07/06/14 00:27:19.91 19MtpEit0
ワタル「殿堂入りおめでとう、今日から君がチャンピオンだ。」
ここは殿堂入りの間、新たなチャンピオンの誕生を祝福するための部屋。
ライバルとの決戦を何とか征した俺に、四天王の長であるワタルが賛辞を贈る。
俺は不自然にニコニコとしたその顔に悪寒を感じた。
主「あ、ありがとうございます、じゃ俺をこれで・・・。」
ワ「ちょっと待ってくれ、君は今やカントー一のトレーナーだ。
その実力を見込んで頼みたいことがあるのだが。
それも急ぎの用事だ。」
冗談じゃないと思った。激戦の後で俺も手持ちのポケモンもクタクタだ。
それに実力を見込んで、などと言ってることは困難な頼みごとに違いない。
とてもじゃないが快く引き受ける、なんて気持ちにはなれない。
だが助けを求められそうな博士も、拗ねたライバルを連れて早々にマサラタウンに帰ってしまった。
どうやら拒否できそうな空気でもない。だが最後の抵抗を試みてみる。
主「急ぎの用事・・・ですか。
生憎ですが、今はちょっと・・・。」
ワ「そうか。それは残念だな。
まああの戦いの後だ、仕方ないだろう。」
(あれ?案外あっさり引き下がるな・・・。)
ワタルはいかにも当てが外れたと言いたげだ。部屋の中に気まずい空気が流れる。
主「あの・・・、話だけでも・・・。」
思わず口走っていた。
ワ「そう言ってくれると思ってたよ!ありがとう!」
(しまった!これは罠だったか!)
ワタルの顔にニコニコが復活する。
仕方ない。もう腹を括るか。