07/06/13 18:58:37.93 jwkMo+6r0
>>288続き
「故に、私は自分を殺せない。貴様を殺す事もできない。なら、静かに死なせてくれ」
頼む、と小さなテレパシーが弾けたと同時に、体の自由が利くようになった。
「……………………」
とんでもないものを預かってしまったらしい。
というか、預かってるだけで、別に捨てられたわけでもないと思うんだが。
だが実際、そんなトレーナーが多い事も確かなのは確かで……
数日後、そのトレーナーが迎えに来た。
近くを通りかかったから、直接迎えに来たという。
まるで今までの人形のような状態が嘘のように、ポケモンはトレーナーの元に帰っていった。
「すいません、うちのミュウツーがご迷惑をおかけしませんでしたか?」
トレーナーはポケモンをボールに戻しながら、そう言った。
マサキは辺りを見回し、そっとトレーナーに言った。
「アンタ……気ぃつけや」
精神が病んでて絶対危ない、精神科にでも連れて行け―とまでは、流石に言えなかった。
だがトレーナーも、はい、と静かに頷いた。
どうやら、悟ったらしい。
トレーナーを見送ると、マサキはぺたりとその場に座り込んだ。
屋根に開いた穴から入り込んだポッポが、その茶髪を軽く啄ばんだ。