08/11/05 23:20:36 lAJ3pvkO0
>>30www
さて、にぎやかしに音楽オタクとまでいかないんだけど、幼馴染もので。
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「大久保、あのさ、自分は別としてさ、…ゲ、ゲイってありと思うか」
「目がものすごく泳いでるぜ、明美」
それははるか昔、まだ俺が弦を巻きすぎて切ってしまうぐらいウブな年頃のことだった。
俺は音楽が好きで、幼馴染の千紘と一緒にバンドやろうぜにはまっていた。
バンドスコアをひとりで熟読しては「暗い」などとほかの友達に言われることもあったが、それとは別に
俺はその頃微妙に悩んでいることがあった。その幼馴染、アホの千紘についてだ。
「高田は『ないな!』ってそりゃもう即答だったぜ、さっき」
俺はなぜか必死だった。
そんな俺の姿を見て、大久保はやや哀れむような目で
「そりゃあ高田はラブラブの彼女がいるからなあ」
と付け加えた。
そうだ、問題はそこなのだ。
彼女でもいれば話はもっと簡単に済んだのだ。
「明美、千紘はどうしたんだよ。最近見ないけどケンカでもしたのか?」
かなり音痴のくせにこんなときは勘のいい大久保に
、内心で舌打ちしながら俺は口の中でむにゃむにゃと呟いた。
さすがに大久保にも言いにくい。
だってその理由は…
「おーい明美、添い寝問題は解決できたのか!?」
向こうから大声で俺を呼ばわりながら、満面の笑顔で高田がやってきた。
俺は言葉を失い、大久保にぽんと肩を叩かれるのをどこか人ごとのように感じていた。