09/06/06 00:03:17 wjcwfFYX0
毎年会社で繰り広げられる論争を観察した研究結果。
築40年くらいの木造アパート東北荘。貧乏学生が6人ほど住んでいる。
基本的にのほほんと仲良く助け合っているが、毎年決まってある時期に、
二階の住民宮城君と山形君の挙動がおかしくなり始めるのだ。
朝夕の6人団欒の食事タイムに激論を飛ばす二人を眺めつつ、
あぁまたこの季節が来たか、と他の4人はおもむろに薪を割り出す。
「味噌!」「醤油!」「豚!」「牛!」
食堂のカレンダーに大きく赤丸をつけてあるその日まで、
登校時も休み時間も下校時も布団の中まで言い合う二人。
赤丸のその日は爽やかな秋晴れ。
各々大鍋を手にした宮城君と山形君は、にらみ合うこと暫し、青森兄さんの合図で持ち場に別れた。
福島君が設置したテントに青森兄さんが荷物を運び込み、
駐輪場から戻ってくるついでに見つけた木苺を、岩手君が秋田君に食べさせている。
「絶対俺の芋煮の方が美味い!」
そう言って譲らない宮城君と山形君だが、みんなでのんびり行楽できて
美味しいものが食べられればどっちでもいい、というのが他の4人の総意だ。
そして、最初の一杯はお互いのために、とこっそり決めているらしいことも、
そのお椀の具が他のみんなよりちょっぴり多いのも、
それを幼稚園の頃から延々繰り返しているのも知っていたりする。
芋煮やってみたいなぁ。