08/12/24 12:11:58 +XRv6WwC0
「相棒!」
呼ばれて振り返ると、両腕にたくさんのホタポタを抱えた、可愛い死神が近づいてきた。
とても嬉しそうに瞳を輝かせて、リタリーのところへ連れて行けと迫る。
「リタリーにそれ、料理してもらうの?」
「生でも充分美味しいけどな、せっかくだし!な!」
「?」
何が「せっかく」なのだろうか?
とりあえずダネットも呼びにいこうと、
ホタポタによって塞がれたギグの手をスルーしてその脇の服の裾を握ると、
何故だろうか、彼は不満そうに顔を曇らせる。
服の裾を握られるのが嫌だったのだろうか?
しかし、慌てて握っていた手を離すと、彼は更にムスッとして、機嫌を悪くしたのだった。
「どうしたの、ギグ」
「……なんでもねえよ」
「大丈夫?」
「……夜は……」
「え?」
「夜は!俺と相棒のふたりだけで行動するんだからな!わかったかよ」
突然なにを言い出したのだろうと、ギグの言葉を考える。
…ああ、そうか。ダネットを呼びにいこうとしたから怒ってるのか。
ふたりで食べたかったのかな。ホタポタ。
そんなに取り分が減るのが嫌だったなんて、食いしん坊さんだな。
わかった、夜はギグとふたりで、一緒に過ごすよ。
そう言ってやると、死神の機嫌はすぐに治った。