07/10/24 11:10:37.07 rCD48otvO
その日の我がSOS団のミーティングでは、明日、土曜日に行われる紅葉見学のしおりの読み合わせが行われた。
季節モノに敏感な団長様はこれまた凝りに凝った作りのそのしおり(小学生の遠足的な)をヒラヒラさせながら、お決まりの台詞(遅刻したら罰金的な)を俺に突き刺し満足げに帰っていった。団長様は明日に向けて色々と準備があるらしい。
時計の針は４時を示している。帰るにはまだ早い時間だ。古泉相手にボードゲームに興じるのもいいだろう。おい、古泉。
「すみません、僕も準備がありますので、折角ですが。」
ウインクはやめろ気持ち悪い。準備準備って一体何を備えるつもりなのだろうか。ああ、古泉の事だ。またいつかの夏合宿の時の様に何かを企んでいるのかもしれない。
「さあ、どうでしょうね。」
ウインクはやめ(略)。では、と一言残し古泉も帰っていった。相変わらずのスマイルで。やれやれ。
「朝比奈さんは？この後何か用事でも？」
「はい、えぇと」
バタンっ
俺の問いに返事をしようとした朝比奈さんの口を割り、古泉が出ていったばかりの部室のドアが思い切りの良い音と共に開かれた。
「おまたせみくるっ！ちょーっと遅くなっちゃったねー！」
SOS団名誉顧問の登場である。
「おろ？今日はお揃いじゃないんだねえ？」
「ええ、ハルヒと古泉は先に帰りましたよ。明日の準備があるらしいとかで」
「へぇー！あたし達もこれから準備がね。ねっ？みくる？」
朝比奈さんは学生鞄を肩にかけつつ席を立った。
「明日、鶴屋さんと一緒に皆さんのお弁当を作っていこうと思って。今からその買い出しなんです。」
「あぁ、そうなんですか。楽しみにしてます。」
朝比奈さんはかわいらしく一礼して、鶴屋さん仲よさ気に部室を出ていった。
机の上に放置された俺のしおりをぱらぱらとめくってみる。
『引率：SOS団名誉顧問・鶴屋さん』
なるほどね。