09/10/27 09:15:57 qyfzaWdg0
その夜つる型触手はひさびさの飢えを感じていた。
そろそろ極上の触手を味わいたい…。
彼(ら)は強い風に吹かれて砂埃の舞う大通りをうねうねと這い、
通りにある一件の娼館の扉をくぐった。
「やぁ、お客さん。久しぶりだね。いい子入ってるよ」
すぐにこの娼館のマスターが二本の触手をもみ手するようにこすりあわせながら
近づいて来た。触手には会話を音で表す習慣は無いが、
代わりに多数の触手を使ったボディランゲージによる会話法が発達している。
このマスターの会話も、もみ手する触手の背後でうねうねと物欲しげにざわめく
多数の触手によってなされた。
彼はそんなマスターにはとりあおうとせず、娼館の入り口付近で客待ちをしている
多数の売春触手達を一瞥した。
彼に眼球は無いが、触手達にはセンサーによる物体認識能力がある為(ry
そんな中、彼は一匹(便宜上触手集合体の塊を1匹と数える事にする)の触手に目を留めた。
この娼館に通って長いが、初めて見る顔だった。
彼は後ろの触手をぴっとわずかに動かし、その新顔を指さした。
「お客さん、目が高いね。あの子は初物だよ」
マスターが下卑た笑いをもらしながらその新顔を彼の元に引きずって来た。
マスターは一歩も移動していないが、その長い触手で遠く離れた場所にいる
その売春触手を引っ張ってくる事など造作も無かった。
以下略