16/05/12 19:54:33.791 HS17urMe0.net
「お兄ちゃ～ん、これ見ていい？」
きっかけは妹のそんな一言だった。妹が手に持っていたのは俺がレンタルビデオ店で借りたホラー映画。
「おう、いいぞ。でもお前怖いの平気なのか？」
「平気だよ～！もう子供扱いしないで！」
頬をふくらませて強がる。少し意地悪をしてみようという気持ちが頭をもたげてきた。
「そか、じゃあ俺は部屋で本読んでるから」
「え、ええ～！一緒に見ないの？」
「うん」
「プリンあるよ？」
「いらない」
「うう～～～」
涙目で睨んでくる妹、これ以上つついても面倒だしそろそろ潮時か。
「わかった。一緒に見るよ」
「わ～い！……じゃなくて、しょうがないなあ、お兄ちゃんは。全く妹離れができないね」
「やっぱ部屋に戻るわ」
俺が椅子から立つと妹は腰にしがみついてきた。
「ゴメンなさい一緒に見て～」
「…………」
そして映画を見た後に完成したのが俺にしがみついて離れない妹である。
「おーい、お兄ちゃんそろそろ寝たいんだが」
「……うん」
しかし一向に離れようとはしない。
「お前も部屋戻れ」
「うん、だからはやく」
しかし離れない。うん？
「いや、お前自分の部屋に戻れってな？」
「……今日はお兄ちゃんの部屋で寝る」
「はぁ？そんなこと言ってないで早く部屋に戻りなさい」
「いやいや！今日はお兄ちゃんの部屋で寝るの！」
ついに愚図りはじめる。仕方ないので今晩だけ認めることにした。すると妹は嬉しそうに俺のお腹に顔を埋めたのだった。