春香「あ…」 ハム蔵「ぎゃああああああああああああああああああ」ぶちゅat NEWS4VIP
春香「あ…」 ハム蔵「ぎゃああああああああああああああああああ」ぶちゅ - 暇つぶし2ch2:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:29:25.236 dolA9Db90.net
響「は...るか...?」
響の静かな声に心臓が飛び跳ねる。
足の下に、何かを感じる。
春香「い...違...これ、は...」
真「...」
雪歩「...」
春香「ち、違う。ぁ、お願い...」
この足の下には、何もいない。小さな命はいない。
そう願って、足をどける。

3:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:29:30.189 0bKC0hCs0.net
🐹「やめろおおおおおおおおおおおおお!!!」

4:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:29:39.718 dolA9Db90.net
春香「!」
小さな命は、どこにもなかった。
真「うっ...!」
あったのは、いつもはふっくらしたハムスター...の、ぺしゃんこになった死体だった。
雪歩「ぅっ...ぉえ...」
雪歩は耐えられなかった。口からとび出た赤いものをモロに見てしまったからだ。
真「!ゆ、雪歩...こっちに...」
春香「あ...あぁ...あ...ハム、蔵...」
最悪の結果だった。

5:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:29:47.947 qcjw7hqVp.net
期待

6:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:30:06.397 nwN2CBQm0.net
自分を潰す

7:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:30:06.389 dolA9Db90.net
響「はるか...?ハム蔵...?ハム蔵...?」
響「ハム蔵!ハム蔵!!」
ぺしゃんこになったモノに呼びかける響。
春香「う...あ...!」
春香が後ずさると、足の裏についた血が床にこびりつく。
響「嘘...ハム蔵...」
P「どうした!何があった!!」
真「プロデューサー...ハム蔵が...」
逃げた、ではない。
春香の足から伸びるほんの少しの血を見て、プロデューサーは一瞬で察する。

8:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:30:13.142 9w/u3v2+d.net
もす、自分に近づかないでほしいぞ

9:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:30:24.502 dolA9Db90.net
P「と、とにかく...真と雪歩は、外に」
真「は、はい...」
雪歩「ぅ...うう...」
響「ハム蔵...ハム蔵...」
P「な、何があった?」
わかっている。何があったか、状況を見ればわかる。
しかし大事なのは、彼女たちの心だ。
P「春香、何があった」
春香「っ!」ビクン

10:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:30:34.989 clhtkBl/0.net
ハムZONE

11:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:30:44.557 dolA9Db90.net
呼ばれた春香は、抜けた魂が戻ったように飛び跳ねた。
春香「ああぁの、私が、えと、響ちゃんと遊んでて...私、押されて」
P「...そうじゃない。何が、起きたんだ。教えてくれ」
春香「...ハム蔵を、潰した」
自分の犯した状況を口に出した途端、春香は泣きはじめる。
春香「ハム蔵...ハム蔵?響ちゃん?」
P「くっそ...なんてこった」
その間も、響はずっとハム蔵の名を呼びかけていた。

12:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:31:07.998 dolA9Db90.net
P「もしもし、律子か?...ああ、緊急事態だ...すぐに戻ってこれるか?...俺一人じゃどうしようも...」
P「ええと...その...春香が...ハム蔵を......した」
P「ああ...じゃあ...」
響「ハム蔵!!ハム蔵!!嫌!!」
春香「...」
P「二人とも、とにかく落ち着くんだ」
響「プロデューサー!!ハム蔵が!!」
P「わかってる。とにかく、ここから一度離れるんだ」

13:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:31:14.991 aKz5gzzm0.net
春香「あ…」ぶちゅ
俺「ぎゃああああああああチンコがぁぁぁぁああああ」ドピュッ

14:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:31:20.964 dolA9Db90.net
社長室
真「雪歩、大丈夫?」
雪歩「真ちゃん、ありがとう...」
春香「...」
P「...」
どうすればいい。俺はどうしたらいい。
響「ねぇ!」
突然、響がいつもの声をあげた。
響「プロデューサー!ハム蔵を病院に連れて行かないと!」
P「え...?」

15:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:31:35.654 dolA9Db90.net
俺は、どうしたらいい...
P「響...」
こんな素直な子に、ハム蔵は死んだ、諦めろと言うのか?
響「さっきな!ハム蔵の飛んだ目を入れたら少し動いたんだ!」
雪歩「や、やめて、響ちゃん」
響「だからな!中の物もかきあつめて!」
真「響!やめて!」
春香「プ、プロデューサーさん」
P「...!!」
言えるわけがない!

16:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:31:48.853 9mxs2L6m0.net
はよ

17:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:31:55.385 8jPHti+S0.net
コピペのくせにおせえよ

18:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:31:59.797 dolA9Db90.net
律子が戻るまでの10分間、響は喋り続けていた。
律子「ただいま、戻りました」
P「律子...」
貴音「状況は、聞いております」
伊織「...」
美希「寝てる場合じゃないの」
響「律子!律子!午後は動物病院に行ってくるぞ!」
律子「病院...?」
P「律子」
響は...不安定だ。
目で律子に合図した。

19:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:32:16.096 dolA9Db90.net
P「律子、ちょっと」
律子「はい」
...
P「...俺には、無理だ」
律子「...」
P「情けないが、あの響にハム蔵は死んだと突きつけることは...できない」
律子「じゃあ、どうしろって言うんですか」
P「...わからない」
律子「...すみません...私も、わかりません。ですが、突きつけなければならないことだと思います」
ガチャ
社長室から貴音が出てきた。手には小さな箱を持っている。
P「貴音?」

20:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:32:21.442 uzMPzul3d.net
響「あーあ、新しいの買わなきゃ」

21:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:32:34.188 dolA9Db90.net
貴音はハム蔵の前にしゃがみ込む。
貴音「...本当に、死んでしまわれたのですね」
律子「そう、みたいね」
貴音は長い箸を取り出し、ハム蔵をつまむ。
貴音「亡骸を、このままにしておくわけにはいきません」
P「すまないな...貴音。俺がやるべきことを」
貴音「いいのです。響は、大切な仲間です」
白い箱にハム蔵を丁寧に入れる。
貴音「響は...不安定な様子。友の死ほど辛いものはありません」

22:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:32:48.216 dolA9Db90.net
P「...」
貴音「しかし、誰のせいでもありません。そこはきちんと、伝えるつもりです」
律子「え、あなたが、伝えてくれるの?」
貴音「あなた方が頼りない、と言うつもりではありませんが。言うなら...私の方がよいかと」
P「ありがとう。すまないな...貴音」
貴音「はい」

23:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:33:01.143 dolA9Db90.net
社長室の空気は妙な形で張り詰めていた。
響「それでな、ハム蔵がな...」
ハム蔵の過去を、誰に聞かせる訳でもなく笑顔で語る響。
春香「...」
響の槍がいつ自分に向くかと思うと恐ろしく、動けない春香。
雪歩「...」
真「...」
響の笑顔が耐えられない真、雪歩。
美希「...」
伊織「...」
状況の中に放り込まれ、何を言えばいいのかわからない二人。

24:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:33:19.339 dolA9Db90.net
これは確かに、プロデューサーや私には荷が重いわ...と、律子は思った。
下手に突きつけるより、貴音などの親友に言ってもらった方がいい。
貴音「響」
響「貴音?貴音もハム蔵の話聞くか?」
貴音「響。ハム蔵は、死んだのです」
響「え...あ...」
響はきっと、認めたくなかったのだろう。
ハム蔵が死んだ事、事故とはいえ、殺されたこと。
誰を責めてもいけない。
でも死を受け入れられない。そんな思いが響の頭をぐるぐると回って、無理やり明るく振る舞うしかできなかったのだろう。

25:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:33:31.485 dolA9Db90.net
響「ちがうぞ、貴音」
貴音「わかります。友の死は辛いもの。ですが、生きるものは死ぬもの。それが今突然やって来たのです」
響「ちがうぞ」
貴音「受け入れなければならないものです、響」
響「うぁあ...」ボロボロ
貴音「誰のせいでも、ありません。大切なのは、はむ蔵を忘れぬことです」
響「貴音ぇ...!」
響は大声をあげて泣いた。
貴音、よくやった。緊張の糸がゆるみ、皆がほどほどに安心した顔になる。

26:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:33:45.695 dolA9Db90.net
貴音「さぁ、響。はむ蔵を弔いに行きましょう」
響「ヴん...」
貴音「あなた様、しばしよろしいですか?」
貴音「はむ蔵を、埋葬してきます」
P「ああ。ありがとうな...」
貴音はチラリと春香を見た。
春香は最大限の感謝を、無言で貴音に飛ばした。
...
残った血の片付けは終わった。
P「貴音には、感謝しないとな」
律子「...そうですね」

27:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:34:06.060 dolA9Db90.net
...でも、俺たちは分かってなかった。
この時の俺たちの行動が、後に全て裏目に出てしまうことになるとは...。
P「俺は...情けなかったな。響に、何も言えなかった」
律子「プロデューサーは、正しいことをしましたよ。下手に出てたらどうなっていたか...結果論、ですけど」
P「貴音がいなかったら...想像もしたくないな」
律子「辛いでしょうね...響は」
ガチャ
P「ん...春香か」
春香「プロデューサーさん...私は...私は...」
P「春香、大丈夫だ。誰のせいでもないって、貴音も言ってただろ」
春香「でも...でも」
真「春香、誰が悪いとかそういう話じゃないよ。謝ればきっと大丈夫だよ」

28:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:34:19.338 H4jVZTykd.net
おせーぞ

29:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:34:32.166 dolA9Db90.net
美希「デコちゃん、今日は珍しく無口ね」
伊織「...あんたも、珍しく寝ないじゃない」
美希「...寝れる状況じゃないの」
伊織「私も、何を言っていいのかわからなかったわ」
美希「貴音はすごいの...やっぱりひびたかなの」
伊織「?」
...
雪歩「春香ちゃん安心して!四条さんが話してくれたし、私たちも謝るから!」
春香「雪歩...ありがとう」
真「ボクも、きちんと謝るよ」
P「うん...一時はどうなることかと思ったが...大丈夫そうだな...」
ピピピピピピ

30:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:34:46.126 dolA9Db90.net
P「ん?貴音から電話か」
P「もしもし?」
貴音『あなた様。今すぐ春香に事務所から出て行くよう指示を』
P「!?どうした?何があった?」
貴音『私の、力不足です。響がはむ蔵を殺したのは誰だとずっと聞いてくるのです』
ゾクっとした。
P「どうすればいい」
貴音『春香がいると危険かもしれません。今すぐ春香を隠して下さい』
P「わ、わかった」
P「春香!今すぐ来るんだ!」

31:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:35:16.183 dolA9Db90.net
春香「えっ、どうしたんですか」
P「いいから、はやく
ガチャ
響「...」
貴音「...くっ、間に合いませんでしたか」
この状況は非常にまずい。
ハム蔵のショックが大き過ぎれば、誰かにあたるかもしれない。
もし今そうだとしたら...間違いなく、春香にあたる。
響「春香だ!」
春香「っ」ビクッ

響「ねぇ貴音!春香だぞ!春香がハム蔵を」
響「ころしたんだ」

32:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:35:29.573 dolA9Db90.net
春香「...ごめんなさい」
真「響!ごめんなさい!ボクもあの時ちゃんと警戒してれば...」
雪歩「ごめんなさい。響ちゃん。私も...」
響「あはっ、認めたぞ!」
真「...え」
まずい。非常にまずい。
P「ひ、響...」
響「ねぇ春香!ハム蔵どんなかんじで死んだの?教えて!」
春香「やめて、お願い響...」

33:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:35:44.133 dolA9Db90.net
すると響は、くるりと向き直って。
響「プロデューサー。ハム蔵はどこ?」
P「え」
響「ハム蔵がまた逃げちゃったんだ!ハム蔵ー!」
おそらく今の響は、ハム蔵の死を認める気持ちと、絶対に認めない気持ちと、責任をとらせる気持ちでめちゃくちゃになっているんだ。
律子「響。ハム蔵は死んだのよ。今、箱を埋めて来たでしょう?」
貴音「響。埋葬は終わりましたよ」
響「うそだ!うそだうそだ!あの箱の中身は自分見てない!見てないぞ!ハム蔵!」
しまった...。貴音は響のためを思い、ハム蔵を箱に入れて埋めるまでの間、中身を見せなかった。それが逆に、ハム蔵は死んでないと思わせる結果になっている。
P「響、よく聞くんだ。ハム蔵は死んだ。それだけは分かってくれ」

34:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:35:58.926 LmAE2g9Z0.net
普通に考えたら外についてハムスター出してる方が悪いけどな

35:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:36:00.677 dolA9Db90.net
響「あははっ、プロデューサーひどいこと言うなー!ハム蔵が死んだなんて!」
響が怖かった。
なぜお前は、そんな無邪気な顔で笑うんだ。
バタンッ!
社長室が勢いよく開き、美希が歩いてきた。
と思ったら。
パン!
響に思いっきり平手打ちを食らわせた。
響「あっ!」
全員、固まった。

36:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:36:20.353 dolA9Db90.net
響「なっ、なにす、」
響が顔をあげると、美希は泣いていた。
美希「ミキ、響のそんな顔...見たくない!」
美希は、響に抱きついて泣いた。
響はきょとんとした顔になり、貴音を見た。
響「...ハム蔵...は?」
貴音「はむ蔵は、死んだのですよ」
その瞬間、全ての糸が切れたように泣きはじめた。
春香「プロデューサー、さん」
P「春香...もう、大丈夫だ。この三人なら大丈夫。そう、信じたい」

37:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:36:41.317 dolA9Db90.net
それから一週間後。
響「ねぇ春香!」
春香「なに、響ちゃん?」
もうすっかり響も立ち直り、春香とも普通に話せるようになっていた。
あの後響は、取り乱したことを謝り、春香含め皆に謝られ、仲を取り戻した。
響、美希、貴音の三人はより仲がよくなったように見える。
俺も律子も、後からこの話を聞いた他のメンバーも小鳥さんも社長も、ほっとしていた。
なんとか、無事に終わったな...。

その時の俺は、そう思っていた。

38:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:37:03.667 dolA9Db90.net
貴音「あなた様」
P「どうした?」
貴音「少し、響のことで気になることが」
P「ああ...あの後、何か変わったことがあるか?」
貴音「はい...」
貴音が言い淀む。
すっかり安心していた俺だったが、徐々に徐々に、不安が滲み出てくる。
P「何か、あったのか?」
貴音「いえ、直接何かあった、わけではありません」
貴音「出かけられる時に、一人で外に来てください」

39:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:37:14.207 dolA9Db90.net
貴音「こちらへ」
P「...」
貴音が連れ出す理由。
響。
この予感。杞憂であってくれ。
貴音「箱に入れたあの日、わたくしは響とこの道を歩きました」
P「ああ」
貴音「はむ蔵との思い出、飼う動物のことを話しました」
P「...」
貴音「気に、しすぎかもしれませんが...」
P「構わん。話してくれ」

40:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:37:23.791 dolA9Db90.net
貴音「わたくしが事務所に戻るまで、響はあなた様の知るような状態でした」
貴音「あの後、事務所で皆に諭され、状況を理解して共に帰りました」
P「ああ」
貴音「その時、一言...響が呟いた言葉があって...」
P「なんだ?」
貴音「「かわりをさがさないとな」と」
P「...それが、どうかしたのか?」
貴音「それを、確かめに行くのです」

41:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:37:35.466 dolA9Db90.net
P「貴音、もう少しわかりやすく話してくれ」
貴音「その後からです。この一週間、響をぺっとしょっぷと、この道でよく見かけるのです」
P「...なにも、おかしくないと思うぞ」
P「響は、ペットショップでハム蔵のかわりを探してる。この道には、ハム蔵の墓参りか何かだろうよ」
貴音「わたくしもそう思いました」
ました?
貴音「ですが、ぺっとしょっぷの店長に聞いたところ...」
貴音「響は、この一週間で何匹もはむすたーを購入していました」
貴音「店長は響と顔見知りで、なんら不思議には思ってませんでしたが...」

42:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:37:36.543 GUKhDI3v0.net
なんかドキドキする。

43:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:37:45.967 dolA9Db90.net
P「わからんな...それがどうして気になるんだ?」
貴音「わたくしも、はむ蔵を失った響が、多くのはむすたーに囲まれることで悲しみを癒していると思います」
P「...」
貴音「ですが...」
貴音「はむ蔵のお墓に向かう時...」
P「...」
貴音「響は、はむ蔵のお墓に、何かを埋めているようなのです」
P「そりゃあお前...エサとか、そういうものをそこに埋めればハム蔵も喜ぶだろう?ヒマワリの種でも埋めれば、花が咲くかもな」
貴音「わたくしもそう思います。ですから、これはわたくしの考えすぎの心配事なのです」

44:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:38:06.370 dolA9Db90.net
P「まぁ、とにかく見に行こう」
...
寺の境内、墓場の隅。
貴音「許可をいただいて、ここに埋葬させていただきました」
P「確かに...何度も掘り返した後があるな」
貴音「供養であれば、お墓の前に置けばよいもの。お墓を掘り返すのは、あまりよくはないことです」
P「ここを掘り返して、響が埋めているものを見れば安心する、というわけだな?」
貴音「その通りです」
確かに、貴音は少し考えすぎかもしれない。
響が、ハム蔵の供養のために買ったハムスターを埋めているとでも思ったのだろうか?
...まさか、そんなはずはないだろう。

45:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:38:16.708 aB4ITS2Hr.net
>>3
これ

46:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:38:19.660 dolA9Db90.net
これで確かめて安心すれば、貴音も安心するというものだ。
二人で手を合わせ、ハム蔵に掘り返すことを告げる。
貴音は小さなスコップを取り出す。
貴音「...では」
P「まて貴音、俺が掘ろう」
貴音「...そうですか。お願いします」
何もない。何もなく終わる。
掘ればあの白い箱が出てきて、中身を確認すればハム蔵の亡骸がいる。それで終わりだ。
何度も掘り返された土はかなり柔らかく、あっさりと掘れる。
そんなに深くは埋めてないだろう。もうすぐ箱にスコップが当たって...
ぐに。

47:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:38:33.027 7iir1nu0K.net
これ再放送だけど知らない人多いんだなぁ

48:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:38:34.841 dolA9Db90.net
...?
なんだ、この感覚は?
突き刺したスコップの先端は、何かに刺さった。
土でもなく、箱でもなく...
まさか...まさか
貴音「...どうか、したのですか?」
P「い、いや、なんでもないさ」
俺は何もないと言い聞かせて、その土を掘り返した。
途端、俺は叫んだ。
P「う...?う、うわあああああああ!!!」

49:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:38:42.575 oVx3L8Fad.net
既視感しかない

50:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:38:49.293 dolA9Db90.net
貴音が覗き込む。
貴音「あなた様...何が...っ!うっ!」
掘り返した場所には、あの箱と、それと...
P「貴音!見るな、見るんじゃない!」
何匹もの、ハムスターの死体が埋まっていた。
P「見るんじゃ、ない...」
貴音は後ろを向いてその場から離れる。
このハムスターの死体が、そのまま埋めてあったらどんなによかったことか。

死体はすべて、あの時のハム蔵と同じように潰されていた。

51:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:39:02.621 dolA9Db90.net
貴音「響...響、どうして!」
P「貴音、落ち着け...落ち着くんだ」
貴音の肩を抱き寄せる。震えていた。
潰されたハムスターを見た恐れ...よりも、親友への恐ろしさに震えている。
貴音「あなた様...これは、何かの...供養、でしょうか...?」
P「こんなものは、聞いたことがないよ」
自分で買ったハムスターを同じように潰して埋めるなんて。
...まともじゃない。

52:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:39:16.496 dolA9Db90.net
ペットショップの店長は、なんらかわった様子はないと言っていた。
つまり、いつものように買い物に来て、いつものようにエサを買ったりして、そしてまるでいつものように...ハムスターを、買っていく。
P「それ程までに...響は...」
響は、壊れているんだ。
貴音「あなた様...わたくしは...わたくしに、できることは?」
P「貴音。お前は本当に強い子だ」
こんな状況でも、親友の身を案じている。
P「俺は、響の家に行く。お前は...俺を信じて、待っていてくれ」

53:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:39:33.995 dolA9Db90.net
P「もしもし、律子か?今から響の家に行く...ああ、ああ...」
貴音「...」
P「律子には連絡した。お前は、事務所で待っててくれ」
貴音「なぜ...響は...」
P「この一週間、気がつかなかった俺も悪い。それに...」
P「もしかしたら、こうなってしまったのは、俺が原因かもしれない」
貴音「どういうことですか?」
P「あの日。ハム蔵が死んだ日、俺は響をすぐ社長室に連れて行った。そのあと、貴音が箱に入れて...」

54:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:39:34.064 33BRcPoIa.net
はよ

55:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:39:48.455 dolA9Db90.net
P「響には、ハム蔵が死んだと言葉では伝えたが、実際にハム蔵の死体をしっかりと見ていないんだ」
P「あいつは最後に見た死体を、まだ生きてると言い張って...目を...入れていた」
P「要するに...」
貴音「響の心には、ハム蔵はまだ生きてると?」
P「...そうだ。ハム蔵を、探しているんだよ。ハムスターの、中から」
貴音「...」
P「行ってくるよ。響の家に」
貴音「あなた様...」
貴音「響が戻ると、約束してくれますか?」
P「ああ...するさ...するとも...」

56:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:39:58.964 dolA9Db90.net
...
響の家。
響は、ガラスケースに入った何匹ものハムスターをニコニコと見ていた。
響「はっむ蔵をー♪さっがっそー♪」
ガラスケースの中に手を入れる。
その手にはヒマワリのタネがあり、ハムスターたちは寄ってくる。
響はその中の一匹を、やさしく掴んだ。
手に乗せられたハムスターは、状況を理解していない。
響「君はハム蔵かな~?」

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16/10/18 20:40:09.542 dolA9Db90.net
響はハムスターの瞳をのぞく。
ハムスターは響の手でヒマワリのタネを一生懸命食べている。
響「君は、ハム蔵じゃないな!」
次の瞬間に何が起こるのか、ハムスターにはわかるはずもない。
響は手を裏返す。
当然、ハムスターは下に落ちる。
ぼてっ。
落とされたハムスターは、驚いて歩き出した。

そのハムスターを、響は思いっきり踏み潰した。

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16/10/18 20:40:19.649 GUKhDI3v0.net
>>47
知らんかった。

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16/10/18 20:40:21.091 dolA9Db90.net
ぐしゃっ

ハムスターが口に咥えていたヒマワリのタネが飛んで、どこかで音を立てた。
部屋の隅で、餌も十分に貰えなくなったペットたちが震えている。
響「はっむ蔵をー♪さっがっそー♪」
響はまた笑顔に戻り、選別を始める。
足元には、何匹かの死体。
その時。

ピンポーン

玄関から呼び鈴が鳴った。
響は笑顔のまま、玄関を見た。

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16/10/18 20:40:33.021 dolA9Db90.net
P「響?いるか?」
響はとてとてと玄関に走る。
歩くたびに何か湿った音がする。
響「あ、プロデューサー!みんな!プロデューサーだぞ!」
がちゃり。
響がドアを開けてくれた。
P「今、大丈夫か?」
響「いいぞ!入って入って!」
俺は入った途端に、床にへばりついたハムスターの死体を見た。

61:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:40:44.972 dolA9Db90.net
俺はこみ上げる吐き気と、泣きたくなる気持ちを必死に堪えた。
P「響...これはなんだ...」
響「ハム蔵を探してるんだ!」
部屋の隅に目をやると、痩せ細ったペットたちが震えていた。
P「響...何をしてるんだ」

響「え?だから、ハム蔵を」
P「ハム蔵は!死んだんだぞ!!!」

ありったけの大声を出した。大声なんて、何年ぶりだろうか。
響「知ってるよ?」
キョトンとした顔。

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16/10/18 20:40:56.759 dolA9Db90.net
響「だからな、ハムスター買って来て、ハム蔵を探してるんだ。なかなかいなくて困ってたんだぞ」
響「プロデューサーも手伝ってくれるのか?」
P「もう...もう、俺は...」
ここまで壊れているとは。
P「すまない...俺は、お前を救えない...」
響は嬉しそうにハムスターに話しかける。
響「よかったなぁ!みんな!次のやつはプロデューサーに選んでもらおうな!」
P「貴音...律子。俺は、すまない。情けない奴で...俺は、もう無理だ...」

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16/10/18 20:41:19.173 dolA9Db90.net
響「ねぇプロデューサー。ハム蔵が見つかるまで、ここにいてよ!」
響はくいくいと袖をひっぱる。
P「駄目だ。いっしょにはいられない」
どうして、どうしてお前はそんな笑顔をするんだ。
P「響...お前はもう、駄目だ。アイドルから降ろさないと。それと、病院に、行こう。響」
響「どうしてそういうこと言うんだ」
P「響。俺にはもうどうしようもない。お前は...壊れているんだ」

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16/10/18 20:41:30.865 dolA9Db90.net
響「壊れてない。自分は健康だぞ」
響「ハム蔵、いっしょに探そう?プロデューサー」
そう言うと、響はガラスケースの裏からはさみを出してきた。
昔の物で、両側が刃物になっている、今ではもう見ない危ない形の物だ。
P「響。それを置くんだ」
はさみには血がついている。なるほど、散らばってるバラバラのハムスターはそれでやったのか?
響「ハム蔵探そうよ?プロデューサー。ハム蔵、探そう?自分、プロデューサーとならやれるきがするんだ。ハム蔵探そう?」

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16/10/18 20:41:54.204 dolA9Db90.net
響「大丈夫。プロデューサーの世話は自分がやるぞ。プロデューサーはハムスターを選ぶだけでいいんだ」
P「くそっ!」
このままでは危ない。俺は玄関にダッシュするか考えた。
しかし扉が閉まっている。開けている間にはさみに切られるかもしれない。
しかしこれ以外に、どうしようもない!
P「うわああああああ!!」
思いっきり叫んで、玄関に走ろうとする!
響「待ってよ」

66:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:42:06.252 dolA9Db90.net
と、その時。
響「うわぁ!」
痩せ細ったワニ子が、響に飛びつき、噛み付いた。
ワニ子と目が合った気がする。逃げろ。そう言ってくれたのだろう。
俺は迷わず玄関に飛び込む。
扉を開け、閉める時ちらりと見えたものは、響がワニ子にはさみを刺している瞬間だった。
ワニ子は刺されながらも、響の腕に噛み付いていた。

67:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:42:18.399 dolA9Db90.net
...
765プロ

律子「プロデューサー!」
貴音「あなた様!!」
P「はぁ...はぁ...はぁ...」
貴音「あなた様、響は...」
P「貴音...ごめんな...約束、守れそうにないよ」
俺は貴音にすがり、泣き崩れた。

68:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:42:42.041 dolA9Db90.net
二ヶ月後...
響が事実上のクビとなってから二ヶ月。
事務所には昔と変わらない日常があった。
響は当然、いないけども。
あれから何度か、響を見たという話を聞く。
...俺にとっては、もう聞きたくもない名前だ。
名前が出るその都度、ハムスターの入ったガラスケースを、笑顔で持ち帰っていたという話を聞かされる。

...今も何処かで、ハムスターを購入しているのだろうか。
そして今もあの部屋で、ハムスターの中からハム蔵を探しているのだろうか。

69:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:42:52.187 dolA9Db90.net
春香は、周りのフォローもありすっかり立ち直っている。

墓の件、響がハムスターを買う理由を知っている貴音は、まるで半身が無くなったように落ち込んでいる。
それでも、仕事はキチンとこなす。まったく、大したやつだ。
響の家に行った日、何が起きたのか。
俺と貴音、社長だけが知っている。
今となっては、もう理由を聞く人などいない。
春香「プロデューサーさん、午後のお仕事もよろしくお願いします!」
P「ああ。そうだな。よし、行くか!」
響のいない765プロは、今日も動いていく。


おわり

70:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:44:11.170 9mxs2L6m0.net
ドキドキしてる

71:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:44:22.218 3ZFnxeCf0.net
ひえぇ

72:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:44:23.283 OEpM0wLx0.net
なんつーかもやもやするな

73:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:44:33.741 esW1qXzW0.net
飛んだ目いれてでワロタ
中のものかきあつめてでクソワロタ

74:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:44:43.055 8CL90J100.net
ワニ子お前いい奴だな~

75:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:46:18.988 9mxs2L6m0.net
つーか病院くらい連れてってやれよ
なんで放置してんだカスども

76:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:46:52.965 qbKq0WX5d.net
やめろーーしゅーくんのが絶対いけめんや!!

77:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:47:30.264 3DCTCgfLM.net
つーか病院くらい連れてってやれよ
なんで放置してんだカスども
URLリンク(i.imggl.net)

78:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:48:13.675 3DCTCgfLM.net
>>70
お前のドキドキってレスにムラっときて抜いたら妹に見られた・・・死ね

79:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:49:53.035 GUKhDI3v0.net
>>78
なんちゅう言いがかり(笑)

80:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:50:05.365 3ZFnxeCf0.net
>>79

81:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:50:47.792 FShJT4wSd.net
でたーーーーイケメン奴

82:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:52:25.613 xI85Zy850.net
キチガイスレにきてしまった

83:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:53:56.834 kJVHcmVr0.net
クリスティーン春香と杉村太蔵かと思った

84:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
16/10/18 20:55:35.069 ZrKMayDNa.net
>>79


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