08/05/19 20:21:43 JqiouGWp0
★モララーのビデオ棚in801板ローカルルール★
ノンジャンルの自作ネタ発表の場です。
書き込むネタはノンジャンル。SS・小ネタ・AAネタ等801ネタであれば何でもあり。
(1)長時間に及ぶスレ占拠防止のためリアルタイムでの書き込みは控え、
あらかじめメモ帳等に書いた物をコピペで投下してください。
(2)第三者から見ての投下終了判断のため作品の前後に開始AAと終了AA(>>3->>7辺り)を入れて下さい。
(3)作品のナンバリングは「タイトル1/9」~「タイトル9/9」のように投下数の分数明記を推奨。
また、複数の書き手による同ジャンルの作品判別のためサブタイトルを付けて頂くと助かります。
※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、スレを占拠しないためにも投下ペースや分量を配慮して下さい。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。
相談・議論等は避難所の掲示板で
URLリンク(s.z-z.jp)
3:風と木の名無しさん
08/05/19 20:21:53 JqiouGWp0
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
| いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
| | [][] PAUSE | . |
∧_∧ | | | . |
┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ | | | . |
| |,, ( つ◇ | | | . |
| ||―(_ ┐┐―|| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
| || (__)_), || | °° ∞ ≡ ≡ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
4:風と木の名無しさん
08/05/19 20:22:03 JqiouGWp0
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
テンプレ1
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| きっと楽しんでもらえるよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
5:風と木の名無しさん
08/05/19 20:22:14 JqiouGWp0
テンプレ2
_________
|┌────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| ┌‐^───────
└───│たまにはみんなと一緒に見るよ
└────────
_________
|┌────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────┘
6:風と木の名無しさん
08/05/19 20:22:25 JqiouGWp0
テンプレ3
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < みんなで
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < ワイワイ
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ~
| | / , | (・∀・; )、 < 見るからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < やっぱり
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < この体勢は
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ~
| | / , | (・∀・; )、 < 無理があるからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
7:風と木の名無しさん
08/05/19 20:22:35 JqiouGWp0
テンプレ4
携帯用区切りAA
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
中略
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
中略
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
8:風と木の名無しさん
08/05/19 20:22:53 JqiouGWp0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
|
| ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
| ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
| ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
| ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
| ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
| ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
| ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
\___ _____________________
|/
∧_∧
_ ( ・∀・ )
|l8|と つ◎
 ̄ | | |
(__)_)
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 媒体も
| 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
| 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
\_________________________
9:風と木の名無しさん
08/05/19 20:23:09 JqiouGWp0
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| じゃ、そろそろ楽しもうか。
|[][][]__\______ _________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | |/
|[][][][][][][]//|| | ∧_∧
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
|[][][][][][][][]_||/ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |
(__)_)
10:風と木の名無しさん
08/05/19 20:24:09 jwYcTmUz0
1>乙です!
スレ立てありがとうございました!
11:いぬわし21×12 1/6
08/05/19 20:27:24 jwYcTmUz0
※ナマモノ注意!杜の都の牛タン球団
ガラスのエース(21)×ちっこいおっさん(12)
※前回37で投下しましたが容量オーバーのため続きが書き込めませんでした;
改めて投下します。初投稿です、よろしくおねがいします!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
★ ★ ★
昨日は真夏のような暑さで、今日は真冬のような寒さだった。
一体今は何月で、そして日本の季節でいえば今は何なんだろうかって、
疑問に思う。
まして、ここは遠く離れた場所。
我が球団の本拠地からも、そしてあの人がいるであろう場所からも、
もっと遠く、遠くの。
『おう、元気か?そっちはどうだ?』
すっかり夜も更けて、部屋の外から聞こえていた喧騒が寝静まったころ。
電話をかけるには、相手を気遣わなければならない時間であったにもかかわらず
それを忘れさせてしまうような元気な声が、耳に響いてきた。
相変わらず、こっちの都合なんか考えちゃいない。
でもそれが何とも、この人らしくて
俺は思わず声を挙げて笑ってしまった。
12:いぬわし21×12 2/6
08/05/19 20:28:55 jwYcTmUz0
『なんだよ、何か可笑しいことでもあったのか』
「いいえ、別に何でも。それより、そっちはどうですか?」
『俺か?俺は元気だよ。今日は雨で試合が中止になったけど』
そうか、どうりで。こっちも寒かったから、きっと向こうはもっともっと寒いだろうと
思っていましたよ。その言葉を喉の奥にとどめてから、
俺は小さな声で呟くように言葉を零した。
「こっちは、試合ができました。
ただ、明日は雨の予報なので中止かもしれないですね」
『そうか。じゃあ、マーはそのまま投げるのかな』
「それはわかりませんけど・・棚可は、やる気十分みたいですよ。
馳世部くんが合流して、いい刺激になっているようです」
合流して、という言葉の前をあえて濁してしまったことに気がついて、
俺は軽く手のひらで口を覆った。
馳世部くんが来たから、この人がここにいないわけではないのに。
急に黙ってしまった俺を気にする風でもなく、
電話の向こうの人物はのんびりとした口調で言葉を繋いでいた。
内容のほとんどが棚可を心配しているような言葉だったので、ため息一つ吐いてから俺は、噛みしめるようにその名を呟いた。
13:いぬわし21×12 3/6
08/05/19 20:30:35 jwYcTmUz0
「・・草乃さん」
『ん?なんだよ』
「俺には、何か言うことないんですか?結果、知ってるんでしょう」
我ながら、意地の悪い問いかけかもしれない。
それでも俺は、草乃さんの言葉が聞きたかった。
いつものように笑いかけてくれて、いつものように励ましてくれた存在が
グラウンドにもベンチにも今日はいなかった。
一人のチームメイトが二軍に落ちただけ。
それだけのことで、無様な投球をするわけにはいかない。
エースという称号を背負ってしまっている以上は、そんなことは百も承知だった。
だからせめて、向こうでがんばっているであろうこの人に自慢できるような
投球をしたかったのだ。
ほんの少し沈黙が舞い降りて、電話の向こうからため息とともに言葉が響いてきた。
14:いぬわし21×12 4/6
08/05/19 20:31:32 jwYcTmUz0
『岩熊・・』
「・・はい」
『お・・おまえって奴はぁああああ!!!
なんだ、あの6回のピッチングは!お前、相手を舐めてかかってんじゃねぇぞ!』
夜中ということもあって、てっきり小声で褒めてくれるのかと思っていた俺は
受話器に耳を近づけすぎていた。
だからなおさら、草乃さんの大声が耳をつんざくように響き渡ってきて
俺は腰かけていたイスからずり落ちそうになってしまった。
『いくら大量援護があったからってな、気を抜くにも程があるぞ!
そういう態度を相手に見せちまうと、
お前にスキがあるんじゃねぇかって勘ぐるだろうが!
だから、あんな連打ばっかり撃たれちまうんだぞ!』
電話の向こうの草乃さんは、きっと近所迷惑も省みないような勢いでがなりたてている。
受話器からツバが飛んできそうな気がして、
俺は握りしめていた電話を耳から遠ざけてしまうが、
怒っている草乃さんの姿を想像してみたら何だか可笑しくなって
きてしまって、こみ上げる笑いを噛みしめながらいつしかその言葉に耳を傾けていた。
15:いぬわし21×12 5/6
08/05/19 20:32:21 jwYcTmUz0
あぁ、まったく変わってない。いつもの、あのグラウンドでの草乃さんだ。
それが嬉しくて、怒られているのに嬉しくなって、俺は笑いが止まらなかった。
『だいたいお前は・・って聞いてんのか?!クマ!!』
「え?あ、はいはい。聞いてますよ。
全くをもって、草乃さんの言う通りですね。
エースたるもの、油断を見せちゃいけないんですよね。はい、その通りです」
『・・岩熊』
「それに、投手陣の柱として後輩に無様な姿を見せちゃいけないんですよね。
ははは、いっつも草乃さんに言われてることなのに」
胸の奥が妙にくすぐったい。別に悲しいわけではないのに、
まるで泣いてしゃくりあげるような勢いで、もう言葉が止まらなくなった。
忘れたことなんて一度もない。いつも、言われ続けていた言葉はずっと胸に
刻まれ続けている。あの、穏やかな口調と、はち切れんばかりの笑顔まで、
すぐに思い起こせるほどに。
胸が疼くように痛くて、俺は笑いを止めることができなかった。
草乃さんは、何も言わずに黙って聞いてくれていた。
こんな時のタイミングも、変わらなかった。どうしても、精神的に崩れそうになって
吐きだしたくてたまらない時、この人はいつも、ただ黙って俺の話を聞いてくれて。
そして、いつもこう言ってくれたのだ。
16:いぬわし21×12 6/6
08/05/19 20:36:50 jwYcTmUz0
(クマ、よく聞け。お前はいつだって、一人じゃない)
『クマ、よく聞け。お前はいつだって、一人じゃない』
(俺は、いつでもお前のそばにいるから)
『俺も、すぐにお前のそばに行くから。だから待っててくれ』
遠く遠く離れた、天気も季節も違う場所にいる、
ただ一人のチームメイトの存在がここにいないことが、たまらなく寂しくて。
そしてたまらなく愛おしくなって俺は
いつのまにか目尻に涙を貯めて電話を握り締めていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ちっこいおっさん一軍復帰おめでとう!
でっかいクマーがじゃれつく姿がたまらなくハァハァで
勢いで書いてしまいましたが反省はしてない。
お目々汚し失礼しました!
17:風と木の名無しさん
08/05/19 20:38:18 yRocBb/70
>1乙!
1000行かなくても容量オーバーで埋まる事、IEで容量チェックできる事を
テンプレに入れた方がいいかもしれないな。
18:風と木の名無しさん
08/05/19 21:49:37 +Q+VCtqoO
>>16
まさか熊ーとちっこいおっさんの話が読めるとは…!
おっさんかわええぇぇ
19:風と木の名無しさん
08/05/19 21:50:39 +Q+VCtqoO
>>1乙です
>>16
まさか熊ーとちっこいおっさんの話が読めるとは…!おっさん復帰よかったな、クマーw
20:ラデ/ィカ/ル病院・木神×影山
08/05/19 22:49:04 4cL0H15F0
>>1乙です
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 4コマ漫画/ラデ/ィカル/・ホス/ピタル 木神×影山
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| マイナス1巻ぐらい昔に遡ったお話
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
※業界の詳しい事情は不明なので学会はファンタジーです
21:ラデ/ィカ/ル病院・学会1/4
08/05/19 22:51:37 4cL0H15F0
影山がドアを閉めるなり木神は当たり前のように馬鹿力で抱き締めてきた。
息苦しさと懐かしい匂いでクラクラする。骨が軋む。
体中の力があっという間に抜け切りそうで影山は慌ててどうにかその胸を押し返した。
「ホテルに荷物を置いたら久しぶりに一緒に食事でも、という話だったろ?」
「あれ、お前そんなに腹減ってんの?」
悪びれる様子も無く注がれる真っ直ぐな視線と脳天気な口調に
思わず言葉に詰まった瞬間、唇が塞がれる。
くすぐるような口髭の感触…するりと絡んでくる馴染みの舌になすすべも無く
影山は意識を遮蔽するように目を閉じた。
同期とはいえ早々に医局を抜けてしまった木神と
未だ大学に籍を置く影山が仕事絡みで顔を合わせる機会はもうほとんどない。
そうなる事を承知で、むしろ密かにそれを望んで袂を分かって何年かが過ぎていた。
なのにこうして学会に来ると人込みの中に無意識に木神を探してしまう自分が影山は嫌だった。
緊張しているのは研究発表前だからだ、と誰にともなく胸の内で言い訳しながら
スーツにネクタイ姿の見慣れない木神を見つけて胸を躍らせ
誘われればこうしてのこのこと木神の宿に付いて来てしまう。
こんな事してちゃいけない、これで終わりにしよう、前回もそう思ったのに…
---------どうしようもないな…
諦めて広い背中に手を回すとせっかちな熱い手がシャツの下にもぐりこんで来た。
22:ラデ/ィカ/ル病院・学会2/4
08/05/19 22:56:39 4cL0H15F0
地方都市の持つ空気のせいか公然と勤務を離れられる解放感からか久々に抱き合う木神は激しかった。
息を切らしながら手を伸ばしてかつて馴染んだ身体に触れる。
その熱も重みも声も匂いも全てが懐かしくいとおしい。
忘れかけていた生々しい肉の快楽が押し寄せ、
友情だけあればいいのだと自らに繰り返し言い聞かせてきた欺瞞を粉々に打ち砕く。
その敗北感すらもう今は心地良かった。
「…どういうつもりだ木神」
「何が?」
「何が、って…相変わらずいい加減だな」
影山が呆れた口調で背中を向ける。
ビジネスホテルの狭いベッドに男2人ではそれだけで転げ落ちそうだ。
もっとましなホテルも取れるだろうに自分自身には無頓着な木神らしい。
「…付き合ってる女のコ、いるんだろ」
「落っこちるぞ、こっち来い」
「誤魔化すな!」
「昔馴染みと旅先で一夜を共にする、オトナとしてごく自然だと思うぞ?んん?」
のっそりと身を起こした木神が影山を背後から抱き寄せ耳元に唇を寄せる。
「お前だって、その気で付いてきたくせに」
「と…友達とこういうのは…全然自然じゃない」
「やれやれ、つれないなあ~さっきまでしがみついてきて可愛かったのに~」
ブツブツぼやく低い声と耳に触れる唇や息が身体に残る熱を煽る。
絶対、わざとやっている。
23:ラデ/ィカ/ル病院・学会3/4
08/05/19 22:59:47 4cL0H15F0
「お前はッ!人がどんだけ…!」
向き直った影山の抗議は木神の唇で封じられた。そのまま押さえ込まれ体重をかけられる。
そうだ、いつもこうだ。
必ず巻き込まれるのになぜか嫌じゃないこの優しい強引さと図々しいような逞しさが、やっぱり好きだ。
もうずっと、長い間想っている。どうすることもできないほど。
「……重い」
「好きだろ、重いの」
憎たらしい微笑みを捕まえて口付けると天地がひっくり返って
影山の身体は木神の上に乗せられた。
「俺も好き」
最早まばたきするのも億劫なほど身体がだるい。
眼鏡をかけたかったがどこに置かれたのかわからないし訊ねる気力もない。
木神の胸に頭を乗せたまま指で髪を梳かれる心地よさに身を任せて
眼鏡がないと思考力も鈍るようだ、などと影山はぼんやり考えた。
「お前こそどういうつもりなんだよ影山
いつまで大学に御奉公続けるんだ?いいように使われてるだけだろ」
訊ねる声はいつになく真面目な響き。
「…今更他所では生きて行けないよ」
「だからさあ……俺んとこに来い、って」
「ふーん、それプロポーズ?」
「…誤魔化すなよ」
真面目に返されて影山は泣きたくなった。
24:ラデ/ィカ/ル病院・学会4/4
08/05/19 23:01:36 4cL0H15F0
「俺んとこの病院手が足りなくて医者探してるんだ
お互いフォローし合えるしさ、本気で考えてみてくれよ」
木神と一緒に仕事ができたらそれはどんなにいいだろう。
でもそれは自分には過ぎた幸せではないかと影山は考えていた。
自分が木神の人生に必要な人間かどうか全く自信がなかった。
彼と一緒にいたい気持ちと同じだけ強く、彼の真っ当な人生を奪う事を恐れていた。
だからこそ進路を分け別の道に身を置いたはずなのにこうしてずるずると関係を続けている。
踏み出す事も引くことも出来ず"木神のため"と自分を誤魔化して奇妙な距離を置いている。
多分それも木神には解っているのだろう。
影山がその自分の狡さを責め続けていることすらも。
「どーせまたお前はめんどくさい事ウジウジ悩んでるんだろうけど、無駄だぞ?
いい加減幸せになろうよ~ジジイになっちゃうぜ」
見かけよりずっと繊細な男は、しかしいつもの人懐っこい調子に戻って笑った。
「あー、あと付き合ってるコもいないから」
「…え?」
「さっきプロポーズしただろ?いつでも荷物送って引っ越して来いよ」
「バーカ」
髪を梳いていた手が頬に置かれた。たくさんの患者を救ってきた外科医の手。
この手をとっていいのだろうか。自分も救われていいのだろうか。
わからない。しかしいずれ自分で決めなくてはならない。
今はとりあえずこの旅先の一夜を自らに許すことにして影山は押し寄せる睡魔に飲み込まれた。
25:ラデ/ィカ/ル病院・学会
08/05/19 23:03:00 4cL0H15F0
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 思い余って自家発電失礼致しました
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
26:風と木の名無しさん
08/05/19 23:07:47 XpBjDNT90
>1乙です!
>>25
まさかラデ/ィカ/ルの、しかも木神×影山を読めるとは思ってませんでした。
一巻の頃から大好きなんだ。ありがとう!
27:風と木の名無しさん
08/05/20 00:59:19 FjhA7fez0
1乙です
>>25
萌えた!
ジジイになっちゃうぜがらしくて好きです
ありがとう!
28:風と木の名無しさん
08/05/20 04:30:08 D90QdhB8O
>>21-24
何という萌え!!
こんな時間なのにみwなwぎwっwてwきwwたwww
元ネタ知らないけど、理想の攻めだよーありがとう!
29:風と木の名無しさん
08/05/20 07:55:32 g553xmFS0
>>25
120㌫充填された!ありがとー!!
30:風と木の名無しさん
08/05/20 19:08:54 rJiXzHWtO
>>25
禿萌えた!この2人が読めるなんて嬉しすぎる
超GJです!!
31:風と木の名無しさん
08/05/20 20:04:34 GwFetcv80
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )i棒の捏造カプ 仁川×大高知ネタコピペ改変だよ!
この前大高知さんとデートしたんですよ、初めてね。
で、生まれて初めて男をホテルとか誘ってみたわけですわ。
正直男同士でも簡単だと 思ってたのよ。
匿名とか普通にやってるからさ。
あのね、俺が間違ってた。あれは経理マンができることじゃない。ヒーローだね、ヒーローができることだよ。
最初に部屋に入った時さ、めちゃめちゃびびって肩にそろ~って触れて腰にもそろ~っと触れたのよ。
10秒くらいかけてさ。ですぐになんか怖くなって両方離しちゃったのさ。
そしたら大高知さんがさ「はっきりしろ!」とか言うの。
同じ過ちは2度繰り返さないのが俺よ。
だから肩を抱いたのさ。えぇ、そりゃもう抱きましたとも。全てを忘れて抱いたよ。
清く正しい警察官とか男同士とか最初は優しくしようとか色々忘れてね。
だって大高知さんがはっきりしろって言ったからね。
そしてらエライ事になった。
もう大高知さんすごい号泣。8カラットのすごい大粒の涙。ユニコーンだって大集合。
それでロビー降りてみたらいつのまにか居た匿名が俺の事すごい見てんの。あ、このホテルはミニャトさんの事件の…ホントごめんなさい。
正直「男同士ならシティホテルだぜ!」なんて見栄張らないで素直にベッドが回るラブホにすりゃよかったと思ったよ。
心の底から見栄はった事を後悔したね。
でもホテル出て大高知さんと「ここ今イチっすね!やっぱ記念日は三ツ星じゃないと」とか言っちゃてんの。
ホント俺ってダメ人間。
誰か大高知さんを幸せにして下さい 。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
32:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄
08/05/20 22:25:41 Sj/7C9ZN0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 卜゙ラマになった漫画「新人たち(要英訳)」の原作版で 岡/新
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 設定は原作版で、ネタばれ要素あるかもです
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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33:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄その1
08/05/20 22:26:18 Sj/7C9ZN0
「あ、やべえ」
体育の授業前に、体操着に着替えようと、鞄を探った岡田が小さな声で漏らした。
「どうしたよ、岡田」
不思議そうな顔で桧山が尋ねる。俺は岡田の呟きと桧山の問い掛けに何となく反応し、
岡田のほうを見遣る。
「ん、ああ、なんでもねーよ」
まだ鞄を探りながら、そう答えた岡田に、桧山はそうか?と納得しない表情をしながら
も、それ以上は尋ねない。
また若菜の方を向いて、今日はぜってーお前にゃ負けねーなんて言いながら、笑いあって
いる。
今日は体育で野球をやるというので、各自やる気満々、特に湯舟と関川と若菜と桧山は、
やけに燃えていて、1番活躍した奴は今度の休みに飯をおごってもらうなんて賭けまで
企画していた。
四人とも既にジャージに着替え、はしゃぎまわっていた。
しかし、その話も、日直で黒板消しを几帳面に済ませ、自分も着替えようと机に戻った
御子柴の一言で立ち消えになる。
「野球部員は、体育の野球は参加できねーぜ、ソフトならいいみたいだけど。俺らは今日
審判やれってさ」
飯代を賭けていた四人と、何故か学校指定ジャージを着ずにユニフォームを着ている平塚
が一斉に御子柴を見る。
34:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄その2
08/05/20 22:27:32 Sj/7C9ZN0
「はあ? マジかよ!」
まず不平を漏らしたのは若菜だ。次いで関川。
「くっそー! せっかくの合同体育だから、恵子ちゃんも見てるっつーのによ!」
「ぜってーお前なんか見てねーし! つかお前何髪おろしてんだよ!本気かよ!」
「うっせーよ! 変なパーマのくせに!」
「んだとこら!」
ヒートアップした関川と湯舟は髪の互いの髪のつかみ合いをしている。
「あんまやってるとハゲんぞ、お前ら」
鞄を探るのを諦め、ジャージのズボンに履き替え始めた岡田が、二人を窘めた。
俺はなんとなく、その光景からは目を逸らす。
「俺は塔子ちゃんに捧げる愛の特大場外ホームラン打つって決めてんだよ!」
「平っち、今日八木休んでるじゃん」
「だからだよ! 俺のホームランで元気になってもらうんだよ…愛の力でよ…ボールを
塔子ちゃん家までよ…」
うっとり話す平塚に今岡は多少うんざり顔だ。
「平っちのホームランくらいで風邪治ったら苦労しないよ…てか八木んちまでって、
遠すぎだし」
「ったくよ、今日の日直の身長考えて板書しろっつの、御子柴届かねえじゃねーか」
ひとしきり騒ぐ連中に、さっきまで御子柴の黒板消しを手伝っていた安仁屋も加わり、
またうるさくなる。
35:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄その3
08/05/20 22:28:25 Sj/7C9ZN0
「いいじゃねえか、審判。下手くそのプレーでも、ミスを見て半面教師にするってのも
悪かねー。まあ第一俺の150キロなんざ体育の授業で見せるまでもねーよ、なあ」
学ランについたチョークの粉を払い、得意げに御子柴に同意を求める。
「いや、授業で150は投げんなよ、受けるやつ大変だろ?」
安仁屋の軽口もまともに返す、真面目なうちのキャプテンに苦笑しつつ、皆一応は納得
したらしく、今度の試合まで勝負はお預けだなんて言いながらグラウンドに向かう為に
各々立ち上がる。
岡田の席の方からも、着替えが済んだらしく、椅子をずらす音が聞こえてきた。
俺は学ランを着て俯いたままだったので、岡田が着替えたのに安心して顔を上げる。
そしてすぐにはっとする。安心?
何故野郎が着替えるのに、ここまで意識してしまうのか判らない。
俺はおかしくなってしまったのか?
俺は昨日の練習中に、左の足首を傷めた。幸い、大事には至らなかったが、安静にしておく
よう言われているのでどのみち体育は見学する予定だった。
学ランのままで問題ないだろうと、着替えてはいない。
36:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄その4
08/05/20 22:29:04 Sj/7C9ZN0
二人とも、先行ってるぜ、と声をかけ、他の連中が廊下に出ていく中、岡田が俺の席の
近くに来ていた。
「新庄、足首、大丈夫かよ」
岡田は、4月とはいえまだ寒いこの時期になぜか上半身半袖だった。
ジャージは着ていない。
「…大丈夫だ、それよりお前、」
驚いた顔をしていたのか、岡田が言葉を重ねる。
「あ、ジャージ? うちの弟のと間違えちまったんだよな、お袋が慌ててたらしくてよ」
まあ自分で用意し忘れてた俺が悪いんだけどよ、と苦笑している。
「半袖で立ちっぱなしはさみーだろ、風邪引いたらどうすんだよ」
「…心配してくれんだ」
「…わりいかよ…」
昨日、足首を捻挫したときに俺のところに1番早く駆け付けたのはこいつだった。
念のため練習着のまま行った病院から戻ったら、もう部活は終わりの時間だった。
帰り道でもしきりに俺の足を心配し、野球道具の詰まった重い鞄を持ち、辛かったら
言えよ、杖になってやっから、なんて言いやがって。
こいつはなんでこんなに、俺のことを心配してやがるんだろう。
いつもやけに冷静で、達観してやがる。その岡田の優しさは俺をひどく胸高鳴らせる。
なんでこんなに胸が高鳴るのか、自分で不思議だった。
37:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄その5
08/05/20 22:30:01 Sj/7C9ZN0
しかも、岡田はわざわざ俺の家まで荷物を持ってついてきてくれた。
荷物まで持たせて悪かったなんて思った俺は、岡田を自分の部屋に招いた。
いきなり悪いからいいよ、と遠慮する岡田に、両親と妹の不在を伝え、無理に部屋に
上がらせる。
「悪かったな、荷物重かっただろ」
「ん? そうでもねーよ、それより俺のほうが悪かったな、上がりこんじまってよ」
捻挫した方の足を延ばして、床に座ると、横に岡田が座ってきた。
そういえば、気がつけばほとんど俺達は横にいる気がしてきた。どんな時も。
「…岡田、なんか飲むか、とってくる」
立ち上がろうとする俺を制し、岡田は二本のスポーツドリンクをバッグから取り出した。
「昼休みによ、野球部員につって差し入れもらったんだよ、渡そうと思ったらお前、
怪我すっから」
唇を片側だけ上げて、少し眉根を寄せ笑みを浮かべる。こいつはよくこういう顔をして
いる。ひどく楽しい、とかじゃない、かと言って冷たく笑っているわけでもない。
自分を、じゃなく人を安心させるための笑顔だ。
「…わりー」
部室冷蔵庫に入れていたのか、口をつけたスポーツドリンクはほのかに冷たい。
一口飲んで思わずため息をつく。つい、左の足に視線を向けてしまう。
38:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄その6
08/05/20 22:30:40 Sj/7C9ZN0
「…次の試合までは時間あっからよ、気ぃ落とすなって、川藤はスペシャルメニュー作る
って意気込んでんぜ」
心を見透かされているかのように、岡田の言葉は俺が今抱えている不安、苛立ち、全て
包み込むように投げ掛けられる。
「…わりーな」
他に言葉が見つからなくて、また謝罪の言葉が口をついて出る。
「なあ、新庄」
呼びかけられ、俯いていた顔を上げると、それまでのいつもの笑みが消え、真剣な表情の
岡田の顔が近くにあった。
「俺、多分お前のこと好きなんだわ」
至近距離、ほんの30センチほどしか離れていない距離に岡田の顔があり、そのまっすぐな、
本当にまっすぐな目で射竦められ、俺は目を見開いた。
「なんつーか、多分一年ときから好きなんだったんだろうけどよ、それが友情なんだか
恋愛なんだかわかんねーまま、ここまできちまった」
俺は指一つ、まつげ一本動かすこともできずただただ聞いていた。
そんな俺を見て、岡田は目線を落とす。
「最後の甲子園予選まで、あと数カ月しかねーのに、わりい…変な話しちまった」
立ち上がる岡田の表情は暗い。ゆっくりと自分の鞄をとり、肩にかけ、この部屋を出て行く
準備をする。
39:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄その7
08/05/20 22:31:16 Sj/7C9ZN0
「でも、俺後悔してねーぜ、最初はキモチワリィ、なんて拒絶されて、嫌われたら
どうしようなんて思ってたけどよ、少なくとも、口きいてもらえねーとか、そんな
こたねーんじゃねーのって考えてよ、だってお前そんな奴じゃねーもんな」
手前勝手な希望的観測なんだけどな、と付け加えて岡田はさみしく笑う。
俺は何も言うことができなかった。ただ驚いていたのだ。チームメイト、仲間から告白
されたことに?
いや、違う。岡田が、俺を。そして、俺も岡田を。
いつの間にかはわからないが、好きに、なっていたのだ。
今の岡田の言葉でそれに気がついた。
「じゃ、また明日な、さっきのことは忘れてくれていいから」
最後に、傷めた俺の左足を見つめると、そのまま俺の部屋を出る。
ペットボトルは置き忘れ、そして、俺の返事はきかないままで。
「岡…」
追い掛けようとしても、痛む足がそれを許さない。
いや、違う。
俺は、追い掛けられなかったんじゃない。追い掛けなかったんだ。
思考回路がうまくつながらなかったなんて言い訳にはならない。
「くそ…」
そのまま固い床に倒れ込み、早く明日がくればいいと願った。
きっと明日になれば、あいつは何もなかったように学校に出てきて、朝練をし、授業に
出て、部活をしてそしてそのうち俺と会話をする。
その時だ。今日出来なかった返事を、俺はあいつにする。
多分あいつは忘れろっつったろ、なんて言うけど、そんなこと知ったこっちゃねえ。
諦めが良すぎるのは悪い癖にもなると、思い知らせてやりたいのだ。
40:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄その8
08/05/20 22:32:01 Sj/7C9ZN0
「岡田、ほら」
「、ん」
自分のロッカーからジャージを取り出して、岡田に投げる。
「…新庄」
「いいから着ろよ、洗濯してあっから臭くねーし、風邪ひくよりゃマシだろが」
「や、でも」
珍しく戸惑いの色を隠せない岡田に、次の一打。昨日のリベンジ。
「…お前が俺のこと心配なのと同じくれー、俺だってお前が心配なんだよ」
勘のいいこいつのことなら、これでもう解る筈だ。
「昨日のことは、忘れろつったろ」
眉を寄せ、ジャージをぐっと握り締める岡田。やっぱりそうだ。
「忘れらんねーよ、だって俺が後悔してんだよ、お前にあの時答出せなかったのが」
岡田は一瞬少し戸惑ったような顔をして、しかしすぐに笑顔を見せる。
誰かを安心させるためでもない、その笑顔は岡田の内側から自然に溢れたものなんだろう。
俺にだってそれくらいはわかる。
「…ジャージ、借りんぜ」
表情を隠すためか、俺のジャージを頭からかぶる。
両の腕を通そうと、もそもそと動くたびにドレッドの毛先が、ジャージの襟からちらりと覗いた。
そうしてすぐに岡田の頭が出てくる。
41:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄その9
08/05/20 22:32:45 Sj/7C9ZN0
「ファスナー、開けて着ろよ」
「着終わった後に言ってんじゃねーよ、もう着ちまったつうの」
生地の余った腕やなんかが、ちょっと着心地が悪いのか、少し引っ張って皺なんかを
伸ばしている。
「やっぱでけーよな、お前」
170センチの岡田と185センチの俺じゃ、サイズはやはり違っていて、照れ臭そうに笑う
岡田に、こちらも少し笑う。
「お前の匂い、するぜ。昨日の部屋と同じ匂いだ」
「そうか?」
「ああ、俺にはわかるよ」
遅刻しそうだからもう行こうぜ、と言われて、足を進める。
しかし傷めた足はまだ思うように動かない。
「岡田、先行け」
「いいよ、お前と一緒に行く」
「バカ、遅刻すんぞ」
怪我人の俺に歩調を合わせて悠長に横を歩く岡田に促す。
「何だったらサボるか、二人で。両思い記念日っつってよ」
「アホか…」
くっくっと二人同時に笑う。と、すぐに岡田は真剣な表情で、前を見据えて語りだす。
42:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄その10
08/05/20 22:34:05 Sj/7C9ZN0
「昨日はよ、家帰ってすぐ寝ちまって…ああ、明日なんか永遠に来なきゃーいい、なんて
思ってよ」
「俺が、お前のこと受け止められねーっつったら、お前、どうしたんだ?」
「忘れ…らんねーだろうな、少なくとも卒業までは。俺、こう見えてけっこー執念深いタチ
だからよ。まあ、アプローチはしねえだろうけどな」
「そうか…」
「でも、言わずに諦めるってのも、やっぱ違うと思ってたからよ、まあ、その結果がこれっ
って、なんつうか、瓢箪から駒ってやつだよなあ」
グラウンドに出ると、他のやつらからおせえんだよ!とせき立てられる。
新庄にジャージ借りてたんだよ、今行く、と岡田は手をあげ、俺に振り向き、ジャージ、
サンキュな、と俺に言った後で、俺にしか聞こえない声で言った。
「ジャージ間違えたのもよ、本当は昨日のことあって、うろたえてたんだよな、お袋
じゃなくて俺のミスだ」
好きだぜ、それだけ最後に呟くと岡田は駆け出していった。
43:「新人たち(要英訳)」原作 岡田×新庄 終わり
08/05/20 22:37:15 Sj/7C9ZN0
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| | | | ∧_∧ キャラのイメージ壊してたらスマソ・・・
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44:風と木の名無しさん
08/05/20 23:34:00 ZSbrY2/4O
>>32
超々GJ!!
禿萌えたー
原作の岡田と新庄はやっぱいいなぁ(*´Д`)b
45:81台場マムシ×ヒダカ(0/7)
08/05/20 23:42:40 3UOJjkNxO
半なま注意
81台場マムシ×ヒダカ 第ニ部・第一幕(全7回)
第一部は前スレ483-495
ドドSマムシ×ドドMヒダカ、続く怒涛のドエロ展開!
寧ろ、都合によりドエロのみ!
ドエロは続くよ!何処までも!
続き過ぎちゃってまた二分割だよ!
申し訳ない…でもやっぱり反省しない
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
46:81台場マムシ×ヒダカ(1/7)
08/05/20 23:44:54 3UOJjkNxO
窓の向こうから聞こえる街の雑踏が、やけに遠くに感じる。
小屋の中には、肉の擦れ合う音と二人の間を行き交う水音、荒く混じり合う吐息で満たされていた。
マムシの呼吸に合わせながら、飛鷹は無心で腰を振っている。
追い縋るような飛鷹の唇と舌を、マムシは強く吸い迎え入れる。
マムシは羽交い締めしていた右手を外し、飛鷹の口元に添えた。
唇を優しくなぞると、飛鷹はマムシの唇から離れ、その指を甘噛みする。
マムシが人差し指と中指を口の中へ滑り込ませると、無我夢中でしゃぶり始めた。
ユラユラとマムシの右手は口の中で踊り、それを追うように飛鷹は舌を這わせる。
口腔と坑口を犯される快感に、飛鷹はマムシの手首を掴んだ右手から力が抜け、ゆっくりとその手を下ろす。
そのまま起立した竿に触れようとした瞬間、マムシの右手がそれを征した。
「あっ…」
突然自由になった唇は狼狽え、驚きの声を漏らし、飛鷹は腰を止めた。
「…駄目だよ、手を使ったら」
何を言われたのか、快楽の霞がかる頭では理解できなかった。
戸惑う表現を浮かべる飛鷹の唇を舐めながら、マムシは続ける。
「手を使っちゃ駄目だよ…ここだけで、いけるでしょ?」
そう言うと、マムシは激しく腰を打ち付けた。
「あっ!あっ、あぁっ!」
突き刺される衝撃に、飛鷹は思わず声を上げ仰け反った。
マムシは砕かんばかりに飛鷹の坑口を攻め立てる。
47:81台場マムシ×ヒダカ(2/7)
08/05/20 23:46:18 3UOJjkNxO
飛鷹の右手はマムシに絡め取られ、破裂しそうに熱く反る竿から遠ざけられた。
左手を下ろそうにも、攻撃的に打ち付けられる衝撃に堪えるように、掴んだマムシの左手首を離せずにいる。
悲痛な喘ぎ声が小屋の中に響き、激しく揺さぶられ、反る竿は為す術なく震え、先走りの汁が零れ伝ってゆく。
「飛鷹さんは、ところてん、だもんね」
そう言うとマムシは打ち付けるのを止め、ゆっくりとうねるように腰を回した。
「ふ、あっ…はぁ、あぁ、んっ」
飛鷹は息を付く間もなく坑口を犯され続け、喘ぐ声を止められない。
再度マムシの手から逃れようと抗うてみるが、束縛の手を外せずにいた。
マムシの手は、飛鷹の手の甲から指を絡め握り締めている。
「手を…離せ…離してくれ」
マムシは飛鷹の言葉を無視し、耳を噛んだ。握り締めた手をゆっくりと引き上げる。
たまらず飛鷹は左手を伸ばすが、軽く手首を捻られた。
「…頼むから、手を、離して…もう」
膨張仕切った竿は天を仰ぐように反り、小刻みに揺れている。
快感を溜め込み痺れる竿の感覚に堪えきれず、飛鷹の背中は仰け反り、腰が突き出た。
それに合わせてマムシの腰も飛鷹を追う。
僅かでも刺激を与えようと懸命に竿を揺らすが、結果的に自ら腰を振る形となり、高まりは頂点に近づく。
壮絶な快感は牙を剥き、飛鷹を襲い苦しめる。
「いいよ…もっと動かして…締め付けてよ」
マムシは飛鷹の耳元で囁いた。
48:81台場マムシ×ヒダカ(3/7)
08/05/20 23:47:34 3UOJjkNxO
絶望的な、声にならない悲鳴が飛鷹の喉からほとばしる。
散々飛鷹を打ち据えたマムシは一息付くと、覆い被さるようにして飛鷹の上半身を沈めた。
飛鷹はなすがまま深く畳に沈められ、息苦しさに呻いた。
「お誂え向きだ」
マムシは上半身を戻しながら飛鷹の両手を後ろに引き上げ、腰の辺りで組ませ片手で拘束すると
もう一方の手で膝近くに落ちていた飛鷹のネクタイを拾い上げ、手首を縛った。
完全に両手の自由を奪われのた打つが、その頭をマムシは更に深く沈め、飛鷹の顔が更に畳に近づく。
マムシは、その広い背中を見下ろし、逞しい肩に噛みついた。
噛みつかれた痛みに眉間に皺を寄せるが、充血した竿の、張り裂けそうなうねりに痛みはかき消される。
おもむろにマムシは飛鷹の腰を掴み、再び激しく攻め立て始めた。
「っ!あっ、あっ!んっ、んぁっ」
為す術なく追い立てられ飛鷹は甘い声を出すしかなかった。
押し出されるようなもどかしさに襲われ、打ちつけられるほどに極まりは急速に竿の内部を這い上がってゆく。
「もう…あっ、駄目、あっ、イク」
飛鷹の中で何かが弾け、頭の中は真っ白になり、一度も竿を扱く事なく、精液を放出させた。
駆け巡る快感の痺れに、飛鷹は汗の吹き出た体を痙攣させ震えている。
マムシは腰を止めると、満足そうにその様子を眺めていた。
譫言のような、言葉にならない声が無意識に唇から漏れ、弾む息を整える事もできない。
吹き出した精液はすぐに止まらず、断続的に射精し、その度に飛鷹の腰が小さく跳ねる。
49:81台場マムシ×ヒダカ(4/7)
08/05/20 23:49:06 3UOJjkNxO
「悪いけど、俺、まだイってないんだよね」
そう言うとマムシは飛鷹の髪を掴み頭を上げさせる。そしてまた激しく腰を振り始めた。
快感の波に漂い意識が遠のいていた飛鷹は、再び現実に引き戻され声を上げる。
激しく打ち据えられる度に、萎び始めた竿が哀れに揺れていた。
やがてマムシも絶頂を迎え、飛鷹の坑口の奥へと熱い精液を放った。
マムシは余韻を楽しむように口腔の中で暫し留まっていたが、ゆっくりと自分の竿を引き抜く。
抜かれた瞬間、飛鷹は小さく声を漏らした。犯され続けた坑口は赤く腫れ、不在を惜しむように蠢いている。
飛高はマムシの体が離れると膝から力が抜け、完全に畳に臥した。
マムシはここでようやく服を脱ぎ捨てた。
ネクタイで拘束した飛鷹の腕を解放すると、そのまま後ろから抱きしめ、上半身だけ引き起こす。
飛鷹はされるがまま寄りかかり、マムシの肩に頭を乗せた。
足はだらしなく開き、弛緩した体を預け快感の余韻に浸る。
マムシの首元に顔を寄せ、荒い呼吸で腹が波打つ。時折、喉を鳴らし溢れた唾液を飲み込む。
「扱かないで、イっちゃったねえ」
飛鷹の頭を抱え、マムシは髪を撫で口づけを繰り返しながら、意地悪く嘲笑するが、飛鷹の耳には届かない。
マムシの首元に寄せた顔を擦り付け匂いを嗅ぐと、いつもと違う匂いがする。
その事が、ある人物に対する後ろめたさと、翻弄された屈辱を思い出させた。
快感の波が徐々に引き、自分を取り戻し始めてゆくのに対し、攻め立てられ疲れた体は重く、まだ動かす事ができない。
そんな飛鷹をよそに、マムシは抱きすくめるように腕を回し、一気に飛鷹の両方の乳首を抓り上げた。
50:81台場マムシ×ヒダカ(5/7)
08/05/20 23:50:27 3UOJjkNxO
その瞬間、飛鷹は自分の身に何が起こったのかわからなかった。ただ、突然襲ってきた猛烈な痛みに絶叫した。
衝撃から逃げようと体が大きく跳ねたが、マムシに抱きすくめられているせいで、逃げ出す事すら叶わずにいる。
構う事なくマムシは飛鷹の乳首をキツく摘み上げ、こねるように弄んでいる。
イったばかりの敏感な体は、襲い来る痛みを倍増させ、激痛に堪えきれず、飛鷹は悲鳴を上げ続けた。
「助け…あっ、助けて…、もう」
もがく体は前のめりになり、腕は、その先にいるはずもない誰かに助けを求めるように、悲しく伸びている。
ただ、この苦しみに、激痛だけではない何かが潜み出している事を、飛鷹は感じずにはいられなかった。
精を放出し萎びた竿が、僅かに動きを見せだしている。
マムシは不適な笑みを浮かべ、尚もその手を止める事なく、人差し指を少し伸ばし、飛鷹の乳首の先を引っ掻いた。
「ひっ!う…あっ」
痛みが快感が勝った。いや、痛みが快感を増幅させたのかもしれない。
震えていた竿が段々と首をもたげ出している。
「本当に、飛鷹の親分はイヤらしいねえ…」
少し力を抜き、人差し指で乳首の先を擦りながら、マムシは笑う。
「どっちのが気持ちいい?こっち?」
そう言うやいなや、マムシはまず左側を抓る。飛鷹は痛みに呻く。
「それとも、こっち?」
「あっ!んっ、あぁっ!」
マムシはニヤリと笑った。
「…右だね」
51:81台場マムシ×ヒダカ(6/7)
08/05/20 23:51:41 3UOJjkNxO
飛鷹は痛みと恥ずかしさに歯軋りしながら振り返り、マムシの顔を睨み付けた。
「マムシ…手を、離…せっ」
苦しげに首を回し、凄む飛鷹をマムシは冷たく笑い、憎々しげに睨むその顔に、マムシは顔を近づけ唇を奪う。
だが飛鷹の唇は固く閉じ、その口づけを拒絶する。
マムシはさもわかっているといった風情で目を細め、飛鷹の乳首を今度は優しく撫でた。
甘く疼くような感覚に思わず開いた唇に、素早くマムシは舌を忍び込ませる。
荒く唇を吸われ、飛鷹も釣られるように順応し始めた。
唇を重ね合わせたまま、飛鷹の胸を撫で付け、口づけに夢中になっている隙に、マムシはそっと胸から両手を離した。
下ろした手を被せるように飛鷹の手に添え、指を絡ませ、ゆっくりと両腕を引き上げると、苛まれた胸元へと導いた。
「んっ、あっ…」
マムシはその手を動かし飛鷹の胸を撫で回すと、必然的に飛鷹は自らの指で己の乳首を愛撫している事になる。
「そう…そうやって、自分で気持ちいいところ、弄りなよ」
自分で慰める事を強いられた飛鷹は抗議の声を上げようとするが、その唇はすぐに捕らえられ、苦情は口腔に消えた。
悔しさに憤る飛鷹だったが、拒絶する事は許されなかった。
唇が一瞬離れ、恨み言を言おうとマムシを睨むが、快感に麻痺し始めた口を上手く動かす事ができない。
マムシはその頼りない口元に食らいつき、更に強く飛鷹の胸を撫でさせる。
乳首を擦られる快感と、温かく柔らかなものが指に触れる心地よい感触に、飛鷹は思わず引き込まれてゆく。
我知らず人差し指に力が入り、より確実に感度のポイントを探り始める。
名残惜しそうにマムシが唇を外した。唾液が糸のように互いの舌を繋ぎ、二人の視線が絡み合う。
マムシはその目を見つめたまま、飛鷹の右手を胸元から外し、今度は僅かに膨らみかけている飛鷹の竿を握らせた。
52:81台場マムシ×ヒダカ(7/7)
08/05/20 23:53:39 3UOJjkNxO
不思議そうに見つめる飛鷹に、マムシは恩着せがましく囁いた。
「さっき、あんなに触りたがってたでしょ?いいよ、思う存分扱きなよ」
今更そんな事を言われても…飛鷹はマムシの思惑を計りかね、その目の奥を覗き込んでいる。
マムシは目を細めた。
細めるほどに眼光は冷たく光り、飛鷹を刺す。蛇の名を持つ男は、獲物を見据える。
飛鷹は動けずにいた。ただその刺すような視線を見つめる事しかできない。
マムシはそのままゆっくりと飛鷹の手を動かし、竿を扱かせ始めた。
「ふっ、あ…あぁ…」
凶暴な視線とは裏腹な、あまりに優しい動きに、飛鷹は思わず声を漏らした。
マムシの手に誘導され、自らの手で扱かれる竿を人事のように見やる。
マムシは飛鷹の肩に顎を乗せ、二人の視線は飛鷹の竿に注がれている。
「さっきは扱ごいてイってないから、まだ残ってるでしょ」
そう言うと今度は左手で飛鷹の玉を揉み解す。飛鷹は自由になった手で悪戯に動くマムシの手を掴むが、引き離せない。
優しい愛撫に竿は再び猛り始め、少しずつ天を仰ぎだした。
先ほど出切らなかった精液が漏れ出すと、マムシは人差し指でその鈴口を押すように撫で回す。
飛鷹は堪らず体を仰け反らせ、吐息に恍惚の声が混じる。
喘ぎ始めた飛鷹の耳を甘噛みしながら、優しく丁寧に手を動かし、飛鷹を追い込む。
マムシに促された手は、やがて意識を持って自分から竿を握り締め扱き始めていた。
それを見止めると、マムシは玉を揉んでいた手を離し、飛鷹の左手を掴み引き上げ、胸元に誘った。
「ほら、ここも自分で気持ち良くしてごらん」
53:81台場マムシ×ヒダカ(0/7)
08/05/20 23:54:30 3UOJjkNxO
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
いやー
ドエロって、ホントにいいもんですね
この続きは明日お届けします(多分)
予定を大幅に超えた為、途中投下しますた
兄貴が可愛くて、筆が滑る滑る…
はっ、反省なんて、してないんだからねっ!
54:風と木の名無しさん
08/05/21 00:15:33 pNSNivq/0
>>45
GJGJ!!兄貴エロすぎまっす。
明日の続きも楽しみにしております。
55:風と木の名無しさん
08/05/21 00:52:02 TYUuskdY0
>>53
マムヒダキタキタキタキタ━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━!!
兄貴エロいよ 兄貴'`ァ,、ァ(*´Д`*)モウタマリマヘン
続きをwktkしながら待ってます
56:風と木の名無しさん
08/05/21 17:16:54 r7cqR0hD0
>>53
待ってた!若干M入ってる兄貴エロ渋いよ兄貴
文章も読みやすくてあっという間に読み終えてしまいました
続きお待ちしてます
57:自由に歩いて愛して 受理×証券
08/05/22 00:46:06 V28MCmW00
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 昭和の大スターとそのライバル
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 知れば知るほど801の礎だと思うのです。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
58:自由に歩いて愛して 受理×証券 1
08/05/22 00:46:42 V28MCmW00
なんでこんなことになっちまったんだ。」と思わず心の底でつぶやいた。
「今度の仕事はバケーション込みなのよ。」
そう聞いていたから俺の撮影は終わっていたのにもかかわらず、ここまでついてしまった。
「なんかさ、せっかく地中海まで来ていいカンジに焼けてきたのに、尻だけまだ白いんだよね。」
と、唐突にアイツは短パンの裾をめくり上げた。
「おおー相変わらず白いな。尻だけもやしっ子みたいで可愛そ。」
その白い尻がちょっとだけまぶしく感じられたのは内緒のはずだった。
「パンツはいてるみたいだねよえ。そうだ尻だけ焼こう。」
[へ!?」
「うん。尻だけ焼くからさ、手伝ってよ。キレイにオイル塗れないよ。斑になったらやだもん。」
そんな剣呑な台詞を吐きつつ、アイツはバスルームにおいてあったサンオイルを持ってきた。
「え・・・ああ・・・いいけど。手伝うけどさ・・・」
まさにバケーションといった俺の東京のマンションのリビングルームに相当しそうなだだっ広いベランダで、アイツは素っ裸になりデッキチェアに横たわった。
59:自由に歩いて愛して 受理×証券 2
08/05/22 00:47:12 V28MCmW00
「!!!!!!!!!」
「うお、わりい、手がすべった」
「‥オイルつけすぎだよ‥」
「ゴ・ゴメン」
なんで俺が謝らなきゃいけないのかさっぱりわからない。
でもいつも謝るのは俺。なんでだ。
アイツの白い尻は見た目同様、滑らかで、ヒヤッとしていてまるで美術の授業で触った大理石の像を思い出させる。
「俺も尻白いよな、焼いた方がいいかな。」
よくわからんが突然頭の中に黄色いサイレンが回り始めた。そう、工事現場に良く見るアレだ。
焦った俺はわざと乱暴に作業を中断し、オイルのボトルを放り投げる。
「そうしたら?塗ってあげる。」
振り返ったアイツの目が俺の股間で止まった、と、思う。
60:自由に歩いて愛して 受理×証券 3
08/05/22 00:47:42 V28MCmW00
「・・・なんで硬くなってるわけ。尻しか触ってないじゃない。」
ゆっくりと伸ばされた手が俺の股間をなぞり上げる。
「うっせえな。」
アイツがうっそりと俺の顔を見上げる。
大きくまるで星を抱えたような瞳が潤み、頬が見る見るうちに上気してくるのがわかり、俺は息を止めて見入ってしまった。
「ちゃんとしてあげるからさあ、うつ伏せになりなよ。」
「なんでこんなことになっちまったんだ。」
と、何度もつぶやきつつ思い出したんだ。一見年下に見えるこのかわいらしい優男に、俺は今の今まで逆らうことができたためしはない。
そして今も逆らうつもりは全くない。
俺は嬉々として薄っぺらな布切れを放り投げた。
61:自由に歩いて愛して 受理×証券 終了
08/05/22 00:49:09 V28MCmW00
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ スレのみなさんに感謝するだお
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
62:風と木の名無しさん
08/05/22 22:38:39 cKAIIeEcO
>>61
GJ!萌えたよ~!
過去映像でしか見られんけど、あの頃の二人は美しかったねぇー
63:レゾナンス ハウライ
08/05/22 23:09:46 RfmMU6QG0
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < ドラゴンゾの
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < ハウリングスター×ライナです
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ~
| | / , | (・∀・; )、 < スレも進まないけど投下!
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
64:レゾナンス ハウライ1
08/05/22 23:12:26 RfmMU6QG0
「俺!ライナ!レゾナンス!」
ハウリングスターはライナの部屋に飛び込むなりそう叫んだ。部屋の中央にあるソファに座っていたラ
イナは慣れたように表情を崩すことなく、淹れたばかりの珈琲を啜って窘めるように言う。
「ハウリングスター、この部屋の扉は確かに君なら指紋認証すら無しで入れるよう設定しているけれど
、あまり突飛な行動は慎んだほうがいいと毎回言っているだろう。せめて言葉は明確にしてくれないと
こっちも行動できない。主語述語は当然だけど、できれば助詞も欲しいな」
「ライナ、」
「さっきの言葉は敵が来たからレゾナンスするぞって意味にしか捉えられないけど警音は鳴ってない
よ」
「違うんだって!だから、俺とライナの初レゾナンス時の話だよ!」
「……ハウリングスター、おいで」
ライナはどうも要領を得ないハウリングスターを手を振って傍へ呼ぶ。ソファーがコの形に並べてある
にも関わらず、ハウリングスターは当然のようにライナの隣にどすんと座った。ライナはすっと立ち上
がりカップに珈琲を注ぐ。砂糖一つとミルクを一つ入れ、ハウリングスターの前に差し出した。
「どうぞ」
また元の位置へと座りなおしたライナと淹れてもらった珈琲を見比べ、ハウリングスターは少し拗ねた
ように唇を尖らせつつも大人しく珈琲を口に含む。甘めのそれはハウリングスターの体を温めるように
染み渡った。ハウリングスターは甘党というわけでもなかったが肉体派の彼はブラックのままで飲む
ことを好まない。ライナが用意してくれた珈琲はちゃんとそのことを踏まえていてどこかこそばゆいよう
な感覚をハウリングスターに与えた。
「落ち着いた?」
65:レゾナンス ハウライ2
08/05/22 23:16:51 RfmMU6QG0
隆々とした筋肉を惜しげもなく晒した格好で珈琲カップを両手で支えながら飲む姿はどこか可愛らしく、ライナは自分のドラゴン贔屓も中々のものだと一人ごちた。
元々ドラゴンは自分の憧れを投影したものであるからして、贔屓になるのは当然だったがこれは度が過ぎているな、と度々感じることがあるからもう末期である。
ハウリングスターは上目でライナを見たかと思うとそのまま顎を上げ珈琲を飲み干す。宴会じゃないんだけどな、とライナはそれを見ながら思う。カップをソーサーに戻したハウリングスターはライナを窺うように見、謝罪を口にした。
「……悪かった」
「いいよ。それで、どうしたんだい」
「俺とライナの」
「うん」
「レゾナンスの時の」
「うん」
「―映像データ」
ライナはギクリと固まった。しかしそれは一瞬のことであり、誰が見てもその動揺は読み取ることはできないだろう。そう、ハウリングスター以外は。
いついかなる出撃時にも備えられるようにマスターとドラゴンはペアで行動するよう決められている。
しかし男の親友同士が一緒の部屋で生活し行動するわけではないように、ライナとハウリングスターもまた、常に共にいるわけではなかった。
女同士であるアキラとマキナは同じ部屋で生活していたが、それは「見苦しくない」という世間一般の観点によって許されるのであって、
どこからどう見ても成人男性のライナとハウリングスターが同居しているなんてあまりにも寒い冗談だった。
またジークリンデとアマデウスは流石に同じ部屋で生活はしていないだろうが、家族のような関係であり
そもそも自分の部屋で過ごす率の少ないお嬢様であるから殆ど共にいると言っても過言ではないだろう。
ライナの秘密主義傾向からしてもこのペアが一番一緒にいる率が低い。
しかしそれを補って余りある実力がライナの隊長という位置を支えているのも事実。
66:レゾナンス ハウライ3
08/05/22 23:19:02 RfmMU6QG0
ハウリングスターはライナの一挙手一投足も見逃さないようにじっと見つめた。ライナはそれに気付かないはずがない。
が、あえてその突き刺さるような視線を無視して「それがどうしたんだ」と返す。
「さっきアキラとマキナに会ったんだんだ。自分たちのレゾナンスデータを一緒に見たんだって話をしてたんで、俺にも見せてって頼んだんだけどな」
「断られたんだろう」
「そうそう」
「当たり前だよハウリングスター。アキラは女性だ。胎児のドラゴンがマスターとなる人間のDNAを把握するためにアキラは裸になる必要がある。
そんなもの、研究者や同性ならともかく君に見せられるはずがない」
「……そう言われた」
「だろう?それにカズキとギオのを見たじゃないか」
「あんなん遠くから撮ったのしか見れてないじゃねーか」
「それも仕方ないだろう、あの場にはアキラもマキナもジークリンデもいたんだ。彼女らにも酷だしカズキにも酷だろう?」
理路整然としたライナの説明にハウリングスターはぐっと詰まる。
「じゃあカズキとギオの、ちゃんとカメラワークを駆使した映像が見たい」と言えば
「カズキの許可を取れ」と変態を見る目つきで言われるだろう。
これ以上カズキとギオのレゾナンスについて語ることは不利と言えた。
と、いうかそもそもカズキとギオのレゾナンスシーンが見たいわけではない。
「俺とライナの」
「断るよ」
「何でだよ!」
「君こそ何で拘るんだ。アキラとマキナが羨ましいか?」
ライナは皮肉のように言う。カーテン越しに入り込む日光が霞みのようにライナの白い右頬を暈した。
影となった左側の目が絢爛と光る。領域を間違えるなと釘を刺すようなそれにハウリングスターは一瞬体を強張らせた。
ライナは肝心なところまで踏み込ませてくれない。隠し事の苦手なハウリングスターに対して、ライナには小さなことから大きなことまで秘密が多すぎた。
理論を完全に武装してハウリングスターの追随を逃れるのに長けていた。いや、ライナならば他の人間からのどんな追従をも逃れることができるだろう。
ハウリングスターはそれが悔しい。
その他大勢と自分が一緒くたにされているその事実が悔しい。
「羨ましい」」
67:レゾナンス ハウライ4
08/05/22 23:21:02 RfmMU6QG0
言葉は思っていたよりもずっとすんなりと出た。ライナの目が僅か見開かれ、青色の両眼にハウリングスターが映る。
ハウリングスターはライナのシャツの首元を掴んで引き寄せた。いつも眇められているとこの多いその瞳が自分の顔で埋め尽くされているのを見て少しだけ安心する。
「っ、ハウリングスター」
「羨ましいに決まってんだろ。ライナは俺のマスターだ。ライナのことなら何でも知っておきたいと思うのは俺の我が儘か?違うだろ」
「……ハウリングスター」
ライナは掴まれた首元を外そうとすることもせず、ただハウリングスターを見つめていた。暫くしてそっと目が伏せられる。長い睫毛がそっと白い頬に影を残す。
「何か、言えよ」
「見たいのか」
「へ!?お、おう」
「でも許可しない」
「ええ!?」
じゃあ何なんだよこの流れは、と突っ込むハウリングスターに、ライナはしかし目を合わせることなく「許可はしない」と繰り返した。
「どういうこった、それは……」
ハウリングスターがまたライナに詰め寄ると、ライナの頬が僅かに、ほんの僅かに染まっているような気がした。それを見定めるためにじっと観察していると、それに気付いたライナが渾身の力でハウリングスターを振り解く。
「な、何だよー!」
「この話はこれで終わりだハウリングスター。いいか、僕は許可しない」
ライナは屹然と立り上がり、不満そうな顔でクエスチョンマークを飛ばしているハウリングスターを置いて部屋を出ようと歩を進める。自動扉はライナに反応して硬質な音を立てて開いた。そこに。
「よ!」
「アキラ、マキナ」
「な、ハウリングスターいるか?」
「……いるが」
「なぁ、ハウリングスター!」
「ん、ああ何だ?」
「何だじゃねーよ、お前レゾナンス見たいって言ってたろ」
アキラはずけずけとライナの部屋に入り込み、ソファで呆然としたままのハウリングスターに話しかける。
マキナが「アキラちゃん、人の部屋に勝手に入っちゃだめよ」と嗜めるが「ライナの部屋だし見られて困るもんを置いておくはずないだろ、綺麗だし問題ないって」と取り合わない。
一方ライナはそれどころじゃなかった。嫌な予感が彼を征服していた。もしかしてアキラは―
「持ってきてやったよ、お前のレゾナンス!」
68:レゾナンス ハウライ5
08/05/22 23:22:42 RfmMU6QG0
にっこりとアキラが健康的に微笑み、その腕の中にあったパソコンをハウリングスターに渡す。
「バッカだなお前、俺らのデータは流石に見せられないけど自分のデータを見れないはずないだろ。指紋認証になってるぜ、それ」
「本当か!?」
「ああホント……」
「っっ、ハウリングスター!」
ライナは珍しく荒い声でパートナーの名前を呼ぶ。表情にも焦りの感情が滲んでいた。アキラが驚いたようにライナを見た。
「ど、どしたのライナ」
このままでは見せてもらえない。そう野生の勘で感じ取ったハウリングスターはアキラに借りたパソコンを片手でひょいと持ち上げ、リビングとなっているこの部屋から更に奥の部屋へと逃げる。
「ハウリングスター!」
それを追ってライナが奥の部屋へと消える。残されたアキラとマキナはぽかんとそれを見ていた。
「俺のパソコンなんだけど……」
「アキラちゃん、流石にこれ以上殿方の部屋に入り込んでは駄目よ」
「分かってるよ、……でもあんなライナ珍しいな」
「そうね。でも何となく予想付いたわ」
「……?」
「だってアキラちゃん、可愛かったもの」
「はぁ?」
訳が分からないとばかりに顔を崩すアキラの隣でマキナはしっとりと笑み、「後で返しに来てくれるわ」とアキラを促して退出した。
それにこれ以上ここにいたらドラゴノーツ部隊の軋轢を生むことになるわきっと、というのは口には出さなかった。
「ハウリングスター……それをこっちへ寄越すんだ」
「断る!」
ここは譲れないとばかりにハウリングスターも強気で返す。
書斎である部屋は古い紙独特の甘い香りが充満している。殆どの書籍が今やデジタル化されているというのに、ライナはわざわざ本を買って読むことが多かった。
古い学術書はそれこそハウリングスターの読める単語が並ばないほどで何だかライナが自分とは違う世界に住んでいるような気がしてしまう。
ハウリングスターはちっと軽く舌打ちをした。
本を読む人間だとは思っていたが、四方の壁に置かれた本たちはとんでもない量で、その分ハウリングスターの知らないライナがあるのだと誇示されているようだ。
全く、気に喰わない。
「ハウリングスター」
ならこれくらい知ったっていいだろ。
69:レゾナンス ハウライ6
08/05/22 23:24:43 RfmMU6QG0
ハウリングスターはじりじりと迫ってくるライナから逃れるように下がる。そして開いている右手で更に奥の扉を開けた。
「っ、ハ……」
ライナの虚をついて扉の向こうへ逃げ、素早く鍵を掛ける。パスワードを勝手に設定しなおしてライナの侵入を塞ぐようにした。ほっとしてよくよく目を部屋に当てれば、そこは寝室だった。
「ハウリングスター、開けろ!」
「開けてみろよ」
ドンドンと叩かれていた扉は静まり、その代わりに向こう側で電子音が聞こえる。
ライナが自分のパソコンを持っていればコードで繋いで認証させパスワードを解除し、簡単に部屋に入れるはずだったが残念ながらライナのパソコンはこの部屋にないことは知っていた。
(ライナは解けるだろうか)
ハウリングスターはゆったりとした大きなベッドに腰掛け、パソコンを置き起動させる。
どうやらセーフモードに設定してあったらしく、立ち上がりは早かった。その上ご丁寧にデータが指紋認証のところで保存してある。
「サンキューアキラ」
至れり尽くせり。右手の人差し指をポンとタッチすれば認証しましたという字が浮かび上がる。動画再生のソフトが認証を受けて動き出した。
「うんうん、カズキと同じこの場所だな」
着物のような服を着ていたライナがそれを脱ぐ。白い服の下はやはり白い肌で、ハウリングスターが同性ながら綺麗だと思った。
暗い部屋。青白い人工光。部屋の中央にあるドラゴンの卵。これが自分だと分かってはいても信じがたいほど生々しい。ライナはこれを見て何か思っただろうか。
恐ろしいと、毒々しいと、思ったのだろうか。
「ハウリングスター!」
「今見てる」
「……!」
忙しなく電子音が聞こえる。やはり解けないのだろうかとハウリングスターはどこか冷静な頭で思った。
ライナだからな。仕方ないか。いや、仕方なく思えないから俺は今これを見てるんだろうが。
そうだライナ、俺はお前にも理解してほしいから小さな謀反を起こしているのだ。
画面の中のライナは長い足でドラゴンへと近付く。現代の科学の進化によって鍛える必要のない足の裏がペタペタと音を立てているのが可愛らしかった。
何となくそんな音はライナに似合わない。
『これが……』
画面の中のライナが喋る。ハウリングスターは次に来る言葉に備え、身を堅くした。
『いや、……君が、僕の』
70:レゾナンス ハウライ7
08/05/22 23:26:36 RfmMU6QG0
ハウリングスターは思わず飛び上がり、画面をまじまじと見つめた。画面の中でライナが笑っていた。いつもの飄々とした笑みではなく、思わず感情が零れ出たような―
『パートナーか』
「らいな、」
「っハウリングスター!」
「ライナ!?」
明らかにパソコンからではない声にビクっとして後ろを振り向けば、開け放たれた扉と緑に光るランプ。そして凄惨なオーラを漂わせるマスターが一人。
「今すぐそれを止めろ」
「……ライナ」
「だから、」
「ライナ!」
近付いてきたライナの腕を引き寄せ、ベッドに一緒に倒れ込む。しっぽがあったら千切れそうなほどに振られているに違いないほどの上機嫌で、ハウリングスターはライナを抱きしめた。
「……え、?は?」
ハウリングスターの胸元に頬を付けるような状態で抱きしめられ髪をぐしゃぐしゃに掻き回され、ライナは怒りもどこへやら、毒気を抜かれたような顔で困惑した。
「ライナ、好きだぜ!」
「は、へ!?」
「パスワード、当てたんだな」
「っ!」
瞬間ライナの白い頬に朱が走る。ハウリングスターの腕の中でもがく珍しいライナに更に上機嫌となってハウリングスターが抱きしめる。
その力強い腕はライナの望み投影したもので、振り解けないことは明白だったがそれで大人しく抱かれているほどライナは割り切れなかった。
精一杯の抵抗は児戯にも等しい弱小さだったがそれでも抗戦しつつ毒を吐く。
「僕は君の考えそうなことを入れただけでっ」
「ん!でも俺ちゃんと耳でも聞いたから」
へ、と掻き乱される頭を抑え、ハウリングスターの指先を追えばベッドに座しているアキラのパソコン。さっと、ライナの顔色が変わる。
パスワードを当てたことを純粋に喜ばれ照れていた頬が青く染まる。その変化にハウリングスターは何だ何だとパソコンのほうに顔を向けようとした。
「っ、ハウリングスター!」
その制止も既に遅く、動画は無情にも再生を進める。
「パートナー」というパスワードを当て、画面の中でも言葉にしてくれたライナにハウリングスターがじゃれついている間、パソコン内ではドラゴンの卵の核から出た数本の糸がライナの情報を得ようと蠢いていた。
71:レゾナンス ハウライ7
08/05/22 23:28:50 RfmMU6QG0
太い血管のようなそれはマスターとなる相手のDNAから自分の姿となるべきイメージを探し出す。
卵は主に、相手が差し出した腕に血管のような管を数本突き刺して検索を始めるはずだった。
カズキの時もそうだったし、アキラとマキナもそう言っていた。数本で、腕のはず。しかし、何か、多い。
目の良いハウリングスターが見間違えるはずはない。多い。そして目標が明らかに腕だけじゃないような。
『……っん、』
「っわああああああぁっ!」
「へっ」
画面の中の自分の声を誤魔化ためか、はたまた恥ずかしさ故か。
ライナはこれも滅多にないほどの慌て方で画面の前で腕を振りながら大声を上げる。
「ライナ、今の」
「っ!違う、違うんだハウリングスター!」
『ぅ、……く、』
「だっ、え、だって、これ」
「許可しないと言ったはずだ!」
ライナは真っ赤になりながらパソコンを抱きかかえ体全体で画面を隠すが、音までは隠せない。
結果、ハウリングスターの耳にはライナのあられもない声がしっかりと届く。
あられもない声とは言っても無理矢理声を押し殺し殺し殺してそれでも洩れ出た声、と言ったところであったが、逆にそれがライナらしさを際立たせていた。
ポカンとしていたハウリングスターも、ライナの身体を弄るような動きの管とライナの殺した声の雄を擽るような響きに徐々に顔を赤らめる。
「れ、レゾナンスって……あれ?」
「っ!」
頭の回らないハウリングスターの隙を見つけ、ライナはプレイヤー自体を乱暴に閉じた。
動画データまで削除したかったが許可には少々手間がかかる。舌打ちしたい気分だった。まさかこんなことになるとは。
「何かいっぱい…え、何で?」
「……ハウリングスター」
「腹とか脚まで、いや、変なところだけ触ってなかったのが残、違う、幸い…」
「落ち着くんだ」
声と映像が頭の中で反芻される。生唾さえ飲み込めず、ハウリングスターは視線を彷徨わせる。動悸が激しく、ライナの顔を見れなかった。
が、直接目には入れずともライナの白い肌が視界に入る。そう、白い……
白くなかった。ハウリングスターは思わずライナの顔を凝視してしまう。
ライナはやや伏せ目がちに、その白い肌を赤く染めてもごもごと舌の上で言葉を探しているようだった。落ち着けていないのはライナも一緒だった。
72:レゾナンス ハウライ7
08/05/22 23:30:44 RfmMU6QG0
「ラ、ライナ」
「珍しい、例、らしい」
訥弁は動揺の証。ライナはこれ以上ないまでに言いにくそうに言葉を紡ぐ。
「波長が合いすぎたのだろうと言うのが結論だった。でないと説明がつかないと……
最初僕らが監視されていたのは実験体だったからだけじゃなくて、そういう意味もあったんだよ」
「つまり、ええと。……俺はライナが好きすぎて、……ライナも俺を好きすぎたってことか?」
「っ!」
ストレートな物言いにライナは更に頬を染め上げる。「合ってる?」と問いかけてくるドラゴンには自分が告白にも似た言葉を発しているという考えは微塵もないのだろう。
さっきから自分だけが振り回されている気がして、ライナはハウリングスターを睨んだ。
「な、何だよ」
「そうだよ。ハウリングスターの言う通りだ。僕が君を好きすぎただけだ」
負けじと言い返したそれが、ハウリングスターにどのような影響を及ぼすか、ライナは理解していなかった。
ぼっと灼熱のごとく燃え上がったその顔は髪の毛と同じくらい鮮やかに染まっている。
「ハウリ、」
「らいなが」
ハウリングスターは顔を固まらせたまま呆然と呟く。
「らいなが!」
顔が動かないだけでなく舌も回らなくなったようだ。衝撃の大きさが伺える。ハウリングスターは呆気に取られるライナの前でロボットのように立ち上がった。
「らいながおれをすきだって!」
ライナからすれば今更な話だ。言葉にしたことこそなかったが、好きでなければ組んでもいないし創造すらしていまい。
だがその言葉こそが重要なのだということをライナは知らなかった。そしてハウリングスターの舞い上がった姿に自分の言葉の重さを自覚し、こちらもまた真っ赤に染まる。
「は、ハウリングスター、」
「ライナ!俺!好きだって!」
「あ、ああ」
何だか冒頭で聞いたような語感に思わずライナは頷く。ハウリングスターは無表情に固定されていた顔を満面の笑みに変え、ライナに詰め寄った。
「俺も、ライナが好きだ!」
そう言うや否や、ハウリングスターはライナに口付ける。表面を触れ合わすだけのそれは児戯にも等しいものであったが、ライナはあまりのことに頭が白く染まる。
73:レゾナンス ハウライ10
08/05/22 23:32:00 RfmMU6QG0
目の前に濃い肌色があり、瞑った目の上には長い睫毛が揺れていた。
おそらく数秒のことであったろうそれは永遠のように長く、ライナが目を回すには充分な時間だった。
「ごちそうさま!」
良い返事を残して、ハウリングスターは喜色を零しつつ部屋を去る。ベッドの上、パソコンとライナだけが取り残された。
ライナは白く長い指を唇に添えて、さっき自分の身に何が起こったのかを反芻しようとする、が、頭が働かない。
「な、な、な」
嵐のように現れたドラゴンは嵐をライナの中に置いて帰った。
だけではなく、自分とライナが両思いだと施設中に言いふらし、また別の嵐を巻き起こすのはまた別の話。
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < アニメも漫画も終わったけど
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < やはりゴンゾだったけど
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ~
| | / , | (・∀・; )、 <好きしょ!なのだ!
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ" ミスばっかりですみませんでした!
74:風と木の名無しさん
08/05/22 23:56:41 MkDF9V0DO
元ネタ知らないがハウリングスターカワユス
75:81台場マムシ×ヒダカ(0/9)
08/05/23 00:35:50 uXfPiULLO
半なま注意
81台場マムシ×ヒダカ 第ニ部・第二幕(全9回)
第二部第一幕は>>45-53
ドドドSマムシ×ドドドMヒダカ、怒涛のドエロも最終展開!
♪ド-エロよ、ドエロ-よ-、兄貴はド-エ-ロ-
ドラマではマムシとヒダカ、絡み無いのにね
マムシに至っては、1回しか出てないのにね
妄想力逞しいけど反省はしてない
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
76:81台場マムシ×ヒダカ(1/9)
08/05/23 00:38:21 uXfPiULLO
「ほら、ここも自分で気持ち良くしてごらん」
マムシはそう言うと、掴んだ左手で飛鷹の右の乳首を擦らせた。
「あっ!あぁっ、あっ」
堪えきれず飛鷹は嬌声を上げる。
「こっちが…いいんだよねえ」
親切ごかしてマムシは飛鷹の左手を動かし、無理やり自分で愛撫させた。
「いや、だ…あっ、あ、んっ」
必死で抗うが、飛鷹は襲い来る快感を振り払う事もできず、強制された自慰を止められない。
マムシは飛鷹の体を、後ろに倒れ込まないように胸で背中を前に押し、拘束していた手をそっと離した。
「…そのまま、続けな」
耳元でそう囁くと、マムシは飛鷹を見据えながら、悠然と前に回り込んだ。
飛鷹はマムシに睨まれ、自慰をしたままの姿を崩す事ができず、痴態を晒すしか術はなかった。
「聞こえなかった?…続けるんだよ、一人で」
思わず飛鷹は息を飲んだ。
辱めを拒絶したい反面、それ以上に、マムシの罠に嵌り高ぶられた情欲を止める事は、もうできなかった。
飛鷹は、悔しさのあまりキツく唇を噛み締め、憎悪の目でマムシを睨みながら、自ら手をぎこちなく動かし始めた。
「いいよ、上手にできてる」
マムシは更に飛鷹を深みに嵌める。
相手を追い詰め執拗に絡み、締め付けるやり口は、マムシの将棋の差し方によく似ていた。
そして蛇の目で獲物を睨み据え、喰らいつく瞬間を狙っている。
あとは、その獲物を飲み込むだけ…
77:81台場マムシ×ヒダカ(2/9)
08/05/23 00:43:08 uXfPiULLO
憎む男の前で自分を慰める姿を晒し、それでもその手を止められない己を、飛鷹は恥じる。
しかしその辱めが、ますます情欲を沸き立たせている事を、飛鷹自身が一番感じていた。
声を押し留める事もできず、目を瞑り夢中で竿を扱き乳首の先を擦る。
「乳首を、摘んでみな」
言われるがまま飛鷹は乳首を摘む。
「そう…じゃあ、こねてみな…そうだ、いいよ、続けて」
マムシは飛鷹ににじり寄りながら、指示をする。飛鷹は素直にそれに従う。
「目を開けて…俺を見るんだ」
飛鷹の顔を挟み、上に向かせながらマムシが囁く。薄く目を開け、飛鷹はマムシを見た。
「目を反らさないで、俺を見ながら扱きな」
そう言うと、マムシは飛鷹の目を見つめたまま静かに後ろに下がる。
飛鷹はマムシの視線から目を反らせず、追うようにその目を見ている。
一度放出した竿はダラダラと精液が零れるだけで、なかなか果てる様子を見せない。
寄せる快感は貯まるばかりで、吹き出す事もできず、苦しさに呻き、縋るようにマムシを見る。
マムシは飛鷹を見下ろし、その哀れな姿を堪能している。
「足を開いて…そう、もっと開いて」
言われるがまま足を開き、己の秘所をマムシにさらけ出す。全てを晒し、恥ずかしさが飛鷹をますます興奮させた。
竿を握る手に力が入る。猛然と揉むように竿を扱き、乳首を弄る指は感度のポイントを集中的に攻め蠢く。
体は反り返り、自然と顔が天井を仰ぎ、
込み上げてくる愉楽が、獣のような叫びを上げさせる。
そして、先ほどとは比べものにならない熾烈な絶頂感が飛高を襲った。
78:81台場マムシ×ヒダカ(3/9)
08/05/23 00:45:15 uXfPiULLO
絞り出すような悲鳴が小屋の中に響き渡った。
短い射精を繰り返し脈打つ竿を握り締め、狂おしく撫で続けた乳首を強く押し潰すように指に力が籠もり、体が強張る。
吐き出す声は細切れになり、痙攣し出した体を支えきれず、飛鷹は震えながら崩れ落ちた。
マムシは悦に入った顔で、這って飛鷹の元へと近づく。
倒れ込んだ飛鷹は、あまりに大きく押し寄せた絶頂感に心と体が堪えられず、怯え出し、震えが止まらない。
近づく影に恐る恐る視線を上げると、そこにマムシの顔を見つけ、飛鷹はたまらず泣き出した。
子供のようにしゃくり上げながら泣いている飛鷹を、マムシは愛おしそうに見つめ、体を横たえ優しく抱きしめる。
「気持ち良すぎて、怖かった?」
飛鷹は何度も何度も小さく頷くと、マムシにしがみつくように抱きつき、胸に顔を埋め嗚咽を噛み殺し泣き続けている。
マムシは、腕の中で泣いている飛鷹が、ひたすら自分に助けを求め、甘え、泣いている事に陶酔した。
常に憎しみを目に湛え、拒絶を繰り返すこの年上の男を、何度負かし、犯し、こうして抱きしめた事か。
飛鷹がこの小屋に来る理由は、勝利への執念だけ。
将棋で負け、その代償に犯され続ける屈辱をいつか晴らす為、この男はここへと通い続けるだろう。
そこに、マムシへの情愛は無い。
二人の間には、将棋板と真剣師のプライドと、憎悪しかなかった。
どんな事をしても、手に入れられないもの。
それならば、いっそ壊してしまえばいい…
マムシは飛鷹の頭を撫で、慈しむように髪に口づけを繰り返すと、再び冷たく目を細め、嗜虐的な微笑みを浮かべた。
79:81台場マムシ×ヒダカ(4/9)
08/05/23 00:47:03 uXfPiULLO
飛鷹の吐息が小さくなり、微睡みかけると、マムシは撫でていた髪を強く掴み、その顔を引き上げた。
突然の事に、飛鷹は驚きのあまり声も出ない。
「まだ…終わらせないよ」
そう言うと、いきり立っている己の竿を、飛鷹の腹に擦り付けた。
非情な宣告に、反射的に逃げ出そうとする飛鷹の髪を更に強く握り締め、捻上げる。
「もう…嫌だ、許して、くれ…もう、出な…あっ」
引きつる痛みに呻く飛鷹に、マムシは冷酷に言い放った。
「あんたは負けたんだよ」
飛鷹の顔色が変わった。
「勝負に負けたんだよ、忘れたの?」
瞳に憎しみが滲み出した顔を見やりながら、マムシは繰り返す。
「負けたんだ、将棋で、俺に」
仰け反らせた飛鷹の白い首に舌を這わせ、嘲り、憎悪を焚き付ける。
悔しさに身を捩るが、疲労した体はマムシの腕に絡め取られ動かす事ができない。
呻く度に飛鷹の上下する喉仏を舐り、マムシは白い肌に新たな跡を残し始める。
敗者である事をいつまでも忘れさせないように。
「俺が勝って、あんたは負けた、それだけだ」
口惜しく歯軋りする飛鷹の顔をマムシは両手で挟み、目を見据え、言い捨てた。
膨れ上がった怨恨だけが、今の二人を繋ぐ。
マムシは噛みつくように、飛鷹の唇を奪った。
互いの憎しみを混ぜ合うだけの激しい口づけが、飽くことなく続いていた。
80:81台場マムシ×ヒダカ(5/9)
08/05/23 00:48:25 uXfPiULLO
曇りガラスの窓を、激しい雨が打ち付けている。
いつの間にか気を失っていた飛鷹は、その音で目を覚ました。
激情の赴くまま繰り返された行為のせいで、体が鉛のように重たく感じられる。
幾度貫かれ、幾度気をやられたか、飛鷹はもう覚えてなかった。
ここへ来た時は春の日差しで溢れていたのに、こんなに激しい雨がいつ降り出したのかもわからなかった。
沈みそうな体を引き起こすと、体の至るところで鈍痛がする。
ふと隣を見ると、横たわったマムシが薄ら笑いを浮かべ、こちらを見ていた。
飛鷹はそれに一瞥をくれると、脱ぎ捨てられた自分の服のもとへ這って行き、煙草を取り出した。
とにかく今、堪らなく煙草が吸いたかった。
マムシに背を向けたまま煙草に火を付け、思い切り深く喫むと、乾いた喉に煙が絡み付き、咳き込んだ。
それでももう一息無理やり喫み込むと、煙は体内に染み込んでいく。
噛み締め続けた唇にニコチンが沁み、飛鷹は眉を潜める。
「俺にも一本くれよ」
煙草をねだる声に振り向くと、マムシが差し伸べた腕をゆらゆらと揺らしていた。
そのまま煙草とライターをマムシの方へ放り投げ、灰皿を互いの真ん中辺りに滑らせた。
背後でライターの着火音がした。
暫く、二人は無言で煙草を喫んでいた。
窓を打ち付ける雨の音だけが、小屋の中に響いている。
飛鷹は煙草を喫み終わると、服を身につけ始めた。それを見ていたマムシも服を着た。
お互い、先ほどまでの狂乱の出来事について語る事はしなかった。
81:81台場マムシ×ヒダカ(6/9)
08/05/23 00:50:18 uXfPiULLO
「歳、取ったよな、お互いに」
突然そんな事を言い出したマムシに、驚いて飛鷹は振り返った。
「どうしたんですか、急に」
既に自分を取り戻した飛鷹は、いつものようにマムシに敬語で聞き返した。
マムシは服を着替え終え、飛鷹の煙草をもう一本喫みながら胡座をかいて、ぼんやりと天井を見ている。
「もう…何年になるよ、10年?」
飛鷹の問いに答えず、マムシは話を続ける。
「いや、12年前か?」
「…忘れましたよ」
忘れるはずがない。飛鷹はあの日の事を今でも鮮明に思い出せる。
「あんたが俺に敬語を使い出したのは、いくつの時だったかな…」
飛鷹は、マムシの思い出話に付き合う気はなかった。ジャケットを羽織るとポケットの中を確認しだした。
「煙草、忘れてるよ」
そう声をかけられ、飛鷹はマムシの元へ近づき、差し出された煙草を受け取ろうと手を伸ばした。
その手をマムシは掴み、飛鷹を引き寄せた。バランスを崩した飛鷹は思わず膝を付き、二人の顔が接近する。
「俺は、あんたにだけは絶対に負けない…絶対にな」
肉迫する飛鷹の目を射るように睨み、マムシは宣言し、唇を寄せた。
互いに見つめ合ったまま、唇を重ね舌を絡ませる。
宴の終わりを告げる口づけは、煙草の味がした。
やがてどちらともなく唇が離れると、名残惜しそうに唾液が二人を繋いだ。
82:81台場マムシ×ヒダカ(7/9)
08/05/23 00:52:13 uXfPiULLO
小屋の外に出ると、飛鷹は降りしきる雨を見上げる。
ため息を付き、諦めたように屋上を横切ると、古びたエレベーターで階下まで降りた。
ずぶ濡れになった飛鷹は、落ち行くエレベーターの中で、洗うように荒く顔を拭き、首を撫でた。
先ほどの出来事が、今まで何度も繰り返し挑み敗れてきた記憶が、そしてまた再びここへ来ざるを得ない現実が、
飛鷹の胸奥に去来し、大きなうねりとなって渦を巻き、飛鷹は襲いくる絶望と憤怒に吐き気を覚え、それに堪えた。
エレベーターを降り、苦しみを振り払うように頭を振り、ビルから出た。
雨の中に佇みタクシーを呼ぼうと道路を見ると、見慣れた男が傘を差し、忌々しげにこのビルを見上げていた。
その金髪の男を、飛鷹が見間違えるはずはない。
ましてや、あんなに趣味の悪い柄シャツ が、こんなに似合う奴は一人しか知らない。
驚いた飛鷹は暫し無言で雨に打たれたまま、その男を見つめた。男は、じれたように足を踏み鳴らし何かを待っている。
ふいに視線を感じ辺りを見回すと、飛鷹の姿を見つけ、転がるように駆け寄ってきた。
「兄貴!」
「…どうしてお前がここにいるんだ」
満面の笑みを浮かべ、差した傘の中に飛鷹を迎える角田に、呆れたように聞いた。
「いや、たまたま通りかかったんすよ」
ポケットからハンカチを取り出し、飛鷹の顔を拭く角田の足元を見ると、ズボンは膝下頭まで雨を吸い濡れている。
「帰りましょう、兄貴」
飛鷹は、嬉しそうに笑う角田の顔を見ていたら、泣き出したい衝動に駆られ、無性に我儘を言って甘えたかった。
「…喉が、乾いたな」
「買ってきます!」
そう言うと角田は飛鷹に傘を渡し、雨の中を走り出した。
83:81台場マムシ×ヒダカ(8/9)
08/05/23 00:53:55 uXfPiULLO
走ってゆく角田の姿を、瞬きする事なく飛鷹は見つめていた。
僅かな時間も惜しいという風情で、自販機からペットボトルを引っ張り出すように掴み取ると、全速力で戻ってきた。
「お待たせしました、水でいいすよね?」
ずぶ濡れになりながらも、それを気にする事なく笑って水を差し出す角田の顔を見た飛鷹は、思わずその肩に頭を乗せた。
飛鷹の手から傘が滑り落ちた。
「兄貴…?」
雨が容赦なく二人を打ち濡らす。
物も言わず、ただ黙って角田の肩に縋る飛鷹の頬を濡らしているのは、雨なのか涙なのか、それは誰も知らない。
角田は、飛鷹の打ちひしがれた姿に戸惑い、その原因であろう男に怒りを覚えたが、努めて明るい声を出した。
「…兄貴、風邪ひきますよ、帰りましょう」
そう言うと、優しく抱えた飛鷹の肩を撫でる。重々しく顔を上げ、飛鷹は口をへの字に曲げ酷く疲れた顔で頷いた。
傘を拾い、飛鷹を車まで誘い、ドアを開け、車に乗せると、角田は小走りで助手席に向かい乗り込んだ。
飛鷹は座ったまま、虚ろな目で窓の外を見ている。
その様子を、角田は不安げにバックミラー越しに見つめていた。
普段より赤い唇が、あの小屋であった出来事を雄弁に物語り、悲壮感を漂わせている。
思い切って、角田は口を開いた。
「兄貴…マムシの野郎、また…」
飛鷹は窓の外を見たまま、胸ポケットから取り出したサングラスをかけ、静かに言った。
84:81台場マムシ×ヒダカ(9/9)
08/05/23 00:57:02 uXfPiULLO
「ちょっと、何言ってんのかわかんねえな」
「なんで何言ってんのかわかんねえんですかっ!」
思わず振り返って角田が憤る。
それに薄く笑みを零し、飛鷹は背もたれに深く寄りかかる。
「いいから、車を出せ…早く帰りたい」
角田はまだ何か言いたげだったが、飛鷹がサングラスの奥の目を深く閉じた事に気が付くと、追求を諦め車を出した。
二人を乗せた車は、雨の中を猛スピードで走り抜けていった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
好き過ぎて虐めちゃうって事、あるよね?
でも、度が過ぎると嫌われちゃうゾ☆
楽しみにしてくれた方々、ありがとうございました
腐フィルター装着ドラマ展開ほぼガン無視上等!
以上の内容でお届けしております
反省はしません
85:風と木の名無しさん
08/05/23 01:06:26 pW+G0nNa0
>「ちょっと、何言ってんのかわかんねえな」
>「なんで何言ってんのかわかんねえんですかっ!」
この掛け合いがこれほどシリアスに聞こえた事がかつてあっただろうかw
長編お疲れさまでした。楽しみにしてた甲斐あって萌えに萌えたよ……。
ぜひとも角田には兄貴を幸せにして欲しい。
86:風と木の名無しさん
08/05/23 01:07:20 Yq7b+6CQ0
楽しみにしてた人ですw
なんというか、書いてくれてありがとう。
好きすぎて81見始めました。でもマムシはもう出ないのね…
87:風と木の名無しさん
08/05/23 01:33:51 CepYliqP0
楽しみにしすぎて朝も起きれませんでした
すごかったよ 萌えすぎて眠れない
88:風と木の名無しさん
08/05/23 04:49:45 y+ViYRpaO
>>84
萌えすぎて、椅子から転げ落ちました!
姐さん、あれがとう!
「何言ってるか~」を入れてくれたら…と言っていた者ですが
飛高への愛が伝わって、素敵でした。
89:『ヒュ/ー/マ/ン/ネ/イ/チュ/ア』 博士xパフ
08/05/23 06:44:10 TM4nmRYt0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 短小コンプレックス持ちエロ博士xかつて自分を猿だと思い込んでた男
| 元ネタ:洋画ブラックコメディから
| 0/10
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| とんでもないCPだけど萌えてしまったもんはしょうがない
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ヘンタイ的ダヨ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
90:『ヒュ/ー/マ/ン/ネ/イ/チュ/ア』 博士xパフ 1/10
08/05/23 06:45:47 TM4nmRYt0
その日も、パフは早々に床に入っていた。時計の短針がちょうど10時を指す頃には、
彼はウールの毛布にくるまりながら豊満なヒップを持つ美しい女性とセックスをする幸福な夢を見ていた。
彼が寝泊りしている部屋―あるいは檻―の中にはテーブルや椅子、簡易式トイレの他には
彼がくるまっている汚い毛布以外何もなく、何か娯楽になるような物も与えられていないため、
実験が終わり研究員が帰宅してしまえばあとは寝るしかなかった。
誰もいなくなった研究室の透明ガラスの中で一人、テーブルマナーのトレーニングをし、
「博士」や研究員の真似をしてしかつめらしく脚を組んで椅子に座ってみたりしたが、結局9時になる頃には
寂しさと退屈さに拗ねてふて寝をしてしまうのが彼の生活のお決まりの仕上げだった。
だが、現在のところ、パフはおおむねこの生活に満足していた。森で暮らしていた頃とは違い
ここでは毎日決まった時間においしい食べ物が食べられるし、
―「博士」の機嫌を損ねたらひどい罰が待っているけれど―
命を脅かす獰猛な獣もいない。わずらわしくて仕方がなかったオムツも先週やっとはずれたし、
普通の人間のように服を着て過ごす生活にもすぐに慣れた。
それになにより、どうやらここには仲間がたくさん居た。今はガラスに隔てられて自由に触れることもできないが、
「彼ら」の言うこと、求めることに従順に従っていればきっといつか触れさせてくれるだろう。
そのときには、きっとセックスをさせてもらおうとパフは決めていた。いつも「博士」の隣にいる
美しい女性とセックスできれば全く言うことはないが、別に相手は誰でも構わない。
いつか見た「博士」と「女」の性行為を自分にもやらせてもらえたらと、その一心で厳しい教育や訓練にも耐えられた。
何度も電流を流された首もとの皮膚は焼けて皮が剥けていたが、パフはじっと我慢して
毎日の教育・訓練を一つ一つこなしていった。
森にいた頃よりずっと身の安全は保障されているはずだったが、パフの神経は今や以前よりずっと鋭敏だった。
彼らが求めていることは何か、自分が今していることは何か、どういう意味を持つのか。
91:『ヒュ/ー/マ/ン/ネ/イ/チュ/ア』 博士xパフ 2/10
08/05/23 06:46:29 TM4nmRYt0
なまじ「言葉」がまだ完全ではないぶん、パフは相手の顔色を窺う狡猾なコウモリのように彼らの機嫌を探った。
少しでも彼らの意にそぐわない行動をすれば、たちまち首輪に電流が流れ、床を這って痙攣するはめになる。
それに、彼らに自由に触れられる日、セックスをする日が、間違いを犯すたび遠くなるのは確実だった。
だからこそ、パフはいつも「正しいこと」をせねばならなかった。
自分のしていることが本当に正しいことなのかどうかをパフに知るすべはない。
彼らが喜び、求めることが「正しいこと」なのだ。パフは「博士」や研究員たちの顔色を窺い、
彼らがパフに求めることを懸命に理解しようとし、何度も首に電流を流されながら「正しいこと」を覚えていった。
だから突然研究室の明かりがつき、何かが床に落ちる激しい音が室内に響いたときも、
彼は獣じみた動きで飛び上がりながら、それら一連の出来事を引き起こしたのが「博士」だと知るや
すぐさま行儀よく起立してにっこりと人のいい笑みを浮かべた。
「は、か、せ、 こ、ん、ば、ん、は」
一語一語をはっきりと、確かめるように発音しながら、パフは正しい挨拶をした。だが、「博士」は彼のほうを
ちらとも見ずに小さな声で悪態をつきながら頭を抱えて壁に背をぶつけた。
「くそっ、くそっ」
髪の中に食い込ませた指先が白くなるほど踏ん張って、「博士」は紅潮した顔を振った。
激昂し、腕を振ってテーブルの上の小さな器具を床に払い落とす。
ガラス製品が砕け散る荒々しい音が大袈裟に響き、思わずパフは首をすくめた。
もし彼の怒りが自分の責任なら、大変なことをしてしまった。パフは青ざめた。
「くっそう。くそっ!」
「博士」の物々しい声がそう繰り返し、「博士」の固めた拳がテーブルを叩く。
がちゃんと不快な音が響き、また何かが床に落ちて割れた。
ひとしきり激昂したあと、「博士」は床に落として破損した器具類を黙って掃除した。
ちりとりで全部掬い取り、まとめて部屋の隅のダストボックスに投げ捨てた。
彼は気だるげにテーブルに左手をつき、うんざりしたように右手で顔を覆ってから、
そこで初めてガラス箱の中で心もとなく佇むパフに目を向けた。
92:『ヒュ/ー/マ/ン/ネ/イ/チュ/ア』 博士xパフ 3/10
08/05/23 06:47:04 TM4nmRYt0
「博士」の激昂の原因が自分にあるのか否かを死に物狂いで探っているパフをよそに、
「博士」は疲労感もあらわに漫然と微笑んだ。
「きみは気楽でいいな」
彼がなんと言ったのかパフにはまだ理解できなかったが、彼の微笑みを見たことでパフの不安は
多少なりと解消された。少なくとも、続けて長時間電流を流されるようなはめにはならないだろう。
「博士」がくずおれるようにガラス壁のそばに座り込んだので、パフはすぐさま「博士」のそばに行き
自分も同じように床に腰を下ろした。「博士」の指がいたずらにガラスを撫で、パフの目がそれを追う。
やがて、「博士」はガラスに頭をもたれかけて重々しいため息をついた。
「僕にはどっちも選べない」
「え、ら、べ、な、い」
意味もなく「博士」の言葉を繰り返すパフには構わず、「博士」は続けた。
「ライラはとても美しいし、今時珍しいくらい気立てのいい子だ。頭もいい。ああ、それにあのガブリエル、
美しいガブリエル……あの訛りときたら……!」
「博士」は拳を固め、眉間にしわを寄せて熱弁した。パフには彼の話の半分も理解できなかったが、
真剣な顔をして彼を理解しようと努めた。ガラスに顔をくっつけて、至近距離から彼をじっと見つめた。
「何故なんだ?何故女は必ず『唯一無二』を求めるんだ?必ず」
「ゆいつむに」
「そうだ。あの子か、私か、選べないのならさようなら、と。何故どちらか一方でなくてはいけないんだろう」
「さ、よ、う、な、ら」
聞き取れた単語を繰り返すばかりのパフにしばし言葉をとめ、
「博士」はガラスを隔てたすぐそばにいるパフを見返した。
濡れたグリーンの瞳が真っ直ぐに彼を見つめている。言葉の半分も理解できないくせに、
「博士」の言葉を一言たりとも聞き漏らすまいと瞳を光らせている。
ごく当たり前に一般家庭で育てられていれば、きっと今頃は美人の恋人を堂々とエスコートする
立派な男性になっていただろう。
93:『ヒュ/ー/マ/ン/ネ/イ/チュ/ア』 博士xパフ 4/10
08/05/23 06:47:41 TM4nmRYt0
パフの色の薄いブロンドをガラス越しに撫で、「博士」は小さく笑った。
「可哀想に。ちょっとした運命のいたずらで、きみは電流の流れる首輪をされて、
こんなガラス箱の中に閉じ込められている。言葉すら理解できずに」
ガラスに手をついた「博士」の手に、パフは自分の手を重ねた。パフより少しだけ太く、
少しだけ長い「博士」の指に、パフはなるたけ自分の指をぴったり合わせようと努力した。
何年も伸ばし続けて汚れ、絡まりあった髪と髭を剃り落とし、汚れた身体を綺麗に洗い流したのは、
わずか2週間前のことだった。ようやくパフが自分の置かれた状況を理解し、
自分が何をなすべきかを理解した頃のことだ。
「博士」や研究員、そしてことのほかガブリエルが、泥や髭の下から出てきた顔に驚きを見せた。
猿のように背を丸め、ほとんど四足歩行していた彼の背筋をしっかりと伸ばしてみると、
長身の立派な男性が姿を現した。
普通に育っていれば、きっと美しい女性と交際できただろう。ごく当たり前に人間としての尊厳と権利を有し、
堂々と「博士」のそばを闊歩していたかもしれない。
ところが、ほんの少しの運命のいたずらで、このとおりだ。「博士」は人間として、立派な研究員として、
「支配者」としてこちら側にいる。だがパフは、言葉もわからず、いつ電流が流れるとも知れない首輪をされ、
ガラスの檻の中に閉じ込められている。
そしてその電流のスイッチを握っているのは他でもない、こちら側の人間、「博士」自身なのだ。
「博士」は困り果てたように笑い、ガラスについていた手を下ろした。
「信じられるかい、パフ?ここ最近、ずいぶんご無沙汰だ。ライラとも、ガブリエルとも。
僕が躊躇しているのか、彼女たちが拒んでいるのか……
ともあれ、もう一週間もしてない。信じられるか?」
「博士」の目が尋ねるようにパフの目を見た。パフは微笑んだ。親に褒められた子供のようにはにかんで、
ガラスに両手をつく。
「はかせ」
数週間前こそ薄汚れた髪と髭に覆われ、オムツで膨れた尻をぶら下げて唸っていた彼は、
凶暴な猿そのものだった。
94:『ヒュ/ー/マ/ン/ネ/イ/チュ/ア』 博士xパフ 5/10
08/05/23 06:50:03 TM4nmRYt0
糞尿をお手玉がわりに弄んでいた彼には電流で制御される首輪がお似合いだったが、
今やパフは綺麗に散髪され、「博士」が新調した上等な服を身につけている。見た目は
立派な成人男性そのものなのに、彼の首には残酷な首輪が嵌ったままで、
彼が寝泊りする場所もガラス張りの檻の中のままだ。
哀れみとも優越感ともつかない感情が身体の奥から滲み出て、「博士」の呼吸を乱した。
自分の呼吸のリズムが崩れたことに、彼自身は気がついていない。
無防備に微笑んで「博士」のそばのガラスにじゃれついているパフを眺めながら、
「博士」は狂おしげに熱い息を吐いた。
「……きみは僕が何とかするよ。いいね、きっと何とかする。立派な紳士に教育してあげよう。
こんなガラス張りの檻からもおさらばできる」
ガラスを指の関節で叩いてパフに合図すると、パフは小さく笑い声を上げて両手をガラスについた。
「博士」の顔を真っ直ぐに見つめ、「博士」の反応を、ご機嫌を窺っている。
こうしてパフとやり取りを交わしていると、「博士」はしばしば従順なペットを飼っているような感覚に陥った。
そのペットが薄汚く知性もない本当の猿ならどうということはないが、
彼が飼っているのは外見こそハンサムで立派な成人男性なのだ。それも、そんじょそこらの名犬も
歯が立たないほど従順で可愛く、飲み込みの早い利発なペット。
「博士」は自身の下半身に現れた信じがたい変化に気がついた。パフの無邪気な、
どこか得意げにすら見える笑顔を見ているうち、「博士」はいかんともしがたい思いにとらわれた。
パフはとても気の毒で、哀れな男だ。ちょっとしたボタンの掛け違えで、あるいは
彼は普通の男として僕のそばを堂々と歩いていたかもしれない。
だが実際はこの有様だ。
実際はこのとおり、ガラス張りの檻の中。自分のやりたいこともままならない。
言葉も解さず電気首輪をされて僕の顔色を窺っている。
―僕よりずっとペニスも大きいのに!
95:風と木の名無しさん
08/05/23 06:54:37 lZkMM2REO
連続規制解除
96:『ヒュ/ー/マ/ン/ネ/イ/チュ/ア』 博士xパフ 6/10
08/05/23 06:56:04 TM4nmRYt0
たまらず「博士」は固い唾を喉の奥に無理やり押し込み、さっと立ち上がってガラス張りの扉の前に立った。
この檻の鍵は単純なもので、小さい金具さえ動かせば簡単に鍵が外れ扉が開く。
「博士」は扉の金具に手をかけた。パフは何事が起こるのかと慎重に目を動かして「博士」の動向を見守っている。
「博士」が金具に指を掛け軽く弾くと、金属がこすれる音と共に簡単に鍵が外れた。
つまり、もう扉に鍵は掛かっていない。
「博士」は自分が今何をしているのかはっきり把握しないまま扉に手を掛け、そっと開いた。
薄く開いた扉の隙間に素早く身体を滑り込ませ、後ろ手に扉を閉める。内側から鍵は掛けられないが、
もはやパフが「博士」の言いつけを破って脱走を図るなどありえない話だった。
パフは何事が今起こっているのか、理解しかねている様子だった。
信じがたいように両目を見開き、「博士」を見上げている。
彼は明らかに警戒していた。「博士」じきじきに檻の中に入ったのは、実にこれが初めてのことだった。
パフの身支度や檻の掃除は他の研究員にやらせていたためだ。
「博士」はまず檻の中の異臭に顔をしかめ、ゆっくりとパフに近づいていった。
パフは石のようにしゃちこばって床に釘付けになっている。
パフのすぐそばに立ち、「博士」はパフを抱きしめた。檻の中の空気は臭かったが、
毎日身体を洗われているパフの匂いは悪くなかった。
ストレートのブロンドヘアが実に肌によく馴染む感触で、「博士」は子供にそうするように
優しく頭を撫でてやった。やがて、パフも警戒を解いたようだった。
「博士」の背に腕を回し、固く抱きしめる。「博士」のキスが額に落ちると、パフは満足げなため息をついた。
「きみが可愛いよ、パフ」
「はかせ、あい」
「ん?」
たどたどしい口調で、パフは一言一言、「博士」に理解してもらおうと懸命に口を動かした。
「は、か、せ、 あ、い」
「愛してる、と言いたいのか?"博士、愛している"と?」
「あ、り、が、と、う」