08/05/18 21:25:56 p+d+Ezd20
すいません、アドレスを間違えてました…(つД`)
URLリンク(f.upup.be)
151:風と木の名無しさん
08/05/19 01:31:18 ty5NSTtS0
荒縄さんとコラ姐さんGJ!
凄いご馳走だ(*´Д`)=3 '`ァ'`ァ
152:風と木の名無しさん
08/05/21 21:12:39 zaeaj55f0
オジ裁判記事
URLリンク(p.pita.st)
夜須田先生記事
URLリンク(p.pita.st)
パス目欄
153:風と木の名無しさん
08/05/24 04:32:46 RbhlSTWU0
___________
/_i i i i ii`ヽ、
|/ `ー-´ヽ )
|| | | _______
| ,―、,ー-、| | |
| -・= =・= |/| |指示じゃないですか!
| / (,_,) .|./ <指示してるじゃないですか!
| -=- ./ |
_/l\___/l_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_-ー´ / .|'ヽ、 // `-、__
/ / | \_// | ^l
\ | ハ / / |
l ̄ | l-l / `-, ヽ
154:風と木の名無しさん
08/05/24 19:45:31 RbhlSTWU0
___ ,/ ̄´ ̄ `ヽ、
/ ,,,,,,,,,,,,ノ、、 _人人人人人人人人_ ――
/ _、./ . -_、 ,,.ゝ) > 意義あり! < _, -‐-- 、___
ヽ-l6υ─--i'tij`')=〉 .. ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ , -'´ 、 ____ 、_ `‐、
___ l .!'`i  ̄ι....) ____ _ /フ´ '-、ミli`´`、'''―'’
.l' 、. ,ノ,ィ'ニア/´ , - l i 、 ヽ__..ノ
ノ ヽ、!=-'/_, -テ- 、_ __.......'フ/ 、\`>ニ二=、_イ...ノ
_,ノl_〉,.... -‐フ ̄/'´ / `'''´ ゝミ_-シ//
___ _, -'´//l' `'l ./ .l / . `''-ニ/
末井センセのつもり
155:荒縄・スローなブギにしてくれ1/2
08/05/26 23:51:52 71Yz27gu0
「確か、この辺に尾島さんのウチなかったっけ?」
愛車のハンドルを握りながら、冨士田はふと見覚えのある町並みに目をやった。
俗に言われる『下町情緒の残る』界隈。
ビジネス界でのし上がろうと躍起となっていた頃は、乱立するビル街を往復するので精一杯だった。
都会でも目にすることの出来る自然の営みや、人の息遣い、情緒ある町並み…
見えていたはずなのに見落としていた物事のいかに多かったことか。
それが、尾島がそこに住んでいる、それだけでその町を特別に意識してしまうようになった自分のことを、
(幾らなんでも現金だよね)と思っては見たものの、元より反省する気もない。
ただ感慨深げにハンドルを切り、裏の路地に乗り入れてみると、そこには
普段着でスーパーの袋をぶら下げて歩いている尾島の姿があった。
(…本当にいた、よ…どうしよう)
いや、別にどうもしなくていいと思うのだが。
内心の動揺を辛うじて収め、冨士田は車を歩道沿いにピタリと付けて低速走行してみる。
混んでないし許されるよね、と誰に言っているのか分からない言い訳を呟きながら、窓ガラスを下ろす。
「…ねぇ、乗ってかない?」
いや、ナンパじゃないんだから。
「あ、あぁ…いいね」
いきなり声を掛けられて驚きながらも、何故か冨士田のペースに合わせてみせる尾島。
付き合いの良いことだ。
「…実は僕、社長やってたことがあるんですよ」
尾島が車に乗り込んでくると、ニヤリと笑って冨士田はこう切り出した。
「へ…え、奇遇だな。俺も昔社長だったんだぜ」
ニヤリと笑って、尾島もそう返す。
156:荒縄・スローなブギにしてくれ2/2
08/05/26 23:52:24 71Yz27gu0
「元社長同士、どっか出掛けるかね?」
「そうですね…月並みだけど、海が見たいな」
目の色までキラキラとした80年代バブルの頃に戻ってしまっている冨士田に、
尾島は『そこまでは付き合わねぇぞ』と釘を刺した。
「海?んなもん、眺めたらそれで終わりだろ」
「だからいいんじゃないですか~」
言うなりグン、とアクセルを踏み込む冨士田。
びびってシートにしがみ付いてしまった尾島は、スピードには少し弱いようだ。
「おいおい、飛ばすなよ!全くいい大人がよ」
ふっと鼻で笑った冨士田は、片手でCDチェンジャーに手を伸ばした。
「…じゃあ、スローな曲でも聞いてて下さいよ」
短い機械音の後に、気だるい男性ボーカルが、ピアノやジャジーな曲と共にスピーカーから流れてくる。
「……昔流行った歌だな」
「僕、この曲好きなんです」
「生き急いだ男の夢、か」
「…夢…ありましたよね…」
尾島より若いはずなのに、最近の活動で疲れた顔をした冨士田は、ちょっと老けたようにも見えた。
「あったり前だろ!なきゃどうすんだよ!今でもちゃんとあるぜ、夢なんざ」
それに気付かないフリをしながら、尾島は敢えて甲高い声を張り上げた。
「やりたいことがなきゃあなぁ、やってられねぇよ、色々よお」
それを聞いた冨士田の暗い表情に、僅かに光が差した、のか。
「僕に、聞かせて下さいよ、それ」
「……へっ、照れ臭ぇな。じゃあよ、もっとボリューム上げてくれよ、な」
車は既に海沿いの道を疾走していた。ベタ凪の海沿いの道を滑るように、そして激しく。
以上です。
157:荒縄・蔓深1/2
08/05/29 00:18:36 7gVHFDvz0
連投すいません。 >>132の続き
涙が止まらない。自分でもみっともないと思うのだが、こればかりはどうしようもない。
しかも先輩の肩を借りたまま、路上で、鼻水まで流して。
「…っ、すいま…」
身体を離して謝りの言葉を口にしようとする深夜を、蔓実は強い力で引き止めた。
「いいから。無理するなって。真面目すぎるんだよ、深夜くんは」
抱き締めてくる蔓実の腕の力が心地良い。心地良過ぎて、つい甘え続けていたくなる。
(駄目だ、こんなに甘えてちゃ。しっかりしなきゃ)
数回深呼吸をすると、取り乱していた心が、少し落ち着いたような気がした。
「本当にもう、いいですから。大丈夫です…ありがとう、蔓実さん」
今度は声を震わさずにはっきりと言えた。
深夜の声音を確かめるように聞くと、蔓実は腕の力を緩めた。
ポケットの中からハンカチを取り出し、手渡しながら深夜の顔を覗き込む。
「大丈夫?本当に?」
息がかかる程の近さで囁かれ、深夜は何故か胸がどきどきするのを感じた。
幸いにも、顔が赤らむのを悟られることは無かったが。
(だって、これ以上赤くなりようがないもんな…)
「はい、大丈夫です…すいませんでした」
「謝るなよ。こっちは好きでやってることなんだから、さ」
そうぶっきら棒に言い放つ蔓実の態度の変化に、深夜は『え?』と首を傾げた。
何だ。今までの温かい声色が、急に冷たく感じられたのは何故だ。
とまどう深夜の手を、蔓実は無言のまま引いた。
そのまま駅の構内へと引き入れられ、トイレへ続く狭い廊下の中に連れ込まれる。
疑問符で一杯に埋め尽くされていた深夜の頭の中が、やがて真っ白になった。
158:荒縄・蔓深2/2
08/05/29 00:19:26 7gVHFDvz0
「……ふ、ぁ…っ」
自分の口が、蔓実の唇で塞がれている。
その突然の出来事を、深夜の脳は処理仕切れなかった。
理性が、受け付けることすら拒否した。
疑問も戸惑いも、驚きも恐怖も、全てを蔓実の唇が呑み込んでいった。
(僕は…)
アルコールの回った頭の芯がぐらり、と揺れる。
(僕は、今…)
自分の口が熱い舌でこじ開けられ、ねっとりと絡み付かれる。
(今、何を…)
散々泣き腫らした目が、再び潤み始める。
(…蔓実さん)
強く、激しく吸われた唇が、痺れるような快感に満たされていく。
放心し、だらりと垂れ下がっていた深夜の腕が、何時の間にか蔓実の肩を抱き締め返していた。
「……ごめん」
漸く深夜の身体を離した蔓実が、再びぶっきら棒に言い放った。
「悪かった」
むっつりとして俯く蔓実に、深夜は取り縋って叫んだ。
「違う、違うんです蔓実さん、どう言ったらいいのかわからないけど…わからないんだけど」
声よ、震えるな。涙よ、流れるな。言いたいことをしゃべり終える、もう少しの間だけ。
「僕は、蔓実さんが来てくれたこと、うれしくて…僕…よくわからないけど」
ああ、何だこの様は。自分の職業は一体何だ。マトモに言葉もしゃべれないのか。
わななく唇を更に動かそうとする深夜を、蔓実はふっと笑って押し止めた。
「ごめん、やっぱり僕が悪かったよ。それに、僕も良くわかってないんだ、今の状況」
酒のせいってことにしておいて、そう言い添える蔓実に、
「…仕方ありませんね、酒のせいじゃ、ね」
深夜は濡れた頬を隠すようにして、その胸に顔を埋めた。
以上です。
159:風と木の名無しさん
08/05/30 04:19:32 RfY7jz3r0
>>155-158
オジトゴはいい!しかも懐メロときたもんだ
荒縄さん、蔓深のネタお借りします。
URLリンク(p.pita.st)
(パス1951)
160:荒縄・ツルオジ1/4
08/06/03 01:53:39 HE0X93UM0
>>148の続き
(…くそっ…)
ホテルのベッドの上で大の字になりながら、尾島はさっきの出来事を思い返していた。
(確かに、宮城に行きてぇって言い出したのは俺だけど)
(弁護士付き添いの元なら…保釈中の人間でも許可は下りるって言ってたな)
(夏休み中に新幹線取るのは大変だったろうし、仕事の合間に俺のために…)
「…痛ってぇ」
何気なく動かした手足の皮膚が、シーツに擦れ…
その拍子に、トイレの中で細かく擦り剥け、痣になった手足が痛んだ。
(だからってよ、あんな所であんなまねしやがって)
(よりによって列車の便所の中なんかで…酷ぇじゃねえか…畜生!)
(人のこといいように扱いやがって、くそっ…うわ、何見てやがるんだ!)
隣でリュックサックの中身を分別していたはずの蔓実が、何時の間にか尾島の顔を覗き込んでいた。
「…面白いですね、尾島さん。急に紅くなったり怒ってみたり。さっきのこと思い出してるんですか?」
「う…うっせぇよ」
ごろん、と横になって蔓実に背を向ける。
「明日は早目に発ちますか?尾島さんの故郷って、ここから大分遠いんでしたっけ?」
背を向けたままの尾島に蔓実は何回か声を掛けてみたのだが、
何時まで経っても返事をしない尾島に業を煮やし、いきなり上から圧し掛かってきた。
「や…めろよ!何なんだよ、さっきから!」
「…そうですね、続きをやりましょうか、さっきの。有耶無耶になっちゃいましたからね」
圧し掛かりながらも、蔓実の表情は真剣だった。
「僕は弁護士です。弁護士は依頼人の話を時間の許す限り聞いて、法律の専門家としての
アドバイスをするのが仕事です。訴訟や弁護も勿論だけど、普段は細かい仕事を色々こなしてるんですよ。
さっきはちょっと感情的になってしまったけど、今度は最後まできちんとやりますから」
その真面目な顔のまま、ぐいと尾島の顔を掴んで引き寄せる。
「だから、ちゃんと話してもらいますよ、尾島さん。駄目なら…僕にも考えがあります」
161:荒縄・ツルオジ2/4
08/06/03 01:55:14 HE0X93UM0
だんまりを決め込む尾島に、矢継ぎ早に言葉を叩き込む。
「今辛いと思ってることは何ですか?故郷の村へ帰りたくない?母親に会いたくない?どうしてです」
「何遍も言わせんなって!もう嫌なんだよ!うぜってぇんだよ先生!大体、依頼したのは俺の方だぜ?
何でそんな言われ方しなきゃいけねえんd…」
腕を振り払おうとする尾島の動きを羽交い絞めにすると、蔓実は胸元の絹のハンカチをさっと広げた。
力ずくでその腕を身体の後ろへと回し、両手の親指の付け根を素早くハンカチで一纏めにする。
大の大人が力一杯引っ張っても中々外せない場所である。
薄くしなやかな絹地は、もがけばもがくほど指に喰い込むばかりだった。
「どうです?話したくなりましたか?」
「そんなもん、話したくなる訳ねぇだろっ」
じたばたと暴れる尾島の身体を乱暴に表に返すと、蔓実は口元だけで笑って見せた。
「そう…ですか。じゃあいいです。黙ってて下さい。僕が独自に調べますから」
言うなり尾島のシャツの前をはだけ、胸元に顔を埋める。
(調べるって…何なんだよ、それ…!)
その疑問が、衝撃に成り変わって尾島を襲った。
およそ今までに自分が受けたことのない、手荒い乳首への刺激。
潰されるほどにこねくり回され、跡が付くまで噛み付かれる。
痛みしか感じられない、愛撫とは程遠い扱いに、尾島はくぐもった悲鳴を上げた。
身を捩り何とか逃れようとするが、この体勢では、
ベッドのスプリングの間に僅かに身体を沈みこませることしか出来なかった。
蔓実の視線は冷たく尾島を捉えたままで、その手は休まず尾島の肌の上を這い回り
時に爪痕が付くほどに責め立てた。
「っ、はぁ、いて…もうや…め」
涙混じりに許しを請う声を漏らすと、蔓実の動きが止んだ。
ふっと息を吐いたのもつかの間、自分の内部へ冷たいジェルのようなものを塗り込められ、
尾島は(まただ…また、じわじわと嬲られるんだ俺は)と半ば諦めたように思っていた。
だが、尾島の考えは甘かった。
何度か指で内部を押し広げられた後、蔓実自身がそのまま無遠慮に突き入れられ、
尾島はそれに耐え切れず叫んだ。
162:荒縄・ツルオジ3/4
08/06/03 01:56:05 HE0X93UM0
「ぐ、ぅ…あああああっ!」
(慣らし、無しかよ…っ)
腰を抱え上げられ、叩きつけるように抽迭を繰り返される。
じっと尾島の顔に目を据えながらも、蔓実は痛がる尾島の様子にはまるでお構いなしだった。
そのまま一方的に果てると、尾島の中から己を抜き去り、精液の滴る後孔に再び指を差し入れる。
同時に袋の付け根辺りをぐりぐりと揉み解し、中と外からある一点を…
前立腺と呼ばれる部分を探るように刺激し続けた。
最初は、蔓実の激しい行為に痛みしか感じていなかった尾島の内部が
ぞわり、と総毛立つような感触を覚えていた。
およそ快感とは思えない感触。なのに、蔓実の指がそこを行きつ戻りつすると、
もどかしい焦燥感のようなものが尾島を捉え始めた。
知らぬ間に喘いでいた自分の声が耳を衝き、しかもそれを止めることが出来ない自分に更に焦らされる。
(う、嘘だ、こんな…俺がこんなとこで感じるわきゃねぇ…)
心の中で何度繰り返してみても、現に自分の感じている感触を否定することは出来なかった。
突然、蔓実の指がある地点で止まる。
尾島自身は気付いていなかったが、そこに触れられると尾島は『いい顔』を…
きつく眉根を寄せながらも甘だるい声を漏らし、口の端からつ、と涎を流してしまっていた。
強く、また優しくその部分を刺激され、尾島は息を飲み込んで耐えた。
自分が他人の後孔を責め立てた事はある。だが自らがその責め苦を受けるのは初めてだった。
尾島は、他人が自分の手で堕ちて行った様を思い出し、改めてその時の行為に恐怖を覚えた。
だが…快感の波は尾島の想像を超えていきなり襲い掛かってきた。
咆哮。
文字通りの雄叫びが、尾島の口を吐いて出た。
そうしなければとても耐えられなかった。
全身を突き抜けんばかりの快感に腰が反り返り、背筋を中心にして身体がびくんびくんと痙攣し出した。
「は…っ、ん、んあ…」
不思議なことに、自分のモノは股間に垂れ下がったままでその太さを保っていた。
透明な液が少量、竿の先から滴り落ちているくらいだった。
163:荒縄・ツルオジ4/4
08/06/03 01:56:48 HE0X93UM0
(後ろだけでイっちまってるのか…この俺が?)
一度イってしまった身体はどうしようもなく敏感になってしまっている。
乳首を優しく舐められただけで、竿をするりと撫でられただけで嬌声を上げてしまう。
(恥ずかしい、もう…止めてくれ)
そう思う間もなく頭の中が真っ白になり、意識が弾け飛ぶ。
そしてまた、会陰への刺激に意識を取り戻してしまい、直ぐに強制的にイかされる。
「本当に死んじまうよ!息が、出来ねえ、っく、う…せんせ…っ」
あれから何度意識を飛ばされてしまってたのか、既に分からなくなっていた。
そしてどうしてこんなことをされているのかも。
「た、すけて…」
がくっと頭を落とした尾島の頬を両手で挟み、蔓実は愛しそうに自らの頬を寄せる。
「尾島さん、愛してますよ。愛してます。だから…止められないんです」
蔓実の心底幸せそうな表情が、僅かに歪んだように見えた。
以上です。
164:風と木の名無しさん
08/06/04 00:02:22 TeCYU/NzO
なんてエロいものを!
オジー、また開発されちゃって(*´Д`)ハァハァ
蔓実先生の壊れ具合も最強です
165:風と木の名無しさん
08/06/04 03:24:39 mxkkvSneO
連投すみません
オジー誕生日おめでとう(*´∀`)
つーわけで蔓オジ誕生日漫画
URLリンク(p.pita.st)
166:荒縄・イタリアン
08/06/09 00:45:33 j1Xp/55c0
>>121
外はもう真っ暗で、会議を終えた弁護士の殆どは疲れた顔で家路へ着こうとしていた。
その、皆があわただしい雰囲気を醸し出している中で夜須田は、発言者にその趣旨を問い質したり、
曖昧な表現を聞き取ろうとしたり、まだまだ仕事を終える気はなさそうだった。
そんな会議室の中に流れてくる、ほのかな香ばしい香り。
腕まくりをした麻雛が、こっそりと夜須田の方へと近付いていく。
「安田主任、夜食作ってみましたけど、味は保障しませんからね」
「あ…ああ、すまんな。後で食べるからそこに置いといてくれ」
そう言われて、途端にむくれてみせる麻雛。
むっつりと押し黙ったまま、夜須田の前から離れようとしない。
「………」
その様子に顔を上げてみると、麻雛はじっと夜須田を見つめ続けていた。
流石に忙しいと思ったが、それを無視できないような迫力が麻雛にはあった。
「う…ん、どうしたんや?」
「…アルデンテなのに」
ぼそっ、麻雛が低く呟く。
「…?何やて?」
「…冷めたら美味しくないのに、パスタ」
「…今すぐ食えって?」
無言のままコクン、と頷く。
困った顔でパスタを口に運んだ夜須田だったが、更に困ったことにそのパスタが絶品であったのだ。
朝から碌な食べ物を口に出来ていなかった夜須田の腹が鳴る。
「困った…」
思わず口にしてしまい、それを聞いた麻雛の表情が曇っていく。
「旨過ぎるよ、これじゃ仕事にならん」
本気で困った顔をする夜須田に、麻雛はホッとして別の皿を勧めた。
「ズッパとサラータ、締めはドルチェとカッフェですよ」
そして小さな声でこう付け加えた。
「…僕も一緒に仕事、付き合いますから。残さず食べて下さいね?」
以上です。
167:風と木の名無しさん
08/06/10 06:45:09 tvv8FUXRO
>>166
ヤスアサ可愛いです
姐たん誕生日おめでとう!
168:風と木の名無しさん
08/06/11 16:33:25 +j8GmMqB0
姐誕まんが
URLリンク(imepita.jp)
169:風と木の名無しさん
08/06/11 16:41:46 +j8GmMqB0
削除されたっぽいのでもう一度
URLリンク(p.pita.st)
170:風と木の名無しさん
08/06/17 19:13:09 N/zqd9k0O
線路内保守点検
171:荒縄・深夜×末井1/3
08/06/18 00:11:07 Qmkbt9vo0
僕は今、襲われている。
汗が染みて痛む目を開けると、身体を仰け反らせて喘いでいる末井さんの姿がぼんやりと見える。
あれから、どれくらいの時間が経っていたのだろう。
午後からの会議と打ち合わせの後、末井さんに腕を取られて引きずり込まれた資料室の中。
驚く僕を壁に押し付け、シャツのボタンをはじくように外しながらあなたは言った。
「頼む…もう我慢できないんだ」
泣き出しそうな目で見詰められると、僕は何も言えなくなった。
あなたを…泣かせたくはなかったから。
そんな悲しそうな目のままでいさせたくはなかったから。
小さく頷いてしまった僕を見て、あなたはそのまま僕の胸に顔を埋めた。
僕は、あっという間に末井さんの手で昂らされて立っていられなくなり、壁を背にしたまま
ずるずると床の上に尻を付きそうになった。
反射的に手を出してあなたにしがみ付こうとした僕を、あなたは華奢な身体で受け止め、
優しく横たえてくれた。
「……深夜くん、ありがとう」
そう口にしたその唇で、僕の前を頬張り、扱く。
漏れそうになる声を堪えようと両の掌を握り締める僕の上で、あなたは暫しその動きを止めた。
「ねえ…握るんなら、俺の足を掴んでよ」
…何を言われたのか分からなかった。
あなたは僕の手を取ると、僕の足の上に跨っている自分の膝元に導いていった。
「握って、強く」
泣き出しそうな目のままでじっと見詰められ、僕は抵抗出来ずにその声に従っていた。
恐る恐るあなたの膝辺りを掴むと、あなたはうん、と頷いた。
「そう、それで…いい」
次の瞬間には、末井さんは僕自身を飲み込もうとしていた。自分の後ろから。
無茶だ。全然慣らしてないのに。
172:荒縄・深夜×末井2/3
08/06/18 00:12:05 Qmkbt9vo0
案の定上手くいかずに四苦八苦しているあなたに、僕は漸く声を掛けることが出来た。
「だ、駄目ですよ末井さん!少し…慣らさないと」
なのに、あなたは首を振った。しかめた顔を俯かせ、懸命に腰を動かしながら。
僕自身も、固く閉ざされた門を貫くには痛みを伴うだろう。
ましてや、あなたを傷つけるようなことなんて。
そう思い萎えていきそうになる僕自身に手を添えて、あなたは抑えた声で叫んだ。
「逃げるな!…逃げないで、頼むから…」
もう一方の手を乳首に伸ばされ、乱暴にこねくり回されると、情けない喘ぎが僕の口から漏れた。
末井さんはそれを見て僅かに笑った、ように見えた。
そして、ずずっと腰を落とした。
楔が…あなたが自分で打ち立てた楔が、あなたの中に打ち込まれる。
痛い。
熱い。
歯を食い縛り、あなたの膝を跡が付くほどに握り締め、僕はその衝撃に耐えた。
あなたは…自分を痛めつけるように何度も、何度も腰を落とし、また持ち上げては
その身を切り裂き続けた。
僕がイってしまうと、その度に僕の会陰を弄り、脇を責め、乳首を玩んだ。
そして、再び勃ち上がった僕自身を、その身の奥深くへと引き込んでいった。
僕はもう訳が分からなくなってて…あなたを泣かせたくなかっただけなのに。
どうして、こんなことになってしまったんだ。
あなたは…僕の上でよがり、喘ぎ続けているあなたは…。
カチッ。
その時、棚の向こうで金属的な音がしたのに、僕らは同時に気付いた。
申し合わせたように二人とも動きを止める。
ドアノブが回され、誰かが室内に入ってきた。
部屋の入り口と僕らが身体を重ねている床との間には、資料の詰まった書棚が立ちはだかっているが、
その隙間からこちらを覗こうと思えば覗けないこともない。
173:荒縄・深夜×末井3/3
08/06/18 00:12:36 Qmkbt9vo0
誰かが資料を探しているらしい気配がこちらに伝わってくる。
末井さんの額から汗が滴り落ちる。
その緊張状態に耐えられなくなったのか、末井さんの上半身がぐらりと揺れた。
マズい。
その口から何か声が漏れそうになっているのを感じ、僕は咄嗟に身体を起こして
末井さんの口を手で塞いだ。
「……!」
あなたが白目を剥き、自身から白濁した液体を吐き出すのが見えた。
その背後で、ドアはカチャッと音を立てて閉められた。
誰かは、僕らに気付くことなく出て行ったようだ。
だけど僕は、そんなことはもうどうでもよくなってしまっていた。
気を失ってしまったあなたを抱き止め、床に横たえると、必死であなたの身体を揺り動かしていた。
「末井さん!あああ、どうしよう、僕は…っ…ごめんなさい…」
暫くすると、血の気の引いていた末井さんの顔が少し歪み、うっすらと目が開いた。
「…深夜、くん…」
「あ…末井さん、気が…良かった…」
安心したら、涙が出てきた。情けない男だ。
「馬鹿だなあ。泣かなくてもいいのに。それに…さっきの、すごく良かったよ」
口の端を吊り上げて笑うあなたに、僕は思わずむしゃぶりついていた。
「ええ、馬鹿ですよ…!でも馬鹿はどっちですか!こんな…無茶して…」
それ以上は言葉に出来なかった。僕が本格的に泣き出してしまったから。
僕をあやすように頭を撫でる末井さんの声が、耳元に小さく聞こえた。
「ああ…馬鹿だよ俺は、大馬鹿だ…でも、どうにもならないんだ。俺は、どうしようもない馬鹿野郎だよ」
以上です。
174:風と木の名無しさん
08/06/18 23:52:10 L23TX7KM0
>>171-173
泣き虫深夜先生モエス
末井先生にはオロナインとキシロカインをプレゼント
蔓深イラ
URLリンク(p.pita.st)
175:風と木の名無しさん
08/06/22 01:07:51 wXbNqdnb0
出所者から姐タン情報が!
有名人だから何かと周りの受刑者から注目を浴びてそうだ
ムショ内でイジメとか色々ヤラレてなきゃいいけど…
スレリンク(archives板:237-239番)
176:風と木の名無しさん
08/06/22 15:37:36 jDuyeiKKO
>>175
GJGJ
177:風と木の名無しさん
08/06/23 03:02:03 SF1tv6aP0
あ、176の漏れのIDにイッコーさんがw
こんなのみつけました
URLリンク(jp.youtube.com)
URLリンク(jp.youtube.com)
178:荒縄・ヤスマツ1/2
08/06/27 02:08:20 ONR06VvK0
その日の夜遅く、講演会とその後の飲み会を終えて事務所へと帰ってきてみると、
部屋の中には末井が倒れていた。
……流石の俺も二の句が継げなかった。
所々引きちぎられた様な服、打撲の痕や細かい傷の残る手足、
そして辺りにうっすらと残る血生臭さ。
駆け寄って末井を抱き抱えようとすると、こいつはそれを振り払って床上へと再び倒れ込んだ。
「お、俺の言ってることは、間違いじゃない!俺は、間違ってなんか…」
甲高い声で叫びながら、俺に噛み付かんばかりにして暴れ出す。
やっぱり…誰かに襲われたのか…それとも自分から喧嘩を吹っ掛けたのか。
末井は、子供が駄々をこねるように必死で手足を動かし、首を左右に振っている。
床の上で頭がゴン、ゴンと音を立てているが、そんなことにはお構いなしのようだ。
赤く腫れ上がった両目は涙か目ヤニのようなもので塞がれている。
「…おい、何も見えへんのか?俺が分かるか、末井?」
何とか末井の肩口を押さえ込んだ俺は、上下に揺さぶりをかけながら声を掛け続けた。
「末井、俺や、夜須田や!どうした、何があったんや?誰に一体、こんなこと」
漸く俺の声が耳に届いたのか、びくっと身体を震わせると、末井はその動きを止めた。
「夜須田さん」
痛々しく腫れ上がった両目の隙間から、すっと水のように涙が流れ落ちる。
「とにかく、その目ェ何とかせな。ちょっと拭いたるから待っとれ」
俺は末井をその場に残し、洗面所へタオルを濡らしに行った。
(全く、無茶しぃや、ホンマに…)
無意識にぶつぶつと呟いてしまい、それを自分の耳で聞いて更にげんなりしてしまう。
戻ってみると、末井は俺に背を向けて身体を小さく丸め、少しばかり肩を揺らしていた。
泣いているのか。
俺が黙ってタオルを目に当てると、末井も無言でそのタオルを握り締めた。
他のタオルで手足の傷を拭い始めると、こいつはぼそっと吐き捨てるように言った。
「もう…どうでもいいんですよ」
「…何?」
179:荒縄・ヤスマツ2/2
08/06/27 02:09:01 ONR06VvK0
「もう俺なんかに関わらない方がいいです、あなたも…いい加減で危ないヤツなんですよ、俺は」
あのなぁ。同じ事務所に所属して、一体何年経ってると…俺がそう言おうとすると、
こいつは『今までありがとうございました』などと間抜けな言葉を告げて身体を起こそうとする。
そうは言っても起き上がれないだろう、その様子じゃ。
案の定、呻き声を上げてガクッと肩を落とす末井を、俺は横から支えた。
「おい、阿呆なこと言うてるんやない。俺たちとは、昨日今日の付き合いや無いやろ」
突然、末井の身体がガタガタと震え出した。どうした、と覗き込もうとする俺を弾き飛ばすほどの勢いだった。
「俺は…!そこら中で問題起こして、叩かれまくって、周りから非難されて…っ…!
それでも懲りないヤツなんです…こんな汚いヤツ…俺、自分のこと、もう…」
未だ目の開けられない顔を歪め、苦しげに声を絞り出す。
「どうしても止められないんだ、俺、自分のことが自分で…分からない…」
そう言ってこいつはいきなり笑い出した。それこそ腹を抱えて。
泣き、叫び、怒鳴り、笑い、感情のコントロールが出来ないでいる自分に振り回されている。
いや、そういう振りをしているだけなのか。
俺は狂ったように笑い続ける末井の顎を捉え、無理矢理に口づけた。
逃げようとする身体を抱きとめる。
「…阿呆。今更何言うてんねん。お前のこと、俺が何も知らんとでも思てんのか?
俺の腕の中で、お前がゆっくりと形を無くしていく。
「そんなに信じられへんのか?周りのことが。俺のこと、信じられへんのか?」
堪らなくなったのか、お前は子供のような泣き声を上げた。
ただただ俺の名を繰り返し呼びながら。
「阿呆やなあ…肝心の時に俺に甘えんで、どうするんや。ホンマに阿呆やで…」
お前が好きだと言ったら、それは俺にとっては本気のことだ。
こんなこと、中途半端な気持ちで思うものか。
照れ臭くてそこまでは言えなかったが、俺はその代わりにお前のことを抱き締め続けた。
…阿呆さ…お前にそんな思いをさせてしまった俺の方こそ、阿呆たれだ。
せめてもの罪滅ぼしだ、受け取れ、末井。
以上です。末井、懲戒請求却下されますように。
180:風と木の名無しさん
08/06/27 06:22:40 mFB8HYw8O
荒縄さんの末井だいすけです
同業者は戒告じゃね?と
181:風と木の名無しさん
08/06/30 05:00:45 Alo/H3t70
落書き詰め合わせ
URLリンク(kissho.xii.jp)
(パス1951)
182:荒縄・襲われマツ1/2
08/07/05 00:50:12 7R4qflDv0
>>178の前。
一体どちら側から吹っ掛けた喧嘩だったのか。
そもそもこの場は喧嘩のための場などではなかったはずだ。
ある大きな事件の裁判に携わっている末井が裁判に必要な手続きを行わなかったとして、
弁護士会へ懲戒請求が出されていた。
それに対し『直接本人から事情を聞きたい』と設けられた場所。
冷静な意見の交換が行われていたのは最初のうちだけだった。
互いの主張することを声高に相手にぶつけ、それが互いをヒートアップさせていく。
なだめようとする者をおしのけて、末井は椅子を蹴立てて立ち上がった。
「もう時間の無駄です!あれ以上被告にしゃべらせることは無理だったし、現在では尚更です。
手続きだけすればいいような軽い問題じゃあない!どうしても被告の言葉が必要だった…
俺を懲戒にかけたいなら、かければいい。俺から言うことはもう何もありませんから」
捨て台詞のように言い、部屋を出て行く末井。
舌打ちしながらそれを見やった上座の弁護士は、軽く頷いて顎をしゃくった。
腰を浮かしていた何人かが頷き返し、その後を追う。
「…変わりませんな、あの一派は」
溜め息とともに吐き出された誰かの一言に、上座の弁護士は低い含み笑いで答えた。
廊下で腕を取られて捕まってしまった末井が引きずり込まれた小さな部屋。
おそらく接見用に使われているのだろう、小さなテーブルと椅子がニ脚置かれている。
それらが乱暴に部屋の隅に追いやられ、末井は部屋の真ん中に寝転ばされた。
「何する…離せっ!俺に触るな…!」
ヒステリックに叫ぶ声が部屋の中に響く。小柄な身体を無茶苦茶に動かし、何とか逃れようとする。
それを遮るように末井の身体へと伸ばされる手、手、手。
183:荒縄・襲われマツ2/2
08/07/05 00:50:43 7R4qflDv0
もがく手足を抑えつけ、頬をはたき、服を毟り取る。
「気に入らないヤツにはこうするのか、あんたらは!それで口封じのつもりか…っ!」
あまりにも煩いと感じられたのか、頬を立て続けに張られ、耳がキーンと鳴る。
顔が紅く腫れ上がり、じんじんと痛む。
「止めろっ…止め…俺は、こんなことぐらいじゃ、黙らない…」
眼鏡が飛ばされたことで既に末井の視界はぼやけている。
それが涙で滲んできたからと言って、別にどうと言うことはない。
誰のものか分からなくなっている手に身体を弄ばれたからと言って、それがどうだと言うのか。
精一杯の虚勢を張り、相手への抵抗を口にしていた末井の声が、徐々に途切れがちになる。
末井を痛めつけていた数人の手は、今や末井を玩具にして楽しんでいた。
首筋を、耳を、脇腹を、乳首を、足の付け根を撫で回され、その度に首を振り、
唇を噛み締めて声を堪える末井を、彼らは囃し立て、更に弄び続けた。
いきなり後ろから貫かれ、思わず噛み締めた唇の間から赤いものが伝う。
その口を無理矢理開かされ、モノを突っ込まれる。
歯を立てて抵抗しようとすると、軽く頚動脈を押さえられて落とされそうになった。
その間にも、後ろからは激しく突き上げられ、閉じられぬ口からは喘ぎが漏れてしまう。
「あ、ああああ、んぅ…ああっ、あっ、」
一方的に欲望を放たれ抜き去られると、また別のモノに犯される。
尻の間を伝い落ちるどろりとした液が、喉の奥に放たれる青臭い液が、
末井に、今の自らの扱われている立場を嫌でも教え込もうとする。
(俺は…間違ってなんかない…俺は、信じて…俺のやってること、信じて…)
身体は堕とされても、心だけは。
己の心だけは。
散々嬲られ、喘がされる屈辱にまみれながら、
末井は崩れていきそうになる自我を必死で守ろうとしていた。
それが何時まで続く責め苦であるのかも分からないまま。
以上です。
184:風と木の名無しさん
08/07/05 02:14:25 eJIwGnFV0
>>182-183
(*゚∀゚)=3ムッハー
ツルオジまむがです
URLリンク(kissho1.xii.jp)
(パス1951)
185:風と木の名無しさん
08/07/05 03:25:38 eJIwGnFV0
連投済みません
姐たんのいる黒羽の「教訓」とかについて書いてあるブログです
URLリンク(anthonyjail.blog123.fc2.com)
参考までに
186:風と木の名無しさん
08/07/09 02:45:59 OIjws8byO
ほしゅ
ついでに、オジーの控訴審日程はまだ決まってません
元気にしてるかな
187:荒縄・蔓深1/4
08/07/13 02:02:19 T+a+Scuj0
>>158の続き
胸に顔を埋められた時から、何となく分かってはいた。
だが、蔓実には聞いておきたいことがあった。
「…深夜くん、ヤったことはあるの?それとも初めて?」
自分の方から蔓実の手を引いて引き入れたトイレの中で、深夜は苦しげに顔を伏せる。
(答えられないですよ、…そんなこと)
そのまま答えないでいる深夜に、蔓実は低く忍ばせた声で念を押すように言う。
「僕、今酔っ払ってるんだからね、元々短気だし。手加減しないよ。それでいいんだね。
僕を誘ってきたってことは、いいってことだよね」
深夜は顔を伏せたまま唇を噛み締めた。だが、やはり何も言わない。
ただ、小刻みに震える指で自分のズボンのベルトを外そうとしている。
不器用なのか緊張しているのか、その作業は遅々として進む様子はない。
その指を外させ、てきぱきと深夜の下半身を露わにしていく蔓実。
それをぼーっとして見入っていた深夜だったが、やがて苦しげな顔のまま視線を横に逸らせた。
(僕はあなたのことが好きだから…あなたがすることだったら、僕は)
先程の口付けで感じた快感の余韻が残る頭の片隅で、自らに言い聞かせるように何度も繰り返す。
…さっきから、何人かがトイレ内を出たり入ったりしている気配が壁の向こうから伝わってきている。
カチャカチャと音を立てながらズボンを脱がせていくが、その間も二人は一言も発そうとはしない。
大きな声でしゃべれば、確実にその場にいる者の耳に入る。それがわかっていたから。
蔓実は脱がせた深夜のズボンをドアの取っ手に掛けると、黙ったまま深夜に口付けた。
さっきよりも長く、深く、濃厚に。耐え切れなくなった深夜が吐息を漏らしそうになるほどに。
その雰囲気を察し、蔓実は無言で深夜を見据えた。
しゃべるな。声を出すな。
強い視線がそう物語っていた。
188:荒縄・蔓深2/4
08/07/13 02:03:26 T+a+Scuj0
漸く深夜から唇を離すと、今度は自分の左手指を深夜の口にねじ込んだ。
「舐めて」
押し殺した声で、深夜の耳元に囁く。
相手は黙らせておいて、自分はしゃべってもいいのか。それはあまりにも傲慢ではないのか。
寧ろ、蔓実は自らの傲慢さを楽しんでいるようにも見えた。
元より深夜には、蔓実の要求を断れるはずもなかった。
言われるがままに蔓実の指を頬張る。
だが緊張のためかその口の中は乾いていて、これでは充分な湿り気が…
そう判断した蔓実の動きは早かった。
シャツの合わせから右手を差し込み、掌で深夜の乳首を撫で転がす。
口の中から引き出した指を下へ下ろすと、深夜のトランクスの中に差し入れ、会陰の辺りから袋の裏を揉み込む。
トランクスの中で、ゆっくりと竿が勃ち上がろうとしていた。
頬を朱に染め、深夜はひたすら首を左右に振っていた。
恥ずかしさと、休みなく襲ってくる刺激、そして声を上げられないことの辛さ。
ぎゅっと閉じた目を開くことも出来ず、がっしりした蔓実の肩口を指が食い込むほどに握り締め、
漏れそうになる喘ぎ声をひたすら堪える。
蔓実に『しゃべるな』と指示されなくても、こんな場所では他人に声を聞かれたくはないだろう。
なのに何故…自分からこの場所を選んでしまったのか。
分からない。
『この場所で』と言うよりは、『他ではない、後でもない、今すぐに』という理由の方が強かったのだ。
深夜にとっては。
今すぐ、でなくては確かめられない気持ちが彼にはあった。
だが、場数を踏んでいない深夜にはそれは無謀なことのようだった。
快感に耐えるあまり心臓が早鐘のように鳴り響き、頭の芯がずきずきと痛む。
鈴口からは透明な液体が顔を覗かせ、それがぷくりと盛り上がり、伝い落ちようと蠢く。
それを逃さず左手指に絡め取ると、蔓実は深夜の後孔に塗り込めた。
189:荒縄・蔓深3/4
08/07/13 02:04:08 T+a+Scuj0
「……っ!」
深夜の腰が跳ねる。思わず肩口から外した右手で口を覆い声を押し殺す。
それでも、僅かに掠れた喘ぎが漏れてしまう。
「ん……っは……ぁ」
ぐにぐにと孔の周りを揉み解していた蔓実の指が、ずる、と中へ侵入した。
膝を震わせる。口を手で塞いだまま天井を仰ぐ。
見開かれた目が、助けを求め宙をさ迷う。何度も首を左右に振る。
それでも抑えることの出来ない喘ぎを、深夜は指を噛んで止めようとする。
「ぐ、む…ぅうっ…」
蔓実の左指は三本に増やされ、奥を突くように出し入れされている。
深夜の口の端からは涎がぽたぽたと滴る。
立っていられなくなり、深夜は便器の蓋の上に跨ると、太い注水パイプにしがみ付いた。
そうしないと、床の上に崩れ落ちてしまいそうだった。
泣き出しそうな深夜の目に見詰められながら、蔓実はそのまま深夜の後孔を指で責め続けた。
「ぁ……っ、く…」
声を堪え過ぎて酸欠になってしまった頭で、尚も耐え忍ぼうとする深夜。
もう思考能力は残っていないに等しい。
がりっと音をたてて自分の指を噛み締めてしまったのにも気付いていない。
赤い筋が深夜の右手をゆっくりと伝うのを見て、蔓実は苦笑しながら深夜の竿を扱き出した。
前と後ろからの刺激を受け、深夜は漸くその溜め込んだ熱を吐き出すことが出来た。
と同時に、意識を失って便器の上から転がり落ちそうになった。
それを、力強い腕ががっしりと支えていた。
190:荒縄・蔓深4/4
08/07/13 02:04:53 T+a+Scuj0
暗い夜道が、薄暗い街灯に照らし出されているのが見える。
…何時の間にか、深夜は蔓実に肩を貸されてよろよろと歩いていた。
「…お、気がついた?」
蔓実はにやり、と笑って言う。
「深夜くん、君には幾つかの重大な過失がある」
身体中が痛い。頭の中はまるで鉛が詰まっているように重たい。
何も、何も考えられない。それなのに、目の前の蔓実は楽しそうに言葉を継いでいた。
「一つ、僕の質問に答えられなかったこと。簡単な質問だったのに。
一つ、僕の命令に従えなかったこと。僕の指舐めてって言ったのにね。
一つ、僕の指示に逆らったこと。周りに人がいるのにあんな声出したらバレちゃうよ、僕らのこと。
一番まずかったのは、僕の誘いに乗っちゃったことだけど…ね。
よって、今日は一晩僕の事務所で付き合ってもらうよ。手始めに、さっきの質問に答える所から」
さっと蒼ざめた深夜の顔を、蔓実は楽しげに眺めていた。
以上です。
191:風と木の名無しさん
08/07/13 09:47:41 3/QRrSZTO
(*´Д`)/ヽァ/ヽァ
192:荒縄・ヤスマツ1/3
08/07/19 01:13:51 FL1nIykY0
参った。今日も酷い一日だった。
まず、出先から帰るのがこんなに遅くなったのがまずい。
俺の目は時計を見ることを拒否しているが、多分夜の2時は回ってるだろう。
時間通りに片付く仕事はそもそもやってないんだが、今日も案の定遅れてしまった。
そしてこのいきなりの雷雨。
傘を買おうと飛び込んだコンビニでは、先客が買っていったのだろう、ことごとく傘が売り切れていた。
夜中だから補充もされなさそうだし、行く先行く先で売り切れているのには参った。
コンビニにたどり着くまでに既に全身ずぶ濡れになってはいるんだが、それにしても…。
しょうがないから濡れて帰ることにして、俺は取り敢えず着替え用の下着を買い求めた。
また今日も事務所で徹夜だな。
俺は雨でグチョグチョと嫌な音を立てる靴を引き摺り、非常灯だけが灯る建物へと入って行った。
事務所のドアを開けると、真っ暗な室内が見えて、俺の疲労感を倍加させる。
…誰か一人くらい残ってると思ったんだが、今日は皆退社した後か。
帰ったら明日の打ち合わせをやろうと思ってたんだが、まあ仕方ないか。この時間じゃあな…。
洗面兼台所の小さな明かりを点け、濡れた服を脱ぐと、俺は絞ったタオルで体を拭いた。
軽く寒気がするような気がするが、多分気のせいだ。
朝になったら、近くのジムでシャワーでも浴びよう、そう考えていた時。
玄関のドアノブがガチャついた。こんな時間に…一体誰だ?
カメラで外を覗くと、小柄な男が自分のポケットを探っているのが見える。
何だ、末井か。
中から開けてやると、ヤツはパッと顔を上げて俺に抱きついてきた。
「…良かった…夜須田さん、いたんだ」
冷たくなってぶるぶると震えている身体を俺に押し付け、背中に手を回してくる。
「おいおい、お前も雨に降られたんか?拭いてやるからこっちへ」
俺の言葉に、こいつは首をぶんぶんと左右に振った。
193:荒縄・ヤスマツ2/3
08/07/19 01:14:27 FL1nIykY0
「やだ、もっと抱いてて」
おい、また甘えて…いい加減に…そう言いたくなるのをぐっと飲み込む。
俺自身真夜中に一人きりでいるのが辛い、と思っていた所にこいつが帰ってきて、
正直ほっとしていたのも事実だ。
俺が末井を抱き締める腕に力を入れると、こいつも逆に抱き締め返してきた。
こいつの冷たい身体が、何故か今は心地よく感じる。
…さっき感じた軽い寒気は、完全に頭痛と発熱にシフトしていた。
こりゃあ風邪ひいちまったな。俺は溜め息をついてそれを認めざるを得なかった。
「…どうして、何も聞かないんですか」
え?お前、今何て言ったんだ?
「夜須田さん、どうして怒らないんですか」
俺の胸に顔を埋めていた末井が、うつむいたまま掠れた声でしゃべっている。
「俺が何してたって、どうしていつも聞かないんですか?俺が今まで…何処へ行ってたって…
何処で、誰と何してたって。
俺が何言っても怒らないのは何故なんですか?俺のこと、どうして…無茶なことして
散々暴れて、あなたに八つ当たりしてるのに。
俺の言うことなんて聞かなきゃいいのに!どうして俺の言うこと全部聞くんですか!
あなたがそんなだから、俺…何時までもあなたから離れられなくて…あなたに、甘えて…
あなたがそんな態度だから、俺…っ」
末井の話は支離滅裂で、最後は涙で途切れてしまった。
…俺か?やっぱり、俺が悪いのか?
言葉でしゃべってこいつを諭そうとも思ったが、止めておいた。
そうだな、俺が悪いのかもしれないな。
お前のこと、一番甘やかしてるのは俺だ。
お前が何をしても、何を言っても俺はお前のこと無意識に庇ってたんだ。
そうかもしれない。
194:荒縄・ヤスマツ3/3
08/07/19 01:14:57 FL1nIykY0
俺は黙ったまま、お前のことを抱き締め続けた。
お前は形ばかりイヤ、と首を振って逃れようとするが、俺がそれを許さない。
「そうや、俺が悪いんや。俺は悪やから、お前のこと滅茶苦茶にしたる。
お前がそんなしょうもないこと考えられんようになるまで責めたるさかい、覚悟しいや」
…ああ、俺は明日は風邪っぴきで大変なんだろうな。
それでも、今のお前のこと、放って置けないから。
どうせ無茶なのは一緒だ、俺達二人とも。
俺がお前の顎を捉えると、躊躇っていたお前の唇が俺の口を塞いでくる。
…明日は、お前も頭痛と熱に付き合えよ、末井。俺に向かってあれだけしゃべったんだから、いいだろ?
以上です。
195:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/21 02:33:29 i8TpEvZDO
トゴタン誕生日おめでとう!
いまナニしてるんだか…
オジーと浴衣で花火見物とか妄想
196:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/24 02:04:07 enBiCAHa0
ほんとに山梨落ちなし意味なしのオジトゴまんが
URLリンク(kissho.xii.jp)
パス1961
197:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/24 02:05:21 enBiCAHa0
パス間違えた
1235でした_| ̄|○
198:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/27 00:52:14 bj5IDPAO0
)
(
,, ) )
゙ミ;;;;;,_ (
ミ;;;;;;;;、;:..,,.,,,,,
i;i;i;i; '',',;^′..ヽ
゙ゞy、、;:..、) }
.¨.、,_,,、_,,r_,ノ′
/;:;":;.:;";i; '',',;;;_~;;;′.ヽ
゙{y、、;:...:,:.:.、;:..:,:.:. ._ 、}
".¨,;;;;==-ー=v ''ノ==ミ_,ノ′
/;i;i; '',',ィ.tァュ,;;;;;;;/ ィ、ァュ´゙^′..ヽ
゙{y、、;:...:,:`~"、;:.:,:ヽ .`~".、) 、}
".¨////'‐ .:ノv、冫) ////r_,ノ′
/i;i; '',',;;;_~υ⌒ハヘ__, ノ;;ヾ.ミ゙´゙^′.ソ.ヽ
゙{y、、;:..ゞ.:,:.:_,,:ν⌒Y⌒ヽ、゚o,,'.、) 、}<今日も元気だウンコがうまいだろぉ…ハァハァハァ ウッ!
ヾ,,..;::;;;::,;,::;)Kェエエェエェ-冫,,、_,,r_,ノ′
ヽ、___, ノ
199:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/27 01:21:46 Vgr+r4NoO
オジーの控訴審日程、まだまだ決まらないみたいです(´・ω・`)
オジー元気かな?
氏の塚さんは帽子で蒸れてないか心配
200:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/28 00:38:09 bVQMKJql0
ツルオジ漫画です
URLリンク(p.pita.st)
センセ、オメ(*゚ー゚)ノシ
201:荒縄・オジトゴ1/2意味なし
08/07/28 00:39:19 C1mmXgqz0
「……暑い」
「……」
「……暑いよ。何とかなんねぇのかよ」
「……」
せっかく避暑地に来たはずなのに、これでは到底避暑にはならない。
とにかく暑い。日陰で寝そべっている自分たちの処へと熱風が吹き込み、肌の上をじっとりと舐めていく。
さっきからブーブーと文句を言い続けている尾島の言葉を努めて無視しようとしていた冨士田だったが、
汗ばんだ手で自分の足首を捕まえられ、うんざりとした目線を投げた。
「だって、仕方ないでしょ。こんな天気になるなんて思わなかったし。…プールにでも入りますか?」
「ヤだね。大体俺、水着なんて持ってねぇし」
「そこで売ってますよ、水着」
二人がだらだらと過ごしているポーチから、数人の客が水と戯れているプールサイドが小さく見える。
尾島の手を振り払った冨士田がそちらへ手を振ると、尾島は不貞腐れたようにうつ伏せになった。
「ガキじゃあるめぇし、今更水遊びなんざ出来るかよ」
「…じゃあなんでここまで付いて来たんです?」
「避暑地、だぜ?避暑に決まってんだろ。
それがよ…何が悲しくて…こんなに暑くちゃ勃つもんも勃たねえよ」
ああ、またそこに話が行くのか。冨士田は再びうんざりとして尾島を見つめた。
自分だって、そういうことは嫌いではない。だけどそこへばかり話を持って行かれると、正直…。
(純粋にこの場所を楽しんでもらいたかっただけなんだけど。景色もいいのになあ)
すっかり氷の溶けてしまったグラスを飲み干すと、冨士田は横になっていたデッキから立ち上がった。
「じゃ、僕はひと泳ぎして来ますから。暑さをしのがなきゃ」
そこへ伸びてきた尾島の手。
今度は、がっしりと冨士田の腕を掴んで離さない。
「おい、おい、ちょっと待てよ。そう邪険にすんなよ。せっかく二人でいるのに、もっと楽しませてくれたって…」
びくりとして振り返る冨士田の身体を強引に引き寄せ、意地悪そうに笑う。
「…罰は当たらねえよなあ?」
202:荒縄・オジトゴ2/2意味なし
08/07/28 00:39:50 C1mmXgqz0
人気のないポーチの中で、熱風に曝されたまま、尾島の寝そべっているデッキの端を握り締めている。
ポーチは誰でも出入りできる場所なので、冨士田は声を堪えるのに必死になっていた。
逃げようとすると、バミューダの裾から手を入れている尾島の指が、冨士田自身を素早く扱き上げる。
それに怯むと、今度はもう片方の手が尻の間に滑り込んでくる。
絶え間ない刺激と暑さに、身体中から汗が滴り落ちる。
「お…じま、さ…こんな、とこで…っ、や…」
「いいじゃねえかよ、面倒くせぇ。ここでやらせろよ」
気のない風を装いながらも、尾島の目は光を失っていない。
冨士田が声を詰まらせ、身体の震えを堪える度に、ほくそ笑むように頬を引きつらせる。
飲み物を手にした他の客が近くを通って行くと、尾島の手はすっと前から引かれたが
後ろは後孔の周りを弄くり続けていた。
顔を背けて声を堪える冨士田を、尾島の言葉が更に追い詰めていく。
「そうだ、お前7月生まれだったな。プレゼントやるぜ。俺のはやる気になってねえから、この指で充分だろ」
かっと頬が熱くなる。足から力が抜け、しゃがみ込みそうになるのを、尾島は許さずに近くの壁に押し付ける。
「…駄目だよ。このままだ。このまま、ここで、だ」
「や、ぁ…どうして、い…んぁっ」
ずぶり、と冨士田の中に押し入ると、尾島は低い声で囁いた。
「お前、気が付いてないんだろ。今…お前すげぇ嬉しそうな顔してんだぜ」
以上です。
203:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/29 17:42:28 2H1WYut8O
オジトゴ(*´Д`)ハァハァ
オジの控訴審決まりました!10/31の13:30から、高裁第5刑事部です。
204:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/29 19:18:04 2H1WYut8O
日程、某補佐曰く30日でした。
高裁に再度聞いてみます。
205:新板設置について相談中@新板スレ
08/07/31 21:00:36 ODuD1dYv0
犬HKでこれから、10:00からの「アレ今どうなった?」という番組で
体震事件やります
206:205
08/08/01 05:43:12 bq7uKwtW0
うpっときましたのでどうぞ
1
URLリンク(jp.youtube.com)
2
URLリンク(jp.youtube.com)
207:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/03 04:17:38 kEQza1x90
オジーと弁護団ドゾー
夜須田
URLリンク(p.pita.st)
末井
URLリンク(p.pita.st)
麻雛
URLリンク(p.pita.st)
深夜・末井
URLリンク(p.pita.st)
↑この時、末井先生が自分の名札を逆さまに置いてしまっていて、
それに気がついた深夜先生が直してあげるというハプニングが。
で、二人見詰め合って笑いあってました(*´Д`)
耶麻下
URLリンク(p.pita.st)
夜須蔓
URLリンク(p.pita.st)
蔓深
URLリンク(p.pita.st)
オジー
URLリンク(p.pita.st)
蔓オジ
URLリンク(p.pita.st)
深夜
URLリンク(p.pita.st)
208:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/05 12:39:56 GS4tus+10
再度、オジ控訴審日程
URLリンク(www.courts.go.jp)
裁判所名:東京高等裁判所 第4刑事部
日時・場所:2008年10月30日 午後1時0分 東京高等裁判所 3番交付所
事件名:詐欺 平成2 0年(う)1 1 6 8号
備考:当日午後1時0分までに指定場所に来られた方を対象に抽選します。
209:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/07 00:24:33 6JF+Oof+0
>>178-179
荒縄さんネタお借りしました。
漫画です。
URLリンク(kissho2.xii.jp)
パス1947
210:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/08 17:16:15 +gkDqd/n0
氏の姐
URLリンク(p.pita.st)
211:う。 手際よく何か細いもので僕の…あれの根元をきつく縛ってしまった。 うろたえる僕の手首をまとめて一括りにし、それをもネクタイで縛り上げる。 僕はただされるがままで、おまけに漏れる声はとんでもなく甘く、顔は嬉しげに歪んでしまう。 そして気付かされる、さっきの問いの答えを。 僕がどうしてここへ来てしまったのかと言うと、それは蔓実さんに抱いて…欲しかったから。 そして蔓実さんがそれを拒まないと思ったから。 ほら、全部望み通りになったぞ。 なのに何故僕は泣いているんだ。 「…深夜くん、気持ちいい?…ああ、気持ちいいんだね。なら、何で泣いてるの」 あなたが囁く言葉が、僕の耳の中で何度も繰り返される。 僕は…何も言ってない…あなたは、他人のことを、あなたは…。 「……僕が深夜くんの『想い人』じゃないから?」 それまで優しかったあなたの声音が、一瞬にして冷たくなった。 思わず息をのんだ僕の首筋に、あなたは獣のように歯を立てて噛み付いてきた。 以上です。
212:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/18 23:59:35 S4jilT5B0
>>212
( ゚д゚)・∵.ぐはあ!モエス!
ツルオジ昔話
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213:荒縄・夜須末1/3
08/08/21 01:08:43 0b4LQyuN0
おかしい。何か変だ。
元々が激しい性格の男だから、目の前で態度がコロコロ変わるのもそう珍しくはない。
だが、法廷内で…弁論の最中でこれ程落ち着きのない姿を見せる末井を見るのは初めてのことだ。
油汗なのか冷や汗なのか、額から滴り落ちるのを拭おうともせず、目は資料を追っているようで
その実何も見えていないかの如く泳ぎまくっている。
末井は周りのことにはまるで無頓着に見えた。
弁論の途中でいきなり声を昂ぶらせたり、急に尻切れトンボのようになったり、
何時にも増した傍若無人ぶりを発揮している。
俺達他の弁護団の方を見向きもせず、自分の資料と被告、裁判官、
その三者の方へ無理やり顔を向けている。いや、その三者以外の場所を見たくないようなそぶりだ。
それが、閉廷の声を聞いた途端に末井は態度を一変させた。
小娘のようにもじもじとしたかと思うと、分厚い資料の入ったケースを抱え、
脱兎の如く廷内を後にした。
他の弁護団は呆気にとられて其れを眺めていた。
「…大丈夫なんですかね?心配だなあ」
「……深夜くん、○○さんのこと、頼んだぞ」
俺は被告との今後の打ち合わせなどを深夜に任せて、そそくさと末井の後を追った。
214:荒縄・夜須末2/3
08/08/21 01:09:55 0b4LQyuN0
どうやらそのままトイレに駆け込んだ末井は、個室の中に閉じ籠もっているようだった。
「おい、末井、どうした?具合でも悪いんか?」
俺はドアをノックして聞き耳を立ててみた。
中からの返事はないが、代わりに何か…妙な喘ぎ声が聞こえる。
「…おい、ここ開けろ。どうしたんや」
ドアをガタガタと動かしてみたが、やはり末井は答えない。
こうなったら仕方がない。
俺は鍵束を取り出し、そこに巻き付けてある針金を…不測の事態に備えて用意してあるものだ…
適当に伸ばしたり折り曲げたりして、ドアの隙間に差し込み鍵をこじ開けた。
「ま…つい…」
俺は思わず息をのんだ。
個室の中の末井は、壁に背を貼り付けるようにして身体をがくがくと揺らしていた。
両手は壁を掻き毟るようにしており、爪の跡で壁の塗料が剥がれ落ちてしまっていた。
口の端から涎を流し、目が完全にイっている。
「見ない、で…んっ、おねがい!やす…ああっ…ここから出て、早く!」
ヒステリックに叫ぶ末井の方から、かすかに機械的な音が…周囲を振動させるような音が聞こえた。
艶めかしく動かす腰の辺りが壁に押し付けられると、その音が僅かに聞こえやすくなる。
まさか。お前、後ろに…入れてるのか。いや、入れられてるのか。
そんな状態で法廷に、今まで…。
俺が近付こうとすると、末井はじりじりと横へ移動する。
元々狭い室内だから逃げ場はほとんどない。それでもこいつは必死になって俺を近付かせまいとしている。
「来ないで!…頼むから…」
泣きながら、なのに縋るような目で俺の方を見る。
俺から逃げたいのか、俺に助けて欲しいのか、どっちだ。
「俺を…一人にして…じゃないと、終わらない…んんっ!」
突然、末井は叫んだ。
一声甲高い叫びを漏らすと、血の滲んだ指で口元を覆い、その場にしゃがみこんだ。
後ろだけで達してしまったのが傍目でもわかる。
215:荒縄・夜須末3/3
08/08/21 01:10:34 0b4LQyuN0
身体を激しく震わせながら必死で声を噛み殺す末井を見て、俺は情けなくて涙を流していた。
お前は。どうしてそう無茶ばかりするんだ。どうして一人だけで突っ走ろうとするんだ。
俺は…俺達は何のために…。
「…っ、はぁ、夜須田さん、これから、証言…聞き出しますから、ここから、出て下さい」
息を荒くしたまま、末井はぽつぽつとしゃべりだした。
「……何だと?」
「証人と、ここで、会う約束です。だから」
「ここで、か。それからホテルでも洒落込むんか」
俺の言った言葉にむっとしたようだったが、末井は掠れた声で続けた。
「俺は何だってやります…証言を得られるんなら…何だってやるんだ。だから」
急に言葉を詰まらせ、びくっとして再び身体を震わせ始めた末井を、俺は見ていられなくなった。
俺は末井に背を向けて言い放った。
「お前なぁ、ちょっと前に、『俺が世話を焼くから俺から離れられんようになった』って言うたな?せやけど…
こんな有り様見せられて、放っとけると思うか?
目の前でこんな無茶されて、誰が放っとけるんや!俺は…俺は、もう知らん…っ」
言うだけ言ってドアを乱暴に閉めると、俺は逃げるようにその場から立ち去った。
末井の交渉相手を見届けるべきだったのかもしれない。そしてその交渉を止めるべきだったのかも。
だが、やはり俺はあいつには甘いんだ。
あいつの言う通りにやらせてやろうと思うのと、あいつが誰かと…そんな姿は見ていたくない。
結局、俺は事務所に戻り仕事を続けていた。俺には、それしか能がないんだ。
夜半過ぎ、俺の部屋の入口でとさっと音がした。何かが崩れ落ちる音。
よれたスーツに、汗で額に張り付いた髪の毛が、扉の陰に見える。
申し訳なさそうに見上げる上目遣いが、それでも交渉の成立を告げようとしている。
阿呆やなぁ。
苦笑してしまった俺を見て、末井は犬ころのように部屋の中になだれ込んで来た。
以上です。
216:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/26 05:20:31 zPNcYMYXO
★ゅ
217:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/28 19:14:26 llhel7DH0
『不幸自慢』
「痛っ…てぇ……」
腹にナイフが突き立てられている。
血が柄を伝って滴り落ちる。
尾島はいつかはこうなるとは思っていたが、余りにも突然の出来事に呆然としていた。
ただ腹の痛みだけがそれを現実だと教えている。
「女にやられるなんて…」
「尾島さんっ…うぐっ…」
(俺を呼んでる、泣き声が聞こえる)
(…嗚呼、腹が痛い。俺、生きてるのか?)
左手にぬくもりを感じる。誰かが手を握っている。
「あ…」
「尾島さん!気が付いたんですね」
見覚えのある泣き顔の持ち主は富士田だった。
尾島の手を硬く握り、震えている。
「なんでお前がいるんだ?ここどこだ?」
「病院ですよ。尾島さん、もう死ぬからとか言って僕の携帯にいきなり電話掛かってきて。
自分のマンションにいるからって言うから、行ってみたら…」
「そっか、俺、お前に電話してたんだ」
「そうですよ」
「『最期』に電話かける相手がお前だったのか。俺もヤキが回ったな」
尾島はふっと笑い、富士田から視線を反らせた。
218:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/28 19:15:36 llhel7DH0
「ちょっと!尾島さん、僕がどれだけ心配したか分かってるんですか!」
富士田はまた顔をくしゃくしゃにして泣き出した。
「おい、俺なんかのために泣くなよ。俺がまた浮気して恨まれて、刺されただけだろ。
死んでも自業自得だったんだ」
腹が痛むのを我慢しつつ、身を起こして富士田を抱きしめようとする。
しかし途中で痛みに耐え切れずにまた横になってしまった。
「だめだ、カッコつけようと思ったけど。いてえ」
「無理しないで下さいよ。あなたが死んだら、僕は…僕は…っ」
シーツに富士田の涙がまた染み込んでゆく。
尾島はため息をつきながらも腕だけ伸ばして富士田の頭を撫でた。
富士田は何事かを言おうとするが、しゃくってしまって声にならない。
「俺が死んだからなんだって言うんだよ」
そう、ボソっと尾島は呟くと富士田は顔を起こして睨みつけた。
「僕の生きる意味がなくなっちゃうじゃないですか!」
そう叫ぶと尾島の腹を叩いた。
うぐっ!と悶絶する尾島。
「別にあなたのために泣いてるんじゃないんですからねっ。自分がかわいそうになったからです!もう、帰りますから」
そう言うと椅子から立ち上がった。
219:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/28 19:16:19 llhel7DH0
「おい、待てよ」
尾島は縋るように富士田の手を掴んだ。
富士田はまだ震えていた。
「ひとりに、しないでくれよ」
「こんな…こんな、都合のいい時ばっかり僕の事…!」
「それじゃダメか?」
「もう…っ!」
富士田は振り返ると尾島に口付けした。
はあっと二人が吐息を漏らし、見詰め合おうとした時だった。
「お邪魔…だったみたいですね」
唐突に声がした。
「あっ!蔓実先生…なんで?」
「僕が連絡したんですよ」
富士田は蔓実に背を向けたまま言い放った。
「尾島さん、刺されたって言うのに随分とお盛んじゃないですか。
心配して損したなあ。…あ、花、ここに置いておきますね」
「花…って、鉢植えじゃねえかよ先生」
「ちょっとは病院に根付いて反省してもらおうと思ったんでね」
蔓実はニヤっと笑った。
「それも意味なかったようですが。夜須田さんたちも後で来るって言ってましたよ」
今度は睨みつけてくる。
「尾島さん、これでも死んだ方がマシだって言えますか?
みんなに心配かけて。いい加減気が付いたらどうなんですか?」
(愛されてるって事を…かよ)
尾島はバツが悪そうにため息をつくと天井に目を移した。
「美女に囲まれてる方がよかったとか思ってるんでしょ」
蔓実が尾島の顔を覗き込む。
尾島は尚も視線を反らせて誤魔化そうとする。
富士田はそれを見てくすっと笑った。
220:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/28 19:16:49 llhel7DH0
「なんだよお前ら。もう帰っても大丈夫だからよ。ありがとうな、早く治すからさ」
何とかその場を取り繕うとする尾島に二人は笑いかけた。
「蔓実先生、どうしましょうか?」
「そうだなぁ、とりあえず襲っちゃいましょうか。反省してないようだし」
その言葉に尾島はぎょっとして布団を握り締めた。
「ちょっと、待ってくれよ。おい…ここでするのか?三人で」
「だって尾島さんそういうの好きでしょ?」
「鍵閉めておきましたよ」
「…っ!」
尾島が腹を括ろうとすると、蔓実と富士田はまた顔を見合わせた。
「そんなわけないでしょ。当分お預けですよ」
「じゃあ、また来ますからね。看護婦さんのことナンパしないように」
そう言い残して二人は病室から出て行った。
「ちっくしょ…」
(期待しちゃったじゃねえかよ、どうすんだよコレ…)
半ば膨らんだ股間だったが腹の痛みが邪魔して、どうすることもできなかった。
221:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/28 19:17:27 llhel7DH0
翌日の昼過ぎも富士田は仕事の合間を縫って尾島の元に来ていた。
「おい、大丈夫なのかよ。俺のことはもういいからさ。まだお前の仕事軌道に乗ってねえんだろ?」
「尾島さんは自分のことだけ心配してください」
「そう言う訳にはいかねえだろ」
「ふふっ…」
富士田は小さく笑うと昨日とは違う優しい口付けをしてきた。
「やめろって」
「どうして」
「どうしてって…」
「あ、尾島さん、キスで勃っちゃうんでしたっけ?」
「お前なあ、知ってるんならよせよ」
尾島は気恥ずかしげにため息をついた。
「じゃあ、口でしてあげますよ」
「馬鹿…っ!」
富士田は尾島の布団に頭だけ入れると、動き出した。
その様子を蔓実の持ってきた花が見つめている。
(…最期は富士田か先生に刺されるのかもな…)
〈終〉
222:新板設置について相談中@新板スレ
08/08/29 17:17:14 WFhk2tDA0
姐たんと末井絵
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223:荒縄
08/09/01 00:02:53 mq6w1Auh0
>>223
目が開くと同時に、口の中の鉄臭さに気付いた。
顔が痺れるように痛い。
ここはどこだ。自分は今何をされているんだ。
頭を持ち上げようとして初めて、末井は自分が後ろ手に縛られて床に転がされているのを知った。
「……い…った…」
どうにも身動きが取れない。足を使って身体を動かそうとすると、腹に強烈な蹴りが入れられた。
「ぐ…はぁっ」
身体を折り曲げて痛みに耐える。床に擦り付けられた鼻から、生暖かい血が新たに流れ出す。
(くそっ、誰なんだ)
今の衝撃で眼鏡が吹っ飛んでしまい、末井の視界はほぼゼロに近くなってしまった。
それでも相手を探そうと目を瞬かせる末井に、更に靴がめり込むほどの蹴り。
「ぅあ…っ…!」
一方的にやられながらも、末井の思考は驚くほど冷静だった。
このチンピラに命令を下したのは一体誰なのか。
思いつく相手が多すぎて困るぐらいだが、ここまで実力行使に出る相手となると限られてくる。
その中のどれか…この時期、このタイミングで…自分の口を塞ごうとしているのは。
いいように殴られ意識を朦朧とさせながら、末井は交渉相手のことを…交渉成立の可能性を考え続けた。
(…少しは、しゃべってくれないと、交渉どころじゃない、けど)
切れ目のない打撃に、肺の中に残された空気まで叩き出され、激しく咳き込んでしまう。
何とか…こちらに話をさせてくれないか。
その時突然、相手の攻撃が止んだ。
ぜえぜえと荒い息をしながらぼやけた視界をさ迷わせる末井の肩を、誰かが蹴飛ばした。
仰向けに倒れた末井のベルトが乱暴に外される。
「や、やめっ…!」
そんな。目的はこれだったのか。
たじろぐ末井は、見えない相手が顔を歪ませて笑うのを感じ取っていた。
以上です。
224:荒縄・修習生時代1/3
08/09/03 01:03:27 YkpUDu7f0
「君のその、よく通る声は廷内では強い武器になるだろうね。ああ、そう言えばもう一人…」
教授が口を閉じ何かを思い出そうとする表情をした。
こういう時は黙って待っている方が良い、そのくらいの分別は麻雛も持ち合わせている。
「…ああ、丁度来たよ。あの子もよく通る声の子だよ。君達二人とも、ボーイソプラノだね」
廊下の向こうから、数人の修習生とともに歩いて来る小柄な男の方に教授は顎をしゃくって見せた。
それに合わせてそちらに目を向けると、その男は麻雛の方を眼光鋭く睨み返してきた。
「……っ!」
うろたえる麻雛を、教授はどこか楽しげに見やった。
「はは、気の強い子だろ?確か末井って名前だったか」
気の強い…と言うか、何か身体中から癇気を発散させまくっているような男だった。
一緒に歩いている修習生はそれに気づいていないんだろうか?
気後れした麻雛が教授の後ろに隠れてしまうと、末井は型通りの会釈をしてその前を通り過ぎて行った。
それが、二人の初めての出会い、だった。
次に麻雛が末井に会ったのは、それからしばらくしてのことだった。
日々修習や弁論のまねごとに明け暮れ、他の修習生や教授相手に突っかかり、またかわされては切り込まれる。
その中で、異彩を放って見えたのが末井だった。
切れ味の鋭い舌鋒でたたみ掛けるように教授相手に論陣を張る。
火の出るような、とはこのような論戦を言うのだろう。
その容赦のなさに、離れた所にいるはずの麻雛が身を竦ませてしまったこともある。
だが、弱い所を突っ込まれると、意外と脆く崩れてしまった。
攻め立てている時が見事なだけに、その鮮やかな崩れ方もどうしても目立ってしまう。
「…まだまだかな」
先の教授が、溜め息混じりに言った言葉が、何故か麻雛の耳に残った。
225:荒縄・修習生時代2/3
08/09/03 01:04:19 YkpUDu7f0
ある日の夕方、下宿先に帰ろうと荷物をまとめていた麻雛は、物が弾け飛ぶような音を聞いた。
(?地震…じゃないし、何だ?)
隣の研修室からか。大分暗くなってきたし、誰かが躓いたのかな。
何気なく窓から隣部屋を覗いた麻雛は、中の情景に絶句していた。
「あ…ぁっ!」
「ちっ…帰るぞ」
数人の修習生がその気配に気づき、ぞろぞろと部屋を後にしだした。
「おい、お前、麻雛ってやつか?いいか、チクんなよ…」
リーダー格らしい男が麻雛に凄んで見せたが、既に麻雛はそちらを見てはいなかった。
椅子や机が片付けられた部屋の真ん中には、痣だらけにされた末井が転がっていた。
目の上や口の端から血を流し、着ている服もボロボロにされている。
何より異常なのは、末井が下半身裸でいることだった。
駆け寄って末井の肩を揺り動かすと、彼はゆっくりと目を開き、そして痛みのためか呻いた。
「ん…うぅ…」
「大丈夫か末井くん?どうして、こんなこと」
「う、くそっ」
いきなりその腕を自分の肩にかけられて麻雛は驚いたが、上体を起こしたいのだと理解すると手助けしてやった。
流れる血を拭いながら辺りを見回し、自らの姿を見て末井は僅かに喉を詰まらせた。
「…っ、うぅ…くそ…」
同じ言葉を繰り返す。
「…ズボンは…どこだ?」
麻雛が末井を見ると、目の上の傷のせいか、まだよく辺りが見えていないらしかった。
少し離れた机の上に脱ぎ捨てられたズボンがあり、麻雛はそれを手渡してやった。
引っ手繰るようにズボンを受取り、その時初めて自分の無礼に気づいたように末井は頭を下げた。
226:荒縄・修習生時代3/3
08/09/03 01:05:06 YkpUDu7f0
「…すまん」
「ああ、いいさ…大丈夫か?一人で帰れるか?」
「殴られるのは、慣れてる。昔からだからな。洗面所で洗っていくさ」
「僕、暇だから、付き合っても」
「いいって…」
立ち上がりかけた末井の膝がその場に崩れ落ちる。
末井は、腰の辺りを押さえて喘いでいた。
有無を言わせず、麻雛は末井を抱えて洗面所へと連れ立って行った。
身体中の傷口を洗い流し、火照った痣を冷やし、タオルで水気を拭き取る。
疑問は次から次へと湧いてきたが、麻雛はそれを無視した。
これは末井にとってしゃべりたいことではないだろう。
なら、自分は聞かない。それだけのことだ。
どうやら外へ出て歩ける程度の格好になった末井は、ちら、と麻雛を見上げ礼を言った。
「助かった。ありがとう」
「余計な御世話だろうけど、あまり無茶すんなよ」
「……」
その時末井は、初めて会った時の眼光を取り戻していた。
「俺は昔からこういう男だ。周りから勝手に突っかかって来るんだ、しょうがないだろ」
支えようとする自分の手を振り切り、その場を後にして行く末井を、麻雛は複雑な思いで見送っていた。
切れ味は鋭いが、衝撃には脆い薄刃のナイフ。
周りに何者をも寄せつけようとしない背中が、却って寂しげに…人恋しげに見えていた。
以上です。
227:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/03 03:17:05 FlMGUrmC0
>>224-227
末井ネタktkr!
待ってました(*´Д`)=3 '`ァ'`ァ
とある人にプレスリーのような2枚目といわれつつも
性格はおっとりと評される深夜先生詰め合わせです
苦悶の表情に萌える
URLリンク(p.pita.st)
228:荒縄・オジトゴ1/2
08/09/07 00:54:26 ah+6m8VG0
「そりゃ確かに天気予報は雨だったけどさ…」
(そんなに予報通りに降らなくてもいいじゃないか。しかもどしゃ降りだよ…)
民家の軒先で一人ごちる冨士田。
ハンカチで頭から滴る雨粒を拭い、恨めしそうに空を見上げた。
さっきまで晴れていた空に黒い雲が垂れ込めて来たかと思う間もなく、この激しい夕立だ。
湿気った空気が砂埃を巻き上げ、鼻の奥を刺激する。
自分と同じように雨宿り先を探している人々が、慌ただしく前を走り抜けて行く。
キャーキャーと叫ぶ女学生、無言で行き過ぎる背広服、ケータイを大事そうに抱える若者、
様々な人の姿。
自分もあれら有象無象の人々の中の一個人に過ぎない。
(…だけど…)
冨士田の脳裏には、これまでの人生の転機となった出来事が次々に思い出されていた。
(俺、これから死ぬの?)と思うほどに。
目の前を走る人々と、ここに立ち止まらざるを得ない自分との差が生んだ一瞬の夢か。
学生時代、死ぬほどの怪我、恩師との出会い、企業、経営、そして…あの事件。
自分では精一杯権力と闘ったと思っている。
だが実際は、告発されて留置所にぶち込まれ、一切の自由を剥奪され…
(何で思い出しちゃうんだよ、あんなこと)
今、やっと次の仕事に打ち込めると、それが楽しいと漸く思えるようになった自分。
だが、忘れてしまいたい辛い過去を思い出してしまうのはどうしてなのか。
無表情に車道を見つめる冨士田に、横合いからいきなり声がかかる。
229:荒縄・オジトゴ2/2
08/09/07 00:55:17 ah+6m8VG0
「…おい、何やってんだよお前、こんなとこで」
この声。とてつもなくイヤミったらしく、何様で、超わがままな、人を人とも思わないような、
でも…今一番聞きたかった声。
濡れるのも構わず車道に飛び出ると、車のウィンドウを半開きにして覗いている尾島の首に抱きついた。
「尾島さん!何でっ!ここにいるんですか!」
「そりゃあ俺のセリフだよ。そんなとこでぼーっとしてやがって。…おい、濡れるだろ、早く乗れよ」
ちゃっかりと助手席に納まった冨士田は、涙を隠そうと俯きながら、尾島の腕にしがみ付いた。
「…おーい、運転しづらいんだけどよ、いいのかこれで?」
「僕が、いいって言うまで、このままで…お願いです」
何時になくしおらしい冨士田の態度に、尾島は「じゃあ唇を」と奪いにかかったが、それはあっさり頭を叩かれた。
「車の中はヤですって、いつも言ってたでしょ」
「そんな昔のこと、忘れちまったよ。いいじゃねーかよ、ちょっとくらいよー」
ゴネる尾島に半ば呆れながら、それでも辛い気持ちを救ってくれた尾島にこっそり感謝する冨士田。
(そうですね、キスくらいなら、後で)
その判断が、後に自分の腰が立たないほどのダメージの元になるとは、
今の冨士田には思いつかないことだった。
以上です。
230:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/07 18:31:26 t/2btOx40
氏の姐
URLリンク(p.pita.st)
231:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/10 20:01:14 l5t5ZPVM0
蔓実×深夜
URLリンク(kissho1.xii.jp)
パス1951
232:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/10 23:33:07 l5t5ZPVM0
連投スマソ末井動画その1
パス1954
URLリンク(2.kissho.org)
233:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/11 00:26:47 ZwEiCs2m0
その2
パスは同じ
URLリンク(2.kissho.org)
234:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/11 15:43:46 ZwEiCs2m0
その3と4
パスは同じです
URLリンク(1.kissho.org)
URLリンク(1.kissho.org)
235:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/13 18:27:17 c2Hmz8MYO
ほしゅ
236:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/14 04:10:56 C6EpJ/3z0
|
|
|"''`゙ヽ sageますよ
|@⊇@)
|⊂ノ
| ノ
237:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/14 20:31:04 lWlhXor10
>>237
姐たんかわいい
238:荒縄
08/09/17 00:16:23 H6N3gJA40
「…末井、ちょっとこっちに来てくれ…頼む」
事務所内の末井に割り当てられた部屋の入口で、俺はつい口ごもってしまった。
書類の山の中から顔を上げた末井は、怪訝そうな表情でこっちを見ている。
無理もない。
俺自身、こんな弱気な姿を誰にも見せたくはなかった。
だけど今日は一人で夜を過ごすのが辛い。
今までだって、俺は毎日を淡々と過ごしてきたわけじゃないんだが。
今日の昼近く、人を介して知り合い、数言言葉を交わしたことのある死刑囚に、刑が執行されてしまった。
自分の非力さからその命を守り切れずに失ってしまう、そんな時は胃が潰れそうに痛む。
受ける衝撃は同じなのに、精神的・肉体的なダメージが後々まで響くように感じるのは、
俺も年をとったということなのだろうか。
「夜須田さん…?」
部屋の扉を閉めて小首を傾げる末井。
…頼む。何もしなくていいから、そのままじっとしててくれ。
俺の身体が勝手に動き、末井に覆い被さるようにして抱き締めていた。
いつもなら冗談の一つも入れてくるはずの末井は、妙に大人しく、されるがままになっている。
どうした、迷惑なのか。
末井は俺を静かに見上げると、穏やかな口調で言った。
「誰かの代わりはヤですけど、命の代わりになら、なる価値はありますね」
……お前にそんなこと言われるとは思わなかった。
不意打ち喰らわせやがって。畜生。
俺の涙腺を緩ませた代償は大きいぞ、末井。覚悟しろ。
以上です。
239:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/22 23:15:57 rSKRQekaO
ほしゅ
240:荒縄・深蔓
08/09/22 23:36:17 S2m6e27E0
「好きです」
口にするまでは不安だったこの言葉も、言い終わってみれば案外大したことなかった。
「愛してます」
その証拠に、次に口にした言葉は、もっと簡単にすらっと言えた。
「……っ…!」
逆にあなたの反応が見物だった。
僕の方を振り返ったまま固まって、そのまま動かない。
…蔓実さん、手に持ったビール、落ちそうですよ。
て言うか、もう落ちてますよ。
「深夜くん、今…なんて」
「僕、蔓実さんのこと好きです。いけませんか?」
「いや、いけなくはないけど」
「良かったー。じゃ、あなたは僕のこと…」
漸く動けるようになったらしいあなたは、がりがりと頭を掻きながら口ごもっていた。
「好きとか嫌いとか、そんな…」
「言えないんですか」
言えなかった言葉を吐き出してしまった僕はもう無敵だ。
怖いものなんかない。それが例えあなた相手だとしても。
僕があなたの唇を塞いでしまうと、あなたは信じられないものでも見るような顔をした。
この僕の強さは、今夜だけ僕にかけられた魔法かもしれない。
ならば、僕は存分にそれを楽しもう。
部屋の照明の目盛りを落とし、僕は暗い闇を身に纏った。
朝の光がこの魔法を奪い去るまで、それまであなた自身を僕が…喰らい尽くすために。
以上です。
241:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/23 05:45:13 4NWSkVfHO
>>241
蔓実受キタ━━(゜∀゜)━━ !!!!!
二人ともすごく可愛いです(*´Д`)ハァハァ
242:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/28 22:40:02 Fdp4b1WB0
耶麻下先生のブログのデザインが激しく乙女な件
URLリンク(beatniks.cocolog-nifty.com)
オジ弁護団、乙女だらけ
オジー裏山
243:荒縄
08/09/29 08:38:17 276ZKt1l0
シャワーを終えて戻って来てみると、末井は毛布の中で身体を小さく丸めていた。
部屋の照明を落とすと、窓からの月明かりが室内を青白く浮かび上がらせる。
つ、と毛布を引っ張る。末井は丸まったまま動かない。
既に服は脱ぎ捨ててある。
白く透き通るような肌が、月明かりに映えてきれいだ。
毛布を剥ぎ終えると、俺は末井の膝に手を懸け、仰向けに起こした。
何の反応も示さず、ただ末井は悲しげに目を伏せる。
どうした。嫌なのか。
俺の問いかけに、末井は声を震わせて答えた。
「…ごめんなさい」
ああ。また抱かれてきたのか。特に何の感慨もなくそう思う。
お前にそういう嗜好があるのはわかってる。
俺の知らない誰かに抱かれて、時にはぼろぼろになって帰ってくるお前。
止めて欲しいとは思うが、でもそれはお前のプライベートの問題だ。
俺には何も言う権利はない。
だがお前は、俺に対してそれを引け目に思ってるんだろう。
ならば止めればいいのに、お前は止められないんだ。
そして結局は俺の所に戻ってくる。
愛しいヤツ。俺はお前を抱き締める。
お前は感情に突き動かされたように泣きじゃくる。
そして俺にむしゃぶりつく。
涼しくなってきたな。すっかり秋だな。
俺が何を言っても泣きやまない。
ならば、その涙ごとお前を愛そう。
好きだ、好きだ、愛してる。お前のことが好きなんだ。
ベッドの上で再び抱きしめてやると、お前はその上でゆっくりと形をなくしていった。
以上です。
244:新板設置について相談中@新板スレ
08/09/29 19:59:19 NpqmmTNG0
>>244
末井が落ちてたら迷わず拾います
かわええ
蔓深
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245:荒縄・オジトゴ1/2
08/09/30 23:39:41 yyHhwQhU0
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
何度俺が繰り返しても、あなたの手は止まらない。
俺をベニヤ板の壁に押し付け、さっさとベルトを解き出す。
「おい、ちったぁ静かにしろよ。誰かに聞かれちまうぜ」
俺の耳元で聞こえるあなたの嬉しそうな声。
首筋が総毛立つのを無視し、俺は唇を噛み締めて声を堪える。
俺にあなたの言うことを聞く義理はない。
誰か、外にいるかもしれない人に俺の声を聞かれるのが嫌なだけだ。
それ以前に、こんな場所であなたに襲われていることの方がもっと嫌だ。
ずれて落ちそうになっている眼鏡の端に映る、安っぽいベニヤ板に、お決まりのトイレの落書き。
テンプレ通り過ぎて泣けてくる。
努めて反応しないようにしている俺を不満に思ったのか、あなたはその手を止めて言う。
「…こんなとこでヤるのが嫌なのかよ。なら、ホテルでも行くか?」
そうだけど…でもホテルまで行くって言うのも、なんか違うような気がする。
考え込むついでに、俺はついあなたのことをちら、と見上げてしまった。
くそっ。
笑ってる。余裕で。俺のこと、こんなに無茶苦茶にしながら。
不覚にも俺の口から漏れてしまった声を聞いて、満足そうに頷いてる。
あなたは俺のボタンやベルト、ジッパーの類を全部外してしまい、肌の間に手を滑り込ませた。
「面度臭いから、ここでやっちまおう」
結局こうなるのか。
押し付けられた顔がねじ曲がり、眼鏡が音を立てて落ちる。
否応なしかよ…え、ちょっと待って、尾島さん、いきなりは酷…っ!
痛いって!無理…い、痛い痛い!
既に俺の逃げ場はなくなってるけど、身体は何とかしようともがいてしまう。
でも、俺にはせいぜい足踏みすることしか出来ない。
これ絶対切れてるって。止めてよ、痛いよ。
そう言ってるはずなのに、俺の声、とてつもなく甘い。
嫌になる。畜生。
246:荒縄・2/2
08/09/30 23:40:32 yyHhwQhU0
あなたは一方的に果てた後、俺の中からそれを抜き去った。
痛くてたまらない。
悔しさしか感じない。
足元の眼鏡を拾ってかけてると、あなたは俺の後ろからそっと腕を回してきた。
「すまねぇな、冨士田。でもよ、久しぶりだったから、つい」
つい、なんだ。なんだって言うんだ。
目の裏が真っ赤に染まる。あなたの腕をすり抜け、無意識に膝を少し曲げる。
俺の腕がひとりでに動いて、あなたの腹に一発放ってしまっていた。
その場に崩れ落ちるあなたを尻目に、俺は手早く身支度を整えて、トイレの外に出た。
幸い外には誰もいなかった。
「つい、手が出ちゃいましたよ。つい、ね」
あなたの耳には入らないかもしれないけど、一応そう言って俺はその場を後にした。
どうしていつもこうなる。
何故あなたは俺を…いや、もう考えるのはよそう。
ひりつく後ろを気にしながら、俺は横断歩道へと足を踏み出した。後で個室探そう。
以上です。
247:荒縄
08/10/06 00:27:47 qYVB376v0
「けーーーーいちゃん!」
「うわっ!」
まただ。前にもあったよな、こんなこと。
あなたは僕のしかめっ面を見ると、何故か茶化してくるんだ。
全く、もうすぐ支援者への発表の場なのに、資料の読み込みくらいさせて下さいよ…。
「なーに真剣に見てるんだよ。そんなもん適当でいいんだよ適当で」
「そんなこと言ったって」
「桂ちゃんは真面目なんだから、資料なんてとっくに頭に入ってるだろ。大丈夫、大丈夫」
「大丈夫じゃないですよ…もう、村上さんたら」
渋いグレーの髪をかき上げ、あなたはニヤリと笑う。
僕より年下なんだけど、なんかこう、苦手なんだこの人。
僕なんかよりずっと頭いいし、少年事件に入れ込んでて詳しいし、頭が上がらないんだよなぁ…。
「そんなことよりさあ…後の飲み会、行かないの?」
「え、いや、僕あんまりお酒は…強くないし…」
「桂ちゃんいつも来ないから面白くないんだよなぁ」
あなたは唇をへの字に曲げて僕を見下ろす。
何か申し訳なくなって、僕も俯いてしまっていた。
その僕の顎を強引に捉え、あなたは僕の…え…ええっ?
「ま、たまにはいいじゃん。今度は飲みに付き合えよー」
けらけらと笑って去って行くあなた。
奪われた唇の感触に呆然としながら、僕は資料の山の中に顔を埋めてしまった。
もう、泣きそうだよ…責任とってよ村上さん!
既にここが弁護士スレになっている件について。以上です。
248:新板設置について相談中@新板スレ
08/10/06 01:39:05 KuYy5l7FO
>>248
オジーもトゴタンも…特に氏の塚さんは何してるか情報が皆無ですからね
みんな動いてくれるといいですね
オジー弁護団周辺は活発なのにな~
仕方ないです
それはそれで(不謹慎ながら)面白いからいいのかと思います
氏の姐で近い内に何か投下します
249:新板設置について相談中@新板スレ
08/10/07 02:56:18 kQhSjrGj0
姐たん…トゴタン…
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
250:風と木の名無しさん
08/10/07 20:34:12 kQhSjrGj0
「富士田…大丈夫かよ」
携帯の留守録に、尾島の声が入っていた。
いつも尾島の言う台詞には主語がない。
はじめ、何のことかと思った富士田だったが直ぐに悟った。
富士田は尾島の携帯に電話をかけた。
「おう…お前か。ニュース見たぜ。訴えられたんだってな…」
いつになく心配そうな尾島の声に富士田はふっと笑ってしまった。
「なんだよ!人が心配してるってのに!」
「…尾島さん、俺なら大丈夫ですよ」
落ち着いて答える。
いや、それはここ数年で培われた余裕のようなものだった。
「そうか?大丈夫なのか?何かあったら直ぐに言えよ。夜須田先生にだって、
蔓実先生にだって、他にもよ、紹介して協力してやっから。俺には遠慮するなよ」
「ふふっ、尾島さんありがとう」
「お前、変わったな」
尾島が同時にため息を漏らした。
「変わったって?僕が?」
「ああ。なんていうかさ、デカくなった気がするぜ。この間まで俺とガキの喧嘩ばっかりしてたのによ」
「それは…あなたと出会えたからですよ」
「えっ?」
「いがみ合うなら、どうせなら相手も包み込んじゃえって。愛しちゃえって」
「あ…愛って…おめえなあ!ふざけんなよ」
「ふざけてませんよ。これから会って、証拠を見せましょうか?」
「…っ。おう、見せてくれよ。楽しみにしてるぜ」
3年掛かった。3年経って、漸く素直になれた瞬間だった。
様々な人とものと時間を失って、もう何も得るものはないと思っていた。
けれどもまだ…。
話し終わった後、富士田は笑みが止まらなかった。
湧き上がる思いを抱え、車にキーを差し込んだ。
251:荒縄・オジトゴ1/2
08/10/08 00:12:20 nYjHM2zp0
>>251
事後の、なんとなく手持無沙汰な時間に、尾島の手が宙を揺らめいた。
弾む息を漸く整え終えた冨士田が見守る中、その手はゆっくりとサイドテーブルに伸び、
煙草を探し、手にとって、だが…結局何も掴まずに布団の上に戻っていく。
冨士田は訝しげに眉をひそめていた。
「…どうしたんですか」
「なんだ、見てやがったのかよ。お前いつも言うだろ、煙草吸うなって。だからよ」
「止めたんですか?煙草」
溜めていた息を吐き出しながら、尾島は身体を仰向けに反した。
「前ほど欲しくなくなったんだよ。俺も年かな。最近は、軽くふかす程度さ」
「…吸ってもいいですよ。たまになら」
「へっ。どうした風の吹き回しだよ。お前も丸くなったのか?」
数年前と比べて、ややふくよかになった冨士田の腹を叩き、尾島は片頬を引きつらせて笑った。
ところが…怒って蹴りでも入れてくると思った冨士田の反応が、ない。
今度は尾島の方が心配になって、冨士田の顔を覗き込んでいた。
穏やかな顔で、冨士田がそっと口を開く。
「俺…やりたいように生きようって思ったんです。前の会社立ち上げた時にも
そんな風に思ってたはずなのに、いつの間にか色んなしがらみとか、何とか…
変に他人のこと意識しちゃって、社会正義とか言っちゃったり…
そのことは後悔はしてませんし、当時のことを否定したくもありませんけど。
でも、今は自分に正直に生きようって。
だから、あなたにも俺の考えを押し付けたりはしないでおこうって」
キラギラしくもなく、浮かれた感じもなく。
かと言って暗くもなく、冨士田は落ち着いた、澄んだ目をしてそう言った。
「ふうん、お前も悟りやがったのか。変われば変わるもんだな」
「お前も?尾島さん、悟り開いたんですか」
けっ、何言ってやがる、鼻で笑って尾島はそっぽを向いた。
「そんなんじゃねぇ。お前も成長したんだなあってことだよ」
(俺の知らねぇ間に…)
252:荒縄・オジトゴ2/2
08/10/08 00:13:41 nYjHM2zp0
不思議そうに自分を見詰める冨士田に、照れを隠すように尾島は喚いた。
「じゃあよ、お前がやりたいって思っても、俺が嫌だって言ったらどうすんだよ?」
それを聞いて、澄んでいた目に影が差す。
妖艶な…色めいた影が。
「それとこれとは別ですよ」
再び火照り出した身体を持ち上げ、冨士田は尾島の上から圧し掛かっていく。
迎え撃つ尾島も、既に臨戦態勢だ。
熱い舌を絡め合い、互いの息を奪い取ろうとしながら、二人は泥のような劣情へと堕ちて行った。
「でも、やっぱ煙草は身体に悪いですよ」
「…なんだよ、変わってねえじゃねえかよ」
以上です。
253:風と木の名無しさん
08/10/10 17:10:47 QWb4ai5D0
氏の姐と蔓オジでMAD作ってみたんですけど
技術もセンスもないので本当にやっつけになってしまいました
ダメダメですがドゾー
(パス1951)
URLリンク(1.kissho.org)
254:風と木の名無しさん
08/10/12 00:54:41 ysDslUGO0
>254
MADktkr!萌えが爆発です!
氏のちゃんの表情といいBGMといい切な過ぎます
蔓オジの喚問は改めて見ると密着振りが微笑ましいですね
久々にニヤニヤしてしまった…いいものをありがとうございます
255:荒縄・1/3
08/10/13 02:42:04 uJmp2yma0
僕の手首と足首は、紐でくくられてる。
何度か引っ張ってみたけど外れそうにない。
僕はベッドの上に寝転がってそれを見てる。
しかも、全裸で。
こんなつもりじゃなかったのに。
僕は末井さんに騙されて、ここに連れてこられただけだ。
末井さんは…椅子に座って、にやにやしながら僕の方を眺めてた。
流石に怖くなって、僕は一応あなたに抗議してみる。聞いてくれるか分からないけど。
「…冗談ならもう充分でしょ?外して下さいよ、これ」
「何言ってんの、深夜くん。本番はこれからだよ」
末井さんが椅子から立ち上がる時のガタっという音に、僕は何故か震えてしまった。
本番って…一体何を?
ベッドがきしみ、末井さんが僕の隣に横たわってきた。
僕の方に手を伸ばし、僕の胸に、指を…つ、冷たいっ!
必死で胸を腕で庇おうとするが、末井さんは強引に僕の腕を引き下げた。
…末井さんの指が冷たいのは、透明な軟膏を僕の胸に塗りたくっているからだった。
その指が下の方に伸びて、僕の…い、いやだ、それは!
「いいじゃん今さら。ほら、じたばたすんなよ」
くくられた足を動かして腰を引こうとするんだけど、あなたの指はどこまでも追いかけてくる。
僕の縮こまったそれをあなたは捕まえて、握って、扱くように何かを塗りつける。
嫌がっている僕が妙な気分になるくらい、じっくりと丁寧に。
顔を背けて声を堪える。
嫌なのに、恥ずかしいはずなのに、僕の動きは止まってしまう。
僕はいつの間にかシーツを噛み締めていた。そうしないと声を上げてしまいそうだったから。
ふふっ、あなたは鼻で笑うと、僕の後ろへと手を伸ばしてきた。
嫌です、それだけは嫌だ!駄目、止めて下さい、お願い…だから。
引き続けた腰が壁に当たり、逃げ場を失う。
僕はただ、縛られた手足を丸めて、怯えた目であなたを見詰めることしか出来ない。
末井さんの意外に強い力が、僕の腰を上から押さえつけてくる。
「これから、良くなるからさ。我慢しなよ」
256:荒縄・2/3
08/10/13 02:43:24 uJmp2yma0
冷たい指が、僕の中に侵入してきた。
その圧迫感に、僕は堪らず悲鳴を上げた。
「や、あ、っ…いや…」
思わず自分の指を噛んでしまう。
痛みを、身体のどこかで痛みを感じていたかった。
あなたの指の感触が、僕に快感を教えていたから。
僕がその快感に流されてしまいそうだったから。
痛みで僕自身を正気に保とうと思ったから。
でも、どうして?快く感じることのどこがいけないんだ。
それくらいあなたの指は僕に心地よくて、僕は指を噛みながらも喘いでしまう。
僕が息を弾ませて喘ぐのを見届けると、末井さんは唐突に僕から身体を離してしまった。
取り残された僕は、呆然としてあなたを見ていることしか出来なくて…
でもその内、僕は身体の火照りと疼きに悩まされ始める。
感じやすい部分がざわざわと疼き、どうしようもなく火照る。
僕のくくられた手首は、ごく自然に僕の竿を扱き始めた。
あなたが見てるのに。
あなたが、腕組みして、にやにやして僕の方を見てるのに。
でも止められない。この疼きが僕を自慰に走らせる。
もう誰が見てたっていい、この火照った熱が発散できるのなら。
僕の動きはどんどん速くなり、僕は歓声とともに精液を吐き出してしまった。
でも。僕の疼きはまだ治まらない。僕の後ろが熱を持って、じりじりと身を焦がしていく。
このまま放置されたら、僕は、もう…辛くて気が狂う…。
精一杯腕を伸ばして、僕は自分の指を後孔に届かせようとした。
だが、せいぜい入口を掻きまわす程度の動きしか出来ない。
人間、辛い時には恥を一時的に忘れられるものなのか。
「お願いです、末井さん、僕を、犯して…」
今までにやにやしていたあなたの顔が、一瞬真面目になった。
257:荒縄・3/3
08/10/13 02:43:57 uJmp2yma0
「ふ~ん、いいんだね。でもさ、俺もヤられる方が好きなんだよ。じゃあ、どうすればいいと思う?」
あなたは僕を試すように見て、それでも僕が何も答えられないでいると、にやりとして黒い棒を取り出した。
いや、棒じゃなくて、二匹の魚がくっ付いたような物で、これって…これって、実はエログッズ…?
あなたは遠慮のかけらもなくその棒を僕の後ろに突き入れた。
先端が痛いかな、とビクついたが、どうやらそれは丸くカットされているようで、傷つけられる心配はなさそうだ。
とはいえ、あなたの指の何倍も太いそれを飲み込んで、僕が反応しないわけがない。
今や僕の喉は喜びの喘ぎで満たされていた。
あなたがそれを動かす度に、僕は快感に震える。
奥まで突かれて、甲高く叫んでしまう。
その棒の動きが、突然重く質量を伴うように感じられた。
え…これって…思う間もなく、後ろから猛然と突き上げられる。
容赦のない、激しい動き。そして、末井さんの間断ない喘ぎ声。
「あん、ああああぁっ、はぁ、はぁ、んんっ、う…」
棒の片側を末井さん自身が飲み込み、反対側に伸びている方で僕を攻め立てていたのだ。
一方的に犯されているように感じる。それも末井さんに。
なのに、末井さん自身も奥を突かれて感じてるんだ。何だかその状況に狂ってしまいそうだった。
乳首から前から、散々弄くられた僕はもう既に限界に近付いていた。
溜まっていた精を吐き出すと、僕はぐったりとうつ伏せになろうとした。
それを、あなたは許してくれない。
「ふん、駄目だよ。まだ付き合ってもらうからね」
僕の腰を抱えあげ、あなたは僕の方に尻を突き出してくる。
もう、勘弁…そう思ってるはずなのに、あの軟膏の効果か、僕の竿が再び立ち上がってきてしまう。
結局、あなたのやりたかったことって、こんなことなんですか?
「いや、別に。でも面白そうで、いいだろ?」
事も無げにあなたは言う。目をきらきらと輝かせて。新しいおもちゃを見つけた子供のように。
僕は、もう少しなら付き合いますが、もしかしたら途中で意識が飛ぶかも知れません、それでも良ければ…。
(でも、僕の身体に悪戯するのは絶対に!なしですからね!)
以上です。
258:風と木の名無しさん
08/10/13 21:58:57 PbRcPw7EO
禿しい百合プレイに悶絶しますた(*´Д`)ハァハァ
荒縄さんスゴス
259:風と木の名無しさん
08/10/16 19:27:16 fZWS1DWf0
オジーと希望中年達・マリオネット
pass1951
URLリンク(1.kissho.org)
260:260
08/10/18 09:09:08 aDPfnhYY0
見られないというのを聞いたので
つべにもうpしました
一週間くらいで消します
URLリンク(www.youtube.com)
261:荒縄・1/2
08/10/19 01:36:07 P1EQopUS0
「…ミウラカズヨシ、自殺…か」
出先のテレビ画面に映っていたニュース。
末井の頭の中には、そのニュースの見出しがぐるぐると回っていた。
マスコミを何度も賑わした華やかな人物だったが、
末井にとっては単に「夜須田と面識のある人間」ということになる。
そんな男が自殺した。この世から去ってしまった。
末井には、夜須田の落胆ぶりが手に取るようにわかった。
一度でも見知った人間は、例え袂を分かった後でも気にかけ、
何かあれば我がことのように胸を痛め慨嘆する。
そんな情の塊のような男が、夜須田だ。
それを思えばこそ…だからこそ末井は居たたまれなくなってしまう。
いつ座っていた席を立ったのか、どの電車に乗って移動したのか、
どんな風に街中を歩いたのか。
末井の足はふらふらと所在なく街を彷徨い、
気付いた時には、連れ込み宿の中で服を脱がされていた。
「…っ、はや、く、いいから、今す…んんっ、あ、ああぁ」
顔も知らぬ相手が、それでも一応末井の身を案じてか
前戯で入口を解そうとするのを、末井は全身を使って急かす。
「せっかちだな。強姦好きかよ…とんだ拾いもんだ」
男はニヤリと笑い、そのまま末井の中へと己を埋め込んだ。
262:荒縄・2/2
08/10/19 01:36:38 P1EQopUS0
小さく、引き絞るような声が漏れる。
痛みと共に生じた快感を、末井は懸命に首を振って否定しようとしていた。
今は容赦のなくなった男の動きは間断なく末井を襲い続け、
末井は喘ぎ、震え、身を捩り、そして母を探す乳飲み子のように男を求め続けた。
まだだ。まだ足りない。
こんなものでは、まだあの人の傷を埋められない。
この身をもっと追い詰め、攻め立て、傷つけてくれ。
末井の声にならない叫びが闇の中に響く。
自分は夜須田のために生きている。だから自分は夜須田のためならなんでもする。
自分は夜須田によって生かされている。だから自分は勝手に死ぬことは出来ない。
生きて、そしてこの身に夜須田の苦しみを、悲しみを刻みつけられたら。
身代わりになれるのなら本望なのに。
半ば狂った思考がショートしてしまうまで、末井が男を求める声は止むことはなかった。
焼けつくような喉の痛みで目が覚めた。
頭の芯がどんよりと重く、全身に刺すような、痺れるような感覚を覚え、
それでも末井は無理やり身体を持ち上げた。
鋭い痛みが腰の辺りを襲う。
それを無視して部屋の中を見渡すが、既に相手は退室した後だった。
一人…また、一人きり。
すがるように見やった携帯の画面に「メール受信・夜須田」の文字を見つけ、
末井の目からは堰を切ったように涙が溢れ出した。
以上です。
263:風と木の名無しさん
08/10/23 12:10:03 bOew3tZz0
保守
264:風と木の名無しさん
08/10/25 23:08:56 rQw3xiACO
明日まで1時間弱あるけど
深夜先生誕生日オメ!!
URLリンク(p.pita.st)
265:荒縄・続き1/2
08/10/26 01:12:36 DIUDoyKS0
(……末井…今、何してる?どうしてこんな所にいるんや)
猥雑な色街の中へと分け入ってから、俺は何度目かの溜め息をついていた。
あいつがメールにも電話にも返信しなくなってから、既に半日くらい経っている。
今も携帯の電源は入っているようなんだが、俺が調べたあいつの携帯の現在地表示が俺の眉を顰めさせた。
(何で、こんな色街に…?)
もう、放ってはおけない。居ても立ってもいられなくなった。
俺は適当な理由をつけて事務所を後にしていた。
携帯の画面と実際の路地を見比べながら歩を進める。
俺ももう年だし、この携帯の画面でさえ見難くてしょうがないんだが、
さすがにノートパソコンを開きながら歩くわけにもいかない。
…要するに、末井の持ってる携帯から出てる電波を拾ってナビ…
まあ、これ以上は企業秘密だ。
とにかく末井を見つけて連れ帰る。それが俺の目的だ。
多少の誤差のためか迷うことはあったが、俺はどうやらその地点へと辿り着いたらしかった。
ビルとビルの間に見つけた狭い路地、その奥は袋小路になっており、
なにやらガラクタのような物が積み上げてあった。
そのガラクタの前に見える人影。
間違いない。末井だ。
どこをどう殴られればこんな顔になるんだ。
傷つき腫れあがった顔に、よれてボロボロになった背広。
駆け寄った俺が見下ろしていることにも気付かず、そのままの格好で横たわっている。
今迄にだってこんなことはあった。
乱闘の仲裁に、殺人現場の後片付け、厄介事の取り仕切りに明け暮れてきたようなものだ。
この手の修羅場には慣れてるはずなんだ、俺は。
266:荒縄・続き2/2
08/10/26 01:14:22 DIUDoyKS0
……駄目だ。
とても冷静ではいられない。
「末井!起きろ!おい、頼むから起きてくれ!」
自分の声が震えているのが分かる。
掴んだ肩口がとんでもなく冷たい。末井の頭が人形のようにぐらりと揺れる。
死んでるのか、このまま目覚めないのか、最悪の事態を想って俺の心臓は早鐘のように打ちまくる。
「………っ」
ややあって、うっすらと目を開いた末井に安堵したのも束の間。
末井の口からは不穏な言葉が漏れた。
「もっと、殴って、も…っと…全然足りな…俺、まだ…まだ、こんなじゃ…」
何言ってるんだ。おい、ちゃんと俺の方を見ろ。
そう言って覗き込んで見た末井の目は、どこか別の世界をさ迷っていた。
目の前にいる俺のことなど眼中にない。ぼんやりとした視界のまま、俺ではない誰かを探しているかのような視線。
その視線が急に焦点を結ぶとともに、末井は俺の腕を振り払い、じたばたと暴れ出した。
「俺にっ、触るな!その汚い手で、俺なんかに…!俺は…汚いんだ、俺は…俺に近寄るな…っ!」
俺もビビったが、末井の方でも、自分を掴んでこようとする手にビビっているように感じた。
「こんな汚い男に…俺、なんかもう、俺なんか、夜須田さん…替わりに…夜須田さんの、替わりに、俺が…」
末井の声は次第に涙混じりになり、子供が泣くような調子になっていった。
(お前…何でそんな阿呆なこと考えてるんや。俺の替わりって、何の事や。
お前のどこが汚い?俺とお前のどこが違うって…)
阿呆。泣くな。俺に縋って泣くな。と言うより、俺を泣かすな。
俺の身体に腕をまわしながら、でもこいつには俺の姿はまだ見えてないんだ。
何度も俺の名前を繰り返してるくせに、目の前にいる男が誰なのか分かってないんだ。
次第にヒステリーの前段階のような耳障りな呼吸音を上げ出すお前に、俺は当て身を喰らわした。
呆気なくその場に崩れ落ちる末井。
ああ、くそっ。こんなにも手のかかる男は、今まで見たことがない。
「…俺が、こいつをこんなにしちまったんか」
やり切れずに振り仰いだ空は、ネオンを反射して不気味に光っていた。
続くかも。
267:風と木の名無しさん
08/10/26 08:04:07 Qd+tfrrhO
以上です じゃない姐さんに萌えた
268:荒縄・続き1/2
08/10/29 00:56:21 zz0ZTqIY0
室内に立ちこめる湯気で、眼鏡が白く曇る。
眼鏡ってのは本当に面倒臭いもんやな。今更ながらにそう思いながら、俺はそれを湯船に浸して曇りをとっていた。
「ぁあっ…!」
俺の腕の中で、いきなり跳ね上がるお前。…びっくりした。おい、心臓に悪いぞ。
「末井、分かるか?頼むから暴れるなよ。お前、今風呂に入ってるんやからな、暴れると溺れるぞ」
俺はホテルの風呂場に座り込んで、片腕で湯船の中の末井を抱き抱えていた。
冷たくなったものは温めりゃいいだろう、という単純な発想だ。
小汚いなりのこいつを綺麗に出来るし、まあ一石二鳥といったところだ。
ぬるい湯の中で気持ち良くなっていたのか、末井は大した抵抗はせずに、すぐに大人しくなった。
「…ここは…どうして…?」
末井の顔はパンパンに腫れ上がってるし、身体中痣だらけで、喉もがさついている。酷い有り様だ。
どうも、目が塞がってて前がよく見えてないらしい。
漸く己の身体の痛みに気付いたのか顔を顰めるお前に、俺はサラサラと嘘を吐いた。
「お前、階段の上から落ちたんや。覚えてないんか?結構派手に落ちたぞー」
お前の耳に、俺の言葉は届いているんだろうか。
ちょっとでもいい。
今だけでも構わない。
お前が辛く思っている現実を…俺には、それが何なのかわからないが…お前の頭から消し去ってやりたい。
俺に出来ることは、結局、こうやってお前を甘やかしてやることだけなんだ。
「全く、もうちょっと落ち着いて歩けよ。こっちは堪ったもんやないぞ」
喉の奥が苦く感じる。
ああ、嘘ってヤツは苦いんだな。
俺は、いつしか顔を歪めて笑っていた。
269:荒縄・続き2/2
08/10/29 00:57:05 zz0ZTqIY0
「……」
末井の腕がゆっくりと俺の方に回される。
その短い間にも、お前は身を捩って痛みに耐えようとしていた。
爪を俺の背に喰い込ませ、細い背をしならせてくる。
「あぐ…っ、い、た…」
「痛いんか?尻か?ああ、それは、その、さっき俺が…すまん、我慢出来んかった」
早口で口ごもるように言ってしまった俺に、末井は一言言葉を返した。
「嘘つき」
そして、俺の胸に泣き崩れてきた。
俺の涙も、まだまだ枯れる気はないらしい。
以上です。
270:風と木の名無しさん
08/10/29 20:41:22 /bVTg/3C0
>>270
ヤサシス(つд`)
28日、体震と全く関係ない蔓実先生の某民事裁判に行ってきますた
グレースーツに黒地に水玉のネクタイで
リュックが姦悶のじゃなくて新しくなってました
しかめっ面で大東亜共栄圏の地図を眺めていて萌えました
発言は夜須田先生と同じ事務所の全/共/闘の議長やってた
oh愚痴先生だけでした
なかなかの良いお声でこれまた萌え
明日は抽選ですがオジー控訴審に逝ってきます
271:風と木の名無しさん
08/10/31 03:01:57 agO/7d9M0
傍聴できました。
レポ、少しお待ちください。
弁護側証人にオジーの愛人でした。
オジーの現在の職業は掃除夫です。
多分、会社の下請けだったところに口利いてもらって
いい自給で雇ってもらってるのではないのかと。
住んでる所はあの豪邸の近くの自社物件だったところのようです。
黒のスーツに黒カバンでキメてかっこよかったです。
272:272
08/10/31 20:55:58 agO/7d9M0
傍聴券は抽選でしたがそこまで人数が集まらず、抽選にはなりませんでした。
開廷少し前に末井先生が走って入ってくるも、まだ他の先生が来ておらず、ひとりでポツーンとなっていて困った顔で「あれー?」とはにかみ笑いしてました。
結局、2分間のテレビ撮影の最中に弁護団が揃った模様で、少し遅れて開廷。
先ず最初に裁判長からオジーへの人定質問。
本籍地と現住所を答える。現在の職業は「清掃の手伝い」と答える。
裁判長「これから控訴審を始めます」
夜須田先生が1審で採用された新証拠である録音データを法廷で再生したいと発言、認められる。
麻雛先生「控訴主意を述べます。原判決は富士沢の計算結果が虚偽であり、確認されていないこと及び、物件の残代金の支払いが2005年10月28日であると尾島社長が知っていたのに支払いを維持し、不作為の詐欺であるとされましたが原判決は誤認であります。
10月28日に富士沢の引渡しと代金の支払いを知らず、詐取したわけではないので無罪です。
よって詐欺罪は成立せずに原判決は誤りであります。
原判決では尾島社長に弱い詐欺の故意があったとしますが、過失の問題を故意とした誤りであります。
録音データの証拠評価を誤り、尾島社長の無罪の証拠であるのに補助的な証拠とした誤りです。
訴因変更手続きをせず、裁判所は法令違反をしているので尾島社長に無罪の宣告を直ちにしていただきたい。