08/07/27 00:52:14 bj5IDPAO0
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゙ミ;;;;;,_ (
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゙{y、、;:..ゞ.:,:.:_,,:ν⌒Y⌒ヽ、゚o,,'.、) 、}<今日も元気だウンコがうまいだろぉ…ハァハァハァ ウッ!
ヾ,,..;::;;;::,;,::;)Kェエエェエェ-冫,,、_,,r_,ノ′
ヽ、___, ノ
199:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/27 01:21:46 Vgr+r4NoO
オジーの控訴審日程、まだまだ決まらないみたいです(´・ω・`)
オジー元気かな?
氏の塚さんは帽子で蒸れてないか心配
200:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/28 00:38:09 bVQMKJql0
ツルオジ漫画です
URLリンク(p.pita.st)
センセ、オメ(*゚ー゚)ノシ
201:荒縄・オジトゴ1/2意味なし
08/07/28 00:39:19 C1mmXgqz0
「……暑い」
「……」
「……暑いよ。何とかなんねぇのかよ」
「……」
せっかく避暑地に来たはずなのに、これでは到底避暑にはならない。
とにかく暑い。日陰で寝そべっている自分たちの処へと熱風が吹き込み、肌の上をじっとりと舐めていく。
さっきからブーブーと文句を言い続けている尾島の言葉を努めて無視しようとしていた冨士田だったが、
汗ばんだ手で自分の足首を捕まえられ、うんざりとした目線を投げた。
「だって、仕方ないでしょ。こんな天気になるなんて思わなかったし。…プールにでも入りますか?」
「ヤだね。大体俺、水着なんて持ってねぇし」
「そこで売ってますよ、水着」
二人がだらだらと過ごしているポーチから、数人の客が水と戯れているプールサイドが小さく見える。
尾島の手を振り払った冨士田がそちらへ手を振ると、尾島は不貞腐れたようにうつ伏せになった。
「ガキじゃあるめぇし、今更水遊びなんざ出来るかよ」
「…じゃあなんでここまで付いて来たんです?」
「避暑地、だぜ?避暑に決まってんだろ。
それがよ…何が悲しくて…こんなに暑くちゃ勃つもんも勃たねえよ」
ああ、またそこに話が行くのか。冨士田は再びうんざりとして尾島を見つめた。
自分だって、そういうことは嫌いではない。だけどそこへばかり話を持って行かれると、正直…。
(純粋にこの場所を楽しんでもらいたかっただけなんだけど。景色もいいのになあ)
すっかり氷の溶けてしまったグラスを飲み干すと、冨士田は横になっていたデッキから立ち上がった。
「じゃ、僕はひと泳ぎして来ますから。暑さをしのがなきゃ」
そこへ伸びてきた尾島の手。
今度は、がっしりと冨士田の腕を掴んで離さない。
「おい、おい、ちょっと待てよ。そう邪険にすんなよ。せっかく二人でいるのに、もっと楽しませてくれたって…」
びくりとして振り返る冨士田の身体を強引に引き寄せ、意地悪そうに笑う。
「…罰は当たらねえよなあ?」
202:荒縄・オジトゴ2/2意味なし
08/07/28 00:39:50 C1mmXgqz0
人気のないポーチの中で、熱風に曝されたまま、尾島の寝そべっているデッキの端を握り締めている。
ポーチは誰でも出入りできる場所なので、冨士田は声を堪えるのに必死になっていた。
逃げようとすると、バミューダの裾から手を入れている尾島の指が、冨士田自身を素早く扱き上げる。
それに怯むと、今度はもう片方の手が尻の間に滑り込んでくる。
絶え間ない刺激と暑さに、身体中から汗が滴り落ちる。
「お…じま、さ…こんな、とこで…っ、や…」
「いいじゃねえかよ、面倒くせぇ。ここでやらせろよ」
気のない風を装いながらも、尾島の目は光を失っていない。
冨士田が声を詰まらせ、身体の震えを堪える度に、ほくそ笑むように頬を引きつらせる。
飲み物を手にした他の客が近くを通って行くと、尾島の手はすっと前から引かれたが
後ろは後孔の周りを弄くり続けていた。
顔を背けて声を堪える冨士田を、尾島の言葉が更に追い詰めていく。
「そうだ、お前7月生まれだったな。プレゼントやるぜ。俺のはやる気になってねえから、この指で充分だろ」
かっと頬が熱くなる。足から力が抜け、しゃがみ込みそうになるのを、尾島は許さずに近くの壁に押し付ける。
「…駄目だよ。このままだ。このまま、ここで、だ」
「や、ぁ…どうして、い…んぁっ」
ずぶり、と冨士田の中に押し入ると、尾島は低い声で囁いた。
「お前、気が付いてないんだろ。今…お前すげぇ嬉しそうな顔してんだぜ」
以上です。
203:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/29 17:42:28 2H1WYut8O
オジトゴ(*´Д`)ハァハァ
オジの控訴審決まりました!10/31の13:30から、高裁第5刑事部です。
204:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/29 19:18:04 2H1WYut8O
日程、某補佐曰く30日でした。
高裁に再度聞いてみます。
205:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/31 21:00:36 ODuD1dYv0
犬HKでこれから、10:00からの「アレ今どうなった?」という番組で
体震事件やります
206:205
08/08/01 05:43:12 bq7uKwtW0
うpっときましたのでどうぞ
1
URLリンク(jp.youtube.com)
2
URLリンク(jp.youtube.com)
207:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/03 04:17:38 kEQza1x90
オジーと弁護団ドゾー
夜須田
URLリンク(p.pita.st)
末井
URLリンク(p.pita.st)
麻雛
URLリンク(p.pita.st)
深夜・末井
URLリンク(p.pita.st)
↑この時、末井先生が自分の名札を逆さまに置いてしまっていて、
それに気がついた深夜先生が直してあげるというハプニングが。
で、二人見詰め合って笑いあってました(*´Д`)
耶麻下
URLリンク(p.pita.st)
夜須蔓
URLリンク(p.pita.st)
蔓深
URLリンク(p.pita.st)
オジー
URLリンク(p.pita.st)
蔓オジ
URLリンク(p.pita.st)
深夜
URLリンク(p.pita.st)
208:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/05 12:39:56 GS4tus+10
再度、オジ控訴審日程
URLリンク(www.courts.go.jp)
裁判所名:東京高等裁判所 第4刑事部
日時・場所:2008年10月30日 午後1時0分 東京高等裁判所 3番交付所
事件名:詐欺 平成2 0年(う)1 1 6 8号
備考:当日午後1時0分までに指定場所に来られた方を対象に抽選します。
209:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/07 00:24:33 6JF+Oof+0
>>178-179
荒縄さんネタお借りしました。
漫画です。
URLリンク(kissho2.xii.jp)
パス1947
210:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/08 17:16:15 +gkDqd/n0
氏の姐
URLリンク(p.pita.st)
211:う。 手際よく何か細いもので僕の…あれの根元をきつく縛ってしまった。 うろたえる僕の手首をまとめて一括りにし、それをもネクタイで縛り上げる。 僕はただされるがままで、おまけに漏れる声はとんでもなく甘く、顔は嬉しげに歪んでしまう。 そして気付かされる、さっきの問いの答えを。 僕がどうしてここへ来てしまったのかと言うと、それは蔓実さんに抱いて…欲しかったから。 そして蔓実さんがそれを拒まないと思ったから。 ほら、全部望み通りになったぞ。 なのに何故僕は泣いているんだ。 「…深夜くん、気持ちいい?…ああ、気持ちいいんだね。なら、何で泣いてるの」 あなたが囁く言葉が、僕の耳の中で何度も繰り返される。 僕は…何も言ってない…あなたは、他人のことを、あなたは…。 「……僕が深夜くんの『想い人』じゃないから?」 それまで優しかったあなたの声音が、一瞬にして冷たくなった。 思わず息をのんだ僕の首筋に、あなたは獣のように歯を立てて噛み付いてきた。 以上です。
212:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/18 23:59:35 S4jilT5B0
>>212
( ゚д゚)・∵.ぐはあ!モエス!
ツルオジ昔話
URLリンク(p.pita.st)
213:荒縄・夜須末1/3
08/08/21 01:08:43 0b4LQyuN0
おかしい。何か変だ。
元々が激しい性格の男だから、目の前で態度がコロコロ変わるのもそう珍しくはない。
だが、法廷内で…弁論の最中でこれ程落ち着きのない姿を見せる末井を見るのは初めてのことだ。
油汗なのか冷や汗なのか、額から滴り落ちるのを拭おうともせず、目は資料を追っているようで
その実何も見えていないかの如く泳ぎまくっている。
末井は周りのことにはまるで無頓着に見えた。
弁論の途中でいきなり声を昂ぶらせたり、急に尻切れトンボのようになったり、
何時にも増した傍若無人ぶりを発揮している。
俺達他の弁護団の方を見向きもせず、自分の資料と被告、裁判官、
その三者の方へ無理やり顔を向けている。いや、その三者以外の場所を見たくないようなそぶりだ。
それが、閉廷の声を聞いた途端に末井は態度を一変させた。
小娘のようにもじもじとしたかと思うと、分厚い資料の入ったケースを抱え、
脱兎の如く廷内を後にした。
他の弁護団は呆気にとられて其れを眺めていた。
「…大丈夫なんですかね?心配だなあ」
「……深夜くん、○○さんのこと、頼んだぞ」
俺は被告との今後の打ち合わせなどを深夜に任せて、そそくさと末井の後を追った。
214:荒縄・夜須末2/3
08/08/21 01:09:55 0b4LQyuN0
どうやらそのままトイレに駆け込んだ末井は、個室の中に閉じ籠もっているようだった。
「おい、末井、どうした?具合でも悪いんか?」
俺はドアをノックして聞き耳を立ててみた。
中からの返事はないが、代わりに何か…妙な喘ぎ声が聞こえる。
「…おい、ここ開けろ。どうしたんや」
ドアをガタガタと動かしてみたが、やはり末井は答えない。
こうなったら仕方がない。
俺は鍵束を取り出し、そこに巻き付けてある針金を…不測の事態に備えて用意してあるものだ…
適当に伸ばしたり折り曲げたりして、ドアの隙間に差し込み鍵をこじ開けた。
「ま…つい…」
俺は思わず息をのんだ。
個室の中の末井は、壁に背を貼り付けるようにして身体をがくがくと揺らしていた。
両手は壁を掻き毟るようにしており、爪の跡で壁の塗料が剥がれ落ちてしまっていた。
口の端から涎を流し、目が完全にイっている。
「見ない、で…んっ、おねがい!やす…ああっ…ここから出て、早く!」
ヒステリックに叫ぶ末井の方から、かすかに機械的な音が…周囲を振動させるような音が聞こえた。
艶めかしく動かす腰の辺りが壁に押し付けられると、その音が僅かに聞こえやすくなる。
まさか。お前、後ろに…入れてるのか。いや、入れられてるのか。
そんな状態で法廷に、今まで…。
俺が近付こうとすると、末井はじりじりと横へ移動する。
元々狭い室内だから逃げ場はほとんどない。それでもこいつは必死になって俺を近付かせまいとしている。
「来ないで!…頼むから…」
泣きながら、なのに縋るような目で俺の方を見る。
俺から逃げたいのか、俺に助けて欲しいのか、どっちだ。
「俺を…一人にして…じゃないと、終わらない…んんっ!」
突然、末井は叫んだ。
一声甲高い叫びを漏らすと、血の滲んだ指で口元を覆い、その場にしゃがみこんだ。
後ろだけで達してしまったのが傍目でもわかる。
215:荒縄・夜須末3/3
08/08/21 01:10:34 0b4LQyuN0
身体を激しく震わせながら必死で声を噛み殺す末井を見て、俺は情けなくて涙を流していた。
お前は。どうしてそう無茶ばかりするんだ。どうして一人だけで突っ走ろうとするんだ。
俺は…俺達は何のために…。
「…っ、はぁ、夜須田さん、これから、証言…聞き出しますから、ここから、出て下さい」
息を荒くしたまま、末井はぽつぽつとしゃべりだした。
「……何だと?」
「証人と、ここで、会う約束です。だから」
「ここで、か。それからホテルでも洒落込むんか」
俺の言った言葉にむっとしたようだったが、末井は掠れた声で続けた。
「俺は何だってやります…証言を得られるんなら…何だってやるんだ。だから」
急に言葉を詰まらせ、びくっとして再び身体を震わせ始めた末井を、俺は見ていられなくなった。
俺は末井に背を向けて言い放った。
「お前なぁ、ちょっと前に、『俺が世話を焼くから俺から離れられんようになった』って言うたな?せやけど…
こんな有り様見せられて、放っとけると思うか?
目の前でこんな無茶されて、誰が放っとけるんや!俺は…俺は、もう知らん…っ」
言うだけ言ってドアを乱暴に閉めると、俺は逃げるようにその場から立ち去った。
末井の交渉相手を見届けるべきだったのかもしれない。そしてその交渉を止めるべきだったのかも。
だが、やはり俺はあいつには甘いんだ。
あいつの言う通りにやらせてやろうと思うのと、あいつが誰かと…そんな姿は見ていたくない。
結局、俺は事務所に戻り仕事を続けていた。俺には、それしか能がないんだ。
夜半過ぎ、俺の部屋の入口でとさっと音がした。何かが崩れ落ちる音。
よれたスーツに、汗で額に張り付いた髪の毛が、扉の陰に見える。
申し訳なさそうに見上げる上目遣いが、それでも交渉の成立を告げようとしている。
阿呆やなぁ。
苦笑してしまった俺を見て、末井は犬ころのように部屋の中になだれ込んで来た。
以上です。
216:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/26 05:20:31 zPNcYMYXO
★ゅ
217:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/28 19:14:26 llhel7DH0
『不幸自慢』
「痛っ…てぇ……」
腹にナイフが突き立てられている。
血が柄を伝って滴り落ちる。
尾島はいつかはこうなるとは思っていたが、余りにも突然の出来事に呆然としていた。
ただ腹の痛みだけがそれを現実だと教えている。
「女にやられるなんて…」
「尾島さんっ…うぐっ…」
(俺を呼んでる、泣き声が聞こえる)
(…嗚呼、腹が痛い。俺、生きてるのか?)
左手にぬくもりを感じる。誰かが手を握っている。
「あ…」
「尾島さん!気が付いたんですね」
見覚えのある泣き顔の持ち主は富士田だった。
尾島の手を硬く握り、震えている。
「なんでお前がいるんだ?ここどこだ?」
「病院ですよ。尾島さん、もう死ぬからとか言って僕の携帯にいきなり電話掛かってきて。
自分のマンションにいるからって言うから、行ってみたら…」
「そっか、俺、お前に電話してたんだ」
「そうですよ」
「『最期』に電話かける相手がお前だったのか。俺もヤキが回ったな」
尾島はふっと笑い、富士田から視線を反らせた。
218:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/28 19:15:36 llhel7DH0
「ちょっと!尾島さん、僕がどれだけ心配したか分かってるんですか!」
富士田はまた顔をくしゃくしゃにして泣き出した。
「おい、俺なんかのために泣くなよ。俺がまた浮気して恨まれて、刺されただけだろ。
死んでも自業自得だったんだ」
腹が痛むのを我慢しつつ、身を起こして富士田を抱きしめようとする。
しかし途中で痛みに耐え切れずにまた横になってしまった。
「だめだ、カッコつけようと思ったけど。いてえ」
「無理しないで下さいよ。あなたが死んだら、僕は…僕は…っ」
シーツに富士田の涙がまた染み込んでゆく。
尾島はため息をつきながらも腕だけ伸ばして富士田の頭を撫でた。
富士田は何事かを言おうとするが、しゃくってしまって声にならない。
「俺が死んだからなんだって言うんだよ」
そう、ボソっと尾島は呟くと富士田は顔を起こして睨みつけた。
「僕の生きる意味がなくなっちゃうじゃないですか!」
そう叫ぶと尾島の腹を叩いた。
うぐっ!と悶絶する尾島。
「別にあなたのために泣いてるんじゃないんですからねっ。自分がかわいそうになったからです!もう、帰りますから」
そう言うと椅子から立ち上がった。
219:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/28 19:16:19 llhel7DH0
「おい、待てよ」
尾島は縋るように富士田の手を掴んだ。
富士田はまだ震えていた。
「ひとりに、しないでくれよ」
「こんな…こんな、都合のいい時ばっかり僕の事…!」
「それじゃダメか?」
「もう…っ!」
富士田は振り返ると尾島に口付けした。
はあっと二人が吐息を漏らし、見詰め合おうとした時だった。
「お邪魔…だったみたいですね」
唐突に声がした。
「あっ!蔓実先生…なんで?」
「僕が連絡したんですよ」
富士田は蔓実に背を向けたまま言い放った。
「尾島さん、刺されたって言うのに随分とお盛んじゃないですか。
心配して損したなあ。…あ、花、ここに置いておきますね」
「花…って、鉢植えじゃねえかよ先生」
「ちょっとは病院に根付いて反省してもらおうと思ったんでね」
蔓実はニヤっと笑った。
「それも意味なかったようですが。夜須田さんたちも後で来るって言ってましたよ」
今度は睨みつけてくる。
「尾島さん、これでも死んだ方がマシだって言えますか?
みんなに心配かけて。いい加減気が付いたらどうなんですか?」
(愛されてるって事を…かよ)
尾島はバツが悪そうにため息をつくと天井に目を移した。
「美女に囲まれてる方がよかったとか思ってるんでしょ」
蔓実が尾島の顔を覗き込む。
尾島は尚も視線を反らせて誤魔化そうとする。
富士田はそれを見てくすっと笑った。
220:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/28 19:16:49 llhel7DH0
「なんだよお前ら。もう帰っても大丈夫だからよ。ありがとうな、早く治すからさ」
何とかその場を取り繕うとする尾島に二人は笑いかけた。
「蔓実先生、どうしましょうか?」
「そうだなぁ、とりあえず襲っちゃいましょうか。反省してないようだし」
その言葉に尾島はぎょっとして布団を握り締めた。
「ちょっと、待ってくれよ。おい…ここでするのか?三人で」
「だって尾島さんそういうの好きでしょ?」
「鍵閉めておきましたよ」
「…っ!」
尾島が腹を括ろうとすると、蔓実と富士田はまた顔を見合わせた。
「そんなわけないでしょ。当分お預けですよ」
「じゃあ、また来ますからね。看護婦さんのことナンパしないように」
そう言い残して二人は病室から出て行った。
「ちっくしょ…」
(期待しちゃったじゃねえかよ、どうすんだよコレ…)
半ば膨らんだ股間だったが腹の痛みが邪魔して、どうすることもできなかった。
221:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/28 19:17:27 llhel7DH0
翌日の昼過ぎも富士田は仕事の合間を縫って尾島の元に来ていた。
「おい、大丈夫なのかよ。俺のことはもういいからさ。まだお前の仕事軌道に乗ってねえんだろ?」
「尾島さんは自分のことだけ心配してください」
「そう言う訳にはいかねえだろ」
「ふふっ…」
富士田は小さく笑うと昨日とは違う優しい口付けをしてきた。
「やめろって」
「どうして」
「どうしてって…」
「あ、尾島さん、キスで勃っちゃうんでしたっけ?」
「お前なあ、知ってるんならよせよ」
尾島は気恥ずかしげにため息をついた。
「じゃあ、口でしてあげますよ」
「馬鹿…っ!」
富士田は尾島の布団に頭だけ入れると、動き出した。
その様子を蔓実の持ってきた花が見つめている。
(…最期は富士田か先生に刺されるのかもな…)
〈終〉
222:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/29 17:17:14 WFhk2tDA0
姐たんと末井絵
URLリンク(p.pita.st)
223:荒縄
08/09/01 00:02:53 mq6w1Auh0
>>223
目が開くと同時に、口の中の鉄臭さに気付いた。
顔が痺れるように痛い。
ここはどこだ。自分は今何をされているんだ。
頭を持ち上げようとして初めて、末井は自分が後ろ手に縛られて床に転がされているのを知った。
「……い…った…」
どうにも身動きが取れない。足を使って身体を動かそうとすると、腹に強烈な蹴りが入れられた。
「ぐ…はぁっ」
身体を折り曲げて痛みに耐える。床に擦り付けられた鼻から、生暖かい血が新たに流れ出す。
(くそっ、誰なんだ)
今の衝撃で眼鏡が吹っ飛んでしまい、末井の視界はほぼゼロに近くなってしまった。
それでも相手を探そうと目を瞬かせる末井に、更に靴がめり込むほどの蹴り。
「ぅあ…っ…!」
一方的にやられながらも、末井の思考は驚くほど冷静だった。
このチンピラに命令を下したのは一体誰なのか。
思いつく相手が多すぎて困るぐらいだが、ここまで実力行使に出る相手となると限られてくる。
その中のどれか…この時期、このタイミングで…自分の口を塞ごうとしているのは。
いいように殴られ意識を朦朧とさせながら、末井は交渉相手のことを…交渉成立の可能性を考え続けた。
(…少しは、しゃべってくれないと、交渉どころじゃない、けど)
切れ目のない打撃に、肺の中に残された空気まで叩き出され、激しく咳き込んでしまう。
何とか…こちらに話をさせてくれないか。
その時突然、相手の攻撃が止んだ。
ぜえぜえと荒い息をしながらぼやけた視界をさ迷わせる末井の肩を、誰かが蹴飛ばした。
仰向けに倒れた末井のベルトが乱暴に外される。
「や、やめっ…!」
そんな。目的はこれだったのか。
たじろぐ末井は、見えない相手が顔を歪ませて笑うのを感じ取っていた。
以上です。
224:荒縄・修習生時代1/3
08/09/03 01:03:27 YkpUDu7f0
「君のその、よく通る声は廷内では強い武器になるだろうね。ああ、そう言えばもう一人…」
教授が口を閉じ何かを思い出そうとする表情をした。
こういう時は黙って待っている方が良い、そのくらいの分別は麻雛も持ち合わせている。
「…ああ、丁度来たよ。あの子もよく通る声の子だよ。君達二人とも、ボーイソプラノだね」
廊下の向こうから、数人の修習生とともに歩いて来る小柄な男の方に教授は顎をしゃくって見せた。
それに合わせてそちらに目を向けると、その男は麻雛の方を眼光鋭く睨み返してきた。
「……っ!」
うろたえる麻雛を、教授はどこか楽しげに見やった。
「はは、気の強い子だろ?確か末井って名前だったか」
気の強い…と言うか、何か身体中から癇気を発散させまくっているような男だった。
一緒に歩いている修習生はそれに気づいていないんだろうか?
気後れした麻雛が教授の後ろに隠れてしまうと、末井は型通りの会釈をしてその前を通り過ぎて行った。
それが、二人の初めての出会い、だった。
次に麻雛が末井に会ったのは、それからしばらくしてのことだった。
日々修習や弁論のまねごとに明け暮れ、他の修習生や教授相手に突っかかり、またかわされては切り込まれる。
その中で、異彩を放って見えたのが末井だった。
切れ味の鋭い舌鋒でたたみ掛けるように教授相手に論陣を張る。
火の出るような、とはこのような論戦を言うのだろう。
その容赦のなさに、離れた所にいるはずの麻雛が身を竦ませてしまったこともある。
だが、弱い所を突っ込まれると、意外と脆く崩れてしまった。
攻め立てている時が見事なだけに、その鮮やかな崩れ方もどうしても目立ってしまう。
「…まだまだかな」
先の教授が、溜め息混じりに言った言葉が、何故か麻雛の耳に残った。
225:荒縄・修習生時代2/3
08/09/03 01:04:19 YkpUDu7f0
ある日の夕方、下宿先に帰ろうと荷物をまとめていた麻雛は、物が弾け飛ぶような音を聞いた。
(?地震…じゃないし、何だ?)
隣の研修室からか。大分暗くなってきたし、誰かが躓いたのかな。
何気なく窓から隣部屋を覗いた麻雛は、中の情景に絶句していた。
「あ…ぁっ!」
「ちっ…帰るぞ」
数人の修習生がその気配に気づき、ぞろぞろと部屋を後にしだした。
「おい、お前、麻雛ってやつか?いいか、チクんなよ…」
リーダー格らしい男が麻雛に凄んで見せたが、既に麻雛はそちらを見てはいなかった。
椅子や机が片付けられた部屋の真ん中には、痣だらけにされた末井が転がっていた。
目の上や口の端から血を流し、着ている服もボロボロにされている。
何より異常なのは、末井が下半身裸でいることだった。
駆け寄って末井の肩を揺り動かすと、彼はゆっくりと目を開き、そして痛みのためか呻いた。
「ん…うぅ…」
「大丈夫か末井くん?どうして、こんなこと」
「う、くそっ」
いきなりその腕を自分の肩にかけられて麻雛は驚いたが、上体を起こしたいのだと理解すると手助けしてやった。
流れる血を拭いながら辺りを見回し、自らの姿を見て末井は僅かに喉を詰まらせた。
「…っ、うぅ…くそ…」
同じ言葉を繰り返す。
「…ズボンは…どこだ?」
麻雛が末井を見ると、目の上の傷のせいか、まだよく辺りが見えていないらしかった。
少し離れた机の上に脱ぎ捨てられたズボンがあり、麻雛はそれを手渡してやった。
引っ手繰るようにズボンを受取り、その時初めて自分の無礼に気づいたように末井は頭を下げた。
226:荒縄・修習生時代3/3
08/09/03 01:05:06 YkpUDu7f0
「…すまん」
「ああ、いいさ…大丈夫か?一人で帰れるか?」
「殴られるのは、慣れてる。昔からだからな。洗面所で洗っていくさ」
「僕、暇だから、付き合っても」
「いいって…」
立ち上がりかけた末井の膝がその場に崩れ落ちる。
末井は、腰の辺りを押さえて喘いでいた。
有無を言わせず、麻雛は末井を抱えて洗面所へと連れ立って行った。
身体中の傷口を洗い流し、火照った痣を冷やし、タオルで水気を拭き取る。
疑問は次から次へと湧いてきたが、麻雛はそれを無視した。
これは末井にとってしゃべりたいことではないだろう。
なら、自分は聞かない。それだけのことだ。
どうやら外へ出て歩ける程度の格好になった末井は、ちら、と麻雛を見上げ礼を言った。
「助かった。ありがとう」
「余計な御世話だろうけど、あまり無茶すんなよ」
「……」
その時末井は、初めて会った時の眼光を取り戻していた。
「俺は昔からこういう男だ。周りから勝手に突っかかって来るんだ、しょうがないだろ」
支えようとする自分の手を振り切り、その場を後にして行く末井を、麻雛は複雑な思いで見送っていた。
切れ味は鋭いが、衝撃には脆い薄刃のナイフ。
周りに何者をも寄せつけようとしない背中が、却って寂しげに…人恋しげに見えていた。
以上です。
227:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/03 03:17:05 FlMGUrmC0
>>224-227
末井ネタktkr!
待ってました(*´Д`)=3 '`ァ'`ァ
とある人にプレスリーのような2枚目といわれつつも
性格はおっとりと評される深夜先生詰め合わせです
苦悶の表情に萌える
URLリンク(p.pita.st)
228:荒縄・オジトゴ1/2
08/09/07 00:54:26 ah+6m8VG0
「そりゃ確かに天気予報は雨だったけどさ…」
(そんなに予報通りに降らなくてもいいじゃないか。しかもどしゃ降りだよ…)
民家の軒先で一人ごちる冨士田。
ハンカチで頭から滴る雨粒を拭い、恨めしそうに空を見上げた。
さっきまで晴れていた空に黒い雲が垂れ込めて来たかと思う間もなく、この激しい夕立だ。
湿気った空気が砂埃を巻き上げ、鼻の奥を刺激する。
自分と同じように雨宿り先を探している人々が、慌ただしく前を走り抜けて行く。
キャーキャーと叫ぶ女学生、無言で行き過ぎる背広服、ケータイを大事そうに抱える若者、
様々な人の姿。
自分もあれら有象無象の人々の中の一個人に過ぎない。
(…だけど…)
冨士田の脳裏には、これまでの人生の転機となった出来事が次々に思い出されていた。
(俺、これから死ぬの?)と思うほどに。
目の前を走る人々と、ここに立ち止まらざるを得ない自分との差が生んだ一瞬の夢か。
学生時代、死ぬほどの怪我、恩師との出会い、企業、経営、そして…あの事件。
自分では精一杯権力と闘ったと思っている。
だが実際は、告発されて留置所にぶち込まれ、一切の自由を剥奪され…
(何で思い出しちゃうんだよ、あんなこと)
今、やっと次の仕事に打ち込めると、それが楽しいと漸く思えるようになった自分。
だが、忘れてしまいたい辛い過去を思い出してしまうのはどうしてなのか。
無表情に車道を見つめる冨士田に、横合いからいきなり声がかかる。
229:荒縄・オジトゴ2/2
08/09/07 00:55:17 ah+6m8VG0
「…おい、何やってんだよお前、こんなとこで」
この声。とてつもなくイヤミったらしく、何様で、超わがままな、人を人とも思わないような、
でも…今一番聞きたかった声。
濡れるのも構わず車道に飛び出ると、車のウィンドウを半開きにして覗いている尾島の首に抱きついた。
「尾島さん!何でっ!ここにいるんですか!」
「そりゃあ俺のセリフだよ。そんなとこでぼーっとしてやがって。…おい、濡れるだろ、早く乗れよ」
ちゃっかりと助手席に納まった冨士田は、涙を隠そうと俯きながら、尾島の腕にしがみ付いた。
「…おーい、運転しづらいんだけどよ、いいのかこれで?」
「僕が、いいって言うまで、このままで…お願いです」
何時になくしおらしい冨士田の態度に、尾島は「じゃあ唇を」と奪いにかかったが、それはあっさり頭を叩かれた。
「車の中はヤですって、いつも言ってたでしょ」
「そんな昔のこと、忘れちまったよ。いいじゃねーかよ、ちょっとくらいよー」
ゴネる尾島に半ば呆れながら、それでも辛い気持ちを救ってくれた尾島にこっそり感謝する冨士田。
(そうですね、キスくらいなら、後で)
その判断が、後に自分の腰が立たないほどのダメージの元になるとは、
今の冨士田には思いつかないことだった。
以上です。
230:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/07 18:31:26 t/2btOx40
氏の姐
URLリンク(p.pita.st)
231:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/10 20:01:14 l5t5ZPVM0
蔓実×深夜
URLリンク(kissho1.xii.jp)
パス1951
232:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/10 23:33:07 l5t5ZPVM0
連投スマソ末井動画その1
パス1954
URLリンク(2.kissho.org)
233:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/11 00:26:47 ZwEiCs2m0
その2
パスは同じ
URLリンク(2.kissho.org)
234:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/11 15:43:46 ZwEiCs2m0
その3と4
パスは同じです
URLリンク(1.kissho.org)
URLリンク(1.kissho.org)
235:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/13 18:27:17 c2Hmz8MYO
ほしゅ
236:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/14 04:10:56 C6EpJ/3z0
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|
|"''`゙ヽ sageますよ
|@⊇@)
|⊂ノ
| ノ
237:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/14 20:31:04 lWlhXor10
>>237
姐たんかわいい
238:荒縄
08/09/17 00:16:23 H6N3gJA40
「…末井、ちょっとこっちに来てくれ…頼む」
事務所内の末井に割り当てられた部屋の入口で、俺はつい口ごもってしまった。
書類の山の中から顔を上げた末井は、怪訝そうな表情でこっちを見ている。
無理もない。
俺自身、こんな弱気な姿を誰にも見せたくはなかった。
だけど今日は一人で夜を過ごすのが辛い。
今までだって、俺は毎日を淡々と過ごしてきたわけじゃないんだが。
今日の昼近く、人を介して知り合い、数言言葉を交わしたことのある死刑囚に、刑が執行されてしまった。
自分の非力さからその命を守り切れずに失ってしまう、そんな時は胃が潰れそうに痛む。
受ける衝撃は同じなのに、精神的・肉体的なダメージが後々まで響くように感じるのは、
俺も年をとったということなのだろうか。
「夜須田さん…?」
部屋の扉を閉めて小首を傾げる末井。
…頼む。何もしなくていいから、そのままじっとしててくれ。
俺の身体が勝手に動き、末井に覆い被さるようにして抱き締めていた。
いつもなら冗談の一つも入れてくるはずの末井は、妙に大人しく、されるがままになっている。
どうした、迷惑なのか。
末井は俺を静かに見上げると、穏やかな口調で言った。
「誰かの代わりはヤですけど、命の代わりになら、なる価値はありますね」
……お前にそんなこと言われるとは思わなかった。
不意打ち喰らわせやがって。畜生。
俺の涙腺を緩ませた代償は大きいぞ、末井。覚悟しろ。
以上です。
239:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/22 23:15:57 rSKRQekaO
ほしゅ
240:荒縄・深蔓
08/09/22 23:36:17 S2m6e27E0
「好きです」
口にするまでは不安だったこの言葉も、言い終わってみれば案外大したことなかった。
「愛してます」
その証拠に、次に口にした言葉は、もっと簡単にすらっと言えた。
「……っ…!」
逆にあなたの反応が見物だった。
僕の方を振り返ったまま固まって、そのまま動かない。
…蔓実さん、手に持ったビール、落ちそうですよ。
て言うか、もう落ちてますよ。
「深夜くん、今…なんて」
「僕、蔓実さんのこと好きです。いけませんか?」
「いや、いけなくはないけど」
「良かったー。じゃ、あなたは僕のこと…」
漸く動けるようになったらしいあなたは、がりがりと頭を掻きながら口ごもっていた。
「好きとか嫌いとか、そんな…」
「言えないんですか」
言えなかった言葉を吐き出してしまった僕はもう無敵だ。
怖いものなんかない。それが例えあなた相手だとしても。
僕があなたの唇を塞いでしまうと、あなたは信じられないものでも見るような顔をした。
この僕の強さは、今夜だけ僕にかけられた魔法かもしれない。
ならば、僕は存分にそれを楽しもう。
部屋の照明の目盛りを落とし、僕は暗い闇を身に纏った。
朝の光がこの魔法を奪い去るまで、それまであなた自身を僕が…喰らい尽くすために。
以上です。
241:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/23 05:45:13 4NWSkVfHO
>>241
蔓実受キタ━━(゜∀゜)━━ !!!!!
二人ともすごく可愛いです(*´Д`)ハァハァ
242:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/28 22:40:02 Fdp4b1WB0
耶麻下先生のブログのデザインが激しく乙女な件
URLリンク(beatniks.cocolog-nifty.com)
オジ弁護団、乙女だらけ
オジー裏山
243:荒縄
08/09/29 08:38:17 276ZKt1l0
シャワーを終えて戻って来てみると、末井は毛布の中で身体を小さく丸めていた。
部屋の照明を落とすと、窓からの月明かりが室内を青白く浮かび上がらせる。
つ、と毛布を引っ張る。末井は丸まったまま動かない。
既に服は脱ぎ捨ててある。
白く透き通るような肌が、月明かりに映えてきれいだ。
毛布を剥ぎ終えると、俺は末井の膝に手を懸け、仰向けに起こした。
何の反応も示さず、ただ末井は悲しげに目を伏せる。
どうした。嫌なのか。
俺の問いかけに、末井は声を震わせて答えた。
「…ごめんなさい」
ああ。また抱かれてきたのか。特に何の感慨もなくそう思う。
お前にそういう嗜好があるのはわかってる。
俺の知らない誰かに抱かれて、時にはぼろぼろになって帰ってくるお前。
止めて欲しいとは思うが、でもそれはお前のプライベートの問題だ。
俺には何も言う権利はない。
だがお前は、俺に対してそれを引け目に思ってるんだろう。
ならば止めればいいのに、お前は止められないんだ。
そして結局は俺の所に戻ってくる。
愛しいヤツ。俺はお前を抱き締める。
お前は感情に突き動かされたように泣きじゃくる。
そして俺にむしゃぶりつく。
涼しくなってきたな。すっかり秋だな。
俺が何を言っても泣きやまない。
ならば、その涙ごとお前を愛そう。
好きだ、好きだ、愛してる。お前のことが好きなんだ。
ベッドの上で再び抱きしめてやると、お前はその上でゆっくりと形をなくしていった。
以上です。
244:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/29 19:59:19 NpqmmTNG0
>>244
末井が落ちてたら迷わず拾います
かわええ
蔓深
URLリンク(olfan.f-adult.com)
245:荒縄・オジトゴ1/2
08/09/30 23:39:41 yyHhwQhU0
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
何度俺が繰り返しても、あなたの手は止まらない。
俺をベニヤ板の壁に押し付け、さっさとベルトを解き出す。
「おい、ちったぁ静かにしろよ。誰かに聞かれちまうぜ」
俺の耳元で聞こえるあなたの嬉しそうな声。
首筋が総毛立つのを無視し、俺は唇を噛み締めて声を堪える。
俺にあなたの言うことを聞く義理はない。
誰か、外にいるかもしれない人に俺の声を聞かれるのが嫌なだけだ。
それ以前に、こんな場所であなたに襲われていることの方がもっと嫌だ。
ずれて落ちそうになっている眼鏡の端に映る、安っぽいベニヤ板に、お決まりのトイレの落書き。
テンプレ通り過ぎて泣けてくる。
努めて反応しないようにしている俺を不満に思ったのか、あなたはその手を止めて言う。
「…こんなとこでヤるのが嫌なのかよ。なら、ホテルでも行くか?」
そうだけど…でもホテルまで行くって言うのも、なんか違うような気がする。
考え込むついでに、俺はついあなたのことをちら、と見上げてしまった。
くそっ。
笑ってる。余裕で。俺のこと、こんなに無茶苦茶にしながら。
不覚にも俺の口から漏れてしまった声を聞いて、満足そうに頷いてる。
あなたは俺のボタンやベルト、ジッパーの類を全部外してしまい、肌の間に手を滑り込ませた。
「面度臭いから、ここでやっちまおう」
結局こうなるのか。
押し付けられた顔がねじ曲がり、眼鏡が音を立てて落ちる。
否応なしかよ…え、ちょっと待って、尾島さん、いきなりは酷…っ!
痛いって!無理…い、痛い痛い!
既に俺の逃げ場はなくなってるけど、身体は何とかしようともがいてしまう。
でも、俺にはせいぜい足踏みすることしか出来ない。
これ絶対切れてるって。止めてよ、痛いよ。
そう言ってるはずなのに、俺の声、とてつもなく甘い。
嫌になる。畜生。
246:荒縄・2/2
08/09/30 23:40:32 yyHhwQhU0
あなたは一方的に果てた後、俺の中からそれを抜き去った。
痛くてたまらない。
悔しさしか感じない。
足元の眼鏡を拾ってかけてると、あなたは俺の後ろからそっと腕を回してきた。
「すまねぇな、冨士田。でもよ、久しぶりだったから、つい」
つい、なんだ。なんだって言うんだ。
目の裏が真っ赤に染まる。あなたの腕をすり抜け、無意識に膝を少し曲げる。
俺の腕がひとりでに動いて、あなたの腹に一発放ってしまっていた。
その場に崩れ落ちるあなたを尻目に、俺は手早く身支度を整えて、トイレの外に出た。
幸い外には誰もいなかった。
「つい、手が出ちゃいましたよ。つい、ね」
あなたの耳には入らないかもしれないけど、一応そう言って俺はその場を後にした。
どうしていつもこうなる。
何故あなたは俺を…いや、もう考えるのはよそう。
ひりつく後ろを気にしながら、俺は横断歩道へと足を踏み出した。後で個室探そう。
以上です。
247:荒縄
08/10/06 00:27:47 qYVB376v0
「けーーーーいちゃん!」
「うわっ!」
まただ。前にもあったよな、こんなこと。
あなたは僕のしかめっ面を見ると、何故か茶化してくるんだ。
全く、もうすぐ支援者への発表の場なのに、資料の読み込みくらいさせて下さいよ…。
「なーに真剣に見てるんだよ。そんなもん適当でいいんだよ適当で」
「そんなこと言ったって」
「桂ちゃんは真面目なんだから、資料なんてとっくに頭に入ってるだろ。大丈夫、大丈夫」
「大丈夫じゃないですよ…もう、村上さんたら」
渋いグレーの髪をかき上げ、あなたはニヤリと笑う。
僕より年下なんだけど、なんかこう、苦手なんだこの人。
僕なんかよりずっと頭いいし、少年事件に入れ込んでて詳しいし、頭が上がらないんだよなぁ…。
「そんなことよりさあ…後の飲み会、行かないの?」
「え、いや、僕あんまりお酒は…強くないし…」
「桂ちゃんいつも来ないから面白くないんだよなぁ」
あなたは唇をへの字に曲げて僕を見下ろす。
何か申し訳なくなって、僕も俯いてしまっていた。
その僕の顎を強引に捉え、あなたは僕の…え…ええっ?
「ま、たまにはいいじゃん。今度は飲みに付き合えよー」
けらけらと笑って去って行くあなた。
奪われた唇の感触に呆然としながら、僕は資料の山の中に顔を埋めてしまった。
もう、泣きそうだよ…責任とってよ村上さん!
既にここが弁護士スレになっている件について。以上です。
248:新板設置について相談中@新板スレ
08/10/06 01:39:05 KuYy5l7FO
>>248
オジーもトゴタンも…特に氏の塚さんは何してるか情報が皆無ですからね
みんな動いてくれるといいですね
オジー弁護団周辺は活発なのにな~
仕方ないです
それはそれで(不謹慎ながら)面白いからいいのかと思います
氏の姐で近い内に何か投下します
249:新板設置について相談中@新板スレ
08/10/07 02:56:18 kQhSjrGj0
姐たん…トゴタン…
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
250:風と木の名無しさん
08/10/07 20:34:12 kQhSjrGj0
「富士田…大丈夫かよ」
携帯の留守録に、尾島の声が入っていた。
いつも尾島の言う台詞には主語がない。
はじめ、何のことかと思った富士田だったが直ぐに悟った。
富士田は尾島の携帯に電話をかけた。
「おう…お前か。ニュース見たぜ。訴えられたんだってな…」
いつになく心配そうな尾島の声に富士田はふっと笑ってしまった。
「なんだよ!人が心配してるってのに!」
「…尾島さん、俺なら大丈夫ですよ」
落ち着いて答える。
いや、それはここ数年で培われた余裕のようなものだった。
「そうか?大丈夫なのか?何かあったら直ぐに言えよ。夜須田先生にだって、
蔓実先生にだって、他にもよ、紹介して協力してやっから。俺には遠慮するなよ」
「ふふっ、尾島さんありがとう」
「お前、変わったな」
尾島が同時にため息を漏らした。
「変わったって?僕が?」
「ああ。なんていうかさ、デカくなった気がするぜ。この間まで俺とガキの喧嘩ばっかりしてたのによ」
「それは…あなたと出会えたからですよ」
「えっ?」
「いがみ合うなら、どうせなら相手も包み込んじゃえって。愛しちゃえって」
「あ…愛って…おめえなあ!ふざけんなよ」
「ふざけてませんよ。これから会って、証拠を見せましょうか?」
「…っ。おう、見せてくれよ。楽しみにしてるぜ」
3年掛かった。3年経って、漸く素直になれた瞬間だった。
様々な人とものと時間を失って、もう何も得るものはないと思っていた。
けれどもまだ…。
話し終わった後、富士田は笑みが止まらなかった。
湧き上がる思いを抱え、車にキーを差し込んだ。
251:荒縄・オジトゴ1/2
08/10/08 00:12:20 nYjHM2zp0
>>251
事後の、なんとなく手持無沙汰な時間に、尾島の手が宙を揺らめいた。
弾む息を漸く整え終えた冨士田が見守る中、その手はゆっくりとサイドテーブルに伸び、
煙草を探し、手にとって、だが…結局何も掴まずに布団の上に戻っていく。
冨士田は訝しげに眉をひそめていた。
「…どうしたんですか」
「なんだ、見てやがったのかよ。お前いつも言うだろ、煙草吸うなって。だからよ」
「止めたんですか?煙草」
溜めていた息を吐き出しながら、尾島は身体を仰向けに反した。
「前ほど欲しくなくなったんだよ。俺も年かな。最近は、軽くふかす程度さ」
「…吸ってもいいですよ。たまになら」
「へっ。どうした風の吹き回しだよ。お前も丸くなったのか?」
数年前と比べて、ややふくよかになった冨士田の腹を叩き、尾島は片頬を引きつらせて笑った。
ところが…怒って蹴りでも入れてくると思った冨士田の反応が、ない。
今度は尾島の方が心配になって、冨士田の顔を覗き込んでいた。
穏やかな顔で、冨士田がそっと口を開く。
「俺…やりたいように生きようって思ったんです。前の会社立ち上げた時にも
そんな風に思ってたはずなのに、いつの間にか色んなしがらみとか、何とか…
変に他人のこと意識しちゃって、社会正義とか言っちゃったり…
そのことは後悔はしてませんし、当時のことを否定したくもありませんけど。
でも、今は自分に正直に生きようって。
だから、あなたにも俺の考えを押し付けたりはしないでおこうって」
キラギラしくもなく、浮かれた感じもなく。
かと言って暗くもなく、冨士田は落ち着いた、澄んだ目をしてそう言った。
「ふうん、お前も悟りやがったのか。変われば変わるもんだな」
「お前も?尾島さん、悟り開いたんですか」
けっ、何言ってやがる、鼻で笑って尾島はそっぽを向いた。
「そんなんじゃねぇ。お前も成長したんだなあってことだよ」
(俺の知らねぇ間に…)
252:荒縄・オジトゴ2/2
08/10/08 00:13:41 nYjHM2zp0
不思議そうに自分を見詰める冨士田に、照れを隠すように尾島は喚いた。
「じゃあよ、お前がやりたいって思っても、俺が嫌だって言ったらどうすんだよ?」
それを聞いて、澄んでいた目に影が差す。
妖艶な…色めいた影が。
「それとこれとは別ですよ」
再び火照り出した身体を持ち上げ、冨士田は尾島の上から圧し掛かっていく。
迎え撃つ尾島も、既に臨戦態勢だ。
熱い舌を絡め合い、互いの息を奪い取ろうとしながら、二人は泥のような劣情へと堕ちて行った。
「でも、やっぱ煙草は身体に悪いですよ」
「…なんだよ、変わってねえじゃねえかよ」
以上です。
253:風と木の名無しさん
08/10/10 17:10:47 QWb4ai5D0
氏の姐と蔓オジでMAD作ってみたんですけど
技術もセンスもないので本当にやっつけになってしまいました
ダメダメですがドゾー
(パス1951)
URLリンク(1.kissho.org)
254:風と木の名無しさん
08/10/12 00:54:41 ysDslUGO0
>254
MADktkr!萌えが爆発です!
氏のちゃんの表情といいBGMといい切な過ぎます
蔓オジの喚問は改めて見ると密着振りが微笑ましいですね
久々にニヤニヤしてしまった…いいものをありがとうございます
255:荒縄・1/3
08/10/13 02:42:04 uJmp2yma0
僕の手首と足首は、紐でくくられてる。
何度か引っ張ってみたけど外れそうにない。
僕はベッドの上に寝転がってそれを見てる。
しかも、全裸で。
こんなつもりじゃなかったのに。
僕は末井さんに騙されて、ここに連れてこられただけだ。
末井さんは…椅子に座って、にやにやしながら僕の方を眺めてた。
流石に怖くなって、僕は一応あなたに抗議してみる。聞いてくれるか分からないけど。
「…冗談ならもう充分でしょ?外して下さいよ、これ」
「何言ってんの、深夜くん。本番はこれからだよ」
末井さんが椅子から立ち上がる時のガタっという音に、僕は何故か震えてしまった。
本番って…一体何を?
ベッドがきしみ、末井さんが僕の隣に横たわってきた。
僕の方に手を伸ばし、僕の胸に、指を…つ、冷たいっ!
必死で胸を腕で庇おうとするが、末井さんは強引に僕の腕を引き下げた。
…末井さんの指が冷たいのは、透明な軟膏を僕の胸に塗りたくっているからだった。
その指が下の方に伸びて、僕の…い、いやだ、それは!
「いいじゃん今さら。ほら、じたばたすんなよ」
くくられた足を動かして腰を引こうとするんだけど、あなたの指はどこまでも追いかけてくる。
僕の縮こまったそれをあなたは捕まえて、握って、扱くように何かを塗りつける。
嫌がっている僕が妙な気分になるくらい、じっくりと丁寧に。
顔を背けて声を堪える。
嫌なのに、恥ずかしいはずなのに、僕の動きは止まってしまう。
僕はいつの間にかシーツを噛み締めていた。そうしないと声を上げてしまいそうだったから。
ふふっ、あなたは鼻で笑うと、僕の後ろへと手を伸ばしてきた。
嫌です、それだけは嫌だ!駄目、止めて下さい、お願い…だから。
引き続けた腰が壁に当たり、逃げ場を失う。
僕はただ、縛られた手足を丸めて、怯えた目であなたを見詰めることしか出来ない。
末井さんの意外に強い力が、僕の腰を上から押さえつけてくる。
「これから、良くなるからさ。我慢しなよ」
256:荒縄・2/3
08/10/13 02:43:24 uJmp2yma0
冷たい指が、僕の中に侵入してきた。
その圧迫感に、僕は堪らず悲鳴を上げた。
「や、あ、っ…いや…」
思わず自分の指を噛んでしまう。
痛みを、身体のどこかで痛みを感じていたかった。
あなたの指の感触が、僕に快感を教えていたから。
僕がその快感に流されてしまいそうだったから。
痛みで僕自身を正気に保とうと思ったから。
でも、どうして?快く感じることのどこがいけないんだ。
それくらいあなたの指は僕に心地よくて、僕は指を噛みながらも喘いでしまう。
僕が息を弾ませて喘ぐのを見届けると、末井さんは唐突に僕から身体を離してしまった。
取り残された僕は、呆然としてあなたを見ていることしか出来なくて…
でもその内、僕は身体の火照りと疼きに悩まされ始める。
感じやすい部分がざわざわと疼き、どうしようもなく火照る。
僕のくくられた手首は、ごく自然に僕の竿を扱き始めた。
あなたが見てるのに。
あなたが、腕組みして、にやにやして僕の方を見てるのに。
でも止められない。この疼きが僕を自慰に走らせる。
もう誰が見てたっていい、この火照った熱が発散できるのなら。
僕の動きはどんどん速くなり、僕は歓声とともに精液を吐き出してしまった。
でも。僕の疼きはまだ治まらない。僕の後ろが熱を持って、じりじりと身を焦がしていく。
このまま放置されたら、僕は、もう…辛くて気が狂う…。
精一杯腕を伸ばして、僕は自分の指を後孔に届かせようとした。
だが、せいぜい入口を掻きまわす程度の動きしか出来ない。
人間、辛い時には恥を一時的に忘れられるものなのか。
「お願いです、末井さん、僕を、犯して…」
今までにやにやしていたあなたの顔が、一瞬真面目になった。
257:荒縄・3/3
08/10/13 02:43:57 uJmp2yma0
「ふ~ん、いいんだね。でもさ、俺もヤられる方が好きなんだよ。じゃあ、どうすればいいと思う?」
あなたは僕を試すように見て、それでも僕が何も答えられないでいると、にやりとして黒い棒を取り出した。
いや、棒じゃなくて、二匹の魚がくっ付いたような物で、これって…これって、実はエログッズ…?
あなたは遠慮のかけらもなくその棒を僕の後ろに突き入れた。
先端が痛いかな、とビクついたが、どうやらそれは丸くカットされているようで、傷つけられる心配はなさそうだ。
とはいえ、あなたの指の何倍も太いそれを飲み込んで、僕が反応しないわけがない。
今や僕の喉は喜びの喘ぎで満たされていた。
あなたがそれを動かす度に、僕は快感に震える。
奥まで突かれて、甲高く叫んでしまう。
その棒の動きが、突然重く質量を伴うように感じられた。
え…これって…思う間もなく、後ろから猛然と突き上げられる。
容赦のない、激しい動き。そして、末井さんの間断ない喘ぎ声。
「あん、ああああぁっ、はぁ、はぁ、んんっ、う…」
棒の片側を末井さん自身が飲み込み、反対側に伸びている方で僕を攻め立てていたのだ。
一方的に犯されているように感じる。それも末井さんに。
なのに、末井さん自身も奥を突かれて感じてるんだ。何だかその状況に狂ってしまいそうだった。
乳首から前から、散々弄くられた僕はもう既に限界に近付いていた。
溜まっていた精を吐き出すと、僕はぐったりとうつ伏せになろうとした。
それを、あなたは許してくれない。
「ふん、駄目だよ。まだ付き合ってもらうからね」
僕の腰を抱えあげ、あなたは僕の方に尻を突き出してくる。
もう、勘弁…そう思ってるはずなのに、あの軟膏の効果か、僕の竿が再び立ち上がってきてしまう。
結局、あなたのやりたかったことって、こんなことなんですか?
「いや、別に。でも面白そうで、いいだろ?」
事も無げにあなたは言う。目をきらきらと輝かせて。新しいおもちゃを見つけた子供のように。
僕は、もう少しなら付き合いますが、もしかしたら途中で意識が飛ぶかも知れません、それでも良ければ…。
(でも、僕の身体に悪戯するのは絶対に!なしですからね!)
以上です。
258:風と木の名無しさん
08/10/13 21:58:57 PbRcPw7EO
禿しい百合プレイに悶絶しますた(*´Д`)ハァハァ
荒縄さんスゴス
259:風と木の名無しさん
08/10/16 19:27:16 fZWS1DWf0
オジーと希望中年達・マリオネット
pass1951
URLリンク(1.kissho.org)
260:260
08/10/18 09:09:08 aDPfnhYY0
見られないというのを聞いたので
つべにもうpしました
一週間くらいで消します
URLリンク(www.youtube.com)
261:荒縄・1/2
08/10/19 01:36:07 P1EQopUS0
「…ミウラカズヨシ、自殺…か」
出先のテレビ画面に映っていたニュース。
末井の頭の中には、そのニュースの見出しがぐるぐると回っていた。
マスコミを何度も賑わした華やかな人物だったが、
末井にとっては単に「夜須田と面識のある人間」ということになる。
そんな男が自殺した。この世から去ってしまった。
末井には、夜須田の落胆ぶりが手に取るようにわかった。
一度でも見知った人間は、例え袂を分かった後でも気にかけ、
何かあれば我がことのように胸を痛め慨嘆する。
そんな情の塊のような男が、夜須田だ。
それを思えばこそ…だからこそ末井は居たたまれなくなってしまう。
いつ座っていた席を立ったのか、どの電車に乗って移動したのか、
どんな風に街中を歩いたのか。
末井の足はふらふらと所在なく街を彷徨い、
気付いた時には、連れ込み宿の中で服を脱がされていた。
「…っ、はや、く、いいから、今す…んんっ、あ、ああぁ」
顔も知らぬ相手が、それでも一応末井の身を案じてか
前戯で入口を解そうとするのを、末井は全身を使って急かす。
「せっかちだな。強姦好きかよ…とんだ拾いもんだ」
男はニヤリと笑い、そのまま末井の中へと己を埋め込んだ。
262:荒縄・2/2
08/10/19 01:36:38 P1EQopUS0
小さく、引き絞るような声が漏れる。
痛みと共に生じた快感を、末井は懸命に首を振って否定しようとしていた。
今は容赦のなくなった男の動きは間断なく末井を襲い続け、
末井は喘ぎ、震え、身を捩り、そして母を探す乳飲み子のように男を求め続けた。
まだだ。まだ足りない。
こんなものでは、まだあの人の傷を埋められない。
この身をもっと追い詰め、攻め立て、傷つけてくれ。
末井の声にならない叫びが闇の中に響く。
自分は夜須田のために生きている。だから自分は夜須田のためならなんでもする。
自分は夜須田によって生かされている。だから自分は勝手に死ぬことは出来ない。
生きて、そしてこの身に夜須田の苦しみを、悲しみを刻みつけられたら。
身代わりになれるのなら本望なのに。
半ば狂った思考がショートしてしまうまで、末井が男を求める声は止むことはなかった。
焼けつくような喉の痛みで目が覚めた。
頭の芯がどんよりと重く、全身に刺すような、痺れるような感覚を覚え、
それでも末井は無理やり身体を持ち上げた。
鋭い痛みが腰の辺りを襲う。
それを無視して部屋の中を見渡すが、既に相手は退室した後だった。
一人…また、一人きり。
すがるように見やった携帯の画面に「メール受信・夜須田」の文字を見つけ、
末井の目からは堰を切ったように涙が溢れ出した。
以上です。
263:風と木の名無しさん
08/10/23 12:10:03 bOew3tZz0
保守
264:風と木の名無しさん
08/10/25 23:08:56 rQw3xiACO
明日まで1時間弱あるけど
深夜先生誕生日オメ!!
URLリンク(p.pita.st)
265:荒縄・続き1/2
08/10/26 01:12:36 DIUDoyKS0
(……末井…今、何してる?どうしてこんな所にいるんや)
猥雑な色街の中へと分け入ってから、俺は何度目かの溜め息をついていた。
あいつがメールにも電話にも返信しなくなってから、既に半日くらい経っている。
今も携帯の電源は入っているようなんだが、俺が調べたあいつの携帯の現在地表示が俺の眉を顰めさせた。
(何で、こんな色街に…?)
もう、放ってはおけない。居ても立ってもいられなくなった。
俺は適当な理由をつけて事務所を後にしていた。
携帯の画面と実際の路地を見比べながら歩を進める。
俺ももう年だし、この携帯の画面でさえ見難くてしょうがないんだが、
さすがにノートパソコンを開きながら歩くわけにもいかない。
…要するに、末井の持ってる携帯から出てる電波を拾ってナビ…
まあ、これ以上は企業秘密だ。
とにかく末井を見つけて連れ帰る。それが俺の目的だ。
多少の誤差のためか迷うことはあったが、俺はどうやらその地点へと辿り着いたらしかった。
ビルとビルの間に見つけた狭い路地、その奥は袋小路になっており、
なにやらガラクタのような物が積み上げてあった。
そのガラクタの前に見える人影。
間違いない。末井だ。
どこをどう殴られればこんな顔になるんだ。
傷つき腫れあがった顔に、よれてボロボロになった背広。
駆け寄った俺が見下ろしていることにも気付かず、そのままの格好で横たわっている。
今迄にだってこんなことはあった。
乱闘の仲裁に、殺人現場の後片付け、厄介事の取り仕切りに明け暮れてきたようなものだ。
この手の修羅場には慣れてるはずなんだ、俺は。
266:荒縄・続き2/2
08/10/26 01:14:22 DIUDoyKS0
……駄目だ。
とても冷静ではいられない。
「末井!起きろ!おい、頼むから起きてくれ!」
自分の声が震えているのが分かる。
掴んだ肩口がとんでもなく冷たい。末井の頭が人形のようにぐらりと揺れる。
死んでるのか、このまま目覚めないのか、最悪の事態を想って俺の心臓は早鐘のように打ちまくる。
「………っ」
ややあって、うっすらと目を開いた末井に安堵したのも束の間。
末井の口からは不穏な言葉が漏れた。
「もっと、殴って、も…っと…全然足りな…俺、まだ…まだ、こんなじゃ…」
何言ってるんだ。おい、ちゃんと俺の方を見ろ。
そう言って覗き込んで見た末井の目は、どこか別の世界をさ迷っていた。
目の前にいる俺のことなど眼中にない。ぼんやりとした視界のまま、俺ではない誰かを探しているかのような視線。
その視線が急に焦点を結ぶとともに、末井は俺の腕を振り払い、じたばたと暴れ出した。
「俺にっ、触るな!その汚い手で、俺なんかに…!俺は…汚いんだ、俺は…俺に近寄るな…っ!」
俺もビビったが、末井の方でも、自分を掴んでこようとする手にビビっているように感じた。
「こんな汚い男に…俺、なんかもう、俺なんか、夜須田さん…替わりに…夜須田さんの、替わりに、俺が…」
末井の声は次第に涙混じりになり、子供が泣くような調子になっていった。
(お前…何でそんな阿呆なこと考えてるんや。俺の替わりって、何の事や。
お前のどこが汚い?俺とお前のどこが違うって…)
阿呆。泣くな。俺に縋って泣くな。と言うより、俺を泣かすな。
俺の身体に腕をまわしながら、でもこいつには俺の姿はまだ見えてないんだ。
何度も俺の名前を繰り返してるくせに、目の前にいる男が誰なのか分かってないんだ。
次第にヒステリーの前段階のような耳障りな呼吸音を上げ出すお前に、俺は当て身を喰らわした。
呆気なくその場に崩れ落ちる末井。
ああ、くそっ。こんなにも手のかかる男は、今まで見たことがない。
「…俺が、こいつをこんなにしちまったんか」
やり切れずに振り仰いだ空は、ネオンを反射して不気味に光っていた。
続くかも。
267:風と木の名無しさん
08/10/26 08:04:07 Qd+tfrrhO
以上です じゃない姐さんに萌えた
268:荒縄・続き1/2
08/10/29 00:56:21 zz0ZTqIY0
室内に立ちこめる湯気で、眼鏡が白く曇る。
眼鏡ってのは本当に面倒臭いもんやな。今更ながらにそう思いながら、俺はそれを湯船に浸して曇りをとっていた。
「ぁあっ…!」
俺の腕の中で、いきなり跳ね上がるお前。…びっくりした。おい、心臓に悪いぞ。
「末井、分かるか?頼むから暴れるなよ。お前、今風呂に入ってるんやからな、暴れると溺れるぞ」
俺はホテルの風呂場に座り込んで、片腕で湯船の中の末井を抱き抱えていた。
冷たくなったものは温めりゃいいだろう、という単純な発想だ。
小汚いなりのこいつを綺麗に出来るし、まあ一石二鳥といったところだ。
ぬるい湯の中で気持ち良くなっていたのか、末井は大した抵抗はせずに、すぐに大人しくなった。
「…ここは…どうして…?」
末井の顔はパンパンに腫れ上がってるし、身体中痣だらけで、喉もがさついている。酷い有り様だ。
どうも、目が塞がってて前がよく見えてないらしい。
漸く己の身体の痛みに気付いたのか顔を顰めるお前に、俺はサラサラと嘘を吐いた。
「お前、階段の上から落ちたんや。覚えてないんか?結構派手に落ちたぞー」
お前の耳に、俺の言葉は届いているんだろうか。
ちょっとでもいい。
今だけでも構わない。
お前が辛く思っている現実を…俺には、それが何なのかわからないが…お前の頭から消し去ってやりたい。
俺に出来ることは、結局、こうやってお前を甘やかしてやることだけなんだ。
「全く、もうちょっと落ち着いて歩けよ。こっちは堪ったもんやないぞ」
喉の奥が苦く感じる。
ああ、嘘ってヤツは苦いんだな。
俺は、いつしか顔を歪めて笑っていた。
269:荒縄・続き2/2
08/10/29 00:57:05 zz0ZTqIY0
「……」
末井の腕がゆっくりと俺の方に回される。
その短い間にも、お前は身を捩って痛みに耐えようとしていた。
爪を俺の背に喰い込ませ、細い背をしならせてくる。
「あぐ…っ、い、た…」
「痛いんか?尻か?ああ、それは、その、さっき俺が…すまん、我慢出来んかった」
早口で口ごもるように言ってしまった俺に、末井は一言言葉を返した。
「嘘つき」
そして、俺の胸に泣き崩れてきた。
俺の涙も、まだまだ枯れる気はないらしい。
以上です。
270:風と木の名無しさん
08/10/29 20:41:22 /bVTg/3C0
>>270
ヤサシス(つд`)
28日、体震と全く関係ない蔓実先生の某民事裁判に行ってきますた
グレースーツに黒地に水玉のネクタイで
リュックが姦悶のじゃなくて新しくなってました
しかめっ面で大東亜共栄圏の地図を眺めていて萌えました
発言は夜須田先生と同じ事務所の全/共/闘の議長やってた
oh愚痴先生だけでした
なかなかの良いお声でこれまた萌え
明日は抽選ですがオジー控訴審に逝ってきます
271:風と木の名無しさん
08/10/31 03:01:57 agO/7d9M0
傍聴できました。
レポ、少しお待ちください。
弁護側証人にオジーの愛人でした。
オジーの現在の職業は掃除夫です。
多分、会社の下請けだったところに口利いてもらって
いい自給で雇ってもらってるのではないのかと。
住んでる所はあの豪邸の近くの自社物件だったところのようです。
黒のスーツに黒カバンでキメてかっこよかったです。
272:272
08/10/31 20:55:58 agO/7d9M0
傍聴券は抽選でしたがそこまで人数が集まらず、抽選にはなりませんでした。
開廷少し前に末井先生が走って入ってくるも、まだ他の先生が来ておらず、ひとりでポツーンとなっていて困った顔で「あれー?」とはにかみ笑いしてました。
結局、2分間のテレビ撮影の最中に弁護団が揃った模様で、少し遅れて開廷。
先ず最初に裁判長からオジーへの人定質問。
本籍地と現住所を答える。現在の職業は「清掃の手伝い」と答える。
裁判長「これから控訴審を始めます」
夜須田先生が1審で採用された新証拠である録音データを法廷で再生したいと発言、認められる。
麻雛先生「控訴主意を述べます。原判決は富士沢の計算結果が虚偽であり、確認されていないこと及び、物件の残代金の支払いが2005年10月28日であると尾島社長が知っていたのに支払いを維持し、不作為の詐欺であるとされましたが原判決は誤認であります。
10月28日に富士沢の引渡しと代金の支払いを知らず、詐取したわけではないので無罪です。
よって詐欺罪は成立せずに原判決は誤りであります。
原判決では尾島社長に弱い詐欺の故意があったとしますが、過失の問題を故意とした誤りであります。
録音データの証拠評価を誤り、尾島社長の無罪の証拠であるのに補助的な証拠とした誤りです。
訴因変更手続きをせず、裁判所は法令違反をしているので尾島社長に無罪の宣告を直ちにしていただきたい。
273:272
08/10/31 20:57:56 agO/7d9M0
(1審の証人)I田がなぜ嘘の証言をしたのかを述べます。
I田は10月27日の午後5時41分の尾島社長との電話で富士沢の名前を出しています。
姐葉が改竄しているとの認識ではなく、もしその欠陥を知っていれば引渡しを中止していただろうという事です。尾島社長からの全物件の引渡しの中止が出たのは
29日の電話であります。
“販売の中止、解約の準備を進めて、一覧表を作ってくれや”と言い、現状を凍結する指示、販売中止と引渡し中止をしました。
既存物件に富士沢の引渡しがあったのを知らなかったので、言及していません。午後2時の段階では尾島社長は知らず、その旨の説明がありません。
船/橋/海/神について、“明日のものに関してはそのままやっちゃって”と話の直後に海/神、船/橋/海/神の2物件も工事中止と販売中止の話が出ています。
引渡しに関する話であるはずが、販売中止の話だったのです。
午後2時ごろに引渡しの許可があったとするI田の証言と、午後5時21分に引渡しの話があったのは両立しません。
尾島社長は全面中止に例外を認めてしまい、姐葉の分については販売中止だと言い、そして今後について述べていました。
I田はそこで富士沢の話を持ち出しましたが、尾島社長は富士沢は既に引渡しされていたと誤解していました。そして、国家賠償などの裁判を考えていました。
富士沢の引渡し許可をしたものとは思えません。
引渡しは自動的に行われるものであり、誰かの決済が必要であるわけではなく、姐葉物件が危険であるとI田は分からなかったが船/橋の取り壊しの話が出ていたので富士沢の引渡しを中止するのは、
ネット社会で直ぐに会社の悪い噂が広まるので消極的でした。
結論。以上の通りI田は藤沢の引渡しの指示と誤解していました。
真実は、尾島社長は被害拡大の阻止として引渡しの中止を指示し、これは不可抗力だと思って一から会社をやり直そうと前向きであり、
それは録音データにもあることは明らかで、
詐欺をする意思がないのは明らかであります」
274:272
08/10/31 20:59:21 agO/7d9M0
弁護側証人であるJさんが証言台に立つ。
宣誓する。
深夜先生「ヒ/ュ/ー/ザーでは当時どのような仕事をしていましたか」
J「ヒ/ュ/ー/ザー/マ/ネー/ジメ/ントに所属していましたが、ゴルフの接待係と尾島社長の秘書的役割をしていました。
平成17年10月27日は千葉の葬儀場に向かう予定で会社に待機していました。
昼頃までに来ているように言われたので、午前中には来ていました」
深「何時くらいにですか」
J「ehの会議が2時30分過ぎだったので、それから私と尾島社長と運転士さんで斎場に行きました」
深「何で行きましたか」
J「Hさんの運転するリムジンです」
深「あなたと尾島さんはどんな位置関係でしたか」
J「後部座席に並んで座りました」
深「車中での尾島さんの様子はどうでしたか」
J「慌しく会社などに電話していました。会社以外には飛行機仲間、不動産関係にも電話していました」
深「会社に掛けてどんな話をしていましたか」
J「11月1日の朝礼時間の変更、F弁護士を呼んであるからとかです」
深「マンションの建築設計について話していたんですか」
J「余りよく覚えていないし、理解できませんでした」
深「尾島さんに会話の意味を聞きましたか」
J「慌しくしていたので聞きませんでしたが、携帯電話で録音しました。内緒で」
深「録音してどうしようとしましたか」
J「後で自分で内容などを聞いて覚えていたいなと思いました。理由はなんとなくです。
録音は高速のサービスエリアに入ったくらいから、午後4時過ぎ頃から1時間半に渡り3回録音しました」
275:272
08/10/31 21:00:12 agO/7d9M0
深「携帯は尾島さんから見える位置でしたか?気付いていましたか」
J「見えないし気付いていません。
リムジンではいつもあまり電話をしません。この日は慌しくしていました。
この日に録音したことは2月に尾島さんに話した以外には言っていません。
この間、11月初旬にざっと録音データを流しました。どんな言葉を話したのかなど。
あと、12月頭に携帯のデータを整理していて聞きました。消そうと思いましたが、SDカードにデータを移しました。
尾島さんに話したきっかけは、2月に食事をしたときに平成17年10月の話題が出たので。
尾島さんはその時の記憶がないと言うので、聞いてみますかと言いました。
反応は、そんなのがあるなら聞かせてくれと言ったので、携帯とSDカードを渡しました。
次の日に返してもらいました」
深「録音データに何かしていましたか」
J「文章に書き起こして弁護士事務所に渡したと聞きました。携帯は今は解約して使っていません。
解約した理由は海外旅行でも使うためにもう一台買ったのですが、もったいないので一台は処分しました」
深「解約した携帯はどうしましたか」
J「そのまま弁護士事務所の事務の人に渡しました。尾島さんに渡すように言われたからです。携帯はもう使えない状態でした。
録音データは私のほうで加工はしていません」
276:272
08/10/31 21:01:07 agO/7d9M0
真木野検察官(ハゲの人)「証人がザーッと聴いたと言いましたが、誰と話したとか、どこを聞きましたか」
J「余り覚えていません」
真「会社がエライことになってると思って録音したんですか」
J「何か起こってるなと思って」
真「携帯を返してもらったときの被告人の様子はどうでしたか」
J「よく録ったなあ、凄いなあと言っていました。表情はよく覚えてません」
真「文字化した、反訳したというのは被告人から直ぐに聞いたんですか」
J「携帯を返してもらったときに聞きました。
本人の記憶喚起のために貸しただけで、何かに使われるとは思ってませんでした」
真「一番最初に証人が録音データを聞いたときには本件が話題になっていましたか」
J「よく覚えていません。次に聞いた12月の時には話題になっていましたが、隠しどりだったので。誰かに言うつもりはありませんでした。
2月に尾島さんの方から食事をしていたときに10月終わりの話題になって、私が覚えていたことも忘れていたので参考になればと渡しました」
境検察官「事件発覚直前のデータなのに、どうして当時言わなかったんですか」
J「本当は誰にも言うつもりはありませんでした」
検察側はまだ録音データの存在の「正しさ」について疑っているようだ。
境「仕事の段取りは尾島さんは把握してる方なんですか」
J「ずっと一緒ではないので分かりません」
裁判官「最初から録音していたんですか」
J「偶々思い立ったので。その前に通話があったのかは覚えていません。
会社とehの会議があったのを尾島さんから聞いていたので、会社が大変なんだと思っていました」
277:272
08/10/31 21:02:03 agO/7d9M0
14:55-15:10休廷。
後半はオジーの録音データの再生に費やされた。
データの会話のなかでこうあった。
「も~だ~みだ~、あたしは。大変なことになっちゃったな」
「結局オレってさ、大物になれないんだなあ。酷い話もあったもんだ」
「憎たらしかったね、ehの富士田って馬鹿社長。あいつの態度は許せないね」
(オジトゴキターってなりましたwオジー、ツンデレすぐるよ)
弁護側証人は以上で、検察側証人3人もなるべく在宅でとのこと。
次回期日について裁判所、検察、弁護団での調整がなかなか取れずにしばらく時間が掛かる。
次回期日12月12日金曜日、午前10時から。
278:272
08/10/31 21:03:31 agO/7d9M0
深夜先生はピンストスーツにピンクのネクタイ、
夜須田先生は黒ジャケにチノパン、
末井先生は上着着てなくて細いウエストが拝めました。
蔓実先生は黒スーツに青いワイシャツで、1審の第2回公判の時にお~いお茶持ってたときと同じ服装。
麻雛先生はグレースーツで、いつもの傍聴席睨みあり。
耶麻下先生はなぜかニヨニヨ。
オジーは黒スーツにめがねなし、黒皮っぽい手提げカバンでダンディでした。
裁判後、夜須田先生はマスゴミに囲まれて質問攻めされ、
末井先生はオジーの送迎役、
蔓実・深夜・耶麻下・麻雛先生は4人でキャッキャウフフしながら地下鉄に乗っていきました(*´Д`)
特に蔓実先生の笑い声がでかくて構内に響いていました。
深夜先生とも顔合わせて話したり、ハアハア。
どんだけ萌えさすんだ、あんたたち…
以上、レポでした。
279:272
08/10/31 22:23:59 agO/7d9M0
以下のページの「話題の判例」のところにオジー1審の判決文が出ています
URLリンク(www.westlawjapan.com)
280:荒縄
08/11/01 00:29:06 KkuEA0wO0
>>272
乙。
末「よかったー、俺だけしか来ないかと思って焦ったよ」
夜「んなわけないやろ。ちょっとな、テレビには…その…」
耶麻「そうそう、夜須田さんが末井さん一人にするわけないでしょ」
夜「そうそう…て、それどういう意味や!」
麻「…言ったそのままの意味じゃないんですか」
深「?何の話ですかー?」
蔓「(ニヤニヤ)」
281:272
08/11/02 02:00:23 z2tXwDhV0
膨張イラストっす
URLリンク(p.pita.st)
ぱす1947
282:荒縄・百合の園
08/11/03 23:36:26 DcYXUYCt0
「あ……遅かったか。夜須田さん出口で捕まっちゃったよ」
「マスコミもしつこいねえ。で、末井さんは?」
「そりゃあ、来る時尾島さんを送って来たんだから、帰りもご一緒に…」
「あ、そりゃそうだね。…じゃあどうする?一緒に帰る?」
「はあ、そうしますか。この後の方針も話し合っとかなきゃいけないし」
「まーた、深夜くんは真面目なんだからー。その前にちょっと飲もうよ!アルコールは口を滑らかにするよ」
「えー、蔓実さんに耶麻下さんまでー?会議になるのかな…麻雛さん、それ飲み屋さんガイドの本?」
「そうだけど…見る?」
「ほー用意周到じゃん。どれどれ。ちょっとつまみぐらいあった方がいいよね」
「…蔓実さんに任せますから、選んで幹事やって下さいね」
「なんでそうなるんだよー。まあ、やるけどさー…会計面倒くさいし」
「何で僕の方見るんですか何で」
「麻雛くんさ、計算速そうじゃん。会計やってよ」
「え、まあそこらへんなら。でもね、きちんと!払って下さいよ!途中で酔っぱらう振りはなし!ですからね」
「じゃあ山ちゃんは?」
「連れて来られた客A」
「何だよそれw」
「深夜くんは、次の会合あるから、見張り番しててね」
「え~~~、それじゃ僕飲めないじゃないですか!」
「前に酒あんまり強くないっていってなかった?」
「だけど…仲間はずれはヤですよー」
「しょうがないな、じゃ客Bに格上げしよう」
「ありがたき幸せ」
以上です。意味なし。
283:風と木の名無しさん
08/11/04 04:37:27 dFeWJLL30
>>283
激しく萌えました
その、見た目はオヤジ中身は乙女の群れに混じりたいです
深「ん~、ちょっと飲みすぎて気持ち悪い…かな」
蔓「大丈夫?なんならうちの事務所寄って休んでく?」
深「…それだけじゃ済まないでしょ、蔓実さんは」
蔓「ばれた?」
深「だって、蔓実さんって思ってることがすぐに顔に出ますから」
蔓「そっかなあ?」
深「もう忘れてる。尾島さんの喚問のときにエッ?てなったじゃないですか」
蔓「あーそんなこともあったねえ。でも、そんなんどうでもいいじゃん」
…ちゅー。
深「もうっ…ずるいですよ」
284:風と木の名無しさん
08/11/05 20:40:31 UaT0S8BtO
点呼とりま~す
壱 ノシ
285:風と木の名無しさん
08/11/07 21:33:23 DOPRZQAz0
URLリンク(blog.livedoor.jp)
姦悶時のニヨニヨ蔓実先生の画像があります
かわいい(*´д`)
286:風と木の名無しさん
08/11/08 03:24:12 qAmgfglQ0
>>285
遅ればせながら私も…
弐 ノシ
287:風と木の名無しさん
08/11/08 06:32:01 uO/IDTzF0
体震関係なくて恐縮ですが…
夜須田先生動画
1 URLリンク(jp.youtube.com)
2 URLリンク(jp.youtube.com)
3 URLリンク(jp.youtube.com)
耶麻下先生動画
URLリンク(jp.youtube.com)
288:荒縄・続き1/2
08/11/11 01:20:57 4yWRJt6f0
ノシ 点呼
吸いつかれた唇を強引に割られ、末井は身じろいでいた。
腫れ上がった目は充分に開けることが出来ず、視界はゼロに等しい。
身体中の痛みと鉛のような重さは、未だ末井の動きを鈍いものにしていた。
夜須田はそれすらも愛おしむように、ゆっくりと末井の唇を舐め回す。
鉄臭い苦みが口中に広がる。まだ出血が止まらないのか。
熱を持ち腫れた唇を執拗に舐め取る夜須田。
顔を顰め、身体を引き離そうとする末井だったが、それ以上動くことが出来ない。
粘膜部の腫れを生温かい舌で刺激し続けられ、その痛みを心地よいと感じてしまっている。
時に激しく口中を荒らされ、また穏やかに舐め取られ、歯列をなぞられて甘やかに呻く。
突然、夜須田の指が末井の乳首を摘み上げた。
そのままきつく捩じられ、末井の口から悲鳴が漏れる。
夜須田からこのような…手荒い扱いを受けたことは今まで一度もなかった。
一体、どうして。素直な疑問を抱いた末井の耳に、掠れた夜須田の声が響く。
「…俺が、やればいいんやろ。俺がお前を痛い目に合わしたる、せやから…もう何処へも行くな」
違う。違う。そうじゃない。自分はそんなことは求めていない。違うんだ。
そう叫びたいのに言葉が出ない。
代わりに末井の目からは涙がこぼれ落ち、首は激しく左右に振られ、身体は夜須田の腕をすり抜けた。
どすん、と床の上に落ちる末井。
289:荒縄・続き2/2
08/11/11 01:21:29 4yWRJt6f0
最初は演技かと思った。
だが何時まで経っても呼吸をしない、胸の動きのない末井に、夜須田は焦って掴みかかる。
「おい、冗談やろ?末井、おい、返事しろ、答えろって!」
グラグラと揺れる末井の顔は透き通るように蒼ざめていく。
やがて、喉の奥でこふ、と音がした。
それと同時に思うさま息を吸い込み、むせ始める末井を、夜須田は疲れた顔で見つめていた。
「お前、いい加減にせえよ。もういい年なんやから…頼むからも少し落ち着け」
「…ごめんなさい」
むせ続ける口を押さえて漸く言葉を発した末井を見て、夜須田は小さく頷いた。
そしていきなり、その頬を殴りつけた。
何が起こったのか分からず、しばらく呆然として座り込んでいる末井。
やがて、夜須田が自分の肩に腕を回して泣いているらしいのが分かった。
「阿呆ぅ…何時までも何時までも、心配ばかりさせやがって!」
腫れて塞がった両目を何とか開こうとしたが、無理だった。
末井は「夜須田さんが泣くとこを見れないなんて、勿体ない」とぼそっと呟き、
今度は頭を軽く叩かれた。
阿呆、と再び囁かれながら。
以上です。
290:風と木の名無しさん
08/11/13 18:03:22 /bI74x3z0
一旦age
もう名前が出てるだけで萌えます(*´д`)
URLリンク(taikichido.livedoor.biz)
>末井氏の襟足が微妙に長かったのと、危うい感じの振る舞いが心に残っている。
蔓実先生
URLリンク(www.doctor-agent.com)
291:荒縄
08/11/16 00:59:27 6piK3T/D0
「あー気持ち良かった。たまにはこういう所もいいですね」
もう夜中だというのにそれなりに人の集まっている健康ランドの浴室から、
僕らは上機嫌で引き上げてきた。
手拭いを頭に載せて歩く蔓実さんも、いい感じに出来上がっているようだった。
「温まるねえ。また誘ってよ、深夜くん」
「ええ、いいですよ」
僕らは浴衣にサンダル履きのまま、ロビーで仕事の話や日常のくだらない話なんかして
盛り上がっていた。
そのうち、蔓実さんが部屋の薄暗い一角を指さして言った。
「あ、マッサージ椅子空いてるじゃん。座ろうか」
「おっさんですねー。でも空いてるし…座ってみますか」
ロビーの片隅に置かれたマッサージ椅子。
座ってみると、割と新しい型のようで、手足までギュッと締め付けてきて気持ちいい。
首から腰から機械がぐりぐりと刺激してくれて、凝りが解れる感じだ。
はー、と溜め息をつきながらマッサージを受けていると、ついうとうととしてしまっていた。
…数分間ほど寝てたのかな、僕は。
両膝を掴まれ、その間をゆっくりと拡げられる感触に僕は目覚めた。
見ると、僕の前には蔓実さんが立っていて、僕の浴衣の裾を割って自分の片膝を突き入れてきた。
にやりと笑って、低い声で囁く。
「深夜くん…もうちょっと付き合ってもらうよ?」
続くかな。
292:風と木の名無しさん
08/11/16 01:47:07 ubDpFodrO
>>292
続いてください
おながいします(*´Д`)ハァハァ
293:荒縄・ヤスマツ1/2
08/11/18 01:46:59 Oux3/IEC0
俺がお前の中に己をぶちまけてしまうと同時に、お前はせつない声を上げて俺の背に爪を立てた。
びく、びくと脈打つ局所の反応に快感を覚え、それとともに『やってしまった』との思いにまたも苛まれる。
これはお前が望んだことか。俺の欲望の所以か。
どうしてもやらなければならなかったことなのか。
こんな自問をする位ならば、最初から交わらなければ良いだけのことだ、
何故いつも同じ問いを繰り返すのだ。
俺達が男同士だからこだわるのか。
この行為そのものに罪悪感を感じるのか。
それを言うならそもそも、それぞれが家族を設けているじゃないか。
それなのに俺は、こいつと…。
「あ…っ、はぁ…夜須田さん…」
うっすらと汗を刷いた背中をしならせ、お前は俺の名を呼び縋りついてくる。
俺の思いを知りもしないで、拾われた犬ころみたいに俺を一心に見つめて。
「おい…なあ、末井」
俺の口が勝手に開く。
「お前、俺のことどう思ってるんや?」
お前はきょとんとして、ただ俺のことをじっと見ている。
「俺のことを何とかって言ってたけど、お前は一人になるのが嫌なだけなんやろ」
「俺やなくても良かったんやないか」
「こんなことされて、嫌やないんか。辛くないんか」
「お前は今何て思てる?ほんまに俺でええんか?」
294:荒縄・ヤスマツ2/2
08/11/18 01:47:30 Oux3/IEC0
あー。言ってしまった。途中で止められなかった。
だが以前から思っていたことだ。今でなくても、いずれは口にしていただろう。
答えを待つ俺の頬が、力なく張られた。
末井の手がそのまま俺の肩を掴み、上下に揺さぶってくる。
その目から大粒の涙がぽろりと一つこぼれた。
「どうしてそんなこと言うんですか。俺、あなたに嫌われてるんですか?」
わななく唇が慎重に言葉を選んでいる。
「俺、夜須田さんがいなかったら、どうなっちゃうかわからない…怖くて…俺、怖いよ…
俺のこと嫌わないで。嫌いにならないで」
お前のこと、泣かせてしまった。すまん。
謝りながらお前を抱くと、本格的にしゃくり上げ始めたお前の声が辺りに響いた。
「すまん、悪かった。せやけど、前から気になってたんや…
俺ばっかりがええ気持ちになってるんやないかって。お前、身体しんどないんか?」
だが、その問いに対するお前の答えは一貫していた。
自分のことを嫌わないでくれ。そればかりを繰り返し、やがて泣き崩れてしまった。
お前は、詰まる所愛されたいのか。愛、というやつが欲しいのか。
いいさ、もう迷わない。好きなだけくれてやる。
俺に出来得る限りのことをお前だけのために。
…ちょっと照れ臭いから、言わないけどな。
以上です。
295:風と木の名無しさん
08/11/18 10:11:46 8QrPIRMM0
末井かわいいよ末井
氏の姐と蔓深まむがです
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296:荒縄
08/11/19 23:29:08 BLu619e30
>>296
玄関のドアを開けると、下駄箱の上に手紙が置かれていた。
今日の日中に届いたものらしい。
手にとって見てみると、何やら古びた紙質で、字も決して上手なものではなかった。
「……姐葉さんから」
僕は思わず声を上げてしまった。
今、家族の誰とも顔を合わせたくはない、そう思った僕は、手紙を握り締めて逃げるように自室へと閉じこもった。
忘れていた訳ではない。
散々悩んだ末に書き上げた姐葉さんへの手紙を僕が投函したのは、先月のことだった。
あれから…ひと月近く。
改めて手の中の手紙を見ると、紙が古いのではなくて、よれて染みだらけになっていることが分かった。
少し不審に思いながら封を開く。
2枚の便箋に、びっしりと書かれた文章が目に飛び込んできた。
当たり障りのない時候の挨拶、返事が遅れたことへの謝罪、刑務所の中でのことなどが、
くどくどと書きつけてある。
あろうことか便箋の裏まで使って、しかも細かい字で書かれ、おまけに文章が回りくどい。
正直読むのに疲れてしまった。
溜め息をついて初めて、自分が今まで立ったままで手紙を読んでいたことに気付いた。
そこまで切羽詰まっていたのか。
苦笑しながら椅子に座り、再び手紙を読み始めると、今度は頭の中で姐葉さんの声が聞こえるような気がした。
くどくどとしたしゃべり方が、あの人らしい。
胸が締め付けられるような、何とも言えない気分で読み進めていくと、手紙の最後はこう結ばれていた。
待ってます。姐葉
ああ、そうか。この便箋の汚い染みの数々は、涙の跡だったのか。
そう思ったら、僕の視界が俄かに曇って来て文字が読めなくなった。
以上です。
297:風と木の名無しさん
08/11/20 17:33:51 x3+YHerv0
尾島の控訴審初公判を終え、弁護団は久々に飲食を交えた会合を開こうとしていた。
様々な裁判を抱えているので6人全員が集まるのはなかなか難しい。
その日は永田町に近い料理屋の一室で集まることになった。
「夜須田さん、遅いね」
待ち切れずに蔓実が呟いた。
「さっき報道陣に囲まれてましたからね。でも、そろそろ来るんじゃないですか」と、深夜が続ける。
「…ああ、でも末井さんは来れないかも知れませんね」
そう言い終えかけようとしたとき、夜須田が末井を従えてやってきた。
「すまんすまん」
「主任、遅いですよ~」
そうして宴は始まった。
298:風と木の名無しさん
08/11/20 17:34:21 x3+YHerv0
皆、まだ仕事が残っているということもあり会は3時間ほどで切り上げられた。
各々が事務所に戻るというので店の前での解散となる。
夜須田は大通りに出るとタクシーを止め、末井と共に消えていった。
蔓実と深夜は事務所が同じ駅の近くということもあり、一緒に行くという。
残された耶麻下と麻雛。
「じゃあ、僕もこれで…」
耶麻下が去ろうとする。
その腕をグイ、と麻雛が掴んだ。
「そんなに忙しいんですか?」
「えっ?」
小柄な麻雛が上目遣いで睨んでくる。
更に腕を引き寄せ、今度は俯いて小声で言う。
「…久しぶりに、その…」
声が段々と小さくなり聞き取れないが耶麻下は察していた。
そして、耳まで赤くした麻雛の頭をぽんぽんと叩いて軽く抱き寄せた。
「いいですよ。じゃあ僕の事務所に行きますか。もう誰もいないでしょうし」
299:風と木の名無しさん
08/11/20 17:35:48 x3+YHerv0
誰もいない真っ暗になった耶麻下の事務所のドアが勢いよく開く。
ドアが自然に閉まるのに任せ、鍵も閉めぬまま、耶麻下と麻雛は縺れ合っていた。
熱い舌を幾度も絡み合わせながら。
「ね…耶麻下さん、耳噛んで…」
息も荒く麻雛が囁く。
「耳、責められるの好きですよね」
「うん…は、やく…」
デスクに積み上げられた書類をどけると、そこに麻雛を横たえて覆い被さる。
望み通りに耳を軽く何度も噛むと、猫のような悲鳴を麻雛は小さくあげた。
「はぁっ…ぁ…」
細い頚を仰け反らせ、それだけで達しそうになるのを堪えているようだった。
「…舐めさせて」
麻雛は耶麻下のジッパーを下ろすと、それを口に含んだ。
舌を執拗に絡みつかせて扱く。
耶麻下は癖のある麻雛の髪を何度も撫でる。
「麻雛さんも自分の触っていいですよ」
そう言われ、麻雛は自身を手に取った。
「そこ、手えついて。そう、後ろ向いて」
麻雛の腰を抱え、秘部に自身を宛がう。
「んッ…」
軽く唇を噛みながら、耶麻下を迎え入れてゆく。
すべてを飲み込んでしまうと、やっと溜めていた息を吐き出した。
内部を抉る様に出し入れされる。
「ああっ…はッ…もっと、して」
「あっ、麻雛さ…ん!」
後ろから抱かかえる様にして動き続けるうちに麻雛が先に達した。
300:風と木の名無しさん
08/11/20 17:39:10 x3+YHerv0
「麻雛さん、腹減ったなあ…」
行為を一通り終えた後、麻雛に膝枕されながら耶麻下が言った。
「まだ、あれやってるんでしょ?」
「あれって?」
「イタリア料理ですよ」
「ああ…でも最近は忙しいからなかなかできなくて」
「そっか。でも、美味かったなあ。ほら、いつだったかの弁護団会議で作ってくれたでしょ。蔓実さんと末井さんでおかわりしまくってさ」
「そうそう、ほとんど二人で食べちゃって。作った僕の分がなくなって」
二人とも、笑ったのは久しぶりだった。
職場でも家庭でも、この頃は笑顔を失っていた。
「今度、僕の家に遊びに来て作ってくださいよ。ウチのカミさん、料理へただし」
「そんな事言っていいんですか?…でも、いいですよ」
「あ、メニューにひとつ注文があるんですけど」
「なんですか?」
「…裸エプロンで作ること」
麻雛の一撃が耶麻下を襲った。
おしまい
301:荒縄・続き1/2
08/11/21 01:24:21 RYDrDSKm0
>>292
その満面の笑みを見て、僕は顔を引き攣らせて身構えていた。
…何ですか。そんなとこで、そんなに嬉しそうに笑って。お、おかしいですよ。
立ち上がろうと思えば出来たはずだ。
僕は別に拘束されている訳ではないし、蔓実さんに抑えられている訳でもない。
だけど…僕の膝を割ったままピタリと動かない蔓実さんの足を、まるで岩のように感じてしまう。
何故かそのまま動けないでいる僕は、ブー…ン、と背後で動き続ける機械の振動に今更ながら気付いた。
腰の辺りをぐりぐりと押し、歯車のような物が振動しながら背骨に沿って上下を繰り返す。
その振動がある物を連想させて…僕は息を呑んでしまった。
この前、あなたに使われた…バイブ…どうしてあんな物、思い出したんだ。
僕の身体の芯がじゅっ、と熱くなる。
こんな、他の人も普通に利用する健康ランドの、ロビーに座っている時にそんな、いやらしいこと…
僕の呼吸はいつの間にか速く、せわしなくなってて、
身体の中心に上り詰めていこうとする熱から気を逸らそうと必死になっていた。
この椅子から立ち上がりさえすれば、こんなことから逃れられるのに。
簡単なことだ、蔓実さんの足を掴んで身体を起こせばいいんだ。
なのに。
あなたの目はにっこりと笑っているのに、実は笑ってなんかいないんだ。
僕が何考えてるのか分かってて、それを嬉しそうに眺めてるんだ。
「…またいやらしいこと考えてるの?深夜くん」
違う、そうじゃない、あなたが…そんなとこに、いるから。僕の膝を押さえたままで、そんな…とこに。
302:荒縄・続き2/2
08/11/21 01:24:52 RYDrDSKm0
風呂上がりのあなたの熱い手が、僕の胸元をそっと撫でる。
僕の膝の間の足が、ぐりっと動く。
そんな他愛もない動きが、僕の身体をぶるりと震わせ、目を熱く潤ませる。
僕のモノは既に勃ち上がってて、何処かに捌け口を探してる。
でも、こんな公共の場所で。いくらなんでもこんな所で。駄目だ。
止めて下さい、蔓実さん、僕は弱弱しく抗議の言葉を口にする。
そして椅子の腕置きに必死でしがみ付いて、身体の熱を鎮めようとした。
「…ここまで来て…止めていいんだ?」
あなたはつまらなさそうに言って、そして再びニヤッと笑った。
「じゃあ、後ろだけでイきなよ」
マッサージ椅子のコントロールパネルを開いたかと思うと、あなたは素早くそれを操作した。
え…・?一体、何を…戸惑う僕を、強いバイブレーションが襲った。
腰を中心とした揉み解しの動き。
強弱をつけた機械の振動が間断なく僕を訪れ、僕はそれから意識を外そうとしたが、
もう間に合わなかった。
最後に優しくあなたにモノを触れられ、それだけで僕は吐精してしまった。
身体が激しく震えてしまい、声を堪えるのが精一杯だった。
涙目になってあなたを睨むと、あなたは普段の顔で、ひょいと口の端を持ち上げた。
「深夜くん、まさかこれで終わりだなんて思ってないよね?」
もうちょっと。
303:荒縄・オジアサ1/3
08/11/24 00:21:53 TWQvMA1q0
「なあ、今日この後暇か?」
僕と尾島さんの情交が始まったのは、こんなふた昔ほども前のナンパ言葉がきっかけだった。
他の弁護団仲間が僕の周囲から離れた、その一瞬の隙に、尾島さんは僕の耳元でそう囁いた。
僕はそれを聞いてどう思ったんだったろう。
結果的には尾島さんに同意を示したのだから、悪くはない印象を持ったんだと思う。
尾島さんが僕を誘った目的、尾島さんが僕にするだろう行為について、その時から察しはついていた。
それでも、僕は首を縦に振った。
実は…その時に何を考えてたか、あまり記憶にないんだ。
疲れてたのかぼーっとしてたのか、兎に角頭の中が真っ白な感じだった。
尾島さんが、そんな状態の僕を見抜いて声をかけてきたのかもしれない。
気付かなかったけど、僕自身に元々そういう素質があったのかも。
だから僕は、割とすんなりと、コトに及んでいたんだ。
尾島さんは、意外なほど優しかった。
僕がこういうことに不慣れだと見ると、ゆっくりと僕の後ろを解してくれて、
軽口を叩いて雰囲気を和らげたりしてくれた。
むしろ、僕を尾島さん好のみに仕立てていくことに楽しみを感じていたんじゃないかとも思う。
初めての交わりで、それでも後ろから血を流してしまった僕に、
尾島さんは「済まねぇ」と言って薬を塗り、そしてただ抱いていてくれた。
正直、痛みしか感じられなかった僕は、声をこらえながら涙を流していた。
でも別れ際に僕の口から出た言葉は、「また会って下さい」だった。
尾島さんはニヤッと笑って頷いてくれた。
304:荒縄・オジアサ2/3
08/11/24 00:22:45 TWQvMA1q0
それから、月に一度くらいの間隔で僕らは関係を続けていた。
会って、抱き合い、交り合って、別れる。
特にお互いから何か話すわけでもなく、淡々と続けられる関係。
僕はそれに居心地の良さを感じていた。
そういう状態に身を置くことを、自ら望んでいたのかもしれない。
僕には、尾島さんもそれを楽しんでるように見えたんだ。
ところがある月より、尾島さんからの連絡がばったりと途絶えてしまった。
公判の予定がなかったこともあり、僕は尾島さんとの接触手段を断たれた格好になった。
何かしでかしてしまったような記憶もなく、何故尾島さんが連絡をくれなくなったのか
僕にはさっぱりわからなかった。
どうして、何故。
誰にも言えない問いが、僕の中に澱のように溜まって行く。
尾島さんとの行為を思い出してしまい、身体の芯が熱くなってしまうこともあった。
僕だけではどうしようもない思いを、「所詮男同士の関係じゃないか」
「結局元の状態に戻っただけだ」と無理やりに抑え込もうとしてもみた。
でも、駄目だった。
一人になると、ふとした拍子に尾島さんと…したくなって堪らなくなるのだ。
こんなことじゃいけない、これでは前に進めない。兎に角尾島さんの話が聞きたい。
僕は意を決して、尾島さんの家に電話をかけた。
305:荒縄・オジアサ3/3
08/11/24 00:23:28 TWQvMA1q0
「……はい?」
以前と変わらぬあなたの声。僕は、努めて冷静に話をしようと、一旦深呼吸をする。
「最近、連絡くれないんですね。忙しいんですか」
「あ、ああ、その話ね。ちょっと野暮用が増えてきてさ。悪ぃんだけど、しばらく会えないよ、先生」
それから数言話して電話は切れた。
僕は何となく、もう尾島さんとは終わったんだな、と思った。
いいじゃないか。別に色恋のために会ってた訳じゃないし。
いい年のおっさん同士が、今更連綿と愛の言葉を交わす訳でもなし。
溜め息をついて椅子の背もたれに身を預けると、背広のポケットの中身がカサつくのに気付いた。
見るまでもない。あなたが使ってたマッチの切れ端。
あなたと最後に会った時に、僕がホテルのテーブルから持ち帰ったもの。
「………っ……」
僕の胸の奥から何か熱い塊がこみ上げて来て、弾けた。
今まで気付かなかったけど、僕はあなたのことを愛してたんだ。
あなたのこと、ずっと。
どうしてこんな大事なことに、もっと早く気付かなかったんだろう。
僕はマッチを握り締めて泣いた。
こんなに濡らして、もうこのマッチは使えないじゃないか、そう思いながら僕は手の中のマッチを握りつぶした。
焦げ臭いにおいがぷん、と鼻をついた。
以上です。
306:風と木の名無しさん
08/11/24 11:15:56 IEY/GawLO
オジアサ、めちゃめちゃ切ないですね
泣けます
307:荒縄・アサピー続き1/3
08/11/26 00:28:34 wFlFpkQz0
目の前がぐらんぐらんと揺れる。
自分の身体が、耳の先まで熱くなってるのが分かる。
その場にいる人間が心配そうに僕の方を眺めてる。
分かってるよ、自分が飲み過ぎてることぐらい。
けどそれがどうした。何だって言うんだ。
「麻雛くん、大丈夫か?僕送ってくよ」
ごつい手が僕の肩を掴んでくる。蔓実さんの手だろう、多分。
僕は何もかも面倒臭くなってて、それを振り払って外の空気を吸いに行った。
頭が重くて上に上げられず、俯いたまま手探りで壁を伝い歩く。
飲み屋の玄関から2、3歩路地へ踏み出した所で、僕は気分が悪くなり、吐き戻してしまった。
馬鹿だ。
最低だ。何やってんだ一体。
鼻の奥からつんとする苦酸っぱさと、喉の焼けるような痛みを感じる。
再度胃の中が裏返るほど吐き出してしまうと、少しは落ち着いたような気がした。
「……もういい?うがいでもしなよ」
鼻先に突き出されたペットボトルが見え、僕は思わず顔を上げた。
「大丈夫だよ、皆には『僕が送ってく』って言っといたから。払いも済ませたし」
そこには、蔓実さんがそう言いながら笑っていた。
僕は、モグモグと言い訳のようなことを口にしていたと思う。
でもその後のことは覚えてないんだ。
蔓実さんの差し出す手を遮り歩き出そうとして、そのまま前のめりに転んでしまったから。
要するに失神ってやつ。本当に最低だ、僕は。
308:荒縄・アサピー続き2/3
08/11/26 00:29:27 wFlFpkQz0
身体がぐらっとして前に投げ出されそうな衝撃。
え?これって車にでも乗ってるの、今?
「はい、着いたよ麻雛くん。降りた降りた」
肩を掴まれて引っ張り下ろされたけど、僕の足元はふわふわとして、雲の上を歩いてるみたいだった。
よろめきながら、妙に馬鹿でかい声でしゃべってしまう。
「あー、もう大丈夫ですからー。だーいじょうぶですよー」
後で思い返すと、今すごく恥ずかしいこと言ってるんだろうな。
でもその時は自分のやってることなんて止められない。
「タクシーだったんですかー、お金…払いますからー、僕。自分の分ー」
あー、呂律回ってないし。全然周り見えてないし。
蔓実さんが一人でてきぱきと動いてるのが何となく感じられるんだけど、
僕は、ただもうぼんやりとしてて、あちこち引っ張り回されるのが心地よくなってしまっていた。
「事務所の鍵はどこ?財布?…ポケットか?」
「えー、鍵ー、あーそう鍵はー、ここー」
僕自身は素早くポケットを探っているつもりだったんだけど、
蔓実さんにしたら僕の動きはとんでもなく遅かったようだ。
僕の手を中から引っ張り出して、さっさと鍵を取り出すと事務所のドアを開けてしまった。
「じゃあこれで」
「えー…行っちゃうんですかー、ちょっとま…」
踵を返そうとする蔓実さんを、僕は背広の袖を掴んで引き留めた。
…どうも、中途半端に振り返った所を引っ張ってしまったのが悪かったんだな。多分。
気がついたら、僕ら二人は絡み合って床の上に寝転んでいた。
「ったぁ…重いよ、麻雛くん。もう勘弁してよ…」
蔓実さんは、僕に引き倒されたのに、僕のこと怒るでもなく苦笑いしてた。
309:荒縄・アサピー続き3/3
08/11/26 00:30:05 wFlFpkQz0
何でですか。
何であなたは、僕のこと怒らないんですか。
何でそんなにいい人なんですか。
おかしいでしょう、僕はこんなに酔っぱらいで、礼儀知らずなのに。
絶対おかしいよ、こんなの。
「蔓実さん、僕を抱いて下さい」
あなたもおかしいけど、僕もどうかしてる。
「今夜だけでいいですから。僕のこと、抱いて下さい」
何でこんなこと言ってるんだ。何で。
あなたは、目を丸くして僕のこと見てる。
僕の今夜の無礼ぶりは、今ここに極まろうとしている。
「蔓実さんは、男もイけるんでしょう。だったら僕のこと、好きにしてもらっていいですから」
最低を通り越して、最悪だ。
胸の奥が焼けるように痛むのは、僕がさっき吐き戻してしまったから、だけじゃない。
「…僕、尾島さんのこと、好きだったんですよ。それなのに、尾島さんは、僕…のこと…
ねえ、何とか言って下さいよ。哀れでしょ。情けないヤツでしょ、僕。
振られたからって、人に八つ当たりして。僕は、好きだったのに、尾島さん、なのに」
そこまで言った時、涙でぼやけてて前が見えてなかった僕の口は、いきなり生暖かいものに塞がれた。
蔓実さんの唇。
かなり、長い時間、僕の口は蔓実さんに吸われ続けてた。
暫くしてようやっと僕を解放してくれた蔓実さんは、低く押し殺したような声で言った。
「僕には選ぶ権利なし、なの?まあいいけどさ。君の方こそ、僕なんかに頼んで良かったのか?
…後悔しないんだね?」
その言葉に、危険な匂いを感じ取ってしまった僕が顔を引き攣らせると、
あなたはそのまま僕の身体を事務所の中へと引きずって行った。
重い鉄製のドアが、ばたん、と閉じた。
以上です。
310:風と木の名無しさん
08/11/26 18:35:49 P1GpGC5q0
荒縄さん、毎日GJです。
東京の蒲田でオジーが誰かと回転寿司を食ってたとの目撃情報あり。
誰だ…(*´Д`)ハアハア
逮捕前も寿司が悔いたいとか言ってたし、本当に好きなんですね。
311:風と木の名無しさん
08/11/28 20:35:55 ApUAvjBV0
オジトゴ、蔓オジイラストです
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312:荒縄・アサピー続き
08/11/29 23:29:57 grGpTheK0
暗い部屋の中で、僕は膝を抱えてうずくまってた。
夜半過ぎの事務所の中。
周りには誰もいない、僕一人きりだ。
……馬鹿なことやらかした後って、どうにも自分が恥ずかしくて仕方ない。
時を元に戻せればいいのに、と思う。
僕はどうしようもない恥知らずで、無礼者で、それに淫売だ。
男相手に振られたからって、別の男に愚痴って、その上…
蔓実さんに何度もイかされて。
その時自分の上げた声を思い出してしまい、僕は膝に顔を擦り付けた。
恥ずかしい。死にたくなる。
尾島さんが好きって言ったその口で、「抱いてくれ」なんて。
僕はどれだけ傲慢な人間なんだ。
好きでもない男の相手をさせられた蔓実さんの気持ち、どんなだったんだろう。
こんなことしても、僕と尾島さんの関係が変わるわけでもないのに。
そう、何も変わらないんだ。
僕がどうにもならない馬鹿だってことを、改めて蔓実さんに知らしめただけだ。
蔓実さんは、最後に僕にこう言ってから部屋を出ていった。
「君が忘れたいって言うんなら、また相手してあげるよ。そうならないのが一番いいんだろうけど。
…だから、もう泣くなよ」
ごめんなさい、蔓実さん。
僕は忘れたくないんです。未練たらしいヤツなんです。
あなたのことも、忘れたくない。
それに、今も涙が止まらないんです。
白み始めた部屋の中が、まるで見えてこないくらいに。
以上です。
313:風と木の名無しさん
08/12/03 19:44:48 wJmALv+90
昨日の某裁判での蔓実先生
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なんかもっさりしていて可愛かったです
314:荒縄・アサピー続き1/3
08/12/04 00:52:38 3p1Y0ICA0
あれから僕は、午前中は休みを取ってサウナで汗を流し、仮眠室で死んだように眠った。
疲れは全然とれなかった。
端から疲れをとろうとは思ってなかったけど。
ただ、腫れ上がった目の周りを何とかしないと仕事にならなかったし、それに同僚の前で居心地悪いし。
午後からは何とか職場に戻り、僕は溜まっていた事務仕事をこなしていた。
依頼者との面談予定が入ってなくて幸いだった。
こんな酷い顔、見せられないよ。誰にも。
今日はこの仕事を片付けるまで机の前を動かないぞ。僕はそう思っていたんだ。
夕方、というより夕飯時に近くなってきた頃。
事務所の玄関の方から来客の気配がして、それが僕の部屋へと近づいてきた。
「…麻雛さん?今ちょっといいですか?」
「あ、いたいた。ねー、飯食いに行こうよー」
末井さんに深夜くん、何で今頃こんな所に…。
二人に左右から急かされるように席を立たされ、僕は同僚の目を気にしながら事務所を後にしていた。
315:荒縄・アサピー続き2/3
08/12/04 00:53:44 3p1Y0ICA0
「この界隈ってあまり来たことなかったんですけど、割と美味しいですね」
「深夜くん、塩とってくれる?…うん、まあまあいけるね」
二人は、あれだけの勢いで僕を連れ出したくせに、
飯をパクつきながら当たり障りのない話題に終始している。
もういいじゃないか。言いたいことがあるんなら言えばいい。
回りくどい態度にはうんざりだ。
「……じゃあ言いますよ。昨日何があったんですか、麻雛さん?おかしいですよ、あんなに悪酔いして」
別に、何もないよ。ちょっと飲み過ぎただけだよ。
「それにしても変ですよ。今まであんなに飲んだ事ってなかったじゃないですか」
なんでもないって、本当に。話って、それだけ?
「…麻雛くん、誰かに振られたんだろ」
…え。ぼそっと言った末井さんの一言に、僕の手が止まってしまった。
図星だな、と笑う末井さんの目が、じっと僕を見てる。
「振られてヤケになって飲んじゃったんだ、そうだろ?」
末井さんはいつものようにニコニコ笑ってて、ただ目つきだけは法廷で争ってる時みたいに鋭いんだ。
僕はその目から視線を外すことが出来ないでいた。
深夜くんは、息を呑んで僕らの方を見てた。手から箸を落としたのにも気づかず、じっと身体を固まらせたままで。
316:荒縄・アサピー続き3/3
08/12/04 00:54:42 3p1Y0ICA0
「で?昨夜は蔓実さんとそのまま寝ちゃった、と。図星?」
末井さんは心底うれしそうに話し、その言葉に何故か深夜くんがびくっと身体を震わせていた。
「蔓実さん、優しいからな。君のことも放って置けなかったんだろ」
あ…もう止めて。言わないで下さい。昨日のこと、まざまざと思い出してしまう。
太い指が僕に触れて、そして…蔓実さん、僕はもうあなたと。
普通のレストランの中で泣き出す訳にはいかない、僕は必死になって涙を堪えようとしてた。
でも駄目だった。僕は手で口を覆って、泣き声を抑えるしかなかった。
「いいじゃん、泣いちゃえよ。誰に振られたか知らないけどさ、他に相手してくれる人がいるんならそれでいいだろ」
良くないです!僕にとって尾島さんは……あ…。
「……尾島さんと、だったんですか」
深夜くんのか細い声が、僕の耳に突き刺さった。末井さんはふうん、と頷いている。
こんな簡単な誘導に引っ掛かるなんて、弁護士失格だ。自分がこんなにも無防備な人間だったなんて。
ショックで立ち直れそうもない。
「それで、麻雛さんはこれからどうするつもりなんですか?」
わからないよ。こっちが聞きたいよ、どうすればいいのかなんて。
椅子に座ったまま項垂れていた僕の肩を、末井さんはバシッと叩いた。
「ならさ、もう一度尾島さんに会いなよ。僕が話つけてくるから。二人で話せばいいじゃん」
えー!それって…
でもそう言えば、末井さんていつも尾島さんの迎えに行ってたり、割と窓口的な役割こなしてたんだよな。
急に席を立ってしまった深夜くんのことが多少気にはなったけど、
僕は末井さんに、尾島さんと会う約束を取り付けてもらうことにしたんだ。
あと一回。
317:風と木の名無しさん
08/12/04 01:45:27 ZLHfW4o6O
wktkwktk(*゚∀゚)=3
318:風と木の名無しさん
08/12/04 14:19:29 KDSVgTim0
夜須田先生誕生日オメ!!
末井先生と末永くお幸せにw
319:荒縄・最後1/3
08/12/09 01:07:03 Vn37VMWg0
「…来たな。入れよ」
躊躇いがちに開けたホテルのドアの向こうで、尾島さんは不機嫌そうに喚いた。
僕の動きは、それを聞いただけでギクシャクしてしまう。
室内の椅子に座った方がいいのか、立っていた方がいいのか。
僕がおろおろと尾島さんの方を見ると、あなたは間髪入れず一気にまくし立ててきた。
「あのなあ、俺は『しばらく会えねえ』って言っただけだぜ。何も金輪際会えねえなんて言った覚えはねぇし。
何で俺の方が悪いみたいな話になってるんだよ、いつの間にか…」
ち、違います。末井さんがどう言ったかは知らないけど、僕は…え?じゃあ、尾島さんて、僕のこと。
「またこんな風にぐだぐだ言いやがるんなら考え直すけどな。今回は勘弁してやるよ。
ちょっと暇になったから、また会ってやってもいいぜ」
腕を組んで斜に構えながら、尾島さんはニヤッと笑ってくれた。
本当なんですか。本当に…うれしいです。
こんな簡単に尾島さんに会って話が出来たなんて、末井さんに感謝しなきゃ。
僕は、一人で騒いじゃって尾島さんにも迷惑かけたって、素直に誤った。
「ならさあ、どうすりゃいいか判るよなぁ。…なぁ先生?」
そう言うと、尾島さんはベッドに寝転がって、うーんと伸びをした。
そして試すように僕を見やると、そのまま目を閉じてしまう。
僕の身体の芯は既に熱くなってて、あなたに触れたくて仕方がなかった。
手早く服を脱ぎ捨てると、僕はあなたの前を開き、それを口に含んだ。
懐かしい もの。欲しかった もの。とてつもなく愛しい もの。
以前なら躊躇して出来なかったことも、今ならやれる。
僕はそれに口付け、丁寧に舐め回し、硬く育った後も扱き上げ続けた。
「ん…っ、いいぜ。尻こっちに向けな」
あなたの言葉が僕をあなたの上に跨らせる。
あなたの指が僕の後ろを捉え、入口を解していく。
あなたの熱い指が僕の中を激しく出入りする。
「ここで、蔓実先生を飲み込みやがったのかよ」
動きを止めずに低く囁くあなたの声が、僕をさっと青ざめさせた。