14/11/23 21:24:28.79 PnCXp52u0
879 ：地震雷火事名無し(catv?)：2014/11/20(木) 09:39:22.85 ID:rUIE6Pn40
甲状腺癌の発生機序?最近の基礎研究からの知見
さらに最近の急速な技術革新により，極めて大規模で網羅的なゲノムワイドな解析が可能となってきた。
アレイ技術を用い，数十万の遺伝子多型を一度に解析できる。2009 年，Gudmundsson らはアイスランドの住民を中心とした大規模な分子疫学調査の解析結果を発表した。
その結果，9q22.33 と14q13.3 に甲状腺癌発症と強い関連がある多型が発見された。
9q22.23 と 14q13.3 付近にはそれぞれ甲状腺機能に非常に重要な転写因子である FOXE1（TTF2）と NKX2-1（TTF1）がコードされており，非常に興味深い。
両遺伝子にホモ接合性に関連多型を持つのは約 3.7%であり，その推定リスクは 5.7 倍であると報告された。
また筆者らのグループは，チェルノブイリ事故後に発症したベラルーシ小児甲状腺癌患者と健常者から提供された DNA を用い，やはり遺伝子多型の大規模解析を進行中である。
これまでのところ，やはり FOXE1 の locus に強い相関を認め，これを報告した 12）。ただし，NKX2-1 locus との相関は見られず，これが自然発症と放射線誘発との違いかもしれない。
FOXE1 locus は，自然発症，放射線誘発の二つの独立した大規模調査で確認され，この多型が少なくとも白人甲状腺癌の発症に重要な役割を果たしているのは間違いなさそうである。
今後の機能解析が待たれると共に，日本人症例での検討も必要であろう。
URLﾘﾝｸ(www.japanthyroid.jp)