07/06/14 00:16:37.36 9UA28iUv0
ここならば外敵の心配は殆ど無い、気配で生きる先住者は私の異常さに恐れている。
異物の排除意識よりも恐怖が打ち勝てば、彼等も不干渉を辞さなくてはならない。
しかし、よいところだ。湧き水も流れており、干からびる心配も無い。エサある。
雨風を凌げて、薄暗い環境で好きなように生活できる。差し当って不都合はない。
最高の世界だ。
だが、どうやら私に「平穏」は訪れないようだ。
「異物」は必ず目立つ。珍しい「ポケモン」の私は彼等「トレーナー」の格好の捕獲対象と見なされてしまったらしい。
加えて私は自他共に認めるほど「強い」。
最強なのだから当たり前だが……鬱陶しいかぎりだ。まったく……。
―あれから「挑戦者」は三十を数えた。
さすがトレーナーを自負するだけあり、野生の無秩序なポケモンより多少なり「骨」がある連中を繰り出す。
見知らぬ技を使われ、虚を突かれた事もあった。
それでも、私と渡り合うには生物間の「差」があり過ぎた。恐竜とアリの戦いとでも表現しようか。
いくら鍛えたところで、彼らには個体差の限界が付きまとう。
カイリューとコイキングが戦って、カイリューが負けるか? つまりそういうことだ。
無駄な、努力なのだよ……。