耐震強度偽装で801・その3.5at 801
耐震強度偽装で801・その3.5 - 暇つぶし2ch550:荒縄・アサシン3
10/01/08 00:18:00 ru7E+VXS0
「あ、麻ちゃんっ、も…だ、駄目…」
その時間はとても混んでいて、電車の中には人が溢れていた。
つり革に掴まりながら、君は助けを求めるように僕の方を見る。
何?何が駄目なんだい?立ちっぱなしで疲れたの?でも座ろうったって無理だよ、こんな混み方じゃ。
「ち、ちが…疼いて、我慢、出来ない…」
顔を赤らめて、それでも恥ずかしい言葉を口走らざるを得ない君は、今にも泣き出しそうだ。
普段なら絶対そんなこと言わないだろうに。
余程切羽詰まっているのか。
それとも、それだけ長く放置されてて、恋しくて堪らないのか?
罪作りだよ、蔓実さん。でも案外、蔓実さんは系ちゃんのことなんか忘れてたりして、ね。
いいよ。僕だってもう、尾島さんに忘れられてるかもしれないんだ。
僕が系ちゃんの肩を抱くと、君はびくっと身を震わせる。
「大丈夫?」
反対の手をコートの中に滑り込ませると、僕はするっと体をかわして腰の辺りを撫で擦った。
君は俯いて、微かに頷く。
「お願い…」
酷く艶めいた声で言うから、背筋がぞくっとしちゃったよ。責任とってもらうからね。
ズボンの隙間に手を差し込んで、そこをぐりぐりと刺激すると、
君は空いた手で自分の口元を抑えた。喜びの喘ぎを噛み殺すために。
そう、君は気分の悪くなった電車客、僕はそれを介抱する友達。
周りには、そう見えるようにやってもらわないとね?
じゃないと、僕は協力してあげないから。それでいいんだね?
後二駅位あるから、もうちょっと楽しめる…かな。

551:荒縄・アサシン4
10/01/09 01:57:37 hZ5NyWjy0
危なかった、君の反応を見てたら最寄りの駅を乗り過ごしちゃうところだった。
まあ、そうなったらそうなったで、一駅分歩いて戻るつもりだったんだけどね。
勿論その間も君の相手はするつもりだったよ。
ホームに降り立った君は、よろよろと足をよろめかせて
『ごめん、ちょっと休ませて』って顔を青くして……マズイ、やり過ぎちゃったかな。
僕は君を脇に抱えて、一緒にベンチに腰をかけた。
「系ちゃん、どう?休んだら歩ける?」
「……うん…」
口元を抑えたまま、喘息の発作みたいに息を荒げる君を見て、
流石に僕にも罪悪感が芽生えてきた。
だったらこんなこと公衆の面前でやるなって話だよね。
でも、元々は誘ってきたのは君なんだから。一応意思確認はするけど、さ。
「ねえ、まだ続けて欲しい?辛いなら止めるけど」
「…麻ちゃん、僕、確かに蔓実さんには最近、してもらってなかったよ…」
涙で潤んだ目で、じっと僕を見る君。
その目が、反則なんだよ。分かってる?系ちゃん。
その目で見詰められると、あんなことやこんなことをしてあげたくなっちゃうんだ。
無防備で真っ直ぐで、なのに艶っぽくて、保護欲やらなにやらを掻き立てられる。
僕だけなのかなあ、そう思うのって。
君はそんなこと、考えもしないんだろうけどね。
罪だよ。
「…蔓実さんに、してもらいたいって、思ってはいたよ。でも僕は麻ちゃんが…欲しい」
…え?…本気で言ってるの?確信犯?
「こんな人前で本当は恥ずかしいんだけど、でも僕のこと、ちゃんと…相手してくれて、嬉しいんだ」
麻ちゃん、僕なんか持ち上げたって何も出ないよ?知ってるだろうけど貧乏所帯なんだから。
だけど…てことは、両想いなわけだね?僕らって。じゃあ遠慮しないでいただいちゃうからねー?

552:荒縄・アサシン5
10/01/11 02:59:29 819BD4N/0
…とは言ったものの。
衆人監視の下で出来ることでもなく、僕らは結局僕の事務所まで歩いて移動することにした。
寸止めの状態で、辛そうに足を引きずっている君も大変だと思うけど、
その君の切ない声や吐息を聞かされ続ける僕も、かなり辛い。
ともすれば足を止めて蹲りそうになる君の腕をとって歩きだすのには
相当体力が必要だった。
衝動的行為に及ぼうとするのを抑える理性も、ね。
でも、ビルのエレベーターに乗り込んだ瞬間、それは見事に吹き飛ばされてしまった。
我慢出来なかった。
僕の耳を蕩かし、思考を麻痺させる喘ぎを発する君の唇を
僕の唇で塞ぎたかった。その吐息を奪いたかった。
不安げに震えるその身体を抱き締めたかった。
ぽってりとした唇に吸い付き、割り入り、舌を絡め、歯列をなぞる。
君はそれに応えようとするのか、僕の身体に縋りついてくる。
僕らは互いに絡み合いながら廊下を通り抜け、ドアを開けて床に倒れ込んだ。
誰かに見られるかもしれない、なんて考えもしなかった。
もうそんなことどうでも良かったんだ。
君が必要だ。欲しい。愛してる。離さない。
組み敷いた君の喉から嬉しげな歓声が上がり、
今度は君の方から僕の口を塞いできた。
そのまま君の指は自分のスーツの前を寛げようとしているけど、
ちょっと違うんじゃない?
お互いに脱がしっこでしょ、って言ったら、君の目が初めて悪戯っぽく笑った。

553:荒縄・アサシン6
10/01/12 01:01:09 TQLi2Bpr0
人の服を脱がすなんて面倒くさいことだと思ってたけど、
君が相手となると、何故だかとても楽しい。つい口元がほころんでしまう。
「麻ちゃん、そんなに嬉しいの?」
そういう君の顔も楽しげで、僕は幸せな気分に浸った。
ここには僕ら二人しかいないんだ。
今は純粋に二人だけの時間を楽しもう、そう思った。
君の柔らかい耳朶を噛み耳裏を下でなぞると、
短く悲鳴を上げた君は身体を捩らせ、それでも懸命に僕のシャツに指を伸ばしてくる。
僕はそれには構わず、再び君の唇を奪い息を強く吸った。
一瞬、息を乱した君のシャツの前をがばっと拡げ、アンダーを撒くし上げる。
君の滑らかな白い肌。久し振りだ。
既に硬く尖った乳首をきゅっと摘むと、君は絡め合った僕の舌に吸い付いて応えた。
ベルトを緩めてジッパーに手を伸ばすと、君は歓喜に震えた。
ブリーフの中で育ち切ったそれを開放すると、君は喉の奥から絞り出すように喘いだ。
「あ、麻、ちゃん、お願…い…して、早く、もう…」
うん、君もそうだろうけど、僕も正直限界だと思う。もっと焦らしておきたかったんだけど。
僕自身が耐えられないよ。
デスクの引き出しに忍ばせておいたジェルで君の後ろに指を滑らすと、
慣らしもそこそこに僕は自身を君の中へと突き立てた。

554:荒縄・アサシン7
10/01/16 02:11:00 rNLcbBjr0
「あぅっ………んんっ!!」
ヤバい。君の中、気持ち良過ぎる。
もっと焦らして楽しもう、なんて思っていた僕の考えは甘かった。
何よりも、僕自身が、実はお預けを喰らって耐えられなくなっていたんだ。
一度溜まった熱を吐き出さないと、マズい。
僕の身体がそれを欲している。
君の膝を抱え上げその奥まで割り入り、引き抜いてはまた突き入れる。
この単純な作業を止めることが出来ない。
まるで犬のようにがっついてしまう。
君はと言えば、僕の首に腕を回してしがみつき、離そうとしない。
「ああ、あん、あんっ、いい、も…っと」
僕ら二人、盛りのついた犬同士だ。
もう我慢しないよ。君のこと、犯しまくってやる。系ちゃんはそれで本望かい?
ずん、と突き上げる僕にしがみついて喘ぐ君。
それは僕が二度目の精を吐き出し終えるまで続けられた。


555:荒縄・アサシン8
10/01/16 02:11:44 rNLcbBjr0
息を荒くした君の腕がぺたりと床に落ち、流れる汗がカーペットを湿らす。
「はぁ…麻ちゃん、嬉しい、でも…もっと、欲しい…」
えー、まだ?疲れてないの?欲張りだなあ、系ちゃんは。
上から覆い被さっていた僕が離れてみると、系ちゃんはぐったりとはしているけど、
自身はまだまだ元気に聳え立ってるみたい。
これは…頂いちゃうしかないよねえ。勿体ない。
「麻ちゃん、これは僕がもらうからね。そしたら、また君に欲しいものあげるよ」
その言葉の意味、多分系ちゃんはまだぼーっとしてて理解してないみたい。
ま、いいや。もらっちゃえ。
冷たいジェルを系ちゃん自身に塗りたくり、怯んだところをシコッて勃たせて
僕の後ろに引き込んじゃったよ。
慣らし無しで入れるのってちょっと怖かったけど、たまにはいいかな?
仰向けに寝たままの君の上に跨って…そのまま腰を落とすと。
「あああん、あぅ…くぅ、う…」
僕の狭さに、君自身も少し痛みを感じてる?僕もちょっと痛い…いやかなり。
ここしばらく御無沙汰だったしな…年末年始のお誘いも何もなかったから。寂しかったよ。
自重のままに腰をしゃがませていくと、張りつめた痛みが互いを襲っているようで。
意外に系ちゃんのってでかいからなあ。入れられる僕もだけど、君も顔を歪めて耐えているみたい。
でも。手加減しないよ。僕だって犯されたい。思うさまに。
無理矢理に腰を上下させ、裏筋を撫で擦り、君の後ろに指を突っ込んで抜き差しする。
痛みに萎えかけた君自身が、その刺激で僕の中で再びむくむくと力を取り戻してくるのがわかる。
「あ、麻ちゃん、こんなの…嫌、だよ。酷いよ」
そういう君の声、だけどどこか気持ち良さそうなんだけど。
ねえ、一度でいいから、僕のこと後ろから思い切り犯してよ。じゃないと言うこと聞かないから。
その言葉に、おずおずと身体を持ち上げる君。何故か泣き顔だ。
やけくそのように僕の尻に自身を打ちつけてくる。その責めで僕は三回くらい逝ってしまった。
そして四回目、長く尾を引く声を発し君が果てると、僕も意識を飛ばしてカーペットへと身を沈めた。

556:風と木の名無しさん
10/01/17 08:01:54 UWIt6H3D0
豚義理すまそ

>>556
wktk

昨日は麻雛先生の誕生日
おめっ!!

今日はツルオジ喚問でした
あの超接近した二人への萌えは色褪せない…

ツルオジ URLリンク(ux.getuploader.com)
パス0117

557:風と木の名無しさん
10/01/21 11:19:09 iSTm639uO
サラリー金ちゃん、今週は体震ネタが来ます

558:風と木の名無しさん
10/01/31 18:05:17 JF6VZzqpO
魔淵さんがマッサージを受けてアッー!とかなんとか。メルマガ転載。
痛いのはヤダとかもうね(*´Д`)ハァハァ

> あまりにもヒドイ疲労感に、県連常任幹事会で地元に戻ったスキにマッサージを受ける。
いっぺんだまされたと思って行ってみて、と無理やり連れて行かれたのが気功マッサージ。
ほとんど、揉むでもなく、整体のように引いたり押したりするでもなく、ジンワリと親指を押し当て、「ッッハァーッー!」と「気」を入れていく。
最初は、痛いのヤダと思ってたんだけど、なんともないし、だんだんポカポカしてくる。何か胡散臭いなぁ、と施術院に入った瞬間半信半疑だったんだけど、アレレ?、不思議なことにコリと痛みが取れていく。
狐につままれたような気分。1時間15分で全身終了。
痛くて回らなかった首の右付け根と僧坊筋のハリが完全に取れた。視界も広くなった。
先生に、明日はツライよ、と脅されたけど確かに朝起きたら、関節の周りの筋肉が弛みきってベッドから起き上がれない。
やべぇ、とチョット焦ったが、だんだん目が覚めてくると何とか動き出せた。
トレーニングは、今日は休もう。
気功の先生からも、「こんなに筋肉つけたら、そら身体に悪いわ」と指摘された。
時間と労力、めちゃくちゃかけてきたんだけどな。     

559:風と木の名無しさん
10/02/05 22:36:08 54HoVpVH0
ブンツンの夜須田先生記事
URLリンク(ux.getuploader.com)
pass:buntun

560:風と木の名無しさん
10/02/22 16:59:39 iVsaGMW0O
ほしゅ

561:風と木の名無しさん
10/03/02 18:45:15 +u/EnIKr0
ほしゅ

562:風と木の名無しさん
10/03/03 23:43:20 0pi0MF+F0
某シンポジウムでの夜須田先生ほか
1 URLリンク(www.youtube.com)
2 URLリンク(www.youtube.com)
3 URLリンク(www.youtube.com)
4 URLリンク(www.youtube.com)

あと2つ、うp中です。

563:オジアサ1/2
10/03/08 00:18:19 syUEfMEg0
尾島、さん、もう腰が立たな、い…」
後ろからの激しい突き上げがどれだけ続いていたのか。
そもそもそれがいつから始まっていたのか、もう僕にはわからなくなってしまっていた。
激しいけれど決して痛くはない。
腰骨が蕩けそうってのは、こういう時に使う言葉なのかな。
僕の身体の隅々までを尾島さんに弄られてる感じがして、僕はとても幸せだった。
自分の好きな相手に自分を好きなだけ弄ってもらえるのって、ありがたいことだと思えた。
僕がベッドに沈み、尾島さんが精を放ち終えてしばらくして。
事後の気だるい雰囲気の中、尾島さんは静かに言った。
「…おい、あんたとは、これで終わりだ」

え。
今、何て言ったんですか。
「もう仕舞ぇだ、裁判のことが片ぁ付いたら、俺は田舎に帰る」
「あんたとだけじゃねぇ。蔓実先生とも終わりにする。もう面倒臭ぇんだよ何もかも」
「つくづく都会ってやつが嫌になっちまった。この年になると田舎が懐かしくて仕方がねぇんだ」
「誰にも言わねぇで引き上げるつもりだ。あんたにだけは言っといてやるよ、これが最後だって」
尾島さんは咥え煙草の灯を指先でくるくる回し、ちらつかせて、そして灰皿に押し付けた。
僕は…僕は。
頭がガンガン鳴り響いて、胸の中をミキサーで掻き回されたみたいで、
何か言わなきゃいけないのに気持ちが付いていかなくて。
あなたの言っていることが理解出来ないし、理解したくない。
「尾島さん!そんな…ここを離れるなんて、所在地を勝手に…」
「ああ、もうそんな小難しいことはそっちにまかせるからよ、俺が田舎に引っ込んでもいいような時期を
 教えてくれるだけでいいんだ。……長ぇこと世話になったな。ありがとよ、じゃあな」

564:オジアサ2/2
10/03/08 00:19:32 syUEfMEg0
あなたが服を着て、僕をちらっと振り返り、ドアの向こうに消えるまで
僕は動くことが出来なかった。瞬きも出来なかった。
理由。それがわからない。一体何故。
僕が何かしでかしたのか。他の誰かが。尾島さんの勘違いか。
悪い冗談か。明日には覚める夢か。
わからない、わからない、どうして…こんなことに…。
いつかは終わる仲だとは思っていたけど、突然過ぎる。
僕は…僕はいいけど、でも、まさか蔓実さんとまで。
泣き叫びたいのに涙も出ない。
所詮それだけの付き合いだったのか。そうさ、終わる時はこんなものだ。
僕は俯きながら服を着てホテルを出た。
まだ風は冷たい。むしろほっとした。刺すような冷気が心を沈めてくれる。
一歩一歩踏み締めて街中を歩く。
歩くごとに忘れてしまえ。未練など捨てろ。そうすれば傷つかずに済む。自分を守れ。
目を伏せた僕の前に、見知った革靴が現れ、のんびりとした声が響いた。
「あれー?麻ちゃん、今頃どうしたの?」
だ、駄目だ、折角一人で耐えようと…我慢しようと、ここまで…なのに知った顔を見てしまったら、
それが甘えられる相手だったら…
「え、え、な、何、何で泣いてるの、僕何か言った?!」
「馬鹿…どうして出てくるんだよ、どうして…深ちゃんの馬鹿…」
僕は深夜くんの肩にもたれて泣いた。しゃくり上げて鼻水が流れるまで泣いた。泣き尽した。
深夜くんは不安げに『僕が悪いの?』って言うから、
『違う、ただの言い掛かり。誰にも言えないけど』って言ったら、黙って僕のこと抱いてくれた。ごめん。
僕、あなたのこと好きでした。深夜くんありがとう。それ以上考えられない今は。だから、さよなら尾島さん。

以上です。

565:風と木の名無しさん
10/03/09 22:09:50 hajuA4eK0
「僕、事務所独立するんですよ」
蔓実が眠りに落ちようとしたとき、深夜がそっと囁いた。
「えっ、事務所変わるの?どこ?」
「新橋です。…独立って言っても、二人ですけど」
「誰とッ?!」
パッと身を起こして深夜に覆い被さる。
蔓実の眉間には深い皺が刻まれている。
「気になりますか?」
深夜はそれを見て勝ち誇ったように笑みをたたえた。
蔓実は次の言葉をじっと待つ。
シーツの海に沈黙が流れてゆく。
固まったままの蔓実の体をゆっくりと押し倒しながら、
「4年前に一緒に事件やった人ですよ」
耳裏からじっとりと首筋に舌を這わせる。
「それからたまに仕事をして行く間に意気投合しちゃって。蔓実さん、全然気が付かなかったでしょ」
自らが仕込み育て上げたと思っていた愛撫の方法が別の男のものだったと仄めかされ、
蔓実の体は更に硬度を増していく。
舌が触れた部分がどんどん冷めて行く。
男根を執拗にねぶられて隆起しても、そこだけが別の生き物のように感じてしまう。
「事務所の場所、離れるから淋しくなりますね」
「…君は淋しくないだろう、本当に好きな奴と一緒に居られるんだから」
腕で顔を隠し、表情を見られないようにして吐き捨てる。
「妬いてるんだ、蔓実さん」
「妬いてなんかない、もう僕に触らないでくれ!」
深夜はクスッと笑うと腰を沈めて蔓実を飲み込んだ。
「すごい興奮してる…ッ、硬い…あっ…」
「抜けよ。やめろって…」
相変わらず顔を隠したまま、苦しげに言う。


566:風と木の名無しさん
10/03/09 22:10:21 hajuA4eK0
汗が頬を伝ってシーツにシミを作った。
「うそ…」
「へっ…?」
「ただの…っ、同僚だか…ら…ん…ッ」
「…えっ…」
「ちょっと意地悪したかっただけです…たまには、僕だけ見てて欲しいから…」
「……」
漸く腕をはずした顔がニヤリと笑う。
「あれ、蔓実さん泣いてたんじゃ…って、あぁッ!」
ここぞとばかりに感じる場所を突き上げられる。
今まで自分から腰を動かしていたが、そうも行かなくなって身を委ねる形になる。

体が崩れ落ちて、蔓実に重なった。
「事務所新設、おめでとう」
ぎゅっと抱きしめながら言う。
「今度、そこで」と言いかけた所で、深夜が耳をつねった。
「調子に乗るなら本当に浮気しますからね」


おわり。


567:風と木の名無しさん
10/03/17 10:33:44 y/AtzrPC0
図書新聞に夜須田先生が
URLリンク(toshoshimbun.jp)

568:風と木の名無しさん
10/03/17 10:41:10 y/AtzrPC0
連投スマソ。今更ですが魔淵さんのホムペに姐たんへのメッセージが
URLリンク(www.mabuti.net)

569:風と木の名無しさん
10/03/24 23:32:08 nTH2CEdLO
末井先生の日弁連での処分が戒告になったとのこと
URLリンク(www.nikkansports.com)

570:ヤスマツ1
10/03/27 23:11:53 Aiemh8La0
「とにかく…俺は自分の説は曲げませんよ。いくら夜須田さん相手でも」
そう言って頬を膨らまし、末井はぷいと横を向いてしまった。
しょうがないやっちゃ。
いつもの俺ならそれでお終いにしてしまう所だった。
ところが今日の俺は、どういうわけか虫の居所が悪かった。
別段、今の議論に腹を立てたわけでもないし、末井を憎く思ったわけでもない。
ただまあ、こいつをとことん泣かせてみたくなったんだ、何となく…な。

突然脈絡もなく服を脱がされて、末井は明らかに動揺している。
そりゃそうだ、宵の口を過ぎてはいたがここは事務所の俺の部屋だし、
外にまだ誰かいるかもしれない。ドアに鍵もかからないしな。
俺に攻められるのはうれしいんだろうが、末井はこの場の状況にうろたえていた。
「な、な、何で、夜須田さん」
喚こうとする口を唇で塞いでやると、身体を固くしながらも両手は俺の肩にしがみついてきた。
俺は残った下着などをまとめて片付け、末井をその場に押し倒す。
こいつの目は次第にうっとりしてきて、俺のされるがままになっていく。
だがそれも…俺が外したネクタイでこいつの手首を後ろ手に縛り上げるまでだった。
「止めて下さい!あなたがこんな…嘘、でしょ?」
首を左右に振って起き上ろうとするのを、俺が末井の下半身に乗っかってやると
流石にこいつの顔はマジになり両足をじたばたと動かそうとする。
そうはさせない。
部屋の隅から持ってきた靴下で足首を結わえ、身体を仰向けに返した上で膝を曲げてやる。
後ろの穴と、だらりと下がったモノが丸見えだ。
不安げに俺の方を盗み見る末井だが、まだ助けを求めようとはしてこない。
どうせそんなことは無視するんだけどな。

571:ヤスマツ2
10/03/29 00:34:32 Fh6AClVH0
「ほれ、舐めろ」
口の前にかざされた俺の手の指を見て、お前は信じられないといった顔をする。
お前に対してこんな乱暴な物言いをしたことがなかったからな。
「舐めとかないと、後がしんどいぞ」
その意味を察したらしいお前は、頬をさっと朱に染め、躊躇うように舌なめずりする。
「別にええんやぞ、舐めんでも。俺は困らんから」
引こうとする指を素早く咥え、音を立てて啜る。
目元まで真っ赤にして俺の指を舐め回すお前、可愛いな。
可愛いんだよ、無茶苦茶にして壊してしまいたい位……。
俺は、咥えられているのと反対の指をお前の後ろに予告なく突き立てた。
何の苦もなく俺の指はお前に迎え入れられ、お前の顔はショックと軽い絶望、期待と裏切られ感を呈し
歯の間からは甲高い悲鳴を漏らした。
ぬらぬらとしたお前の唾液を付けた方の指で、今度はお前の乳首を弄ぶ。
足首を縛られてころんと仰向けに寝かされたお前は、
俺の与える刺激に身を捩り、「くっ」と喉の奥で喘ぎを飲み込んだ。
その時は考えてみなかったんだろう、俺のこのお遊びがこれから延々一時間近く続いていくことを。
乳首の粘膜は擦られ続けてパンパンに腫れ上がり、仕舞いには触れるだけで痛みを引き起こす。
掻き回されて熱を持った後ろの孔は、何時までたっても感じるスポットを触ってもらえない焦りに疼きまくっている。
「助けて」「嫌」「もっと」「お願い」断片的に発せられるお前の言葉は、
しかしはっきりとは聞き取りかねる程微かなもので、俺は勝手に聞き流していた。
端から聞く気もないがな。

572:風と木の名無しさん
10/04/09 01:58:52 i0jEisA4O
オジーの尊敬する人は龍馬で、社長室に置物があったけど
今はドラマとか見てるんだろうか
龍馬について語るオジーはちょっと素敵だった(*´д`)

何か描きたいけどずっとスランプ

orz

573:風と木の名無しさん
10/04/15 14:03:14 8kfFTHpH0
夜須田先生と同じ事務所の先生が、
夜須田先生についての本を出して
本人も寄稿してます。
末井先生も書いたらよかったのに…
URLリンク(www.nippyo.co.jp)

オジー最高裁は相変わらずまだ動きがありません。

蔓実先生はどの先生に対してもツンのようで、
他事件の弁護団に誘ってもなかなかノってくれないとかなんとかという噂w
お姉さんは肝っ玉母さん弁護士で(と、同期の先生談)、やっぱり人権派でした。
姉弟揃って凄いです。

トゴタンはなんとか元気な模様です。




574:風と木の名無しさん
10/04/21 21:15:43 aGjIqC1/0
夜須末、氏の姐、蔓オジ漫画です。
続きます。
URLリンク(ux.getuploader.com)
pass:1113

575:風と木の名無しさん
10/04/23 14:34:30 PvHSVwSs0
ツイッターで拾ったオジーと夜須田先生情報です。
オジー、銭湯好きなのか…(*´Д`)ハアハア
ホッピーとか庶民的な夜須田先生に萌え。
(日本酒はダメで、焼酎大好き、マッコリも好きな模様)

>あと、ヒュ/ー/ザーの尾島社長(元)の自宅(元)も、
>うちから歩いて3分ほどですが、立派なおうちですよー。
>長いことFor Sale(ほんとに英語で書いてある)ってなってたけど、
>売れたのかなあ。本人は近くにお住まいのようで、
>近所のおじさんが「あの人、銭湯で時々みかけるよ」だそうです。
>2:35 AM Apr 20th webから


>常連の“ホッピーのおじさん”があの夜須田弁護士だって今日知った…
>すげぇ。どんな出会いがあるかわからんね。
>が…素性を知ってもうちには優しい“ホッピーのおじさん”

576:風と木の名無しさん
10/05/15 23:49:25 1Ql9n5tC0
>>565

事務所の床上にごろりと身体を投げ出し、僕は言っても詮無い愚痴に頭を巡らせる。
君が優し過ぎるから。君が、僕なんかの言うことを聞いてくれるから。だから僕は今こんな………
そうだね、間違ってる。悪いのは全部僕だ。深夜くんは何も悪くない。
僕が愚図愚図しているせいで、君が巻き込まれてしまっただけだ。
尾島さんのことも、結局それが原因だったのかもしれない。
僕が女々しいから、優柔不断だから、ずるずると関係を続けてしまって周りを巻き込んで…
「は、ぅあああっ…あ、んあっ、やぁっ」
その時、君の突き上げが急に激しくなり、僕は声を上げるのを堪えようとして自分のシャツの右袖に噛みついた。
「んぐっ」
痛い、痛い、止めて、もっとゆっくりして。
それを言葉にすることが出来ず、僕は片目で君の方を見た。
怖い。
がん、がんと床に叩きつけるように僕の中へと楔を打ち込んでくる君は、心底怒っているように見えた。
僕の腰を掴んでいた手を振り上げて、それをそのまま僕の頬に叩きこむ。
目の前が真っ白になった。頭が割れるように痛い。
その間も、僕の中への抜き差しは止まらない。
潤いの無くなってしまったそこからは、切り裂かれるような痛みしか感じられない。
「…馬鹿…」
じんじんと響く耳鳴りの向こうから、息を荒げた君の声が聞こえてきた。
「…どうせ尾島さんのこと考えてたんだろ。今は僕が麻ちゃんのこと、抱いてるのに。
 僕のこと、見ろよ。僕が今君に、してるんだぞ。なのに…
 どうして、僕の欲しいと思った人は、いつも…僕のこと見てくれないんだよ!
 どうして…いつも…いつも僕は…」
君は泣きながら、僕の上に覆い被さって僕の最奥部を穿つことを止めない。
ごめん。本当にごめん。激痛しか生み出さない交わりを受けながら、僕は謝罪の言葉を念じ続けていた。

577:風と木の名無しさん
10/05/21 17:10:49 RYD1ocYPO
末井先生がこれからやる国賠訴訟…って既に体震関係なくてすみません
URLリンク(uonome.jp)

同じ事務所の王口先生とやって
6月に福岡で裁判が始まるそうですが、
不在の間、夜須田先生がヤキモチやきそうな…(*´д`)

オジー最高裁は動きありません

578:風と木の名無しさん
10/05/28 17:47:59 84ZCWf+5O
本日、朝雛先生にオジー裁判についてあれこれ聞きました。以下。
「去年の10月に上告してから半年以上経ちますけど、最高裁、まだ何も言ってこないんですよ~。じっくり審理してると、信じたいですけどね。
よく、弁護士がのろいから裁判が長引くって言われますけど、
あれは実は裁判官がこなす件数多いのに問題があったりと、弁護士じゃないんですよ」
「尾島さん…最近会ってないですけど、あの事件は事件と割りきって別に進んでるみたいですよ。えっ、見掛けた人がいるんですかΣ(´д`;)
まだ覚えてる人もいるんですね。顔がめだつのかな…
いずれにしろ、彼はスケープゴートですよ。
国交省や議員なんて何も裁かれてないわけですから。酷い事件です。
関係者、みんな人生が変わってしまって…やるせない思いですよ」
「あっ、深夜先生も事務所独立したし、ぼくらも色々ありましたよ。長いですからね」


…だそうです。
相変わらず優しくていい声でした。
長いからぼくらも色々あったってナニが…(*´Д`)ハァハァ
やっぱり期待を裏切らない体震関係者は健在でした。

579:風と木の名無しさん
10/06/02 21:47:26 01wj8fk50
シューキンのBNに某教団の件で末井先生が出てました
URLリンク(p.pita.st)

580:風と木の名無しさん
10/06/03 03:35:33 JVJQb3Fm0
>>577

どさっ、と身体の上に重みを感じて、僕は途切れがちだった意識を取り戻していた。
君は酷く荒れた息を僕の耳元に吹き付け、僕の肩口を掴んだまま動けないでいる。
汗が滴り落ちてくる。息が熱い。触れ合った皮膚が熱い。
「ごめん、深ちゃん、ごめんね…」
僕の口から掠れた声が漏れると、僕の中の君がぴくりと蠢いた。
「深ちゃんがいてくれて良かった…尾島さんに捨てられて、僕どうしていいかわかんなくて…
 ありがとう、本当に。君に会えて良かった」
僕は素直にそう思っていた。深夜くんに会わなかったら、僕は自棄になって何かしでかしていたかもしれない。
喋り終えた僕の顎に手を添え、君は伏せていた顔を上げる。
「良かったって?本気で言ってるの?」
その視線の冷たさに、僕は思わず固まってしまう。
「こんな…酷いことされておいて」
君は僕の中から自身を引き抜き、そこに指を突き入れてかき混ぜる。
まだ熱く熱を持ったそこから、引き裂かれた傷の痛みが呼び起こされる。
「はっ…ん、い、や…っ、痛…」
「僕は、こんな酷い奴なのに?会えて良かったって?」
片方の肘で僕の首筋にじわじわと体重をかけ、君は泣きそうな顔をする。
「これでも『良かった』なんて言えるの?麻ちゃんは」
息が詰まる。痛い。苦しい。息が、息が出来ない。
抵抗しようともがく間に、また気が遠くなりそうになった。
嫌だ、死にたくない、だけど。
歪んだ視界の中の君の泣き顔が僕の目に焼きつく。
僕が君にそんな顔をさせたんだ。
僕のこと、好きだって言ってくれたのに。
僕は今まで散々君に酷いことして迷惑かけて、だから、これでおあいこだよ。
もういいんだ。いいんだ。




581:風と木の名無しさん
10/06/03 03:36:04 JVJQb3Fm0
「馬鹿っ!」
頬を叩かれて目覚めるのは、あまり気持ちいいもんじゃない。
「…ああ、馬鹿だよ…」
「なんで嫌がらないのさ!なんで、抵抗しないんだよ…!」
僕の上に馬乗りになったまま泣きじゃくる深夜くんの腕をとり、僕は大きく溜め息をついた。
「なんでって、馬鹿だからさ。君のことが好きだけど、尾島さんのことも忘れられない。
 君は蔓実さんのこと好きだってわかってるのに」
君の頬を伝って落ちる涙、とても綺麗だ。
「死ななきゃ治らない馬鹿だったのさ…残念ながら」
でも、君の笑った顔の方が素敵だよ。


582:風と木の名無しさん
10/06/08 10:32:25 sX947FOa0
明日、18:30からネット中継生放送で夜須田先生が出るのがあります
URLリンク(opinion.infoseek.co.jp)

583:風と木の名無しさん
10/06/08 11:31:28 22vsYppMO
すみません、今日でした

584:風と木の名無しさん
10/06/09 00:09:54 Qvr0U4mJ0
>>582

「麻ちゃん…尾島さんと何があったの?言いたくないんなら聞かないけど」
しばらくして、俯いたまま君はぼそっと呟いた。うん、当然の疑問だな。
僕は、もう隠すつもりもなくなっていたから、さっきのことを出来るだけ淡々と話した。
頭の中で物事を整理して話すうちに、僕は尾島さんの行動の裏を読み始めていた。
人がそれまでの人間関係を清算しようとするのは、そう遠くない時期に生活の拠点を移そうとしている場合と、
実は新しい人間関係を作るために、それまでの自分の過去を無かったことにしようとしている場合だ。
尾島さんは、どっちなんだろう。
まさか新しい相手と…いや、そんなタイプじゃないなあの人は。
いずれにしても、僕が尾島さんの方から交わりを断たれてしまったことには変わりはないけど。
元々、尾島さんから誘われて始めた仲なんだし、僕自身も『いつかは終わる関係なんだ』と
自分に言い聞かせ続けてきたのだから、何時捨てられても仕方がなかったんだ。
さっきはいきなり言われてショックだったけど、今は落ち着いて考えることが出来る。
僕は飽きられたのかもしれないな。そうだよ、きっと。
でも尾島さん、本当に蔓実さんとも別れるつもりなんだろうか?
信じられない。あんなに好き合っていたのに。
そう僕が言うと、君は首を振って半ば喚くように叫んだ。
「わかるわけないじゃないか、そんなこと!誰にもわからないよ、尾島さん以外には!
 蔓実さんとあんなに愛し合ってて、君ともそんなに簡単に…!嘘だよ!嘘だそんな…」
まるで自分が別れを告げられたかのように君は取り乱している。
感情移入し過ぎちゃったのか、蔓実さんに、尾島さんに、それとも僕に?
他人のことを我がことのように捉え過ぎる君の共感能力の高さは、
弁護活動に於いても私事でも、有利に働くよりも不利な時の方が多すぎるとは思っていたんだ。
それとも、僕を憐れんでくれてるのか?『別れる』って言葉が嫌いなだけ?過剰反応してる?
「深ちゃん、大丈夫だよ。蔓実さんにはまだ尾島さんのこと聞いてないんだから。落ち着いて。
 尾島さんには何か僕には言えない理由があるんだよ、そうだろう?」

585:風と木の名無しさん
10/06/09 00:10:25 Qvr0U4mJ0
寝転がったままの僕の上に泣き崩れてしまった君を、僕は両腕で抱き締めていた。
ついさっきまで僕のことをギリギリまで責め抜いてくれた人間と同一人物とは思えないくらい、君は儚げで消え入りそうだった。
真面目で裏がなくて、馬鹿が付く程正直で頑固で。
男相手に思っちゃいけないかもしれないけど、可愛いよ。
こんな君に『好きだ』なんて言われて、ちょっと鼻高々だな。
でもさ、もうそんなに泣かないでくれよ。泣いた跡が残っちゃうだろ。
「ねえ、ちょっと頼みたいことがあるんだけど…いい?深ちゃん」
ずっとしゃくり上げ続けている君に声をかけるのは少し気が引けたけど、
僕の気力が残っているうちにこれだけは言っとかないと。
「え?何?」
「あのさ、そこの洗面所の下の棚に、バケツとタオルが入ってるんだ。
 悪いけどそれで…拭いてくれない?その、僕…のこと」
君は一瞬目を見張って、そして何故かふっと笑った。
「後始末かい?うん、いいよ」
真っ赤な目を瞬かせて、君は立ち上がった。
それから甲斐甲斐しく僕の世話をしてくれた。
冷たいタオルで身体のあちこちを拭いてもらって、すごく気持ち良くなったんだけど、最後に…
後ろを拭かれて、やっぱり痛くて、僕は盛大に呻いてしまった。
マズイ、と思って君の顔を見ると、ギュッと唇を噛んでとても辛そうにしている。
「ごめん…我慢できなくて」
僕がそう言っても、君の目からはまた涙が溢れてきて止まらない。
まいったな。そんなつもりじゃなかったのに。
「今日は最悪だな。さっきから君のこと、泣かせてばっかりだよ。君に助けてもらったくせに、さ。
 僕は…ねえ、どうしたら君に笑ってもらえるんだろう?」
……言った端から恥ずかしくなってしまった。これって完全に口説き文句だよね。
君はまだ涙目のままで、でも目の光は取り戻してて、僕のこと真っ直ぐに見詰めてきた。
「麻ちゃん、じゃあさ、明日はずっと僕に看病させてよ。でなきゃ許さないから」
えー明日も仕事が…でもこれじゃ座り仕事はきついし…事務員さんに何て言い訳しよう、
そう考えてたら、君は悪戯っ子のように口の端を吊り上げて笑った。違う、そんな顔して欲しかったんじゃないよぅ。

とりあえず。

586:風と木の名無しさん
10/06/19 05:11:16 YOTKN9UmO


587:風と木の名無しさん
10/06/29 02:41:29 hnFJrKYd0
保守ついでに夜須田先生 URLリンク(p.pita.st)
実にけしからん二の腕です(*´Д`)=3 '`ァ'`ァ

588:風と木の名無しさん
10/07/04 05:05:21 GeaS9GmhO
王口先生曰く蔓実先生は相変わらずバイクに乗って大変元気にしてるとのこと
つやつや~とかなんとか
末井先生もエキセントリックな感じで「元気に頑張ってるよ~」とか
末井先生はあの事務所で一番はつらつみたいですw
どんな風にかは知りませんが

589:続く
10/07/06 23:16:21 PAXXtFbmO
まただ。また下手を打ってしまった。
あれだけ仕事で失敗しておいて、詰めの甘さがどういう事態を引き起こすか身に沁みて知っているはずなのに。
とっくに済んだはずの昔の話を蒸し返されて、しかもその筋へややこしく歪曲されて伝えられ、
挙げ句の果てに、落ちぶれた我が身を付け狙われることとなってしまった。
誰を責める訳にもいかない、全て自分の後始末が不完全だったからなのだが。
(やっぱ土地が絡んだ話は根が深ぇな。今更気づいても遅ぇけどよ)
尾島の唇が苦っぽく歪む。
昔から信頼していて取り引きしてきた業者にネタを売られて、
それをタネに強請られる、という構図は、老いを感じ始めている身には殊の外厳しく響いた。
もう誰も信じられない。
今の時点では、誰が信じられるか・信じられないかを判断する手だてが自分にはない。
尾島に出来る最良のことは、しばらく誰とも接触を断って山にでも籠もってしまうことだろう。
家族・親戚・交友関係は真っ先に調べられているはずだ。それを頼るなど有り得ない話だ。
仕事の関係者…それは寧ろ新しい情報源になってしまうだろう。
では、弁護士は。
尾島は力なくかぶりを振る。
(迷惑なんてかけられねぇよ。いくら口が

590:続く2
10/07/06 23:23:48 PAXXtFbmO
堅くっても…皆家族がいるってのに)
そういえばこの間、田舎へでも戻ろうかと考えて、麻雛に別れ話を振った所だった。
渡りに船だ。このまま消えちまおう。
そう考えついた時、乗っていた電車がガクンと振動し減速しだした。
普段使わない駅名を耳にし、尾島は痛む身体を叱咤して立ち上がる。
さっきは、襲われたのが駅のホームで幸いだった。
数人に囲まれて殴る蹴るされていた所を駅員に見咎められ、
相手が隙を見せた時に滑り込んできた電車に何とか飛び込むことが出来たのだ。
自分はこれから夜の闇に紛れて、元居た仮の住まいまで辿り着かねばならない。
山に籠もるとしても当座の資金がいる。危険は承知の上だ。
尾島は、鉄臭くカサついた唇を今一度噛み締めた。

591:風と木の名無しさん
10/07/07 01:45:10 d/BJeZ5V0
>>590-591
いつも乙です

七夕ネタ 麻雛×深夜
URLリンク(ux.getuploader.com)
pass 0707

4月に投下した続きがまだ途中でうpできず済みません

592:風と木の名無しさん
10/07/21 11:17:40 srpP7/PmO
トゴタン誕生日おめ!ほしゅ

593:風と木の名無しさん
10/07/28 04:27:39 NXgE3OWFO
蔓実先生誕生日おめ!

オジトゴ、蔓オジまんがです。
URLリンク(ux.getuploader.com)
pass:0728



594:591
10/08/01 00:00:21 LNC0s4P0O
駅前の雑踏を抜けて一息ついた所で肩を叩かれ、深夜は振り返った。
「よお、久しぶり」
「あ、蔓実さん…」
「最近会わなくなったね。事務所が変わったからか、な」
TシャツにGパン、という相変わらずのラフな格好に、のんびりとした蔓実の声。
深夜は、少し複雑な表情を浮かべて頭を下げた。
「そうですね、暑くなってから忙しくて」
「ふーん…ねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
そう言って一旦言葉を切り、眉をひそめる蔓実に、深夜は小首を傾げた。
「はい、何ですか?」
「あのさ、尾島さんのこと何か聞いてない?電話かけても全然繋がらなくってさ」
それを聞いた深夜の顔に劇的な変化が訪れた。
見る見るうちに顔が曇り、そして真っ赤に染まり、最後には青ざめて涙ぐんでしまった。
「蔓実さん…」
「え?な、何、深夜くん、僕何かマズいこと言った?」
突然のことに焦る蔓実に、消え入りそうな、それでいて冷たい声で深夜は答えた。
「知ってて言ってるんだったら、それって酷い侮辱ですよ」
どういうことだ。心底、訳がわからない。
そう目で訴える蔓実に、深夜は道端のベンチを指差してみせた。
「座りましょう。僕、立っていられそうにない」

595:風と木の名無しさん
10/08/03 06:54:21 O+ww0ITt0
蔓実先生、事務所の場所が変わりますた
新宿2丁目近くて(*´д`)ハアハア
URLリンク(niben.jp)
ついでに先生のお姉さん。よく似てますw
URLリンク(niben.jp)

先生姉はW大の中○派だったそうで、姉弟そろって活動家の模様。
蔓実先生がそのむかし三里塚でやんちゃして検挙されたときは面会に行ったのだろうかとか妄想。


596:595
10/08/03 23:53:23 +1M7lPSKO
まだ昼間に照りつけていた太陽の熱気が立ちのぼっている道路の上を、
氷の様に冷え切った深夜の声が流れていく。
「…それで麻雛くんは尾島さんに、もう終わりだって言われて…
あなたとも終わりにするって言われて、もう田舎に帰るからって。
麻ちゃん、泣きながら歩いてて…あんなに泣いてるの、初めて見たんです。
なのに僕は、慰めようとしたのにかえって彼を傷つけてしまって…」
不意に言葉を切り、足元の小石をぐりぐりと踏みつける仕草をする深夜。
声をかけづらく感じた蔓実は、何となく同じように、座っていたベンチの台を蹴りつけ始めた。
うだるような暑さとは正反対の、重苦しい雰囲気に包まれて、二人は押し黙ったままただ足元を見つめていた。
どれくらいの時が流れただろうか。
次に口を開いた深夜の声は、どこか悲鳴にも似たものだった。
「僕にはどうしてもわからないんです!あなたは尾島さんのこと、本当に知らないんですか?!
尾島さんは、あなたと別れるつもりなんですか?!僕は…僕には、理解出来ない!
あなたが知らない訳なんてないんだ!あなたが…こんな、馬鹿な…!」

597:595
10/08/04 02:45:07 Z0Qq0FKMO
しゃべっていくうちにどんどんトーンが高く上がっていく深夜の声を止めたのは、その片口をがっしりと掴んだ蔓実の手だった。
「……!」
「ねぇ、ちょっと、落ち着いて」
徐々に辺りには夕闇が迫り始め、道端の商店や街灯の灯りがぽつぽつと灯ってていく。
薄暗い中でも、その見開いた目に涙を湛えていたのは蔓実にもわかった。
だからだろうか、蔓実は手の力を緩めて深夜の背を優しく撫でた。
「君が僕のこと、信じられないのも無理はないか。
それが、僕の今までしてきたことの結果、なんだろうからね。
でも僕は本当に何も知らないんだよ。
寧ろ、何で麻雛くんには言ったのに、僕には何も言ってくれないんだってショックを受けてるくらいだよ」
思わずはっとして居住まいを正す深夜から視線を外し、蔓実は立ち上がった。
「尾島さん、そんなこと言ったのか…どうして僕には何も言ってくれないんだ…」
そばにあった電柱に、軽く拳を叩き付ける。何度も、何度も。
深夜は、両手で顔を覆って泣き顔を隠そうとしていた。
また、やってしまった。
どうして自分は、人を傷付けることしか出来ない?
一昨日は、麻雛を慰めようとしてその身体も心もぎりぎりまで追い詰め、今また蔓実をも傷付けてしまった。
どうしようもない馬鹿者だ、自分は。
要するに、自分が可愛いだけなのだ。
自分が満足したいから、人を傷付けて悦に入っているだけなのだ。
最低だ。
だが、いくら後悔したところでもう遅い。時は元に戻らない。
それでも謝らなければ。女々しく泣いているだけでは駄目だ。
深夜は己を叱咤して何とか顔を上げた。

598:595
10/08/04 03:12:47 Z0Qq0FKMO
「ごめんなさい…」
「…深夜くん」
「僕、酷いこと言って…あなたのこと侮辱して、僕は…自分のことばっかり…」
声を震わせる深夜に歩み寄り、蔓実は鋭い視線で深夜を射すくめるように見つめた。
「君の言ったことが全部本当なのかどうかは僕にはわからない。
でも僕は、尾島さんのこと信じて待つよ。
尾島さんにも、何か事情があるはずだ。そのうち僕にも訳を話してくれるはずさ。
僕はそれを信じて待つだけだ」
深夜は…もう我慢出来なかった。蔓実の胸に顔を埋めて泣いた。泣き崩れた。
泣き声の合間に小さく『ごめんなさい』と繰り返す深夜の背を撫でながら、
蔓実は少し口を尖らせてみせる。
「麻雛くん、羨ましいなあ。尾島さんと君に、そんなに愛されてさあ」
しゃくりあげながらも、それを聞いてつい蔓実を小突いてしまった深夜に
蔓実は軽く抱き締めることで応えた。
「深夜くんだって、愛されてるんだよ。他人のことに、こんなに一生懸命になれるって素晴らしいことじゃないか」
深夜は耳まで真っ赤に染まり、また蔓実を小突き返した。

以上です

599:風と木の名無しさん
10/08/06 00:39:47 77yDGTM6O
いくら家の中にいる、と言っても、この暑さの中ではへばってしまう。
(まあそれでも野宿よりゃ遥かにましだ。んなことくれぇわかってるよ)
尾島は、ペットボトルの茶をぐいっと呑み込むと大息をついた。
障子を閉め切って薄暗くなっている室内は、このところの猛暑で息苦しいほどの暑さとなっており、
水分を摂っても摂ってもそれが汗となって流れ出していってしまう。
その中で尾島は、クーラーも扇風機も点けずにただごろりと横になっていた。
(冷蔵庫が無きゃ、今頃死んでるな)
部屋の片隅で軽い振動音をたて続けるそれをちらっと見やり、尾島は額の汗を拭った。
仮住まいの家に密かに舞い戻ってから、既に一日半が経過していた。
追われている相手に、自分がここに潜んでいることを知られたくない。
電気メーターを派手に動かさないために、冷房は全く使わない。流しに水を流さない。
トイレも流さない。
足元に出来上がってしまった、汗を拭いたタオルやハンカチの類の山を眺め、尾島は
(さぞや今、この家の中は酷い臭いで満たされているんだろう)と苦笑していた。
とはいえ、何時までもここに居る訳にはいかない。
やがて、食糧や水の尽きる時がくるだろう。家の中へ踏み込まれるかもしれない。
そうなる前に何とかしなければ。
後、数時間。闇が全てを覆い尽くしたら。人々が出歩くのを止め、眠りに就く時刻になったら。
なけなしの金を手に、当ての無い旅へ出掛ける、尾島はそう決めていた。

600:風と木の名無しさん
10/08/09 00:59:26 9DYWWrTQO
がらっ。開くはずのない玄関の戸が開く音がした。
「………っ!」
瞬時に身を起こし、尾島は音の方向へと身構えていた。
今のは何だ。確かに玄関に鍵は掛けたが、その筋にかかれば開けられない代物ではない。
ついに追っ手がここまで来たか。
尾島の顔がひきつり、今まで流れていたのとは違う汗が冷たく脇の下を伝い落ちる。
誰が入ってきた?どうして?今そいつはどこにいる?
俺は隠れるべきなのか?逃げるべきなのか?どうする?
考えるうちに頭の回線がショートしそうになり、思考停止してしまう。
その間にも、人の気配が壁の向こうから徐々にこちら側に移ってきそうになり、尾島はたまらず押し入れの戸を開けて中に潜んだ。
何か色々な物を出しっぱなしのままだったが、そんなことに構っていられない。
「………」
「……」
廊下を静かに進んでいた何者かが、障子を開けて室内に入ってきた。
心臓の鼓動がドクドクと高鳴る。こめかみが痙攣する。
戸の隙間から覗いていた尾島は、暑さと緊張で立ち眩みを起こしそうになるのを必死に耐えていた。
何者かは、部屋の真ん中で所在なさげに辺りを見回し出した。
「……誰かいる?尾島さん?」
え……ちょっと待て、こいつは。
「…おい、こんなとこで何やってんだ!富士田!」
思わず叫んでしまった尾島に、富士田はビクッとして身を引いていた。
「あー…驚いた―!もう、連絡がつかないっていうから心配して見に来たんですよー!」
怯えた表情を一変させて抱き付いてくる富士田に拍子抜けしながらもつい懐かしさを感じてしまい、尾島はその背に腕を回してしまっていた。
「心配しちゃいましたよー!」
「…そういえば久方ぶりだな、おい。…で、誰が連絡が取れないって…」
その時、いきなり室内に雪崩れ込んできた数人の尾男に囲まれ、寄ってたかって殴られ、二人は意識を失い倒れた。


601:風と木の名無しさん
10/08/09 20:36:56 EMBNsVcUO
昨日、夜須田先生に訊いたのですが、オジー最高裁はまだ動きなしとのことです。
「上告して10ヶ月もたっていて異常な状態。もしかしたら裁判一気にやる気なのか…それとも蹴る気なのか」と読めない模様です。

喉がガラガラで喋るの辛そうでした('A`)

それと「末井さんはいたって普通の弁護士なんだけど、たまたま扱った事件が大きいだけだからなぁ。よくやってくれてるよ」とのこと。

普通の…なんですかw

602:風と木の名無しさん
10/08/12 11:49:23 5up7LkutO
がやがやと声がする。耳障りでがさつな声。
やかましい。黙れ。
そう叫ぼうとして口を動かすが声が出ない。
口がカラカラに乾いていて、喉が重い。
どうしたんだ一体、と再び叫ぼうとしたところで横っ面を張られ、俺は強制的に目覚めさせられた。
「おい、起きやがれ!」
「何時まで寝腐れてるつもりだ!」
…聞き覚えのある声だ、と思った。
かつての俺の持ち会社と、ライバル関係だった企業の使いっ走り連中だ。
その当時、部下が困った顔で回して寄越した電話に出てみると、
このがさつな声があること無いことを様々にがなり立て、辟易してしまったことが幾度となくあった。
こんな面をした奴らだったか。あの声にこの面なら、まあ分からんこともない。
特に想像力も必要としないな、と俺は一人で納得していた。
「…おい、聞いてることに答えやがれ!野郎、だんまりで逃げ切れると思ってやがるのか!」
ああ、がなり立てる文句の中身までも想像通りだ。分かりやす過ぎて泣けるぜ。
(俺だって似たようなことをやってきたんだからな)
とすると、この後の展開も予想通りということなんだろう。
今から俺はこいつらにしこたま殴られ、昔の取引相手とのいざこざの一部始終を吐け、と責め立てられる。
勿論俺は口を割らない。その理由は、俺が自分の墓の中まで持ってかなきゃならねえもんだ。
そして奴らは言うだろう、こいつがどうなってもいいのか、と。
こいつは…何でしゃしゃり出て来やがったんだ、今更。
富士田め。
何も今になって、俺の家なんぞに入って来やがらなくても。

603:風と木の名無しさん
10/08/13 00:04:57 8C/WL/VPO
この狭い部屋の、床の上に寝転がっている富士田の口の端から、赤い筋が一本伝い落ちている。
(まさか殺しちゃあいねぇだろうな)
数人の男に代わる代わる殴られながら、それでも富士田の姿から視線を外すことが出来ない。
指一本、眉一筋でいいから動かしてくれ。
生きている証を見せろ。
そう心の中で叫んでしまうくらいに、今の富士田は血の気を無くしていた。
それから何秒、何分経った後だったか。
富士田の顔が軽く引きつって呻いた時には、俺は下っ腹を押さえながら喝采を上げてしまった。
もっともそれは、殴られた末の罵り声にしか聞こえなかったが。
全く、どこまでお人好しなんだ俺は。
肉親でもない野郎のことなんざ放っておけば良い。野郎が勝手にのこのこ来やがっただけのことだ。
そんなことより自分の心配でもしろ。殴られ過ぎて血反吐が出てきちまったぜ。
ああ、身体中がいてぇ。頭がぼーっとしてきやがった。
「…こいつ、さっきから何見てやがんだ?そんなにヤツが気になるんか」
うるさい。放っとけ。
「こいつの情夫なんじゃねえの」
奴らが顔を見合わせて笑った。その中の一人がふん、と鼻を鳴らして場を離れていった。
「…おい、こいつの服脱がせてみようぜ」
襟首を掴んで引き上げられる富士田の顔が、人形のように生っ白い。
止めろ、そいつに触るな。叫びたいのをぐっと堪える。
俺が何を言っても無駄だ。俺に出来ることは、せめて、今から尻に突っ込まれるであろう富士田のことを見ないでいてやること位だ。
だが俺のささやかな願いは、直ぐに手ひどい仕打ちに取って変わられる。
「ほらよ、特等席だぜ」
ぼろぼろになった身体を押さえつけられて、富士田の方へ向けられ、俺はヤツの泣き声を、喘ぎを、流す涙を正面から見据える羽目になった。
畜生。どうして、こんなことに。
塩っぺぇと思ってた血の味だったが、今日は苦ぇ。とてつもなく苦ぇぜ。
ヤツの喘ぐ姿が、俺の目の中でゆらゆらと揺らめいていた。

604:風と木の名無しさん
10/08/15 01:58:16 bft5Vhp7O
「…こいつ、やっぱり慣れてやがるぜ」
「うわ、良く締まるな…女より凄ぇ」
「あんな所に情夫を連れ込んでやがったのか。このスケベジジイ」
奴らは次々に富士田の尻を犯し、時折思い出したように俺を殴っては嘲っていた。
今は、俺にゲロさせるよりは奴ら自身の楽しみを優先させているようだ。
俺はなるべく何も反応しないようにして、その場にうずくまっていた。
今になって騒いだところで、多勢に無勢だ。俺が何かしでかしたとしても、奴らが富士田を放すとは思えない。
先ず、俺の身体が持たない。倒れて頭を何度も床に打ちつけてるから、正直ふらふらだ。
奴らを蹴散らして富士田を助け出す、なんて芸当は俺には出来ねぇ。
だからといって、悔しくないわけが無ぇ。
何も反応をしない…?無理だ。絶対に。
知らぬ間に奥歯は噛み締められ、爪は手のひらに食い込み、情けないことに息子は緊張して勃ちっ放しだ。
見るまい、と思っても、目は富士田の方へ吸い寄せられてしまう。
かつての俺がヤツにやらかしたような酷い仕打ちを、富士田は延々と受け続けていた。
俺の心は憤怒と悔しさで逆巻いていた、だが、何故?
奴らの言うとおり、富士田はただの俺の情夫だ。他人に犯された所で俺の腹は痛まねえ、そうだろう?
どうしてこんなにヤツのことを気にする?
(理由なんて、わからねえよ)
言葉や理屈じゃ説明出来ない何か。
愛だの恋だの、そんな生温いもんじゃない何かだ。
くそっ。俺の脳味噌も沸いてきやがったか。
使いっ走り共がどうにか弾を撃ち尽くした頃、富士田は目を剥いて気を失い、
俺は頬を張られてまたしても床を舐めた。
もう、どうとでもなれ。いや、どうにもならない。
人生とは、かくもままならないものなのだ。

605:風と木の名無しさん
10/08/18 01:24:16 9Q3dRgfXO
「…さん、尾島さん!起きて!お願いだからっ」
うるせえな。そうやいのやいの騒ぐな。
「俺、眼鏡がないからよく見えない…俺のズボン、どこにありますか?ああ、早く起きてってば」
全く、騒がしいヤツだな手前ぇは…あ?富士田?ってことは、今俺は…気絶してたのか。
気の抜けた声で呻くと、もげて転がり落ちそうなくらいに重い頭を二、三回振り、俺は声の主を探した。
俺の身体は、殴られたせいか火の付いたように火照り、関節がぎしぎしと軋んで痛んだ。
腫れ上がって塞がりかけた目の縁に、富士田の姿が映った。
ヤツは裸のままで後ろ手に縛られ、芋虫のように床に転がっている。
もぞもぞと身体を動かし、何とか俺の方へ這い寄ろうとしているようだが、
残念ながら目が見えていない。ちょっと見当違いの方向だ。
俺の方は、と見ると、右手首を手錠で金属の配管につなぎ止められていた。
それ以外は、ここに捕らわれてきた時と同じ格好のようだ。
ん?この手錠…何だ、チンケな物使ってやがるな。
近くにあったパイプ椅子に手を伸ばして折り畳むと、
俺は手錠の真ん中の部分をそれに何度か打ちつけてみた。
ほらな。チョロいもんだ。
がちゃりと外れた手錠を床に投げ捨て、俺は富士田に駆け寄った。
「おい、富士田!大丈夫か!全く、何だって手前ぇは…」
「あ、尾島さん…!良かった…」
富士田は安心したのかふっと目を閉じてしまった。
まぁいい。俺がそれに構わずヤツの戒めを解こうとすると、
「待って尾島さん!それより、俺のズボンはどこにありますか?早く、早くしないと…」
富士田は身を捩って俺に抵抗した。一体何だってんだ。
ズボンならそこにあるぞ、と指差すと、ヤツは息急ききって叫んだ。
「ポケットの中のハンカチを出して!窓を開けて、それを何度も振るんです!」

606:風と木の名無しさん
10/08/20 01:01:37 ZZMXUidrO
おいちょっと落ち着け。お前ぇ一体何しゃべってるんだ?俺にはさっぱりわからんぞ。
ハンカチって何だ。それよりお前ぇの手足を…。
「ああもう!説明は後です!あいつらが戻ってきたらお終いなんだから!とにかく俺の言うとおりにして下さいって!」
普段回りくどくしかしゃべりやがらねぇヤツが、何時になく一気にまくし立てて俺のことを急かす。
こいつの言うがままに動いてやるのも癪だが、どうやら他に選択肢は無さそうだ。
部屋の隅に放りやられたズボンを探り、今時珍しい白のハンカチを取り出すと
俺は光の指す方を見上げた。
俺達の押し込まれている部屋は妙に天井が低かったが、
明かり取りの窓はその天井間際の壁に申し訳程度に小さく設置されていた。
この造りから見るに、元々この部屋は倉庫にでも使われていたんだろう。
俺の低い背では、それでもあの窓には手が届きそうにない。
窓の下を見ると、柄の曲がった傘が一本転がっていた。
ついさっき、俺の身体をしこたま打ち据えてくれた代物だ。
こいつを使えば窓を開けられるかもしれん、俺はそれを手に取り窓の方に差し上げた。
目の周りの腫れのせいで視界が狭かったが、尖った先端で窓枠をつついてみる。
動く。少しづつだが。
人間が潜り抜ける訳では無さそうなので、大して開かなくても大丈夫だろう。
じりじりとした時間が流れる。
俺は無言で作業を続け、富士田は泣きそうな顔で俺の方を見つめていた。
………よし、開いたぞ。俺は傘の先端にハンカチを結び、隙間から外に向けて差し出した。

607:風と木の名無しさん
10/08/24 02:01:52 RIs+xZ0kO
五回、いや四回ほどハンカチを左右に振れただろうか。
その時、ドアの外に数人の男達の話し声が聞こえた。
どうする。奴らが入ってくるぞ。今窓を閉める時間はない。奴らにこの傘とハンカチを見られたら?
瞬時にこれだけのことを考えると、俺は本能的に傘を窓から引っ込め、ハンカチを傘から外し、
その傘を遠くへ放り投げて手錠のそばへと舞い戻った。
右手首に手錠を、そう思った時にはドアはがちゃりと開けられ、奴らがどやどやと中へ入ってきた。
「…ああ?何だこいつ、背中向けやがって。何してんだ」
俺は丁度ドアに背を向けて床に座り込んでいた。
落とした手錠を拾おうとして自然とそうなった次第だが、結果として奴らから自分の手元を隠すようにしていたんだ。
だが…俺が今恐れているのは二つの点だ。
一つは窓が開きっ放しになっていること、もう一つは手錠が外れたままになっていることを気付かれそうだということだ。
…結論から言うと、奴らは何も気付かなかった。
「おい、こっち向きやがれ!」
手の早い男が、そう言いながら俺の背中を蹴りつけてきた。
これ幸い、と俺は壁にぶつかっていき、そのどさくさに紛れて手錠を手首にはめ直した。
何とか誤魔化せたか…あのハンカチにどういう意味があるのか知らんが…あの合図で助けを呼べたってことか?富士田よ。
振り返った俺の目に、鈍く黒光りするペンチが映った。
「もう殴り疲れたからな。吐かねえんだったら、指一本づつ潰してやる」
さっと青ざめてしまった俺の口に、落ちていたハンカチが押し込まれる。
「指は二十本あるんだ。たっぷり楽しめるな。いや…四十本あるか?」
男の口がいやらしくつり上げられて俺と富士田を交互に見た。
くそっ!止めろ!振り払おうとする手を掴まれて押さえ込まれ、小指の先をペンチで挟まれる。
身構える間もなくがっちりと締め付けられ、俺はのけぞって叫んだ。駄目だ…我慢出来ねえ…っ!
痛い!指先が千切れそうだ…神経を直接…だ、駄目だ、もう…
叫び続ける俺の意識がふっと途切れた。

608:風と木の名無しさん
10/08/25 00:11:01 +LmLfvFSO
水をぶっかけられて目覚めるってのは、あまり気分のいいもんじゃない。
まあ小指の先を詰められてる時点で既に最悪だがな。
くそ、人の指だと思って滅茶苦茶やりやがって…。
悪態をつきながら薄目を開けると、富士田が寝転がったまましゃくりあげているのが見えた。
手足はまだ縛られたままか。よし、お前ぇはまだ無事だな。
無事って言っても、掘られちまった後じゃあ無事もへったくれもねえやな。
「おい、いい加減に吐いちまえよ。達磨にして欲しいのか?」
まだ俺と金属の配管とを繋いでいる手錠をぐいっと引っ張り、男が下卑た声を浴びせてくる。
…ああ、止めろ止めろ俺の指に触るなっ!
そんな潰れた指の爪を生爪を止めろ止めろ止め、うぐ、ああああああぁっ!
「…これですっきりしたろ。次は隣の指か?それとも足の方がいいか?」
…お、俺の指…生爪、剥がしやかった…畜生、血が…骨が出てるじゃねえか、くそっ…痛ぇ、すげー痛ぇ…
また意識が朦朧としてきた。叫び過ぎて頭に血が回らなくなったからだ。
…あ?何だ?部屋の中に金属的な音が…誰かの携帯か?
「あぁ?どうした?…手入れだと?!わかった。…おい、全員事務所へ行くぞ。ここは鍵かけとけ」
その声に、奴らは立ち上がってぞろぞろと部屋を出て行っちまった。
手入れ…そう言ったな、確か。誰かがあの合図を…ハンカチを見ててくれたってことか?
富士田よ、後で説明するって言ってたが結局まだ聞いてねえぞ。
どっちにしろ、これで気づいてもらえなきゃ俺達にもうチャンスは無いってわけだ。

609:風と木の名無しさん
10/08/27 00:34:06 +RYIZgllO
ズキズキと脳天まで響く指の痛みを無視し、俺はその場に立ち上がった。
目眩がする。血の気が引いて倒れそうになる。
それもかなり強引に無視してやる。
一時的に白黒になっていた視界が徐々に色付き始め、細部まではっきり見えてきた。
と…富士田め、まだめそめそと泣いてやがる。
おい、聞こえるか?いい加減に泣き止め、時間がないって言ったのは手前ぇだぞ!
ハンカチを振れってお前ぇに言ったのは誰なんだ?
誰がお前ぇに、俺の様子を見に行けって言ったんだ?
「…う…蔓実さん…が」
ふん。やっぱりそうか。なら、何とかなるかもしれねえな。
俺は右手で手錠を掴み、壁に直接鍵の部分を叩きつけた。
もう奴らはここにはいないんだ、盛大に音を立てても構わないだろう。
程なくして手錠は外れた。
俺は足元のハンカチを拾うと、再び柄の折れた傘に結びつけ、窓へと高く掲げた。
ここだ。俺達はここにいる。気づいてくれよ。
ハンカチは最早真っ白じゃねえけど、それでわかってくれよ、俺達の今の状況を。
ちょっと動いただけで俺の左手は酷く痛んだ。
流れていた血は止まったが、手全体が赤黒く腫れ上がり、まるで小指の先に脳みそが付いているように感覚が鋭くなっている。
泣き叫びたいところだが、泣いても痛みは消えない。
一度は捨てようと思った世間だが、今はそれに縋りたい。まだ死にたくない。助かりたい。
人間ってのは勝手なもんだな。
どうにもならない人生の中で、それでもどうにかなろうと足掻きまくる。
俺の頭の中も支離滅裂になってきた。
この痛みを消してくれるんだったら何でもする、何でも。
そして、酷い耳鳴りのせいでつんぼになっていた俺は、背後の動く気配に振り返った。
そこには、さっきの奴らのむさ苦しい顔が…畜生、駄目だったか…
青ざめて倒れそうになった俺の目に、最近トンと会わなくなっていた懐かしい顔が映った。
先生。先生よ。すまねえ。また、やっちまったよ。
俺…もう、泣いても良いかな?

610:風と木の名無しさん
10/08/30 08:09:53 vYMbA/mSO
オジーについての本が新聞に出てました
裁判でも使われたリムジン内部での会話の豪華CDつきだとかw
久々に燃料投下とか
いまだに期待を裏切らないなぁ…
URLリンク(q.pic.to)

611:風と木の名無しさん
10/08/31 02:07:47 QxZhWXQnO
「…あ、また窓に何かが…赤い布?蔓実さん、さっきと同じ窓から赤いハンカチが振られてます!」
「わかった。こっちはビルに踏み込んだ所だ。もう切るよ深夜くん」
携帯をズボンのポケットに突っ込みながら、蔓実は警官達の後に続いていた。
夜須田に用意してもらった小型発信機は、富士田のズボンの裾に仕込んである。
それで富士田と尾島の二人の居場所はほぼ特定出来ていた。
二人が監禁されていると思われるビルの、窓のある北・南両面を監視すること十数時間。
北側の小さな変形窓がじわじわと開けられ、白いハンカチが振られたのを見た時点で、蔓実はかねてより馴染みの刑事に一報を入れていた。
あまり乗り気でなかった刑事を「今乗り込めば、現行犯で押さえられるから」と説得し、
従業員との押し問答の末に一行はそのビルの階段へとなだれ込んでいた。

612:風と木の名無しさん
10/09/01 01:35:04 zlCeVEn8O
問題の部屋の窓は二階。
階段の位置から考えて、おそらく登った先の踊場を少し戻った辺りか。
そう、例えばこのドアはどうだ?
「野郎、勝手なことしやがるとただじゃおかねえぞ!」
そう凄んでみせる従業員に『ありがとう、それが答えだ』と蔓実は内心でほくそ笑んだ。
鍵のかかったドアに数回体当たりをくれると、蝶番を軋ませてそれは開け放たれた。
次々に部屋の中へ押し入る警官、従業員、そして蔓実。
まず目に入ったのは、手足を縛られて床の上に転がっている富士田…
明らかに陵辱されたとわかる惨たらしい痕が身体中に刻まれていた。
そして窓の下に茫然として立ち尽くしている尾島…
手には傘を持ったまま身動き一つしない。



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