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■高校野球の指導者からさらに敬遠される可能性
そんな有望株を巨人はたった1年で手放した。
「大学の監督の立場でも怒りを覚える。巨人は育成を放棄したも同然ですから」
巨人OBで中大の前監督・高橋善正氏(評論家)は憤慨しながらこう言った。
「私が巨人の投手コーチをやっていたころは、高卒選手は5年間は面倒を見るという
球界の暗黙の了解があった。高校生は伸びしろがある分、長い目で見る。ドラフトで獲得した以上、
せめて最初の1年くらいは28人のプロテクトリストに入れて保護するのは、
高校側への最低限の礼儀でもある。こんなことをやっていては、高校の指導者から
『もう巨人には選手を預けない』となってもおかしくありません」
ただでさえ巨人は近年、高校側から敬遠される傾向がある。昨年、ドラフト上位候補を
擁したある強豪校の指導者から「巨人さんは指名を見送っていただきたい。○○は他に行かせたい」と
“指名拒否”を食らっている。理由は「二軍で段階を踏んで一軍に昇格するシステムが
確立しているチームがある中、巨人は補強などで即戦力ばかりを重宝し、本気で高校生を育てて
起用する気があるとは思えないから」と言う。
巨人の球団幹部は「ルールを作るべき」と、19歳の有望株を持っていかれて憤慨しているというが、
お門違いな話。巨人は多くの高校やアマチュア球界全体を敵に回すことになるかもしれない。
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