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首脳陣の育てる気持ちのなさに虚しさを覚えたことがある。
2000年、逆指名で入団した平本学。
サイドスローから繰り出されるストレートは150キロを超え、スライダーがすさまじくキレる。
制球力に難があったが、メジャーの球団も獲得に乗り出したほどの逸材だった。
私は平本のストレートを買った。タイミングがいいことに、ヤクルトは立命館大学の先輩キャッチャー古田敦也がいる。
古田がうまくリードして育ててくれれば制球難も克服できるはずと期待した。
だが、平本はキャンプで見捨てられてしまった。
「こんなにコントロールが悪いのはピッチャーじゃない」
当時の１軍のピッチングコーチの伊東昭光は平本の投球をみるなり、そう言い放った。
伊東は現役時代、素晴らしい制球力を持ったピッチャーだった。
そんなコーチからするとスピードはあってもコントロールが悪い平本は指導のしようがない、というわけだ。