18/08/12 01:17:37.390 g+7LOi9PM.net
まだ生きてたのか
3:以下、？ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/12 01:18:51.159 eLHvMolpd.net
今は丁度夏で火星は暑かった
だいたい250度くらいあった
暑すぎてブリキの兵隊さんは半分溶けかかっていたけど
頑張って街の警備のためにチョロQに乗って見回りをしていた
ただしタイヤは一つ欠けて三つしかなかったのだけど
4:以下、？ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/12 01:23:00.097 eLHvMolpd.net
そもそもブリキの兵隊さんが何故ブリキなのかをあかりちゃんは
まったく知らなかった
何故あかりちゃんがあかりなのかを知らないのと
同じに思えたので
せめてブリキの兵隊さんの名前を聞こうと思った
あかり「1200年のお付き合いだけどまだお名前聞いてなかったよぉ」
ブリキの兵隊「名前はつけられるものであって備わっているものではありませんぞ！」
ブリキの兵隊さんはﾌﾟﾝｽｺ怒りながら言った
あかり「気に触ったなら謝るねぇ」
ブリキの兵隊「しかし名をつけるというのも妙案ですな。是非名をいただこうではないか」
5:以下、？ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/12 01:26:46.564 eLHvMolpd.net
あかり「ブリキの兵隊さんだから ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒとゆうのはどうかなぁ」
ブリキの兵隊「心得た」
ブリキの兵隊さんはチョロQを後退させて颯爽と乗り込んで
走り去っていった
空にはドラゴンが飛んでいた
ドラゴンは火を吹き
ブリキの兵隊さんは決定的に溶けてチョロQとともに地面と一体化してしまった
あかりちゃんは火星を出るための工場へと向かった
6:以下、？ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/12 01:34:22.466 eLHvMolpd.net
工場では火星を出るための風船が製造されていた
行き先は設定できないけど
それは空の上を遠くまで連れてってくれた
だからあかりちゃんは風船工場にいたムクドリさんに訪ねた
あかり「風船は一つおいくらだよぉ」
ムクドリ「タダで持っていきな」
あかり「どうしてタダで良いのぉ？」
ムクドリ「丁度風船工場を閉鎖するところだったんでぃ」
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18/08/12 01:36:01.976 eLHvMolpd.net
あかり「経営難なのかよぉ」
ムクドリ「そうともいえるねぃ」
あかり「銀行の融資はもう降りないのぉ？」
ムクドリ「銀行？融資？」
あかり「お金のことだよぉ」
ムクドリ「お金なんてどうでも良いってんだよぉ」
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18/08/12 01:39:09.911 eLHvMolpd.net
ムクドリ「空を飛ぶことに夢を持てなくなっちまったんでぃ」
あかり「夢？」
ムクドリ「夢のないところに生み出すものがあるかってのかよぉ？ねぇだろがよぃ」
あかり「そういうものなの？」
ムクドリ「そういうもんでぇ。夢のない先に何を生み出せようって話さぁ」
あかりちゃんは風船を受け取って外に出たのだった
あとは地面を蹴るだけでどこへでも連れてってくれる
この星の外へさえも
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18/08/12 01:41:40.362 eLHvMolpd.net
あかり「ムクドリさんってば良い仕事してるよぉ」
取っ手に蒔絵まで施された風船は大きく頼もしくまた旅を愉快なものにしてくれそうだった
あかり「あかりってば飛ぶよぉ」
あかりちゃんは大きく息を吸い込んで
そして強く地面を蹴った
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18/08/12 01:45:30.194 eLHvMolpd.net
三年前
火星の内戦で荒野をさ迷っていたとき
一緒に逃げていた京子ちゃんと洞窟で夜を過ごした
何かを語り合ってたと思う
何を話したのか今ではまったく思い出せない
だけど楽しかったことは覚えている
そして砲兵隊の攻撃と着弾する砲弾と崩落する洞窟に潰される京子ちゃんも
よく思い出せた
あかりちゃんは気持ち悪くなって吐いた
吐瀉物は火星の乱気流に飛ばされて運ばれていった
11:以下、？ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/12 01:47:55.818 eLHvMolpd.net
あかり「この星は理不尽に溢れているよぉ」
あかり「だからこんなところ出てやるよぉ」
あかり「そして誰もが羨む浄土であかりは豊かに暮らすよぉ」
火星の先には栄える都があると古文書には書かれていた
かつて火星にあった高度文明が残した文章であった
12:以下、？ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/12 01:50:49.534 UKYoytH/d.net
アッカリ～ン
13:以下、？ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/12 01:52:10.243 eLHvMolpd.net
あかりちゃんは遂に高度10万メートルに達した
火星は既に遠く
だけどこの先の道のりも遠かった
あかり「宇宙くじらさえ捕まえれば速く移動できるんだけどねぇ」
宇宙までくると普通の人は宇宙くじらを捕まえて
乗り物にするのだった
あかり「見付からないよぉ」
14:以下、？ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/12 01:55:41.824 eLHvMolpd.net
あかりちゃんが宇宙くじらだと思ったのものは宇宙くらげだったり
宇宙タコだったりして
まったく宇宙くじらは見つけ出せなかった
実は宇宙くじらはこの時期になると一斉にお盆休みに入って
海王星にバカンスにいく習性があった
それを知らないあかりちゃんは宇宙くじらを見付けようと
いないものに必死になっていたのだった
15:以下、？ちゃんねるからVIPがお送りします
18/08/12 02:01:05.303 eLHvMolpd.net
あかり「こうなったら宇宙椰子がにさんを捕まえるよぉ」
宇宙椰子がには山ほどもある椰子のみがついたかにだった
速度は遅いけど椰子のみがあるので食べ物には困らなかった
スイーツ女子に人気の乗り物だ
あかり「宇宙椰子がにさんが良いタイミングで通りかかったよぉ」
あかりちゃんは風船をたくみに操作して山ほどもある宇宙椰子がにの上に着地した
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