09/04/22 20:12:27 fe/y6NpdO
ある涼しい夏の夜。ソドー島はお祭りだった。たくさんの観光客が島を訪れ、機関車たちはその観光客を海や山に連れて行った。
車体に4の番号を持つ大型機関車ゴードンは、仲間の機関車と共に機関庫で安らかに寝息をたてていた。彼は毎日重い急行車両を引っ張り、島中を飛ぶような速さで走り回っている。
ゴードンはこの仕事に誇りを持っているが、やはりとても疲れる仕事である。皆のお祭り気分をよそに、彼は早々と寝てしまった。
ふとゴードンは、おかしな感覚に気がついた。何だかふわふわ浮いているような、今までにない不思議な感覚。
彼はその感覚の正体が何なのかすぐ分かった。なんと彼は人間になっていたのだ。機関車にある筈もない腕が生え、車輪の代わりに足が生えていた。彼の自慢のつやつやとした青色のボディが、肌色に変わっている。
「い…一体どういう事なんだ、これは!?俺は機関車だ…なのに今の俺は、確かに人間になってるぞ!?」
ゴードンは驚愕した。何がどうなっているのか全く分からない。とにかく落ち着け、そう自分に言い聞かせるも、彼の思考回路はパンク状態だった。
その時、後ろから声がした。
「ゴードン。」
ゴードンはびっくりして振り向いた。そこにはあどけな