16/02/20 22:14:01.526 /9BYaBWJ0.net
ハルヒ「すごく仲良かったってことでしょ」
仲が良かったかと聞かれると返答に困るが、確かに親友と呼べる程には交流があったのは事実だ。
ハルヒ「佐々木さん…あんたのことは何もかもお見通しって顔してた」
いや、あいつが見透かしたようなことを言うのはただのキャラクター性だと思うのだが…
ハルヒ「羨ましいわ…」
ハルヒは完全にしょげていた。
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16/02/20 22:16:04.886 /9BYaBWJ0.net
キョン「羨ましいって、何がだ?」
ハルヒ「私はあんたの過去を知らないもの。高校生になってからのあんたしか知らないから…だから私は…」
キョン「そんなこと、気にするな」
それを言うならば、俺だってハルヒと同じ中学出身の谷口のことを羨ましいと思ったり思わなかったりするわけで…
ハルヒ「私、あんたが中学時代に佐々木さんと仲良くしてるところを想像すると…もう…消えちゃいたくなるって言うか…」
そうハルヒが口走ったその瞬間、
キョン「ッ!?」
ハルヒが一瞬消えたような気がした。
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16/02/20 22:18:09.644 YJk5Vd1a0.net
いつ国木田くるかな
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16/02/20 22:18:13.367 /9BYaBWJ0.net
ハルヒ「なーんてね。冗談よ。冗談…」
そうハルヒは嘯いたが、俺はかなり切羽詰っていた。
なんだ今のは。
まさかこいつ、本気で?
涼宮ハルヒには世界を創り変える能力がある。
そんなハルヒが本気で消えたいと望んだら?
耳のイヤホンからは、既に何度目かわからない『ROLL』の3分30秒のあのフレーズが流れていた。
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16/02/20 22:19:04.287 HXStCl560.net
紫煙
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16/02/20 22:19:21.428 qOZRQ5FS0.net
面白い
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16/02/20 22:20:11.705 /9BYaBWJ0.net
キョン「ハルヒッ!!」
堪らず俺はハルヒを抱きしめた。
ハルヒ「ふぁっ…ちょっとキョン!?な、なな何すんのよ!!」
ハルヒはジタバタと暴れたが、そんなことを気にしている余裕はない。
あの、ハルヒの居ない世界で俺がどれだけ…
どれだけお前を…
お前を…消えさせてたまるか。
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16/02/20 22:22:01.462 /9BYaBWJ0.net
しばらくハルヒはジタバタと暴れていたが、やがて大人しくなった。
俺はハルヒに触れ
ハルヒを抱き
その温もりや
呼吸を感じ
ハルヒの苦しみや悲しみに触れ
そして気づく
俺は…ハルヒを失いたくなかった。
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16/02/20 22:24:01.488 /9BYaBWJ0.net
キョン「頼むから…消えないでくれ」
絞り出すように、そう懇願する。
ハルヒ「…ん」
キョン「消えないでくれ」
ハルヒ「…わかったってば」
わかってない。
お前は自分の能力を知らない。
だからこんな馬鹿なことを…
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16/02/20 22:26:03.527 /9BYaBWJ0.net
キョン「もう二度と、消えたいなんて言うな!!
」
その瞬間、顔面に再び激痛が走った。
ハルヒ「わかったって言ってんでしょバカキョン!!いつまで抱っこしてんのよ!!」
こいつはこの状況でまた頭突きを…
しかし、やっぱり…
キョン「やっぱりお前はこうじゃないとな」
そうさ。
ハルヒはこうでなければ。
しおらしいハルヒなんざ、誰も望みやしないだろう?
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16/02/20 22:28:02.197 /9BYaBWJ0.net
ハルヒ「まったく…冗談だって言ってんのにさ。本気になっちゃってバカみたい」
まったく…やはり柄じゃないことなんてするもんじゃないな。
俺が肩をすくめると、ハルヒは突然叫び声を上げた。
ハルヒ「あー!!」
なんだなんだ何ごとだ!?
ハルヒ「ちょっとキョン!!靴下のかかとのとこが上になってるじゃない!?もう一回ちゃんと履かせなさいよ!!」
……自分で履けよバカ女。
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16/02/20 22:28:13.402 HXStCl560.net
支援
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16/02/20 22:30:04.206 /9BYaBWJ0.net
ハルヒ「あんたが履かせたんでしょ?あんたが責任取るのが筋ってものじゃない」
へいへい。
仰せのままに。
俺がいそいそとハルヒの靴下を再び脱がせにかかると、ハルヒは外していた片側のイヤホンをひょいとつまみ上げ、それを自分の自分の耳に装着した。
ハルヒ「さっきからシャカシャカシャカシャカ何聴いてるのか気になってたのよね。あれ?あんた、ポルノなんて聴くの?へぇ~意外」
失礼な。
俺はポルノを聴くのも観るのも大好きだ。
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16/02/20 22:32:01.752 /9BYaBWJ0.net
そこで俺はハルヒの靴下を履かせる手を一旦止め、リピートにしていた『ROLL』を停止し、一つ前の曲を再生した。
さっきの件もあり、流石にこの曲を聴き続けるのは気恥ずかしかった。
ハルヒ「あっ!この曲も知ってる。割と好きだったなぁ…えっと、なんて曲名だったかしら?確かヌメヌメ…」
キョン「ネオメロドラマティックだ。断じてヌメヌメなどしていない」
というかサビで思いっきり曲名が流れるだろ。
どんな感性をしているんだこいつは…
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16/02/20 22:34:03.182 /9BYaBWJ0.net
ハルヒ「メロメロ?」
こいつ…わざとやってやがるな。
ハルヒ「ま、曲名なんてどうでもいいわ。いい曲よね。なんか元気になるって言うか、前向きになるって言うか…」
確かにこの曲はアップテンポで元気のいい曲だ。
湿っぽい空気を吹き飛ばすにはもってこいだろう。
ちなみにこの『ネオメロドラマティック』のシングルCDの中にカップリングとして収録されていたのが『ROLL』であると一応補足しておく。
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16/02/20 22:36:03.247 /9BYaBWJ0.net
キョン「ほら、靴下出来たぞ」
そうこうしている内に俺はニーソを履かせ終えた。
今回は完璧だ。
一週間はこのまま着用して頂きたい。
ハルヒ「ん。ありがと」
気のない返事をしたハルヒだったが、思い付いたようにこう付け加えた。
ハルヒ「それから…べ、別に格好つけて言うわけじゃないけど、さっきもありがとね!……おかげで元気出たから…」
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16/02/20 22:36:18.638 HXStCl560.net
しえn
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16/02/20 22:38:03.460 /9BYaBWJ0.net
そんな風に格好つけて言うハルヒは、先ほどの自分を見ているようで俺はなんとも言えない気持ちを味わうことになったが、まぁ一般的に人間なんてこんなものなのだろう。
時刻は10時50分。
古泉達に少々遅れるとメールを送り、俺はハルヒの手を引き立ち上がる。
キョン「よし。そろそろ行くか」
ハルヒ「今日こそはあっと驚く不思議を見つけ出してみせるわ!!」
そう意気込むハルヒはすっかり元通りだ。
その輝く�
76:ホみ見つめながら 別に格好つけて言うわけじゃないが 俺には どうやらハルヒしかいないみたいだ と、思うのだった。 FIN
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16/02/20 22:40:36.180 HXStCl560.net
乙乙
78:過去ログ ★
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