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CALP
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2008年5月 2日
学校英語の二大区分:BICSとCALP
抜粋
BICS と CALP
英語圏に移ってきて、学校に行くようになった子供たちの英語運用能力を研究し、子供たちが日常会話で使う英語と学校での授業の内容を理解し、質問したり発言したりするのに必要な英語とは別物だと言い出したのは、Cummins という研究者で、
彼は前者を Basic Interpersonal Communication Skills (対人関係を処理するための基本的コミュニケーションスキル、以下「BICS」)、
後者を Cognitive Academic Language Proficiency (学業に必要な事柄を理解し、それに基づいて考えることができるために必要な言語運用能力、以下「CALP」)と命名しました。
ヒントとなったのは、スウェーデンでのフィンランド人移住者の子弟の例です。
フィンランド人子弟のスウェーデン語が会話能力においてはスウェーデン人の子供と比べて何ら見劣りしないのに、学業成績になると同年輩の子供と比べて大きな落差のあるという報告が Cummins の注意を引いたようです。
そこに、6歳の児童と12歳の児童を比べた場合、発音や会話での流暢さという点では大差がないのに、語彙力を含め、読み書き能力において大きな差があることに照らし、
人の言語運用能力を単一のものと考えるのはどうなんだろうという問題意識が加わり、子供の言語運用能力 (language proficiency) は、実は不自由なく会話ができるという conversational fluency と、
授業内容を理解し、それに基づいて自分で考え、かつ、その成果として読み書きができるという academic language proficiency という二元的な構成を持っているのではないかという判断に至ります。
さらに Cummins は研究を進めているうちに、BICSが氷山の海面上の部分で、CALPが水面下の部分とすれば、二言語学習者の場合、母語でのCALPと外国語でのそれは水面下でつながっており、
両言語を通じて common underlying proficiency (共通する基盤的運用能力)と称すべきものを観念でき、母語でのCALPが外国語でのCALPに反映されるのではないかと考えるようにもなります。