07/06/14 12:58:05.67 aVHO0qQ20
ミュウツーと一緒に床を転がる。耳はとんでもない轟音と衝撃が鳴り響いている。頭も割れそうに痛い。
滅茶苦茶だ。滅茶苦茶だ。
衝撃が済むと直ぐに体勢を立て直し周囲を見渡したのだが、酷い有様だった。機器類が見事に弾けとび
所かしこにボールが転がっている。同時に出した精神攻撃をモロに喰らってか倒れている人やポケモンた
ち、それでもジョーイさんとラッキーは直ぐに医療活動に入るところには、場違いだが感動すら覚えた。
そして、やはり俺と同じタイミングで置き上がった彼女はやはり俺に噛み付く。
「なぜだ主! なぜ邪魔を」
「当たり前だ! なにやってんだよ!」
ひっ、と小さく息を吸う音が聞こえる。まるで暴風のような力を振るうミュウツーも、なぜだか俺には
滅法弱い。こうして大声で怒鳴るだけで、年端もいかない子供のように身を縮こませる。
「だって……私は、主のため……」
「俺の為でこんなことをするのか! 俺の為にこんなに関係の無い人たちを滅茶苦茶にするのか!」
未だに頭は割れる様に痛い。それでも幼子の様に、縋るような目でこちらを見てくるミュウツーに気ま
でおかしくなりそうだ。
周囲はまだざわついているものの、比較的軽傷で済んだ人たちで倒れている人間やポケモンの救助活動
をしている。それなのに、それなのに。
「主……私は」
「五月蝿い! お前なんかいるもんか!」
「あああ……主……私は、だって……主と離れたく……離れたくない……主の為に……私の全て、主だか
ら……ああ……ごめ、ごめんなさ……あ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめん
なさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいご
めんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ
いごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ」
どうしようもない喧騒の中、彼女の謝る声だけがどこまでも続いた。