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2018.3.11 11:30
【新聞に喝!】
日本の捕鯨に対しての不当な批判に反論せよ 元東京大学史料編纂所教授・酒井信彦
URLリンク(www.sankei.com)
ロンドン国際映画制作者祭で、日本人の八木景子監督が長編ドキュメンタリー部門の最優秀監督賞を受賞した。受賞の対象となったのは、2015年に制作された「ビハインド・ザ・コーヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」。
その題名が示すように、日本の捕鯨を批判して作られ、2010年の米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した「ザ・コーヴ」(ルイ・シホヨス監督)に反論する内容である。
八木監督の受賞については、2月19日朝刊の紙面で産経新聞と東京新聞が写真入りで比較的大きく報道している。ただし2つの記事は、その取り上げ方に相違がみられる。
産経は八木監督のコメントを詳しく紹介している。それによると、八木監督は「日本の捕鯨に対して一方的な批判が世界から報じられる中で、『おとなしい』といわれる日本人も反論を発信すべきだと思っていた。
捕鯨を擁護する映画にも発表する機会を与えてくださったことに感謝したい」と述べている。
さらに、「反捕鯨家が活動をする最重要拠点の英国で最高賞(最優秀監督賞)として評価してくださったことは大きな意味がある」と語ったとある。
それに対して、東京新聞に掲載された八木監督のコメントは、「日本の捕鯨は世界で一方的に報じられてきたが、両方の意見を伝える機会を得て感謝している」とあるだけである。
また、末尾に英国人の「コーヴが不公正なら、この映画も同じ」との意見も載せている。産経の積極的な報道姿勢に対してかなり控えめである。
それどころか、八木監督受賞の記事は、産経と東京以外の読売、朝日、毎日、日経の各紙には全く掲載されていない。日本人が海外で評価されることに関しては、日本のメディアは熱心に報道するのが常なのに、これは一体どうしてなのだろうか。
それを解くカギは、産経が紹介した八木監督のコメントの中にある、「『おとなしい』といわれる日本人も反論を発信すべきだと思っていた」の部分である。
捕鯨問題は日本が一方的に非難される状況だが、この世界の情報空間、言論空間のあり方も歴史認識問題と全く同一である。歴史問題を的確に「歴史戦」ととらえて反論に熱心なのは産経だけのようだ。
日本に対する不当な批判に反論する作業こそ、現在の日本にとって最も必要である。
この時期、冬季五輪の大報道で多大な紙面を消費しながら、八木監督の受賞を全く無視した新聞各紙に至っては、本来は自身が行うべき反論を世界に発信する言論の責務について、全く無自覚であると言わざるをえない。
したがって八木監督のコメントも詳しく取り上げ、一方、東京は消極的な報道になったわけである。