喪黒福造「心の底から分かりあえる友達が欲しいでしょう?」 元自衛官「そうかもしれませんね……」at NEWS4VIP
喪黒福造「心の底から分かりあえる友達が欲しいでしょう?」 元自衛官「そうかもしれませんね……」 - 暇つぶし2ch14:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/13 21:09:22.382 jSwuBCZND.net
森本「自衛隊は若い自衛官が多いですから、30歳を前に辞める人たちが多いんですよ」
   「だから、自衛隊を辞めた後のことを考え、俺は20代のころにいろいろ資格を取りました」
   「三流大学とはいえ、通信教育を受けて大卒の学歴も取得しましたよ」
喪黒「実に感心なお方ですなぁ……」
森本「だが、自衛隊を除隊した後……。いざとなると就職活動で困難が続きました」
   「正社員になろうとしたものの、会社の面接では何度も不採用が続き……」
   「今に至るまでアルバイトで食いつないできました」
喪黒「いやぁ、大変ですねぇ……」
森本「生活面よりも、むしろ……。俺が苦しんでいるのは他人となじめないということです」
喪黒「長い間、自衛隊に所属していた影響で……、社会に溶け込むのに苦労しているのですか?」
森本「それだけじゃ、ありません。俺はもともと、性格的に集団になじめないんです」
   「だから……。無理をして集団に溶け込むことで、協調性を身につけようと努力はしたんですけどね……」
喪黒「あなたが中学や高校のころ、野球部に所属していたのもそういうことでしょう?」
森本「はい」
喪黒「じゃあ、あなたは友達を持ったことは……」

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18/08/13 21:10:51.693 kXDTMipM0.net
友情の絆

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18/08/13 21:11:28.168 jSwuBCZND.net
森本「……ないですね。一応、話し相手を作ることはできるんですけど……」
   「心の底から分かりあえる友達というものに巡り合ったことは、一度もないんですよ……」
喪黒「それじゃあ……、世渡りで苦労しますよねぇ」
森本「ええ……。アルバイトも、結局、集団になじめないまま職種を転々とし続けました……」
喪黒「ストレスもたまる一方でしょう?」
森本「もちろんですよ」
喪黒「寂しいですねぇ、森本さん……。そんなあなたも、内心では……」
   「心の底から分かりあえる友達が欲しいでしょう?」
森本「そうかもしれませんね……」
   「孤独な生活に耐えていても……。心のどこかでは、分かりあえる仲間を欲しているのでしょうね」
喪黒「自分と生い立ちやタイプが近い相手が見つかれば、お互い分かりあえるものですよ」
   「社会は広いですから……。職場によっては、元自衛官の人たちもたくさんいるはずです」
   「あなた以外にも……」
森本「今のところ……。バイト先でそういう人たちに巡り合ったことは、一度もありませんね……」
喪黒「警備会社とかは、元自衛官や元警察官が退職後に就職することが多いですよ」
   「森本さんは、警備会社で働いたことは……」
森本「今まで、一度もありませんでした……。喪黒さんに指摘されて、ハッとしましたよ」

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18/08/13 21:14:13.763 jSwuBCZND.net
喪黒「じゃあ、決まりです。今度、警備会社の仕事の面接を受けてみたらどうです?」
森本「バイトの面接で……、ですか?」
喪黒「正社員採用の面接に決まっていますよ。警備会社なら、あなたも正社員になるチャンスはあります」
森本「果たして、うまくいきますかね……」
喪黒「大丈夫です!必ずうまくいきます!」
   「ほら、バッティングセンターで変化球のボールを打った時のことを思い出してください」
森本「どういうことです!?」
喪黒「どんなに苦手なものであっても、苦手意識を克服するのが成功につながるんですよ」
   「それと……。積極性、チャレンジ精神、一歩を踏み越える勇気……!!」
森本「じゃあ、喪黒さんのアドバイス通り、警備会社の面接を受けてみますか……」
喪黒「そうです、その意気です!!そんな森本さんに、私が気合を入れてあげましょう……」
喪黒は森本に右手の人差し指を向ける。
喪黒「さぁ、私の手をよーく見ててください……」
   「ドーーーーーーーーーーーン!!!」
森本「うわああああああああ!!!」

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18/08/13 21:16:16.028 jSwuBCZND.net
数日後、ある警備会社。スーツを着た森本良治がパイプ椅子に座り、就職面接に臨んでいる。
森本が書いた履歴書を眺める面接官。
面接官「森友さんは、元自衛官で……。現在は土木作業のアルバイトをしているのですね?」
森本「はい……」
面接官「森本さんは集団行動に慣れていそうだし……、体力にも自信がありそうですよね」
    「あなたのような人材を、うちの会社は求めていたんですよ……」
森本「えっ、それでは……」
面接官「森本さん。あなたを採用します」

美術館。館内では、有名な画家の作品の展覧会が行われている。
美術館を訪れ、絵画を鑑賞する一般市民たち。その陰では、警備員たちが仕事をしている。
建物の中にいる警備員たちの中には、もちろん森本の姿もいる。

ある日の夜。とある企業のビル。懐中電灯を持ち、ビルの中を仲間たちと巡回する森本。
社員たちが帰った建物の廊下のタイルに、警備員たちの靴の足音が響く。
休憩時間。仕事仲間たちと缶コーヒーを飲み、話をする森本。

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18/08/13 21:16:55.117 aGB8ESJy0.net
友情の絆キチガイ負けてやんの。ざまあw

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18/08/13 21:18:18.273 jSwuBCZND.net
テロップ「福井健彦(36) 元自衛官・警備員」「川口泰造(33) 元自衛官・警備員」
福井「それにしても……。元自衛官が3人もここに揃うとはなぁ……」
森本「ええ……。俺と似たような境遇の人間がここにいたとは意外でした」
川口「それだけじゃあ、ありません……。俺たちは年齢も比較的近いですから」
福井「森本……。お前は俺たちと案外気が合いそうだよなぁ……」
森本「俺もそう思いますね……」
休憩時間を終え、仕事を再開する森本。彼の側には福井や川口もいる。

BAR「魔の巣」。喪黒と森本が席に腰掛けている。
喪黒「森本さん、最近どうです?」
森本「面接は成功し……、俺は正社員になれました。警備員の仕事は、意外と俺に向いていたようです」
喪黒「よかったですなぁ、森本さん。その調子ならおそらく……、友達も見つかったと思いますよ」
森本「ええ、見つかりましたよ……。心から気の合う人間が何人かできました」
喪黒「警備会社で知り合った友人には、あなたと同じ元自衛官の人もいますよねぇ?」

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18/08/13 21:20:24.699 jSwuBCZND.net
森本「もちろんです。喪黒さんに警備会社への面接を紹介されたおかげで……、俺の人生は変わりました」
   「喪黒さんには本当に感謝しています」
喪黒「こうやって感謝されて、実に身に余る思いです……」
   「ですがね……。森本さんには、私の方からアドバイスしておきたいことがあります」
森本「は、はあ……」
喪黒「友達のためならば、相手の耳触りのいいことばかりではなく、時には苦い忠告も必要なのです」
   「ほら……。昔から、良薬は口に苦しと言いますからねぇ……」
森本「は、はい……」
森本「約束してください。友達が間違ったことをやろうとしたなら、はっきりノーを言うべきです」
   「間違ったことには、優しくも厳しくいさめる……。それが本当の友情関係なのですよ」
森本「わ、分かりました……。喪黒さん」

数日後の夜。居酒屋チェーン店。店内には、森本・福井・川口に、もう一人仲間がいる。
一同「カンパーイ!!!」
テロップ「大沢誠司(35) 元警察官・警備員」

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18/08/13 21:22:25.571 jSwuBCZND.net
福井「また、大企業の不祥事か……」
大沢「こんなあくどいことをやってる奴が、一流上場企業の社長だなんて……」
森本たち4人は、店内にあるテレビのニュースを見ながら何かを話している。

福井「こういう連中の会社を警備するなんて、俺たちはたまったもんじゃねぇなぁ」
森本・福井・川口「そうだ!そうだ!」
森本「こういう悪人が不正な金を儲け、好き放題やってる……。実に胸糞が悪い話ですね」
川口「全く、時代劇や小説の世界なら仕置き人が出てきてもおかしくないのに……」
福井「でも、現実の世界では……。こういう金と権力を持った悪党がのうのうとのさばっている」
川口「俺たちに力があれば、こいつらに一泡吹かせられるんだが……」
大沢「やりようによっては、奴らの鼻を明かすことは可能かもしれんぞ……」
福井「もしも、そんなことができるのなら……。面白そうだな。一体、どんなやり方なんだ!?」
話が白熱する4人。彼らの会話の内容は、雲行きが徐々に怪しくなっていく。

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18/08/13 21:22:34.418 S0MyPJ/y0.net
久々に見た
期待

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18/08/13 21:24:30.184 jSwuBCZND.net
ある日の夜、ビジネス街。とある大企業。駐車場には、大型のワンボックスカーが停車している。
建物の中には、警備会社の制服を着た4人―福井・大沢・川口・森本がいる。
懐中電灯を持ち、仲間を先導する福井。廊下をゆっくりと歩く4人。
4人はなぜか、背中にリュックサックを背負っている。
彼らの表情は真剣そのものだが、警備をしている時とはどこか違っている。
建物の奥へ奥へと向かう4人。そして―。彼らはある部屋へと辿りつき、息をのむ。
部屋の左側の壁には、銀色の金属でできた大型の扉がある。
一同「着いたぞ……」「ここが……、金庫室か……」
扉の前にいる大沢。彼が何やら操作をした時、「ガチャッ」と音を立てて扉が開く。

会社を後にする4人。夜の道路を、福井が運転するワンボックスカーが走っている。
福井「俺たちも、とうとう犯罪に手を染めてしまったな……」
大沢「でも……、俺たちよりもこの会社の方が何百倍も悪いんだよな」
川口「ああ。だって、この会社は悪徳企業として有名だから―」

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18/08/13 21:27:18.448 S0MyPJ/y0.net
昨夜BSトゥエルビで放送してたね

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18/08/13 21:27:54.249 jSwuBCZND.net
車内にいる3人の会話を聞き、後ろめたい表情になる森本。
森本(俺は酒に酔ったはずみで、金庫破りの計画に賛成してしまった……)
森本の頭の中に喪黒の忠告が思い浮かぶ。
(喪黒「友達が間違ったことをやろうとしたなら、はっきりノーを言うべきです」)
さらに森本の頭には、福井・大沢・川口の3人の顔が浮かぶ。仕事場や居酒屋で笑顔で談笑する光景とともに―。
福井「もう、後戻りはできんな……。俺たちは、この後どうすればいい?」
森本「こうなったら、徹底的にやり抜こう!!積極性、チャレンジ精神、一歩を踏み越える勇気!!」
福井・大沢・川口「おおっ、いいこと言うな!!何だか吹っ切れてきたぞ!!」

早朝。空に太陽が昇りかけている。住宅街を歩き、帰り道を行く森本。
森本(アパートの契約は解除しよう……。4人でとことん逃げ延びてやろう……。今の俺にはそれしかない……)
考え事をしながら歩く森本。彼が角を曲がったその時―。目の前には喪黒福造がいる。
喪黒「森本良治さん……。あなた約束を破りましたね」
森本「も……、喪黒さん……!!」

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18/08/13 21:28:48.865 exsQndUsd.net
来たか

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18/08/13 21:31:01.731 jSwuBCZND.net
喪黒「私はあなたに忠告しました。友達が間違ったことをやろうとしたなら、はっきりノーを言うべきだ……と」
   「それなのに、あなたは……。金庫破りに参加した上に、彼らの犯罪行為を止めるどころか……」
   「むしろ、積極的に加担しようとしているではないですか!」
森本「で、でも……、喪黒さん……!!俺は……、俺は……!!」
   「心から分かりあえる友人に……、かけがえのない仲間に……、やっと巡り合えたんです!!」
喪黒「森本さん……。間違ったことには、優しくも厳しくいさめてこそ……、真の友情ですよ」
森本「お、俺は友達を失いたくありません……!!せっかく出会えたのに……!!」
喪黒「分かりました……。あくまでも今の仲間を選ぶというのなら……、そうすればいいでしょう!!」
   「ですが……、どのようなことになっても私は知りませんよ!!」
喪黒は森本に右手の人差し指を向ける。
喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」
森本「ギャアアアアアアアアア!!!」

1年後。東京都内のある駅。駅の壁に貼られたポスターの側を、大勢の通行人たちが通り過ぎていく。
そのポスターとは、そう―。警察が作った全国指名手配のポスターだ。
指名手配のポスターには、福井・大沢・川口・森本の4人の顔写真と名前が記載されている。

29:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/13 21:32:14.680 S0MyPJ/y0.net
ドーンキタ━━(゚∀゚)━━ッ!!

30:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/13 21:34:12.309 s4vX62YTa.net
俺自衛官
久々の休暇

31:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/13 21:34:16.941 jSwuBCZND.net
ある街の家電量販店。店にあるテレビがニュースショーを映す。番組は、連続窃盗事件の特集をしている。
テレビ「例の窃盗団は、企業の金庫破りを全国で繰り返しており……。現在、被害額は数億円を超えています……」
    「グループのメンバーは、福井健彦容疑者、大沢誠司容疑者、川口泰造容疑者、森本良治容疑者の4人です……」
文化人「警察の威信にかけてでも、この窃盗団は逮捕すべきです。彼らの一連の犯罪は悪質ですよ」
タレント「企業を狙い、義賊気どりのつもりなのでしょうけど……。やっていることは犯罪に他ならないですからね」

高速道路を行くワンボックスカー。車の中には、窃盗団と化した福井・大沢・川口・森本の4人が乗っている。
一同「俺たちは仲間だ!!死ぬも生きるも一緒、どこまでもやり抜いていやる!!」
車内にいる4人の顔つきは、生き生きした表情だ。

パーキングエリアで、高速道路を走る例の4人の車を見つめる喪黒。
喪黒「人間が人生を歩む上で、心の支えとなるかけがえのないもの……。それが友人の存在です」
   「古来より今に至るまで……、友人の大切さや友情の美しさは様々な物語のテーマとなってきました」
   「まさかの時こそ真の友とはよくぞ言ったものですが……、友人を助けるやり方は時と場合によります」
   「友人が間違ったことをしようとしている時、彼を思って心から忠告ができるかどうかは……」
   「普通の人には難しいものです。本当の友情の意味とは一体何なのでしょうか……、ねぇ、森本良治さん」
   「オーホッホッホッホッホッホッホ……」
                   ―完―

32:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/13 22:27:05.845 SAeVxSrxa.net
おつ

33:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/13 22:57:18.155 S0MyPJ/y0.net

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