萌える八百一葉集at 801
萌える八百一葉集 - 暇つぶし2ch427:風と木の名無しさん
08/11/21 21:49:38 n1ZDsGR00
>>426
これだけ堂々と詠われると相手も逃げられないよな

>>277でも出てる永田和宏の短歌
・きみに逢う以前のぼくに遭いたくて海へのバスに揺られていたり

428:風と木の名無しさん
08/11/22 06:42:54 iidR4B9tO
>>427
うおーいいなあ。ストレートに萌える。

429:風と木の名無しさん
08/11/26 12:22:45 eT45n1Kd0
六月の雨がおわりかけたのに
あなたが 突然
この世からいなくなってしまったから
ぼくの胃腸の調子がすっかり狂ってしまった
頭はもともとおかしいから
あなたに恨みごとを云う筋あいはないのだが
胃腸まで狂ったとなると この世から
あなたがいなくなったせいだ
   田村隆一 「迷宮 光晴先生に」

淡々と捻くれた物の言い方が切ない。

430:風と木の名無しさん
08/11/28 23:40:42 CP6lfRY60
田村隆一はいいね。
>>429のは萌えるけど、萌え無しでもこの人の詩にはやたら惹かれる。
生まれて初めて詩集買った詩人だ。

431:風と木の名無しさん
08/12/02 19:34:38 yAig36KhO
古今集より

・君や来む我や行かむのいざよいに槙の板戸もささず寝にけり

君が来るだろうか。それとも私から行こうか。迷ったあげく戸も閉めず寝てしまったよ。

女は家から出ない通い婚の時代に、「君や来む我や行かむ」て言い回しが珍しい。
男同士みたいに読める。

432:風と木の名無しさん
08/12/04 00:08:54 0sLXKxiN0
「正しいことばかり行なふは正しいか」少年問ふに真向かひてゐつ  伊藤一彦


作者は高校教師だったらしい

433:風と木の名無しさん
08/12/04 20:45:03 BbDM1OpN0
肌の合う男同士で痛飲の二升五合満月の夜

17~18年位前のどっかの新聞の短歌欄に掲載されていた投稿歌。確か作者は男性だった。
たぶん「気が合う」「馬が合う」などと似たような意味の慣用句として
作者さんは「肌の合う」という言葉をチョイスしたのだろうけど、
それでも「肌の合う男同士」というフレーズには
何故か衝撃というか萌えというかセクシュアルなものを感じ取ってしまった
「満月の夜」というシチュエーションも萌える。

434:風と木の名無しさん
08/12/12 19:09:03 2kcxTPh3O
>>433
漢くさいっていうか、燃えに近い萌えを感じるなー。

435:風と木の名無しさん
08/12/13 06:51:33 AtuuhICwO
・まなざしも眼もわがものと誓はせしその夕べより怖れられしか

・ひらめきて見えしわが手はきみをとらへ狂ふに近き冷静来たる


小i野i茂i樹

----------------------
優しい歌が多い歌人だけど、こういうのもあるんだな…。

436:風と木の名無しさん
08/12/14 10:02:59 2BNpBO0Y0
>>435
これはたまらん

437:風と木の名無しさん
08/12/25 21:33:03 C5OesUsFO
草笛を吹きゐる友の澄む息がわがため弾みて吐かれむ日あれ

春日井建


青臭い片思いの匂い。

438:風と木の名無しさん
08/12/27 22:51:16 xmGC9tyy0
>>437
このスレに出てきた春日井健の短歌はどれも凄まじいな。
他の人の短歌もだけどたった31字でとんでもない萌えの世界をつくって想像させてくれる。


・信濃なる千曲(ちぐま)の川の小石(さざれし)も 君し踏みてば玉と拾はむ  
(訳)信濃にある千曲川の小さな石ころも、あなたが踏んだものなら玉として拾いましょう。

万葉集の作者不詳の歌。こういうかわいいのも好きだ。

439:風と木の名無しさん
08/12/28 19:26:24 gGzQnbby0
君とした雪合戦のあの雪の白さを超えるものはまだない 天野慶

440:風と木の名無しさん
08/12/29 13:52:29 F0LxTsgo0
>>439
カワエエエ!
少年の日の思い出なのかな

441:風と木の名無しさん
09/01/05 21:39:10 r43RYcgxO
あけおめ保守

442:風と木の名無しさん
09/01/08 16:56:07 H3d7yeiJ0
若き手を大地につきて喘ぐとき弑逆の暗き眼は育ちたり   春日井建

弑逆(しぎゃく):主君や父を殺すこと
愛憎ドロドロ主従を想像して萌える

443:風と木の名無しさん
09/01/13 08:06:47 WwOB9TTh0
よいフィルターをお持ちですな

444:風と木の名無しさん
09/01/17 18:05:35 5hIwPXSNO
>>442
春日井建は耽美からSMからガチムチまでバリエーション豊かにホモホモしいよね。
傾向としては倒錯的な歌が多いけど、

・くちびるを聖書に当てて言ふごとき告白ばかりする少年よ

みたいな清純さもあったりする。
ピックアップしていったら春日井建だけでスレ埋められるかも。

もういっこ。新古今集より西行法師。

・たのめおかん君も心や慰むと帰らんことは何時となけれど

訳:あなたに期待させておこう。その方があなたも心が紛れるだろうから。
いつ帰って来られるかは、わからないのだけれど。

小悪魔的なようでもあり、一ひねりした優しさのようでもあり。

445:風と木の名無しさん
09/01/18 20:38:46 ET0hC3+dO
下がりすぎなのでageます

446:風と木の名無しさん
09/01/18 23:12:03 46dBI+eMO
友達と
ひっつきながら
あつくなる

信じられるか・・?これおーいお茶に応募された俳句なんだぜ・・・

447:風と木の名無しさん
09/01/19 19:59:31 FouWOrLh0
なんと直接的な歌ですね
最中のことを読んだのですか?

448:風と木の名無しさん
09/01/20 15:50:49 Us8N6ZxG0
・わが通る果樹園の小屋いつも暗く父と呼びたき番人が棲む  寺山修司

・癇性のカリグラの首に肖(に)る首を持つゆゑ選びし友とも思ふ 春日井建

若い頃、春日井が車のドアで寺山の手をはさみそうになった時の寺山のセリフ
「惜しかったね。もう少しで寺山の手をつぶした男として歴史に名を残せたのに」
天才青年が年下の天才への嫉妬?春日井は寺山を「三つ違いのあにさん」と呼んでいたとか。

449:風と木の名無しさん
09/01/26 15:47:10 XK7EVIvb0
その逸話は知らんかった…萌えたww
寺山と春日井は本人たちも萌える人たちだったのかw

春日井建の歌、なんか妄想の広がる歌だなぁ
思わずカリグラの像ってどんな首してたっけと画像検索してしまった
ちょっと太めのがっちり体型の首だった。
癇性の人が感情を高ぶらせて顔や首筋を赤くしているイメージを
友人の首に重ねているのかな。えろすえろす。

450:風と木の名無しさん
09/01/27 00:58:50 LhxWQf870
数年前からネット上で出回っているものなのでよくご存知の人も
いるかもしれませんが面白いので貼っておきます。
作者不詳でスパムが元になっていたらしい。


おまえがオマケ


ある朝僕のちんこが
おまえは俺のでっかいオマケなんだとうちあけてくれた

いわれてみればなるほど納得
僕はちんこが僕についてると思ってたよ
実は僕がちんこについてたんだね

全然協力的じゃない香具師だと悩んでたけど
すうっと気持ちが楽になった
今まで偉そうにしてて悪いことしたな
連れて歩いてやってるような態度でいたな

僕のほうが大きかったから、なんとなく勘違いしてたよ
ちんこの話をよく聞いて
すなおに生きればいいんだ
僕はちんこの、オマケなんだから

ある朝僕のちんこが
おまえは俺のでっかいオマケなんだとうちあけてくれた

きょうから僕は、
ちんこに連れて行ってもらうんだな
どこへでも、ちんこが指すほうへ
ちんこが行きたいほうへ

451:風と木の名無しさん
09/01/27 09:47:23 3uwm6++t0
…萌え…るのか、それに?
男はちんこの先に脳みそがついているという話もあるが…

452:風と木の名無しさん
09/01/27 12:09:24 XjyhEy9c0
耽美とは逆方向だなぁ…

453:風と木の名無しさん
09/01/28 05:42:07 Y8Bvx3P+0
朝日あり童貞の尻固すぼみ  金.子.兜.太

ちんこの方ばかり見ていると、801板では危険です。

454:風と木の名無しさん
09/01/29 14:24:18 Rli5WfGC0
金子先生は>>446を選句したかもしれんなw

小夜時雨(さよしぐれ)上野を虚子の来つゝあらん  正岡子規

今、上野あたりかな、もうすぐうちに来るなwktkって感じがかわいい。
子規と虚子の出会いが、中学生の虚子に子規が野球を教えてあげたってエピも好きだ。

455:風と木の名無しさん
09/01/30 14:25:29 UNgNtlYv0
何度も出てるけど、塚.本.邦.雄

・春蝉の死への合唱少年のやはらかき咽喉我が肩に触れ
・革命歌作詞家に凭りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ



456:風と木の名無しさん
09/01/31 00:23:16 r5aFvVAE0
>>455
これの下の歌はどう解釈したらいいんだろう

457:風と木の名無しさん
09/01/31 06:41:44 ChvRkpVbO
革命歌作詞家×ピアノ

458:風と木の名無しさん
09/01/31 11:30:46 LEri2ywj0
革命歌作詞家のスーパーテクでふにゃふにゃとろとろになるピアノ

459:風と木の名無しさん
09/01/31 12:46:39 /ffwitlM0
短歌本文をググって二つ目の記事に解説があったよ
耽美ではあるな

460:風と木の名無しさん
09/02/08 18:47:25 b9JHs2KVO

少年のにはかに変る肉体のなやみ耐へゐる眸は清かりき

筏i井i嘉i一


461:風と木の名無しさん
09/02/09 12:32:49 xnqfnjVN0
>>460
こういうの萌える!なんかエロい!

462:風と木の名無しさん
09/02/16 17:15:10 gJdRhJk30
何ここ!凄い萌えた!こんなスレがあったとは…!
>>1から順に読んできて、ふと受けや攻めが歌人or俳人or詩人の商業BL作品や
詩歌をモチーフにした商業BL作品があるんだったら読んでみたいと思った
口説き文句が短歌だったり出会いの場が歌会だったりw
小説家や作詞家やコピーライターが登場するBLってありそうだけど
歌人俳人詩人は見ないよね。それとも探せば案外あるんだろうか

――――――

若いころの僕の手紙がひしめいてる塚本邦雄邸のひき出し  岡井隆

どんだけ仲良しだったんだあんたらと若い二人を想像してほのぼのしたw

――――――

もののふの佐佐木幸綱あかねさす丹頂鶴を一輪とかそへき  塚本邦雄

男臭い作風で男歌作者として知られる佐佐木幸綱が持つ繊細さを
俺だけは知ってるんだぜ、みたいな感じがして微笑ましい

463:風と木の名無しさん
09/02/20 23:16:39 TTM6pCTF0
>若いころの僕の手紙がひしめいてる塚本邦雄邸のひき出し 
こんな句があるんだ…!リリカルというかなんというかこそばゆい感じに萌える

464:風と木の名無しさん
09/02/26 01:11:10 KlnL7Hp80
あづさゆみ春の真昼の下り電車口あけて狐型美少年眠る  酒i井i佑i子

――――――
少しの耽美さとほのぼのした感じの取り合わせに萌え

465:風と木の名無しさん
09/02/27 18:40:16 yoLmK5yu0
狐型美少年ってなんかイメージの膨らむ言葉だね
一瞬にして脳内に映像が浮かんだ

466:風と木の名無しさん
09/03/06 20:26:15 wYPstHWG0
萩.原.朔.太.郎の「恋.を.恋.す.る.人」

わたしはくちびるにべにをぬつて、
あたらしい白樺の幹に接吻した、
よしんば私が美男であらうとも、
わたしの胸にはごむまりのやうな乳房がない、
わたしの皮膚からはきめのこまかい粉おしろいのにほひがしない、
わたしはしなびきつた薄命男だ、
ああ、なんといふいぢらしい男だ、
けふのかぐはしい初夏の野原で、
きらきらする木立の中で、
手には空色の手ぶくろをすつぽりとはめてみた、
腰にはこるせつとのやうなものをはめてみた、
襟には襟おしろいのやうなものをぬりつけた、
かうしてひつそりとしなをつくりながら、
わたしは娘たちのするやうに、
こころもちくびをかしげて、
あたらしい白樺の幹に接吻した、
くちびるにばらいろのべにをぬつて、
まつしろの高い樹木にすがりついた。


朔.太.郎の薄暗い倒錯はエロス。
女装!女装!

467:風と木の名無しさん
09/03/07 16:06:31 5YlAnYX60
こ…これは!朔太郎さんパネエw

468:風と木の名無しさん
09/03/08 09:27:35 syTXinL70
>>466
この場合攻めは白樺か?ww
朔太郎ってこんな歌も作ってたんだな。知らなかった
谷川俊太郎の「なんでもおまんこ」とか「はだか」とかもそうだけど
こういう歌ってなんか好きだ。女装!女装!

469:風と木の名無しさん
09/03/15 01:54:49 sHKjGENI0
朔i太i郎といえば、うろだが「その手をいつまでもしゃぶつていたい」みたいな詩もあったな
手フェチかと思ったよ朔i太i郎…恐ろしい子!

470:風と木の名無しさん
09/03/15 03:02:05 DFWwoFIF0
「その手は菓子である」かな
------------
ああ そのすべすべとみがきあげたいつぽんの指を おしいただき
すつぽりと口にふくんでしやぶつてゐたい
 いつまでたつてもしやぶつてゐたい
その手の甲はわつぷるのふくらみで
その手の指は氷砂糖のつめたい食慾
ああ この食慾
子供のやうに意地のきたない無恥の食慾。
------------
「しやぶつていたい」ってこの箇所以外でも散々言ってるw
食欲と性欲がカオスになっていく感じがたまらん
倒錯フェチな朔太郎もいいな

しかし「さみしい人格」には自分的に至高のプラトニック萌えを感じてやまない
------------
ここの古い椅子に腰をかけて、二人でしづかに話してゐよう、 
なにも悲しむことなく、きみと私でしづかな幸福な日をくらさう、 
遠い公園のしづかな噴水の音をきいて居よう、 
しづかに、しづかに、二人でかうして抱き合つて居よう、 
母にも父にも兄弟にも遠くはなれて、 
母にも父にも知らない孤兒の心をむすび合はさう、
おまへと私だけの生活について話し合はう、
まづしいたよりない、二人だけの秘密の生活について、
ああ、その言葉は秋の落葉のやうに、そうそうとして膝の上にも散つてくるではないか。
-----------
長々と失礼。

471:風と木の名無しさん
09/03/15 13:51:51 ZcbHB/+cO
保守

472:風と木の名無しさん
09/03/15 14:40:37 nPg8P/ETO
携帯からすまん。

死は一度きりの快樂
されば恋ふる男の舌の
あけぼのの色

石.井.辰.彦

お耽美でエロい。ご本人もゲイだそうな。

473:風と木の名無しさん
09/03/16 18:09:35 npEK95Kp0
一応全レス読んだけど、既出じゃなさそうなので、
今私の脳内エンドレスでまわってる俳句


雨蛙芭蕉にのりてそよぎけり    byキカク

雨蛙は其角のことかと思ったらえらいことになってしもた。
この萌えを吐き出したくて、そんなスレないかと探していたらちゃんとあって感激。
春日井健氏がたくさん出ててそれも感激w

474:風と木の名無しさん
09/03/20 04:39:46 OH8ePhFC0
椿咲くたびに逢いたくなっちゃだめ 池i田i澄i子

会いたいと思っちゃいけないような関係の二人萌え


475:風と木の名無しさん
09/03/21 17:33:54 LRdW+d9UO
雄蕊相逢ふいましスパルタのばら 加藤郁乎

直球ですな。

476:風と木の名無しさん
09/04/06 23:11:58 Ocfs6OBb0
・一歩一歩空の梯子をのぼりゆく墜ちなむ距離を広げむとして
・一瞬を捨つれば生涯を捨つること易からむ風に鳴る夜の河     春日井建

散々出てる人だけど
刹那的破滅的な昔のBL同人の王道のような雰囲気で萌える

477:風と木の名無しさん
09/04/09 00:49:04 1amy3OKI0
「彼等」 堀口大学

彼等よく知る、
よろこびに
果あることのかなしさを。

彼等は知らず、
かなしみに
果あることのかなしさを。

478:風と木の名無しさん
09/04/10 11:52:37 A/b8oAM2O
>>477
なんかズキンと来た。

479:風と木の名無しさん
09/04/18 16:53:03 U0b7FBbqO
お~いお茶より

鳥雲に男鋼の匂ひして

480:風と木の名無しさん
09/04/18 23:00:32 BAtYLdumO
鋼の匂いが効いてるな。

男の愛からたちに指刺されたり 島津亮

481:風と木の名無しさん
09/05/06 06:58:57 YwKYEAseO
保守

482:風と木の名無しさん
09/05/11 16:41:45 lAplKbUl0
クオ・ヴァディス・ドミネ 靴屋のくらやみに蹄鐵打たれをり?年は   塚本邦雄

いにしへのイクシオーンの水車刑わかものの四肢花のごとくに      須永朝彦

並べてみると2人の個性が際立つ気がする。

483:482
09/05/11 17:07:40 lAplKbUl0
文字化けすまん。
塚本の歌「?年は」常用漢字だと「青年は」です。

須永の歌は>>402の塚本の「われらの四肢の逆しまの枝」を思い出す。

484:風と木の名無しさん
09/05/21 00:13:23 KmzCoDpuO
>>482
リアルに想像した。大工の息子か…

この家は男ばかりの添い寝ぞとさやさや風の樹に鳴る夜なり
  若山牧水

485:風と木の名無しさん
09/05/24 09:32:28 ySsGLkwV0
新聞の投稿欄より

灘よりの新酒入手を知らせ来し家に呼ばるる碁敵なれば

爺様同士の落ち着いた関係萌


486:風と木の名無しさん
09/05/27 11:43:14 kjf8RPXq0
枯れた間柄がいいな。
「碁敵は憎さもにくしなつかしく」柄井川柳 を思い出した。

「パーティーの前にトイレでキスをして後は視線をはづす約束」黒瀬珂瀾 
ベタだけどこういうシチュは萌え。

487:風と木の名無しさん
09/06/02 19:41:50 kI5ewgce0
ファウストもここでおk?

ファウスト×メフィスト萌え。
快楽を体験させる契約とかえろすぎる。

801焼き直し同人誌でも作るか…

488:風と木の名無しさん
09/06/02 20:06:30 wFXXHlTFO
微妙にスレ違いじゃない?
ファウストを題材にした萌える詩歌ならOKだけど

489:風と木の名無しさん
09/06/22 11:54:27 Ac4X9hZoO
保守

490:風と木の名無しさん
09/06/23 19:42:59 zeerbtFRO
*級友よ寒くはないか灯を消せば満身創痍の伽藍のごとし 福島泰樹

*サ・セ・パリも悲歌にかぞえむ酔いどれの少年と一つのマントのなかに 寺山修司

この人たちの歌を読むたび、根本がやおいだ~と思う。

491:風と木の名無しさん
09/06/27 17:42:20 9AxBiCs90
どうせ僕には産めないから、とわが横にほほゑみながらジンを仰げり   黒瀬珂瀾

ちょっと寂しい歌。

492:風と木の名無しさん
09/06/28 16:24:00 9oB9eJbvO
保守

493:風と木の名無しさん
09/06/29 22:16:47 +NRl16bO0
保守

494:風と木の名無しさん
09/06/29 23:42:07 PAjfL/Lf0
銃口の深い暗さが僕らの夜空
鉛筆の遺書ならば忘れ易からむ
林田紀音夫

昔国語の問題集か何かで並んで載ってた。
死が日常な環境の中で、相手には幸せに生きのびてほしいと願いつつ
想いをひた隠しにしている二人、みたいなものを想像して禿げた。

495:風と木の名無しさん
09/06/30 16:05:24 z5zSVqFPO
>>494
その句うろ覚えだったが作者名わかって嬉しい。次も林田紀音夫。

騎馬の青年帯電して夕空を負う
娶らざるわれらいづれも早桃くふ

496:風と木の名無しさん
09/07/03 21:29:38 dYAMI3e40
20年くらい前、朝日新聞の「折々のうた」で紹介されてて
シチュ萌えのあまり切り抜いていたんだが詳細を忘れてしまいました。

たしかAとBが友人同士で、Aの元妻がBの現妻、BがAの墓前で詠んだ歌
…だったはず。無名の人でなく知ってる人だった気がする。
「ちょ、それ女を挟んだ三角関係とみせかけて実は…」と感じたのだが
どなたかご存知ないですか?

ぐぐると谷崎と佐藤春夫の妻譲渡事件ばかり出てきてしまうんだが
その二人ではなかったような…うーん思い出せない。

497:風と木の名無しさん
09/07/03 22:23:26 VvLGGd7iO
マッチ擦る つかのま海に 霧深し 身捨つるほどの 祖国はありや
草の笛 吹くを切なく聞きており 告白以前の愛とは何ぞ
(寺山修司)

マッチ擦る…は、うらぶれたオッサンを想像して萌えていた
森川久美さんは「南京路」の本郷さんのイメージだと書いてたなあ…

498:風と木の名無しさん
09/07/04 16:01:22 xuY0hdDXO
>>496
詳しくは知らないが、吉野秀雄は八木重吉の未亡人と再婚してる。
「重吉の妻なりし今のわが妻よ ためらはずその墓に手を置け」
「われのなき後ならめども 妻死なば骨分けてここにも埋めてやりたし」

>>497
寺山は相手が国家でも告白前でも愛しちゃうんだなw
森川さんのそのエピ知った時はちと意外だった。自分はむしろ黄のイメージ。

499:496
09/07/04 17:58:27 ML5dY+VB0
>498
それだ!まじありがとう!「友人同士」は記憶違いみたいでした!
でも本当にありがとう、すっきりしました。

500:風と木の名無しさん
09/07/15 14:31:36 taz50TgCO
「麦秋や若者の髪炎なす」 西東三鬼

若者を見る作者の目を想像して萌え。

501:風と木の名無しさん
09/07/17 20:32:40 5SpnwqAqO
・驟雨甘し喝食(かつしき)に花ぬすませて 塚本邦雄

美少年の花盗人。映像が目に浮かぶ。

502:風と木の名無しさん
09/07/20 00:21:44 dFV2JI16O
塚本御大の歌が出ると
ま た 塚 本 か
って感じがする。悪い意味じゃなくあまりに毎度すごいんでw

503:風と木の名無しさん
09/07/21 17:04:59 LVtZRrTTO
「明け方のかなかなの声少年の成長痛の右足に降る」 小島なお

504:風と木の名無しさん
09/07/22 20:46:14 o5qZ4UmF0
みちのくの星入り氷柱われに呉れよ 鷹羽狩行

中高同級だけど、大学で別れてしまった友達に宛てた手紙とかに書き添えて
あると考えてみたり。
あと、転勤しちゃった同僚へのハガキの最後に書いてあるとか、おっさん
同士のやりとりとかも思い浮かんだり。

ちなみにこの句、塚本邦雄の俳句アンソロジーにとられてて、
別の意味で ま た 塚 本 か と思いました。

505:風と木の名無しさん
09/07/23 20:08:37 YgUqppxYO
>>504
きれいな句だね。解釈も萌えが広がる。
塚本のそのアンソロジーには既出の
*怒らぬから青野でしめる友の首(島津亮)

*鉛筆の遺書ならば忘れ易からむ(林田紀音夫)
なども載ってなかった?

506:風と木の名無しさん
09/07/23 22:34:33 lSV8hbwh0
>>505
504ですがそれらも載ってた。そういう目で見るとすごいよ御大、と只今
再読中。でもってこんなのも

山の冷猟男の体躯同じ湯に 森澄雄

こっちはガチな感じ。

507:505
09/07/23 22:45:04 YgUqppxYO
レス感謝。
その本、持ってないが噂だけ聞いてたw
森澄雄作品も映像的でいいなあ。
…御大スゴス…

508:風と木の名無しさん
09/07/24 14:03:46 VHrUzRnK0
「樽見、君の肩に霜ふれ 眠らざる視界はるけく火群ゆらぐを」福島泰樹

第一歌集の巻頭歌で失踪した学友を歌うばかりか
序文で“樽見、君はいまどうしているのだ(ry”と呼びかける福島。
塚本が亡き杉原一司に“僕は君以外の誰もおそれない、信じない。愛しない(ry”と
呼びかけたのと重なるなあ。
「夭折の友」って一種のキーワードだよね。

509:風と木の名無しさん
09/07/24 21:01:15 +erExF2oO
携帯から失礼します。
井伏が訳した有名な漢詩に、寺山が返した?詩を。

さよならだけが人生ならば またくる春は何だろう(中略)
やさしいやさしい夕焼けと ふたりの愛はなんだろう(中略)
さよならだけが人生ならば 人生なんかいりません

本来の意味からは少し違うけど、さよならだけが人生だとか擦れてる受けに、攻めがちょっと寂しそうに言えばいいなと。逆でもいける。

510:風と木の名無しさん
09/07/28 18:24:37 KdChyY3yO
寺山は全方位的に片思いしてる気がするなー。続けて寺山修司を。

「あはれかの我に煙草を教へたる上級生の盗癖(ぬすみぐせ)かな」

上級生から教わったのはタバコだけじゃないと思う。

511:風と木の名無しさん
09/07/29 02:27:41 t4cDIKKCO
>>510
煙草を教えたって部分で、自分は思春期の叶わなかった恋を想像してしまう。
萌えるけど切ないな。
煙草繋がりで一つ。

胸いたむ日のかなしみも、
かをりよき煙草の如く、
棄てがたきかな。

石川啄木

512:風と木の名無しさん
09/08/03 23:48:52 qCabOvXwO
保守

513:風と木の名無しさん
09/08/05 11:03:05 Rcz1Q5egO
芭蕉の「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」は
衆道の恋人・蝉吟が亡くなった日に作ったらしいね。
高橋睦郎は「しみ入る」は行為の時の痛みだと解釈してた。

514:風と木の名無しさん
09/08/05 12:09:15 RTq32rXmO
>>513
蝉吟が亡くなった年は1666年で
立石寺で閑かさや~の句を作った奥の細道の旅が1689年だし
閑かさや~の句は芭蕉が若い時の作風っぽくないので
いくらなんでもその論は無茶苦茶だ…とは思うが
芭蕉が23年も主人のことを忘れられないで
若い日に思いついた発句を温めてきたと考えると萌えるね

515:513
09/08/05 13:45:22 Rcz1Q5egO
書き方わかりにくくてすまん。
亡くなった日=命日って意味ですね。
高橋氏の孫引きです。

516:風と木の名無しさん
09/08/05 14:33:33 RTq32rXmO
命日か。勘違いしてごめん
蝉吟の命日と芭蕉がその句を作ったとされる日は旧暦で1ヶ月ほど違うけど
まぁそれは置いといて
解釈通りだったら、表現が直球すぎてすごいよ芭蕉w
と言うかそんな解釈をした
むつおさんがパネェお人だってことがよくわかった

517:風と木の名無しさん
09/08/05 20:37:00 2YlCG5k6O
>>513
その解釈はいくらなんでもトンデモ

518:風と木の名無しさん
09/08/09 00:25:22 YuVBPVRZO
バショさんつながりで

寝ごゝろや 炬燵布団の さめぬ内

芭蕉の弟子である基角が手紙にて贈った句。
こたつが冷めないうちに二人でもにゃもにゃ…暖まろうぜ。
てな感じでしょうか


519:風と木の名無しさん
09/08/20 23:36:34 CW6/79uy0
北/原/白/秋の『他.ト.我』

二人デ居タレドマダ淋シ、
一人ニナツタラナホ淋シ、
シンジツ二人ハ遺瀬(ヤルセ)ナシ、
ジンジツ一人ハ堪ヘガタシ。

二人でいることも一人になることも出来ない、もどかしい感じに萌える

520:風と木の名無しさん
09/09/06 09:31:10 ymjbd5x90
富士額恥ずるが如く学帽をふかくかむりて少年われは   小池光


古来、美女の代名詞とされてきた富士額と少年という組み合わせに
そこはかとなくエロスを感じて萌えた。
しかも最後の五句で「少年われは」となっててナルシスティックな感じが良い。

521:風と木の名無しさん
09/09/12 19:15:14 Sdr+zhSB0
ふたつなき 命も君のためならば 涼しく軽く捨てよもののふ

誰かの辞世の句らしいけど調べても誰のかさっぱり分からん
しかしこの君のためなら何でも投げ出してしまえそうな感じが大好きだ

522:風と木の名無しさん
09/09/15 03:19:40 meVhczF1O
クール破滅型の部下受けを妄想した。

ぐぐったら島津義久公いろは歌というのが出てきた。

523:風と木の名無しさん
09/09/18 06:01:35 R7MZwTt0O
ま た 塚 本 邦 雄 か
と言われそうですがまた塚本です

緑陰を穿ちて植ゑし新緑の杉 愛しすぎて友を失う
美しき春の驟雨を死の三日前に降らしてくれよ悪友
朋は莫逆、その逆を怖れつつありやめよ散り果つるまでは牡丹

二つ目なんかは「悪友」に対する想いというか「降らしてくれよ」に
妙な切なさを覚えてしまったんだ

他にもいくつか
美しき誤算の一つ我のみが昂ぶりて逢い重ねしことも 岸上大介
沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄に雨ふりそそぐ 斎藤茂吉
手を垂れてキスを待ち居し表情の幼きを恋ひ別れ来りぬ 近藤芳美

二つめ、上の方で葡萄が喉仏という話を聞いてからエロい歌にしか見えなくなった
どうしてくれる
三つ目は男女でも萌えるっていうかかわいいんだけど、801だとちょっとエロいよね

最後は俳句を少し
少年や六十年後の春の如し 永田耕衣
な折りそと折れてくれけり園の梅 炭太紙

六十年後の春に美しさと色気を感じなくては嘘だ
あと「折らないで」と言いながら折れてくれた梅は当然愛でなくてはなりませんな


524:風と木の名無しさん
09/09/19 08:16:16 xbAvKU6P0
どれも素晴らしく801の世界を想像させる
特に塚本と永田耕衣のが好みだ

>>523の「美しき誤算」で思い出した詩

冬のたそがれです。美しい誤謬犯しつつ、
僕らはしかも、行かなければならない。
      山本太郎「一つの出発」

525:風と木の名無しさん
09/09/19 13:00:45 v35hOeUOO
「男老いて男を愛す葛の花」永田耕衣

そのまんまですが。

526:風と木の名無しさん
09/09/22 07:16:34 uov5dD9v0
永田耕衣すげえ…!

527:風と木の名無しさん
09/09/24 15:48:16 TABuNFnQ0
>>525
塚本も匂わせていたけど釈.迢.空の有名な

葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり

を踏まえた句なんだろうな。
釈.迢.空の方は、「この山道」が少年の頃、
恋人の藤.無.染と歩いた山道だと想像すると切ない。
釈でもう一首

人間を深く愛する神ありて もしものいはゞ、われの如けむ

晩年の釈の異様な気魄のようなものが感じられる。

528:風と木の名無しさん
09/09/28 19:11:55 3jTXWnchO
御大たちスゴ杉…ここで軽めな1首を。

癒されたいわけじゃなかったこの傷のほかには何も持たないぼくら 松野志保

529:風と木の名無しさん
09/09/28 20:23:42 iYfSGfH90
>>528
自分にとっては十分ヘビーだった えらい萌えた
「癒されたいわけじゃなかった」っていいなあ

530:風と木の名無しさん
09/10/02 22:38:59 HtO3cny50
>>438
自分もこの歌は801的なフィルターを抜きにしても好き。純情で可愛い。



531:風と木の名無しさん
09/10/10 07:48:30 4tCyA/Fw0
地に落下してゆくまでの目くらみをうつとりとして言ふけれど死ぬな 大.辻隆.弘

病んでる相手を止めようとして飲まれかけているようで萌え。

532:風と木の名無しさん
09/10/18 12:33:20 h5zH+Iox0
水底にさくら花咲くこの暗き地上に人を抱くということ 永/田/和/宏

 なにかいろいろ絶望的。531の行きつく果てっぽい。

533:風と木の名無しさん
09/10/19 00:29:30 DsJDsQAd0
踏みはずせ計算するなおそれるなひるむなそつと唇を出せ
閉じ込めし想ひは深くなりながら百年生きねばならぬ恋

中.山.可.穂のレズ小説「マラケシュ心中」の作中歌。
801だったらとっても萌え。

534:1
09/10/19 23:55:29 URB/3/vN0
まさかやおい板で中.山.可.穂の名前を見かけるとは!びっくりしたw

この人は「切った爪がお前を恋しがる」 という自由律俳句について
「ここでその解説をするほどわたしは野暮ではないので、
興味のある方は実地に体験して体で理解していただきたいと思う。」
と言い放った気概が印象深いわ。


レポートを書こうと思って 渡部泰明の「和歌とは何か」(岩波新書)を読んでたら
このスレ向きの話題を発見したので引用。

――

贈答歌の本質は恋の駆け引きにある。そしてその手法は、同性同士にも応用される。
  (略)
~慈円の家集である『拾玉集』には、頼朝との八十首近い、
まるで恋人どうしと見まごうような贈答歌群が残された。
実際、こんなに文のやりとりをしたら女性かと噂になってしまいますね、
などという言葉も見えるくらいである。そのうちの一首、

535:2
09/10/20 00:01:49 URB/3/vN0
思うこといな陸奥のえぞいわぬ壺の石文書き尽くさねば  慈円
(胸に満ちた私の気持ち?いいえ、とてもとても表現し切れません。
手紙になんか書き尽くせないのですから。)

  (略)

陸奥の言はで忍ぶはえぞ知らぬ書き尽くしてよ壺の石文  源頼朝
(言わないで我慢していたらわからないじゃありませんか。
全部手紙にお書きください。)

――
頼朝って弟を死に追いやる冷酷な支配者キャラというイメージがあったから
お友達とこんなほのぼのした可愛い歌も読んでたんだと思ってなごんだ
慈円とは本当に仲良かったんだろうなぁ。
それにしても贈答歌っていい。読んでて面白い。

536:風と木の名無しさん
09/10/21 21:04:32 AsnvB13TO
>>534
中ヤマ可穂はいろんなスレでそこそこ名前みるよ

537:風と木の名無しさん
09/11/07 22:59:14 E5J2vbjt0
保守がてら

君 いつはりて戯れに戯る
  この戯れをわれ好む
君 片側に 涙垂れ
  また 片側に 笑ぎます
    われ すべて失うと思ひしに
    求めて 得たり いやましに
    君 膝許より遠ざけて
      またも 胸に抱きたまふ
        (タゴール「ギーターンジャリ」)

宗教詩だというのは分かっているのだが、翻弄されてもついていく
健気さに何かを感じてしまう……

538:風と木の名無しさん
09/11/10 08:09:35 3+NlgEoM0
宗教詩ってことは君は神のこと?

539:風と木の名無しさん
09/11/13 18:08:17 zQL+ld6o0
>>538
解説によればそうらしい。
全体的に「君」だの「友」だのと呼びかけているので、
やたら距離が近い感じ。

540:風と木の名無しさん
09/11/20 21:42:59 qDN1+fFQ0
小野茂樹の歌集を読んでいたんだけど、後書にて紹介されていたもの。
『律』という詩文学の雑誌(?)上で、塚本邦雄主催による
『ハムレット』の詩劇というものが行われていたそうだ。
その雑誌自体は未見でわからないが、各作家が七五調の文語詩で
ハムレットの各登場人物を演じる、という企画らしい。
小野茂樹はホレーショ役を担当したということで、紹介されていた
部分が、ものすごい萌えだった。

----------------

 我もまた死すべかりしを
 死もて死に従うべきを
 漂える血の香の中に
 ただ一人生きつつ立てば
 生者こそ死を見ざるもの
 生者こそ生ける屍

----------------

狂気に近い慟哭、っていうのか
今その企画全文を読みたくてたまらない

541:風と木の名無しさん
09/11/29 05:45:38 MuflHHvg0
父の陰茎を抜かんと喘ぐ真昼のくらがり 西.川.徹.郎

色々とやばい。

542:風と木の名無しさん
09/11/29 11:37:09 +7ChCFNv0
>541
それは一体どういう状況なんだ

543:風と木の名無しさん
09/11/29 22:41:44 3PFXTuiF0
どういう状況なんだその句は

544:風と木の名無しさん
09/12/02 08:49:37 M9CqC2FT0
幸さながら青年の尻菖蒲湯に  秋元不死男
暗殺者の手が撫でている青い尻  上野ちづこ
少年の肛門より降霊術の朝靄  江里昭彦


凄すぎて漢詩を上げるのがためらわれた。
ので、西川句を探してついでに見つけた句。
それにしても現代句の世界すげぇ。尻シリーズだそうな。

545:風と木の名無しさん
09/12/09 13:30:02 oQFKD+JV0
現代句凄すぎる…。中和のためほのぼの有名どころをひとつ。

 函館の青柳町こそかなしけれ
 友の恋歌
 矢ぐるまの花
  石/川/啄/木。失くしてはじめて恋と知るノスタルヂックなはつこひ?

546:風と木の名無しさん
09/12/15 02:17:01 wlnd8y3p0
同じく啄木

待てど待てど
来る筈の人の来ぬ日なりき、
机の位置を此処に変へしは。


せつない。

547:風と木の名無しさん
09/12/19 20:48:12 9/pTIBzF0
めぐりあひふと見交して別れけり落葉林のをとこと男   若山牧水

そこはかとなく隠微な色気を感じる

548:風と木の名無しさん
09/12/23 00:12:09 3Httt2ty0
>をとこと男
なんか日本画で見たくなるワンシーンだ。
ひらがなと漢字で表記をあえて変えているのは
どんな文学的な意味があるんだろう?

549:風と木の名無しさん
09/12/23 18:52:35 T565rTRT0
平仮名は女文字で漢字は男文字。
つまり…
そう言うことだと思うんだww

550:風と木の名無しさん
09/12/26 21:25:38 vGg32FSY0
確か一首の中で同じ単語を繰り返す時は片方をひらくんじゃなかったかなと
色気のないマジレスをしてみるw

551:風と木の名無しさん
09/12/27 02:32:36 AXMHO3XH0
逆に考えるんだ
つまりルールに従っただけですよというふりをしているんだとw

552:風と木の名無しさん
10/01/08 14:35:09 0CCL/OWC0
鮎i川信i夫  「死lんlだl男」

たとえば霧や
あらゆる階段の跫音のなかから、
遺言執行人が、ぼんやりと姿を現す。
―これがすべての始まりである。

遠い昨日……
ぼくらは暗い酒場の椅子のうえで、
ゆがんだ顔をもてあましたり
手紙の封筒を裏返すようなことがあった。
「実際は、影も、形もない?」
―死にそこなってみれば、たしかにそのとおりであった。

Mよ、昨日のひややかな青空が
剃刀の刃にいつまでも残っているね。
だがぼくは、何時何処で
君を見失ったのか忘れてしまったよ。
短かった黄金時代―
活字の置き換えや神様ごっこ―
「それがぼくたちの古い処方箋だった」と呟いて……




553:続き
10/01/08 14:39:15 0CCL/OWC0
いつも季節は秋だった、昨日も今日も、
「淋しさの中に落葉がふる」
その声は人影へ、そして街へ、
黒い鉛の道を歩みつづけてきたのだった。

埋葬の日は、言葉もなく、
立会う者もなかった、
憤激も、悲哀も、不平の柔弱な椅子もなかった。
空にむかって眼をあげ
きみはただ重たい靴のなかに足をつっこんで静かに横たわったのだ。
「さよなら、太陽も海も信ずるに足りない」
Mよ、地下に眠るMよ、
きみの胸の傷口は今でもまだ痛むか。

--------
高校の教科書に載っててえらく萌えた覚えがある

554:風と木の名無しさん
10/01/11 01:38:26 27QlY/Ct0
この詩が高校の教科書に(驚)
かなり深い耽美さがあると思うんだけど、選定者の意図が知りたくなるな。

555:風と木の名無しさん
10/01/16 20:48:30 L+fl+lTj0
耽美で綺麗だなあ
Mは、森i川i義i信だという説が有力みたいだね


556:風と木の名無しさん
10/01/19 03:24:35 l1fTFUbW0
レポート書く上で知ったんだが源氏物語で帚木の段の一部がすごい
興味のある人は「源氏物語 帚木 十二回」でぐぐってみて

557:風と木の名無しさん
10/01/28 22:43:00 oC1fFsjkO
武骨なる男の斧にひきさかれ
生木は琥珀の樹液を噴けり
春!日!井!健

どうしても何かを…何かを象徴してるようにしか読めない…!


558:風と木の名無しさん
10/01/29 00:53:41 GZIGytyUO
ほしゅ

559:風と木の名無しさん
10/01/31 09:04:51 OiLPGvDc0
>>557
エロス……!
男同士のアレの場面を想像しちゃうね

560:風と木の名無しさん
10/01/31 16:18:37 Nx0toFEyO
雨の街みさけていたり
われと汝と息あはせつつ
狂ひもあえず

春!日!井!建

これは…まさに…


561:風と木の名無しさん
10/02/11 20:58:18 ICVk1z7f0
何何、現代句?何ゆえそれほど情熱的なんだ・・・
>>557>>560
すげえ・・・
男同士の暑苦しいセクロスがブアッっと脳裏を駆け巡ったw
こんなエロスをこんな短い言葉で表現しちゃうなんてすごいや

562:風と木の名無しさん
10/02/13 01:14:13 jp2aK+aA0
日向ぼこ出勤前の友もまたわが背まくらにうとうととする
たはむれのやうに握りし友の手の離しがたかり友の眼を見る
まれまれに相見る友のいづくやらむさびしげなるに心とらるる
わが胸に旅のをとこの情なしのこころやどりてそそのかすらく
短かりし一夜なりしか長かりし一夜なりしか先づ君よいへ 

若山牧水

563:風と木の名無しさん
10/02/13 10:43:45 d98DYFiq0
>>562
どれも凄いな。萌える。
若山牧水って一人旅の歌のイメージが強かったけど
こういう親しい人との交流を詠ったものもいいね

564:風と木の名無しさん
10/02/13 22:18:02 k6ILZ7hYO
眠る吾の前髪撫でる掌に明かさぬ君の胸を深読み
川.上.史.津.子

身体だけの関係のはずなのにいつの間にか絆されてしまう
…という妄想をした

565:風と木の名無しさん
10/02/19 21:23:49 US7p5nmEO
あたらしく得し恋をわれに聞かせつつ
海よりも暗き瞳してゐる
岡,野,弘,彦

566:風と木の名無しさん
10/02/25 10:14:54 spbHaKEW0
吾がつつむ焔(ほむら)のなかのあをを吸ひ煙草をともす友のまなじり
光/森/裕/樹

567:風と木の名無しさん
10/02/27 00:36:55 XsdmnpEr0
>>566
マイカプの扉絵思い出して超萌えた……!


568:566
10/02/28 19:49:51 g4At0+kS0
こんな良スレがあったことを知って勢いで投下したら
567姐さんのカプを想像して萌えたハァハァ…
もいっちょ似た傾向の短歌を投下

すれ違いに温さ匂う銭湯の洗い桶など包み持つ青年
武/川/忠/一

569:風と木の名無しさん
10/03/03 00:35:54 TcMRiXoN0
致死量の月光兄の蒼全裸(あおはだか) 藤原月彦

570:風と木の名無しさん
10/03/06 19:32:59 YEHa7NGV0
>>569
俳句ってもっと枯れたイマゲ抱いてた。すげー萌える。
作者ググってみたら下の名前変えて有名な歌人の方だね。

571:風と木の名無しさん
10/03/08 20:12:57 5gmK6buj0
春の野に すみれ摘みにと 来しわれそ 野をなつかしみ 一夜寝にける     山部赤人

なんてことはない春の歌なんだけど
「すみれ」を女の比喩だと考えたら
『女の元に通ってきた私だったが
本来の目的である女ではなく
その女の兄弟と一夜を過ごしてしまったことだよ』
という後朝の歌に思えてきた



自分解釈によるものだからスレチだったらごめん

572:風と木の名無しさん
10/03/09 13:36:47 FXG6WZv7O
月に立つ君のそびらのひとつほくろ告げざれば永久にわれのみのもの
青/井/史


573:風と木の名無しさん
10/03/09 18:54:03 VoS8aeBQ0
>>569>>572
月光と裸…エロい

>>571
ひょっとしてそういう意味…?と妄想することが801だ!萌えた

574:風と木の名無しさん
10/03/10 16:59:00 PKeV+4NL0
―ふたりともうごかずにゐた一年でいちばんながい昼がゆくまで
林/和/清

梅雨時の午後だな。

575:風と木の名無しさん
10/03/18 17:50:05 XuBg+aKG0
並んではもう帰れぬとふと気付く春の四月の引っ越しのあと
by名無しさんの初恋 (2ちゃんねる・純情恋愛板)

576:風と木の名無しさん
10/03/18 20:49:19 6OoZvDDd0
二つのからだ
      オクタビオ・パス

むかいあう二つのからだ
あるときは夜の海の
二つの波。

むかいあう二つのからだ
あるときは夜の砂漠の
二つの石。

むかいあう二つのからだ
あるときは夜の底で
からみあう根。

むかいあう二つのからだ
あるときは夜の稲妻の
二つの刃。

むかいあう二つのからだ
あるときは虚空に落ちる
二つの星。

577:風と木の名無しさん
10/03/22 01:33:19 1KknS/sEO
昨夏はボクシングのまねしてたわむれしまま抱擁をとかずにいしを
晋/樹/隆/彦


578:風と木の名無しさん
10/03/24 01:24:33 34N02sDw0
吹き荒ぶ春の嵐に鎖(とざ)されて屈強ふたり縺れ合ふ夜


                        拙作

579:風と木の名無しさん
10/03/25 20:47:47 GCob5rby0
自作歌が出たのは初めてだね
>>578 嵐に負けない激しさなのですねわかります

----

  垣こしに花ぬすむ手をとられけり  正岡子規

このあとお仕置きの時間ですねわかります

580:風と木の名無しさん
10/03/25 21:05:38 GCob5rby0
規制解かれているうちに連投しておこう。
黒瀬珂瀾。この人の歌は、狙ってる感ありありではあるが。

控え目な鼻をひねればとび起くる少年にふと淡き乳輪
汚(けが)しあひたる後におまへが呟きし賛美歌(キャロル)ほのかに雪を呼ぶまで
鶸(ひは)のごと青年が銜(くは)えし茱萸(ぐみ)を舌にて奪ふさらに奪はむ

581:風と木の名無しさん
10/04/04 11:46:53 EVEH8BmaO
淋しいかいなどと問(き)くなよかりかりに乾いて割れた唇をして

今日の日経新聞「詩歌・教養」欄

582:風と木の名無しさん
10/04/10 13:20:10 THm+ZD4/0
>>580
おおぅwこれは良いJUNEw
あからさまなのもあるが、どことなく昭和のかほりなのも初期JUNE

583:風と木の名無しさん
10/04/10 20:32:00 l9MErgT70
逆立ちしておまへがおれを眺めてた たつた一度きりのあの夏のこと   河野裕子

明日あると信じて来たる屋上に旗となるまで立ちつくすべし   道浦母都子

ぼくたちは勝手に育ったさ 制服にセメントの粉すりつけながら   加藤治郎

体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ 雪のことかよ
終バスにふたりは眠る 紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて   穂村弘

夏木立ひかりちらしてかがやける青葉の中にわが青葉あり
恋人と棲むよろこびもかなしみもぽぽぽぽぽぽとしか思はれず    荻原裕幸


高校時代の国語の便覧から。
掃除してたら出てきたんだがけっこういろいろ萌えた…!
最初の二つは女性歌人だけどおいといて。

584:風と木の名無しさん
10/04/11 21:49:30 9qA/AIAz0
国語便覧とか現代文の資料集っていい萌えが転がってるよね
穂村弘のはなんか可愛いなー

585:風と木の名無しさん
10/04/11 22:53:09 7bSWfAHnO
>>577
自分(←歌の)も相手も男ってことが、書いてなくても伝わってイイ。
作者は他にもそういう傾向の歌を詠んでいる人なのかな?
歌集って高いからなかなか手が出ないんだ。

586:風と木の名無しさん
10/04/15 21:57:00 Fpsf+xurO
保守

587:風と木の名無しさん
10/04/15 22:25:53 HQDXIqKNO
>>585
そんな君の為に図書館てのはあるんだぜ!
歌集なんて古いのばっかりだし新しいのもすぐ絶版だしで
密林でだって入手できるのは限られてるのに
図書館には歌集って棚があるんだぜ!
萌えたとこだけコピーすれば部屋のスペースも圧迫しないぜ!

588:風と木の名無しさん
10/04/16 00:24:36 izMUwKNI0
>>583
ぐわーーーツボな歌ばっかで萌え死にそう!!
国語便覧は自分でも以前思い付いてみてたけどこんな素晴らしい歌乗ってなかった
>「ゆひら」とさわぐ 雪のことかよ に禿萌えたよ・・・

589:585
10/04/16 00:37:35 0/yNxpVYO
>>587姐さん、お知恵をありが㌧
さっそく探してみるよ
一瞬特殊な801図書館を想像してしまった自分 orz

590:風と木の名無しさん
10/05/07 22:56:24 J2ajCE3+0
BL作品に登場するレズビアンについて語るスレかと思ったww
寿たらこのセクピスのカレンちゃんやマキオとか
松岡なつきのテニス物のエイダとか

591:風と木の名無しさん
10/05/09 09:22:41 6JtNQsEy0
590は誤爆かな?

歌集に限らず短歌関係の本って後から手に入れようとするとわりと苦労するよね
やっぱりジャンル自体マイナーすぎるんだろうか

592:風と木の名無しさん
10/05/12 15:02:28 GGNgNvUK0
「五月闇 わかばの枝を折り取って君の真白き背を打たんかな」
「今日ぼくは花ざかりの樹この枝を激しく揺らす風を待ちつつ」

2首とも松野志保。下の歌はこの板のネーム欄そのままだなあw

593:592
10/05/12 15:09:41 GGNgNvUK0
×わかば
◯若葉

594:風と木の名無しさん
10/05/12 16:09:41 5CYGQfFF0
>>592
どっちも萌えた

> 下の歌はこの板のネーム欄そのままだなあw
まさに!!!!!

595:風と木の名無しさん
10/05/16 23:42:14 YJCbMi/b0
>>592
> 下の歌はこの板のネーム欄そのままだなあw
うわーん、風木の例のシーンを思い出しちゃったよ
セツナス・・・

596:風と木の名無しさん
10/05/29 09:11:58 lCuPAw/y0
「お客さん」「いえ、渡辺です」「渡辺さん、お箸とスプーンおつけしますか」  斉藤斎藤

もちろん一般的な解釈としては都市生活を送る現代の若者の内面や
人間関係の希薄さというものをテーマにしているんだろうけれども、
この歌をあえて801的な一場面として見ると萌えると思った
惚れてる店員に単なる客の一人としてではなく自分個人のことを知ってよ、と思っている人と
そんな思いに頓着せずマニュアル通りの接客をする店員のすれ違い

597:風と木の名無しさん
10/05/29 09:29:18 pjwYOaeW0
>>596
これは萌える。店員さんは渡辺さんが来たらマニュアル通りに応対しつつも
お客さんと言わずに渡辺さんと言ってあげればいいと思う

598:風と木の名無しさん
10/06/04 06:37:56 OYm7e2/TO
老松にシダレ桜が寄りかかり

某緑茶のペットボトルについている俳句から。
枯れたおじさん×年下美人を想像する。

599:風と木の名無しさん
10/06/05 07:18:25 aLLUllMX0
>>598
常緑樹に桜ってのは和むね。かわいい。

600:風と木の名無しさん
10/06/05 08:27:42 FP+Zr9/AP
好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君  枡野浩一

601:風と木の名無しさん
10/06/09 01:39:37 dxfV1fK8O
電話口でおっ、て言って前にみたいにおっ、て言って言って言ってよ  東直子
雨だから迎えに来てって言ったのに傘も差さず裸足で来やがって    森田志保子
レイアップもできない僕を見てリョウは虹の所有者みたいに笑う      千葉 聡
ほんとうに俺のもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は    穂村弘
永遠に祝福される事のない君らの為にピアノを弾こう        夛田真一

602:風と木の名無しさん
10/06/09 12:48:16 +6vcRFu50
>>601の二首目
どういう状況なんだ!?と想像して萌える

603:風と木の名無しさん
10/06/18 22:53:34 VblTtMto0
好きな人がいた 眠いときいつでも寝れた 10年後も同じことしてたかった

昔何かの漫画の空きページに書いてあったポエムです


604:風と木の名無しさん
10/06/22 01:50:50 plwHoTPd0
>>603 幽遊白書?

605:風と木の名無しさん
10/06/22 01:55:04 plwHoTPd0
一番星あいつと決めて冷し酒  品田まさを

606:風と木の名無しさん
10/06/24 17:15:14 mPTO9Xev0
>>605
男っぽくていいな。
一番星で菅原ブンタ兄貴を思い出したw

607:風と木の名無しさん
10/06/25 00:26:59 H0PhnSF30
>>604
それだ!!ありがとう
野球の絵が描いてあったと思います。

学校やアパートの部屋で昼寝する若者2人を想像して萌えたものでした
これぞ青春

608:風と木の名無しさん
10/06/28 21:01:59 EGvk1a4jO
たぶん既出じゃないと思うけど

少年の放心葱畑に陽が赤い(金子兜太)

麦畑ならぬ葱畑かとw放心というのが、事後の放心に思えて仕方ない。

もいっこ

N徴兵さる(二句)
残る身に飛雪のバスの揺れ激し

淡い想いを寄せていた人を見送った帰り、吹き付ける雪にバスが揺れるように
徴兵された人を想いながら不安で心が揺れる青年を想像

609:風と木の名無しさん
10/07/17 21:29:56 4fZXo1iI0
ふるさとの訛なつかし
停車場の人ごみのなかに
そを聞きにいく
           石川啄木

↑の本歌取りで

ふるさとの訛なくせし友といてモカ珈琲はかくまでにがし       寺山修司


以下妄想。
Aは中学卒業と同時に家出して上京する。
心残りはBにも何も言わなかったこと。
それでもBが自分を呼ぶ独特のイントネーションが忘れられず、もしやと思ってたまに上野駅へ。
3年が経ち、高校卒業・大学進学を大義名分にBが上京する。
偶然にもAと上野駅で再会、近場の喫茶店に入ってコーヒーを頼む。
二人とも抱く想いに変わりはないのに、それを互いに確かめる術もなく。
二人の間でただコーヒーが冷めていく。
砂糖も溶かしてくれない冷めたコーヒーはただ苦いばかり。

610:風と木の名無しさん
10/07/21 20:16:51 OaEExod9O
背負ふかたち押さふるかたちに昼寝せる合宿中の柔道部員
(短歌番組入選歌)梶/原/か/つ/を

昼寝で疲れを癒して夜は…

611:風と木の名無しさん
10/08/08 20:18:51 2jnUojCy0
このスレでよく目にする歌人がまさかのOBだった衝撃あげ

612:風と木の名無しさん
10/08/14 16:34:48 TAURapOk0
既出作ですまんが
☆わが通る果樹園の小屋いつも暗く父と呼びたき番人が棲む(寺山修司)

☆牛飼座空にかたむき遠くわれに性愛を教へくれし農夫よ(春日井建)

この番人と農夫は同一人物な気がする。

613:風と木の名無しさん
10/08/15 16:43:45 TAQJvH/00
父(性的な意味で)
ってやつですねw

614:風と木の名無しさん
10/09/04 01:06:12 dgTqjT2I0
とびやすき葡萄の汁で汚すなかれ虐げられし少年の詩を 寺山修司


見た瞬間に色々駆け巡って結局「…すげー」しか出てこなかった

615:風と木の名無しさん
10/09/04 01:20:10 2k8sYDigO
山吹の花の盛りに かくのごと 君を見まくは 千年(ちとせ)にもがも 大伴家持

616:風と木の名無しさん
10/09/04 01:26:34 2k8sYDigO
>>614
ふつくしく生々しいね

617:風と木の名無しさん
10/09/04 12:22:24 bXaInzkJO
散々既出かも知れないけど…

しきしまの やまとのくにに ひとふたり ありとしおもはば なにかなげかむ
万葉集

ますらをぶりの直球な感じがたまりませぬ。

618:風と木の名無しさん
10/09/05 01:06:39 kdDk4n/S0
>>600
これいいね
忘れられない青春の記憶を持ってるんだろうな

619:風と木の名無しさん
10/09/05 22:36:00 XEjxcCUn0
自作。置き場がなかったので…

船乗り、戦闘機乗りに戦車乗り どれが好きかと訊かれても
答えに詰まる 戦う男は皆素敵

620:風と木の名無しさん
10/09/06 12:39:54 wtPYoW/c0
今さらですが
「君を送りて思ふことあり蚊帳に泣く」正岡子規

幼なじみ秋山真之の留学に寄せての句。後朝の別れかと思ったよ、のぼさんてば。

621:風と木の名無しさん
10/09/08 17:36:27 xpOx0YS2O
「講堂で賛美歌うたう友達のピアスの穴を後ろから見る」 小島なお

ピアスの穴というか首筋から耳たぶ付近ですかね

622:風と木の名無しさん
10/09/09 23:40:12 4Z9Mf3O1O
>>620
心から同意
真之がこの詩を読んだのは
子規が死んだあとになってから
という説があるらしいが
それもまた切ねえ

623:風と木の名無しさん
10/09/10 01:24:54 OyklN2gq0
人に言えない仏があって、秋の彼岸の回り道(都都逸)

空のない窓が記憶のなかにありて小鳥とすぎし日のみ恋おしむ
死の日よりさかさに時をきざみつつつひに今には到らぬ時計
きみはきみばかりを愛しぼくはぼくばかりのおもいに逢う星の夜
海の記憶もたず病みいる君のためかなかななけり身を透きながら
(全て寺.山.修.二)

声をあげて泣いてみたいね夕顔の白い白い花が咲いている(山.崎.方.代)
目を病みて ひどく儚き日の暮れに 君はま白き花の如しよ (作者不詳?)


どの歌もなんだか夭折の友を今でも想っているようでせつなくなる
もう二首、なんだか可愛いやつと耽美な奴↓

あめつちの 酸素の神の 恋い成りて 水素はついに 水となりけり(石川啄木)
寝台の端にかけ居る少年のギプスの脚に月の差しそむ(葛.原.妙.子)

624:風と木の名無しさん
10/09/10 11:20:22 OyklN2gq0
連投ごめんなさい訂正です。

>目を病みて ひどく儚き日の暮れに 君はま白き花の如しよ (作者不詳?)
目を病みてひどくはかなき日の暮れをきみはましろき花のごとしよ(福.島.泰.樹)

です。
これだけではなんなので同じ福島氏でもう一首

さらばわが無頼の友よ花吹雪け この晩春のあかるい地獄

625:風と木の名無しさん
10/09/10 15:09:43 iUy1t4aY0
>>614の歌を受けてるんじゃないかと思うんだけど

卓上に濡れてふた房の葡萄あり かつてわがもちし朝のかなしみ(三/枝/浩/樹)

626:風と木の名無しさん
10/09/10 17:10:48 Lrfbwj2T0
放課後の理科室の風 
君がページを繰る音
ずっとこうならよかったのに

昔、理科室の机にあった落書きです

627:風と木の名無しさん
10/09/10 17:15:11 sCZblYztO
>>623
都々逸いいねえ

寺山と福島の作風の違いもいいな
タイプ違うけど本人たち親しかったんだよね

628:風と木の名無しさん
10/09/10 21:35:42 gPYKK4Pb0
さらばわが…の歌、いいなあ

とりあえず>>623姐さんを都々逸スレにお連れしたい

629:風と木の名無しさん
10/09/15 16:58:43 BLaW0cLAO
椎の木のひかりはげしき八月よ根方にナイフを埋(うづ)めよといふ by水原紫苑

痴話喧嘩の末?椎の木というのも気になります

630:風と木の名無しさん
10/10/06 15:41:40 ooeuw6JT0
あの野郎の追悼文は俺が書く 他の誰にも書かせはしない

あの娘には見せてあげない手と足を切ったあなたを飼う水槽は
(二首ともますのこういち)

あなたを忘れる手だてといへば
あなたに逢つてゐる時ばかり
逢へばなんでもない日のやうに
静かな気持でゐられるものを

記憶よ なつかしい記憶よ
二人をつなぐものは
おまへばかりだ
記憶よ なつかしい記憶よ

約束もしないのに
燕(つばくら)は来ました。
ゆびきりをしたのに
あの人はきません。
夏のあさづき。
(いずれも竹.久.夢.二)

631:風と木の名無しさん
10/10/06 19:07:34 K5NR+gxR0
>>630
ますのこういちって人知らなかったけど
2首目のヤンデレっぷりに萌えたよ

632:風と木の名無しさん
10/10/07 10:07:58 3p3xWQJD0
今更だが>>629、IDにBLおめ

633:風と木の名無しさん
10/10/21 21:12:58 q/mTrXPw0
けだしくも 人の中言 聞かせかも ここだく待てど 君が来まさぬ

なかなかに 絶ゆしと言わば かくばかり 息の緒にして 我恋ひめやも

思ふらむ 人にあらなくに ねもころに 心尽くして 恋ふる我かも


万葉集 巻四680 大伴家持 交遊と別るる歌三首。
「交遊(とも)とは同性の友人である」と控えめな註がついていた。

 この時期は公の席で他意なく恋歌っぽい挨拶を交わしたとは聞くが………
 この三首はなんとなく言い訳できん感じが。家持卿よ何があった。

634:風と木の名無しさん
10/10/26 23:17:15 /mgq56Qt0
>>633
恋歌にしか見えないなw

635:風と木の名無しさん
10/10/29 02:58:07 RwwEAyNP0
半死が
私たちの生を喰らって成長し
灰の像さながらにぐるりを囲んでいた。

わたしたちもまた
飲み続けた、魂ぶっちがえた二本の剣、
天の石(いわ)に縫いこまれ、言葉に血まみれて
寝台の夜に生まれた。

大きく、さらに大きく
私たちは貫きあって育ち、もはや、
かく急きたてるものは名づけようもなかった
(三十といくつのうちどのひとつだったか、私の生ける影は、
おまえへと狂気の段を
おまえへと狂気の段をよじのぼった影は。)

パ.ウ.ル・ツ.ェラ.ン

636:風と木の名無しさん
10/11/11 23:56:02 ChMRyKqC0
この道を歩んで行った人たちは、ねえ酒姫
(サーキイ)、
もうあの誇らしい地のふところに臥したよ。
酒をのんで、おれの言うことをききたまえ―
あの人たちの言ったことはただの風だよ。

ル/バ/イ/ヤ/ー/ト

酒姫が美少年だと最近知った…

637:風と木の名無しさん
10/11/13 08:43:36 czMfdWGv0
私も酒姫って字面に騙されてたわ。フツーに女の子だと思ってたw

638:風と木の名無しさん
10/11/22 18:44:44 DmdbOb7hO
保守

639:風と木の名無しさん
10/11/26 04:07:40 RMEODGJf0
古今集より
春たてば消ゆる氷の残りなく君が心はわれにとけなむ

訳)春の訪れとともに消える氷のように、君の心も打解けて欲しい


懐かない猫のような男を好きになった人、みたいな印象w



640:風と木の名無しさん
10/11/27 14:20:21 TQTi9w7BO
sage

641:風と木の名無しさん
10/11/27 14:23:09 TQTi9w7BO
文学板より

18 :ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/10/17(日) 10:42:14 ID:gPZNyUVV
  『秋浦歌 其一』  by李白

秋浦 長(とこし)えに秋に似たり
蕭條(しょうじょう)として 人をして愁えしむ
客愁(かくしゅう) 渡(すく)う可(べ)からず
行きて 東大楼に上る
正西(せいせい)に 長安を望み
下に 江水(こうすい)の流るるを見る
言(げん)を寄せて 江水に向かう
汝の意 儂(われ)を憶うや不(いな)や
遙かに一掬(いっきく)の涙を伝えて
我が為に揚州に達せよ


19 :ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/10/17(日) 10:43:15 ID:gPZNyUVV
訳っぽいものw


秋浦はいつも秋景色
なんとなく淋しくて 切なくなる
沈む心をどうにも出来ず
町の東の大楼山に上ってみた
ここより真西にずっと行けば長安
眼下には長江が流れている
万感の想いを一言にして 川に託そう
あなたはまだ私を憶っていてくれますか
止め処なく流れる涙と共に 伝えてくれ
遙々と 私の為に揚州まで

642:風と木の名無しさん
10/12/03 04:54:10 VH1/ox+U0
よく笑ふ 若き男の
死にたらば
すこしはこの世のさびしくもなれ

石.川.啄.木


643:風と木の名無しさん
10/12/07 00:27:57 6VaBeKZt0
>>642
ふお…これはいい拗ねw


こぼれ松葉をかきあつめ
をとめのごとき君なりき、
こぼれ松葉に火をはなち
わらべのごときわれなりき。

わらべとおとめよりそいぬ
ただたまゆらの火をかこみ、
うれしくふたり手をとりぬ
かひなきことをただ夢み、

入り日のなかに立つけぶり
ありやなしやとただほのか、
海辺の恋のかなしさは
こぼれ松葉の火なりけむ。

海.辺.の.恋 佐/藤/春/夫


都会から来た学生と、現地の漁師みならいの青年のひと夏の恋?的な
燃/ゆ/る/頬やら画/の/悲/し/み/を読んだ後なせいかモロこういうの想像した


644:風と木の名無しさん
10/12/11 15:21:37 jJP4xu7sO
燃/ゆ/る/頬いいですねえ。それで思い出した1首を

「木菟の声きこゆる小さき図書館に耳きよらなる少年を待つ」寺山修司

645:風と木の名無しさん
10/12/19 12:56:09 KusP+oK+O
三千世界の鴉を殺し 主と添い寝がしてみたい

高杉晋作の作品
切な萌える

646:風と木の名無しさん
10/12/20 23:49:23 h+XkHTKs0
>>645
朝寝じゃね?
桂小五郎作説もありますな

647:風と木の名無しさん
10/12/23 11:02:35 r7YK9zzVO
粋ですなぁ
古くてすまんが漫画「イブの息子たち」の
高杉「三千世界の烏を殺し…」
ガチ詩人「主と朝寝がしてみたい」を思い出した
これがきっかけで2人が近づくんだよね

648:風と木の名無しさん
10/12/23 19:17:47 vmgM401fO
ここの皆さんに嵐 山 幸 三 郎の『悪党芭蕉(新潮文庫)』をおすすめしたいです(ご存知の方もいるかもしれません)。

小説ではなく芭蕉の生き様とその句との関わりなど書いた本ですが、内容は裏表紙の紹介から抜粋すると


ならず者と遊び人が集った蕉門、美男弟子との衆道関係、あの句にこめられた危険な秘密…(中略)その素顔は、芥川龍之介に「日本の生んだ三百年前の大山師」と言わしめるほど、凄腕の不良(ワル)だった!


…ってこれだとちょっとタブロイドっぽい煽り文句けど(汗)、内容は真摯かつ他の評論と一味も二味も違うので、けっこう読みごたえあります。新潮文庫です。


649:風と木の名無しさん
10/12/23 19:19:40 vmgM401fO
>>648あ…最後の『新潮文庫です』は消し忘れですorz

650:風と木の名無しさん
10/12/25 22:58:32 OvdohOha0
>>646
「添い寝」というのもあったような

>>648
気になってた本でした。今度読んでみます


恋よりも友情というポジションを選んでしまう30代は
俵.万.智


男女間の友情でも全然萌えるんだが
あえて少年の頃からずっと持ち続けてる片思いが
青年になって30越えたらなんかひと巡りしちゃって
いっそこのまま親友ポジでもいいか、みたいなね

でもそれを越えたらまた、でもやっぱり好きで、恋人になりたくて~
っていう時期がやってきて結局何度もぐるぐるしちゃうんじゃないか、とか
いろいろ妄想膨らましてしまう



651:風と木の名無しさん
10/12/27 18:19:07 FK3BnDi/O
高杉さんは平和な世ならアーティストになれたろうな。


652:風と木の名無しさん
11/01/15 03:44:13 K7FMTdEdO
二/輪/の/桜/(戦/友/の/歌) 西/郷/八/十

君と僕とは二輪のさくら 積んだ土嚢の影に咲く
どうせ花なら散らなきゃならぬ 見事散りましょ 皇國のため

君と僕とは二輪のさくら 同じ部隊の枝に咲く
もとは兄でも弟でもないが なぜか氣が合うて忘れられぬ

君と僕とは二輪のさくら 共に皇國(みくに)のために咲く
昼は並んで 夜は抱き合うて 弾丸(たま)の衾で結ぶ夢

君と僕とは二輪のさくら 別れ別れに散らうとも
花の都の靖國神社 春の梢で咲いて会ふ


知ってる人いると思うけど、同/期/の/桜の元になった歌だそうです。同/期/の/桜の親友以上恋人未満で萌えてたが、どっこい本家はガチでした
萌えすぎて胸が苦しい(*´д`)

653:風と木の名無しさん
11/02/08 04:27:39 ady6kYi60
二輪て…(;´Д`)ハァハァ
軍は多いというけどこれは知らなかったわ


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