
返らせてくれるかもしれない」と良い子になろうと努力した。結局、その努力は宿題忘れ
という失敗をきっかけにわずか1ヶ月で無駄になったが、授業の始まりに宿題を忘れた
ことに気づいて当たり構わず大泣きしてしまったくらい、俺は真剣だったのだ。
きっと玲人もそんなことを考えて、がんばって「良い子」をやっているのだろう。
玲人は俺の言葉に、顔を上げ、ほっとしたように笑った。
「おじちゃんは、死なないからね。大丈夫だからね」
はいいい??
332:3 end
09/05/06 09:40:10 GvHmmcYV0
「僕、神様にお願いしたんだ。わがまま言いません、お手伝いもします、良い子にします、
だから、おじちゃんは連れて行かないでくださいって。僕、良い子だよね?悪いことしてない
よね?だから、おじちゃんは大丈夫だからね」
ああ、何て子供だよ。俺とは大違いじゃないか。
兄貴と義姉さんの死を不可逆なものとしてきちんと受け止める強さと、俺を守りたいという
優しさ、それを実行し通す意思を持っている。
「そうか、なら大丈夫だな。ありがとうな」
俺が言うと、玲人は安心したように笑い、俺を抱きしめていた手をやっと離した。
「さ、明日も学校だぞ。寝るぞ寝るぞ」
「うん」
読書灯の灯りを消し、玲人の体に布団を掛けなおしてやる。
「おやすみ。いい夢見ろよ」
「おやすみなさい」
やがて、小さな寝息が聞こえてきた。
その寝息を聞きながら、俺は絶対に玲人を守ってやるのだ、兄貴と義姉さんの代わりに
こいつを一人前の男に育ててやるのだと、もう一度心に誓った。
333:風と木の名無しさん
09/05/06 10:09:05 Qdbwg8dCO
すごくいい話だとは思うのだが、801なのか…?
334:風と木の名無しさん
09/05/06 11:48:39 qjtqWvdB0
今までも結構801的にはグレーなやつがあったので、
これもそんな感じのかなと思ってた。
335:風と木の名無しさん
09/05/06 12:17:51 YhNSWufL0
この手のネタはいい話だけど、801萌えするのが不謹慎かなと思ってしまう。
それでも萌えて良いのなら、成長後の甥×叔父を私は推す。
一人前の男に育った甥に襲われちゃえ。
336:風と木の名無しさん
09/05/06 13:17:20 cgusm+LDO
恋愛関係じゃない男性同士の関係に萌える人だっているのだから
それはそれで*9に萌えたってことなんだよGJ
337:風と木の名無しさん
09/05/06 21:08:12 cL8TfzlLO
誰かの踏み台になるよ
338:風と木の名無しさん
09/05/06 21:11:30 qjtqWvdB0
じゃあ、自分も
339:風と木の名無しさん
09/05/06 21:12:58 oDN1cipC0
アスリートでライバル同士
340:風と木の名無しさん
09/05/06 21:13:20 cgusm+LDO
もったいないからあげない
341:風と木の名無しさん
09/05/06 21:13:22 UEXQmYzpO
明治の書生
342:風と木の名無しさん
09/05/07 00:05:18 EIt5Yi6+0
ウホウホアーアー
343:風と木の名無しさん
09/05/07 21:31:25 yjDk3zIg0
残念お流れ。いいお題だったのにね。*0以外にくるといいね。
344:風と木の名無しさん
09/05/07 22:46:40 BdX/LZBtO
まわしますね
345:風と木の名無しさん
09/05/07 23:03:15 541iFHJI0
ケータイの踏み逃げ率は高いな。仕方ないか
>>340は
仮に*9踏んだのが自分で、リロミス*0になって
踏み逃げされたときの気持ちを想像してみればいいのに
346:風と木の名無しさん
09/05/07 23:09:13 zTlMF9OGO
>>345
携帯から言ってもなんの説得力も無くて申し訳ないが
頑張って考えたけど思い付かなかったのかもしれないよ
その後も*0以外が投下できる時間はあったわけだし
気をつけようってことでいいんじゃないかな
347:風と木の名無しさん
09/05/07 23:27:37 fNqI2xYl0
>Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
>A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。
なんのためのルールか
まわそう
348:風と木の名無しさん
09/05/07 23:33:40 L77EqPmb0
別にSSじゃなくてもいいんだよね。
萌え語りでもいいんだよね。
お題が自分の萌えツボにかすったら気負わず書き込んで欲しいな。
さあ踏んでくれ。