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イラク政府軍、北部キルクークを掌握 クルド支配地域
2017.10.17 Tue posted at 14:07 JST
URLリンク(www.cnn.co.jp)
(CNN) イラク政府軍が、少数民族クルド人主体の自治政府、クルディスタン地域政府(KRG)が実効支配していた
北部の主要都市キルクークを掌握した。治安当局の情報筋や目撃者がCNNに語った。
軍の部隊は15日深夜に作戦を開始した。キルクーク郊外の主要な油田や軍基地を制圧したうえで、市内に進攻。
数百世帯の住民を追放し、周囲に検問所を設置した。
キルクークはもともとクルド系の都市だが、自治区として公式に認められたクルディスタン地域の外に位置する。
イラク連邦政府とKRGが管轄権を争い、KRGが実効支配してきた。市内にある県知事庁舎にはこれまで連邦政府の国旗と
KRGの旗が両方掲げられていたが、目撃者によると現在は国旗だけが立っている。
イラクでは先月、KRGが独立の賛否を問う住民投票を実施し、賛成多数の結果が出た。この投票にはキルクークの帰属を
正式にKRG側とする項目も含まれ、連邦政府側に衝撃が広がっていた。
キルクークへの進軍はイラクのアバディ首相が「治安確立のため」として指示し、KRGの治安部隊「ペシュメルガ」に
連邦政府への協力を求めた。
政府軍の作戦には、イランの支援を受ける民兵組織「人民武装軍団(PMU)」も協力した。ペシュメルガ司令官らが
CNNに語ったところによると、政府軍との衝突でクルド人兵士少なくとも16人が死亡、数十人が負傷した。
米国は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討作戦で連邦政府、KRGの双方と協力している。
紛争後のイラクで領土をどう配分するかという問題の難しさが、改めて浮き彫りにされた形だ。
ISISと戦う米主導の有志連合は当初、キルクークでの衝突について、見通しの悪い夜間に偶発的に起きた「限定的な銃撃戦」
との見方を示していた。
キルクークはイラク有数の油田を抱える要衝。フセイン政権の「アラブ化政策」で一時、多数のアラブ人が移住した。
当時追放されたクルド人の多くは、同政権崩壊後に帰還した。
2014年にISISが侵攻した際、撤退した政府軍に代わってペシュメルガが戦い、ISISを撃退。
以降、KRGが同市を実効支配していた。