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沖縄戦の国家賠償訴訟、住民上告へ 高裁、原告の訴え棄却 国の責任認めず
2017年12月1日 07:00
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原告敗訴の垂れ幕を掲げる沖縄戦被害国家賠償訴訟団=30日、福岡高裁那覇支部
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沖縄戦で被害を受けた住民や遺族ら66人が国に謝罪と1人当たり1100万円の損害賠償を求めた「沖縄戦被害国家賠償訴訟」の控訴審判決が30日、福岡高裁那覇支部で言い渡された。
多見谷寿郎裁判長は日本兵の傷害行為や原告が抱える外傷性精神障害など戦争被害を認定しながらも、戦時の憲法下で「国の公権力の行使に対する賠償責任は認められない」などとして訴えを退けた一審の那覇地裁判決を支持し、住民側の控訴を棄却した。
住民側は上告する方針。
多見谷裁判長は判決理由で沖縄戦の被害について「軍の統制下で組織的に自殺を教唆、手助けしたことにより生じた特有のもの」と言及したが、
戦争では全ての国民が被害を受けたとして「沖縄戦特有の事情から直ちに損害賠償や謝罪を請求することは認められない」と判断した。
一方で、原告2人の受けた被害は日本兵による「傷害行為や自殺教唆行為の存在がうかがわれる」と言及。住民側が受けた外傷性精神障害などは「沖縄戦に起因する」とし、多くの原告住民らが「苦しんでいる」と一審判決にはなかった被害認定をした。
ただ、住民側が訴えた国の使用者責任については、国家賠償法施行前だったため損害賠償の責任を負わないとする「国家無答責の法理」で退け、原告2人が受けた被害の責任は「軍人らが個人で負うしかない」と指摘した。
被害補償については「援護法で何ら補償もされていない不合理な事態が生じないよう配慮されている」とし「民間被害者への補償の在り方が不平等だ」との住民側主張を認めなかった。
瑞慶山茂弁護団長は「被害が甚大と認めながら救済を否定する不合理で不当な判決だ」と批判した。