10/03/09 22:09:50 hajuA4eK0
「僕、事務所独立するんですよ」
蔓実が眠りに落ちようとしたとき、深夜がそっと囁いた。
「えっ、事務所変わるの?どこ?」
「新橋です。…独立って言っても、二人ですけど」
「誰とッ?!」
パッと身を起こして深夜に覆い被さる。
蔓実の眉間には深い皺が刻まれている。
「気になりますか?」
深夜はそれを見て勝ち誇ったように笑みをたたえた。
蔓実は次の言葉をじっと待つ。
シーツの海に沈黙が流れてゆく。
固まったままの蔓実の体をゆっくりと押し倒しながら、
「4年前に一緒に事件やった人ですよ」
耳裏からじっとりと首筋に舌を這わせる。
「それからたまに仕事をして行く間に意気投合しちゃって。蔓実さん、全然気が付かなかったでしょ」
自らが仕込み育て上げたと思っていた愛撫の方法が別の男のものだったと仄めかされ、
蔓実の体は更に硬度を増していく。
舌が触れた部分がどんどん冷めて行く。
男根を執拗にねぶられて隆起しても、そこだけが別の生き物のように感じてしまう。
「事務所の場所、離れるから淋しくなりますね」
「…君は淋しくないだろう、本当に好きな奴と一緒に居られるんだから」
腕で顔を隠し、表情を見られないようにして吐き捨てる。
「妬いてるんだ、蔓実さん」
「妬いてなんかない、もう僕に触らないでくれ!」
深夜はクスッと笑うと腰を沈めて蔓実を飲み込んだ。
「すごい興奮してる…ッ、硬い…あっ…」
「抜けよ。やめろって…」
相変わらず顔を隠したまま、苦しげに言う。