現代数学の系譜11 ガロア理論を読む8at MATH
現代数学の系譜11 ガロア理論を読む8 - 暇つぶし2ch226:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
13/05/18 10:23:24.18
>>225
つづき

5次方程式の場合、根をa1,a2,a3,a4,a5、係数をA1,A2,A3,A4,A5として 
V1=A1a1+A2a2+A3a3+A4a4+A5a5
となる
係数は根の置換で異なる値をとるように定めるから、根a1,a2,a3,a4,a5の置換の数5!=120の異なる値になる (係数は有理数とする)
そこで、f(x)=(x-V1)(x-V2)・・・(x-V120)=0 という120次の方程式を考えることができる

この120次の方程式を解くことと、元の5次方程式を解くことは同じ(片方が解ければもう一方も解ける)
120次の方程式を考えることは、問題を難しくしているように見えるかも知れないが、そうでもない

つまり、120次の方程式を考えることは、問題の全体像、問題の構造が見えるようにしたという利点がある
120次の方程式、これは原論文にあるように、その係数は有理数になる
(理由:その係数は、V1,V2・・・V120の基本対称式。根a1,a2,a3,a4,a5の置換に対して、V1,V2・・・V120が入れ替わるだけなので、基本対称式は根a1,a2,a3,a4,a5の置換に対して不変。だから、有理数。)

有理数係数の120次の方程式f(x)=0に対して、補助方程式の根を添加して、数体を拡大してf(x)=0を因数分解する
それをガロアは考えたのだろう

f(x)=0を因数分解して、次数が下がった方程式をf1(x)=0として、同じことを繰り返して、最後に1次にまで下げると解けたとなる。下がる次数には制限があって、120の約数でなければならない(この話は教科書にあるだろう)
ガロアが理論を作ったときには、群論や体論は未完成だった。だから、このようなガロア分解式Vとそれから構成される120次の方程式とその因数分解を、体論の代わりに使った・・
そして、f1(x)=0に対する方程式の群を考えると、その群は5次の置換群の部分群になっている(正確には正規部分群となっている)

代数的解法とは、べき根添加による解法・・
そうやって、20才のガロアは自分の方程式論を構築して行ったのだろう・・


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