17/11/04 09:11:34.54 JUlfn6cQv
>>738
友連会が安倍政権との対決姿勢を崩さない翁長知事と面会するというだけにどのようなやり取りになるのかに関心が集まった。形式的なやり取りに終始したようだが、それでも辛旗氏はこう述べるのを忘れなかった。
「1990年代や2000年代には沖縄で友連会との交流プロジェクトがあった。今後はそのようなプロジェクトを再び行い、中国と沖縄の交流を深めていきたい」
友連会のいう「交流」の本当の狙いは、沖縄と日本本土との間に楔を打つことにある。基地問題を背景に沖縄では日本政府への不満が高まっているが、友連会がそうした気運を利用しようという動きを、筆者は、過去に取材したことがある。
それは2012年8月、東京都の石原慎太郎知事(当時)が尖閣諸島を都が購入する計画をぶち上げ、これに反発する中国との関係が急速に悪化していた頃だった。
その最中に那覇市内のホテルでセミナーが開かれた。主催したのは、中国の友連会と「交流」していた日本の日中友好団体である、沖縄・中国友好協会。
講師として清華大学の劉江永教授を招いた。中国きっての日中関係の研究者として知られ、友連会の理事でもあった。
当時、沖縄・中国友好協会の幹部はセミナーについて、こう説明していた。
「石原都知事が尖閣の購入を表明した直後に、友連会から沖縄で尖閣問題について議論する場を設けてほしいとの要望を受けました」
このセミナーでの議論をもとにまとめられたのが、「沖縄の〈万国津梁の想い〉をもって、尖閣の海と島の平和と発展を考える」という文書である。
A4判にして十数枚になる文書には、尖閣領有権問題の処方箋として、短期的に「領有権の棚上げ」を行い、その上で「政府と沖縄との間で、尖閣の土地の賃貸借契約を締結」し、沖縄に「尖閣の管理を委託」することを目指す、といった内容が書かれていた。
沖縄に委託された尖閣諸島は、沖縄と中国が共同で「漁業資源管理公園」や「国際観光拠点」として整備するとも記されている。
目を疑う内容だが、文書にはこの“処方箋”によって「中国は非公式にでも問題解決に向けたテーブルにつくことが予測される」ともあった。それはそうだろう。中国の言い分を丸呑みするようなものだからだ。
友連会理事の劉教授が、島の管理を沖縄に委託するとの奇策を持ち出したのは、日本が実効支配している尖閣領有権を棚上げすべきだとの世論を沖縄県内で喚起するためだろう。
こうした疑念について、翁長知事からは、「国交正常化45周年、そして沖縄県と福建省との間で友好県締結20周年ということで来庁された。こちらも感謝の意をお伝えしました。
(中国と沖縄は)歴史的なつながりが深いので、交流を継続していくことが大事だと考えています」(沖縄県庁知事公室広報課)との回答を得た。
●たけなか・あきひろ/1973年山口県生まれ。北海道大学卒業、東京大学大学院修士課程中退、ロシア・サンクトペテルブルク大学留学。
在ウズベキスタン日本大使館専門調査員、NHK記者、衆議院議員秘書、「週刊文春」記者などを経てフリーランスに。著書に『沖縄を売った男』。 ※SAPIO2017年11・12月号