07/06/14 11:13:13.01 aVHO0qQ20
Introduction
「ケンタロス戦闘不能! よって男選手の勝利!」
ジャッジが高らかに宣言すると共に、歓声がそこかしこから上がる。いつの間にか握っていた拳は少し
汗が滲んでいる。力を緩めトレーナーゾーンから出ると、俺はこのバトルの一番の功労者に近づいた。
「よくやったな。凄かったよ」
「何てことは無い。私は主の命に従っただけだ」
そう言うと彼女はスタスタと控え室のほうへと行ってしまう。ポケモンには珍しくモンスターボールに
収納されることを嫌う彼女は、バトルが終わっても人間のようにただ休むだけだ。もちろん、俺なんか
が無理やりモンスターボールに収納できるはずもないし、バトルに支障も無いので特に咎めることもしな
い。
俺がそんな背中を見つめていると、彼女は顔だけをこちらに向けてきた。
「どうした、主よ。早く控え室に戻ろう。ここは少し五月蝿い」
「ああ、そうだな」
彼女の名前はミュウツー。唯一無二にして伝説のポケモン。そして俺のポケモンだ。