07/06/14 12:20:31.95 TEXpdgNC0
>>729
「そう、それは大変だったわね」
そう言ってジョーイはコロコロと楽しそうに主と言葉を交わす。
どうにも得体の知れない女だ。時々主を誘惑しているのではないかと思わせる節がある。
あの後、ポケモンセンターに着いた主はいつものように私を預けると、ジョーイと
世間話に華を咲かせていた。私の治療などもうとうに終わってるはずなのに
ときおりジョーイが私の様子を見に来て「タイマー」をいじる。そしてまた主のもとへ戻っていくのだ『もう少しかかる』と
主もそれを信用してしまっているのか。何もいわない。
全国規模で医療行為を行っているポケモンセンターで暴れ、主に迷惑をかけるわけにもいかず、私はただただ苛立ちを募らせていた。
「それにしても、ゴースに怖がっていた男君がまさかこんな有名人になるなんてねえ」
このジョーイという女は不気味なもので全国の町という町に同じ顔のジョーイがいる勿論名前も同じだ。
こいつはもしかしたら私と同じ研究所で製造されたのではないかと思ったことがある。その事を主に言うと「まさか、偶然だよ」と笑われてしまった。
主はその数いるジョーイの中でもここヤマブキシティのジョーイと特に親しいらしく、このポケモンセンターにくるたびに長話をしている。
主と女性が仲良く話をしている様を見ているしかないこの状況が面白いはずも無いが、主から目を離すわけにもいかず感覚を研ぎ澄ませ二人の会話に耳を傾ける。
「そういえば、ナツメさんはどこにいるの?」
「ああ、リーダーなら少し私用があるからって。多分、そろそろ戻って」
会話をしている主の後ろから女が現れた。
「やあ、男。さっきのバトル、見事だったわ」
私はただジョーイの治療が早く終わる事を願った