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2017.10.29
日本で生まれ育った若者が「北朝鮮工作員」にされるまで
私が出会った北朝鮮工作員たち 第4回
竹内 明報道記者
URLリンク(gendai.ismedia.jp)
「我々の脅威は飛んでくるミサイルや、これから潜入してくる工作員じゃない。もうすでに、日本には工作員が入り込んで生活している。
さらには、日本で生まれ育った若者が工作活動に巻き込まれることもある。真面目な若者が、エリート意識をくすぐられて工作員になってしまうこともあるんだ……」
北朝鮮工作員を追ってきた、ある歴戦の公安捜査員は、私にこう語った。その言いぶりには、心なしか同情が含まれていた。
日本で生まれ育った若者が、工作員になる―。2012年に詐欺容疑で大阪府警に逮捕された「元在日朝鮮人Y」がその一例である。
「元在日朝鮮人」と書いたのには訳がある。Yは帰化して日本国籍を取得した「日本人」だからだ。だが、公安警察は彼を北朝鮮工作員と断定した。Yには、どんな背景があったのか。今回は、私が取材した、その素顔をお伝えしよう。
◆一般教員もタッチできない特殊教育をつけられて
Yは、東京にある朝鮮大学校外国語学部を優秀な成績で卒業した男だった。
◆表向きはメディアの一員として…
Yは朝鮮大学の大学院に当たる「研究院」に進学。その後、講師を勤めた。既定路線で外国語学部の教員になると思われていたが、Yは朝鮮新報に入社した。
◆周囲も驚いた、日本への「転向」
Yが(日本に)帰化したらしいという噂を聞いて、まさかと思いました。
そして2006年、Yは神戸大学大学院に入学する。
◆始まった「奇妙な迷走」
Yは大学院OBに相談、日本政府との接触を希望する。研究者であるこの大学院OBはYが携えたメッセージを拉致対策本部に報告、当時の拉致対策担当大臣の松原仁氏に引き合わせようと試みたという。
◆発見された「隠語」と「スパイの技術」
大阪府警外事課はYのパソコンを解析。すると、北の軍関係者との間のメールで隠語を使用していたことがわかった。
「平壌」を「父」、「北京」を「母」、「資料」を「画集」、「接線」(工作員が対象者に接触すること)を「面談」、「外務省」を「東京大学」、「防衛省」を「京都大学」といった具合に言い換えていたのだ。
Yはこう供述したと言う。
「2008年頃から情報収集を始め、合計2000万円の報酬を受け取った」
◆「すべては偽装だった」のか
公安捜査員はまるで逆の指摘をする。
「Yが日本に帰化したのは、偽装転向だ。警察の目を欺くために、日本国籍を取得していたに過ぎない。すべて本国の指示だ。
ある北朝鮮担当の公安捜査員は、こう明かす。
「在日の補助工作員が本格的な工作活動をしようとすれば、朝鮮籍のままでは、まるで身動きが取れない。合法的に日本人になると偽装にもなるし、動きやすいんだ」
◆「日本国籍を持つ工作員は宝です」