07/06/14 13:46:38.51 aVHO0qQ20
トキワシティに着くと、黒いスーツに身を包んだ人が既に待っておりジムへと連れて行くそうだ。
ジムに入り、この先にリーダーがいると通された部屋はどこまでも暗い。本当にこんな所にリーダーが
いるのだろうか。妙な胸騒ぎだけが大きくなる。
不意に世界が白くなる。いや、急に強い明かりがつけられた為、目が追いつかなくなっているだけだ。
『ようこそ。トキワジムへ』
部屋一杯に響く。どうやらここのリーダーらしき声だと思われるが、姿はどこにも見あたらない。おま
けに機械でいじっているのか、キンキンとした音が耳に痛かった。
『君の噂は聞いているよ。全てのバッチも持たずにミュウツーを操る男。世界の全てを握った男』
何かが引っかかった。いや、本当に感覚的なものなのだろうけれど、どうにもこの声から発せられる悪
意というものが俺の頭にひっきりなしに纏わりついてくる。いったい、なんだこれは。
『実は私も世界の全てに興味があってね。というよりも、全てが欲しいんだよ、私は』
ガシャン、とどこかで金属音が響く。腰のボールに手を持っていくと、目の前から何かが高速で襲って
くる!
「う、うわあ!」
なんとか寸前で避ける。しかし、なんとか体勢を立て直したところで肩口から血が出ていることに気づ
く。気づくことで追いかけてくる鈍痛に顔をしかめる。
『突然の挨拶失礼。そうだ、自己紹介がまだだったね。私はトキワジムリーダー、サカキ』
傷を見ていると前方からシャーっと、威嚇音が聞こえる。顔を向けるとそこにはペルシアンがいた。こ
の傷はコイツだったのか。そして周囲を見ると、ゴローニャ、キングラー、サイドン、ニドキング、サイ
ドンが俺に襲い掛からんと爪を、牙を研いでいる。
その時、ようやく気づいた。この男は、嫉妬しているのだ。ミュウツーが欲しい。欲しくてたまらない。
そんなガキみたいな野郎だということを。
『そして、ロケット団のボスだ。憶えていてくれたまえ。まあ、ここで死んでもらうがな』