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加藤文元先生
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平成14年度採択分
平成19年3月31日現在
無限可積分系の幾何学とモジュライ理論の新展開
上野 健爾(Kenji UENO)京都大学・大学院理学研究科・教授
研究の概要 モジュライ空間を数論幾何学的、p進幾何学的、代数幾何学的観点から研究し、無限可積分系の幾何学との関係を究明し、他分野への理論の応用を行った。
1.研究開始当初の背景・動機
理論物理学の影響により誕生した無限自由度の可積分系の理論は、異なる数学の分野に、それまで知られていなかった思いもかけない深い関係があることを明らかにした。
その関係の中心の一つとしてモジュライ空間がある。モジュライ空間は数学的に興味深い性質を持っており、
代数幾何学的、数論幾何学的に興味深い対象であるだけでなく、無限可積分系と密接に関係している。
このような関係が成立する数学的な理由を見いだすことが研究の背景にある。
4.研究の主な成果
4.加藤文元のグループはp進幾何学の一般化である剛幾何学(rigid geometry)の建設を推進した。
剛幾何学によって多くのモジュライ空間の数論的なコンパクト化( bad primes が可逆であるような係数環上でのコンパクト化)が可能となり、
また、フロベニウス写像を一種の力学系として取り扱うことが可能になる。
5.加藤文元のグループはp進幾何学の典型的な対象であるMumford 曲線の自己同型の評価や、微分方程式との関連を見いだした。
7.望月新一は函数体や代数体の被覆や因子の概念の圏論的な一般化と捉えることができるFrobenioids の理論の構築、
エタール・テータ函数の理論など、従来とは異なる観点から圏論的な議論を展開し、モジュライ理論を全く新しい観点から考察できる基礎を建設中である。