15/12/26 18:27:44.814 kn4ZILoj0.net
サン「お前に何がわかる!?何も知らぬお前に…一体何がわかるというのだ!!」
カヤ「確かに私は何も知らない。あなたのことも、この森のことも、タタラ場のことも…でも、兄様のことだったら良く知ってる!兄様がどんな思いであなたに贈り物をしたのかはわかる!!」
サン「……確かに…許嫁のお前ならば私以上にアシタカのことを知っているのだろうな。……私はお前が羨ましいよ」
カヤ「カヤは…もう、兄様の許嫁ではないわ。これからは、兄様の妹として…兄様を支えることにしたのよ!」
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15/12/26 18:30:35.239 kn4ZILoj0.net
サン「……妹だと?……何故だ…?お前はアシタカを慕っているのだろう?好きなのだろう!?何故、兄妹などという立場に甘んじる!!」
カヤ「だって…だって…!もう兄様には…サンがいるから!カヤは…サンにはなれないから…だから兄妹として兄様を支えていくことにしたのよ!」
サン「……なんだそれは…お、お前の理屈は…めちゃくちゃだ…!」
カヤ「理屈とかそんなことは関係ない!私は兄様の側に居られたらそれでいいの!だから、サンももっと素直になるべきよ!」
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15/12/26 18:32:40.030 kn4ZILoj0.net
サン「……素直に…?」キョトン
カヤ「髪飾りを貰って…嬉しかったでしょう?だったら…素直に喜んだらいいじゃない」
サン「……でも、私はこの森を守らないといけないから…だから…」
カヤ「だからそんなに難しく考える必要なんてないんだってば!…サンは兄様のことが好きなんでしょう?…好きな人から贈り物をされたら…それは何より嬉しいことの筈よ?」
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15/12/26 18:34:28.630 kn4ZILoj0.net
サン「……私は…アシタカが好きだ。……髪飾りだって、ほんとは嬉しかった。……でも、私はただ…アシタカが会いに来てくれるだけで…それで良かったんだ…」グスン…
カヤ「その言葉をそのまま伝えれば、兄様はきっとわかってくれる筈よ?今度兄様が来たら、そう言いなさいな」
サン「……うん。そうする…」グスングスン
カヤ「その時、髪飾りをサンが付けてたら…きっと兄様は嬉しいと思うなぁ…。私の話しはこれで終わり。……偉そうなこと言って、ごめんね」
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15/12/26 18:35:53.730 kn4ZILoj0.net
サン「いや、こっちこそ迷惑をかけてしまったようですまない…」
カヤ「迷惑だなんてそんな!……サンと兄様が一緒になったら、サンはカヤのお義姉さんになるのよ?…迷惑だなんて思ったりしないから、安心して」クスクス
サン「ね、義姉さんって…!」アタフタ
カヤ「ふふっ…早く仲直り出来るといいわね」
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15/12/26 18:37:29.237 kn4ZILoj0.net
カヤ「さてと…それじゃあ、そろそろタタラ場に戻るわ。話しを聞いてくれてありがとう」
サン「ちょっ、ちょっと待て…!」
カヤ「ん?どうしたの?」
サン「あの…その…あ、ありがとう…カヤ」
カヤ「……どうしたしまして。…サン義姉さん」
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15/12/26 18:39:19.170 kn4ZILoj0.net
タタラ場
アシタカ(……私は一体どうしたら…)
エボシ「ん?なんだそなた…まだこんなところに居たのか?」
アシタカ「エボシ殿…。私にはまだ…自分が何をすればいいのかわからぬのです…」
エボシ「はぁ…本当に…男というものはこれだから…」
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15/12/26 18:40:54.857 kn4ZILoj0.net
アシタカ「……面目ない」シュン
エボシ「まぁ、そうしょげるな。そなたは物事を何でもかんでも頭で考え過ぎなのだ。昨夜、カヤにもそう言われていたではないか」
アシタカ「しかし、具体的にどうすれば良いのか皆目見当もつかぬのです…」
エボシ「まずは自分の気持ちを見定めることだ。そうすれば、自ずと答えは見えてくる」
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15/12/26 18:42:22.396 kn4ZILoj0.net
アシタカ「自分の…気持ち…?」
エボシ「そなたはあの山犬の姫をどう思っているのだ?」
アシタカ「私はサンが好きだ。…何より大切に思っている」
エボシ「では、どうしたい?そなたと喧嘩をして今頃泣きベソをかいているだろうあの小娘に…何をしてやりたい?」
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15/12/26 18:44:30.320 kn4ZILoj0.net
アシタカ「サンが泣いていたら…私は彼女を抱きしめてやりたい!」
エボシ「ほら?答えが見えただろう?御託を並べる必要などないのだ。…では行け。アシタカよ」
アシタカ「エボシ殿…恩にきる!!」ダダッ
エボシ「……若さというものは眩しいものだ。さて、カヤの奴は上手くやっただろうか…?」
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15/12/26 18:46:09.312 kn4ZILoj0.net
アシタカ(……こんな簡単なことにすら気づけぬとは…私はなんと馬鹿だったのだろう。……待っててくれサン!今行く!!)タッタッタッ
カヤ「兄様!」
アシタカ「!?……カヤ!戻ったか!……私はこれからサンのところへ向かうつもりだ」
カヤ「なすべきことをお見つけになられたのですね。……サン様は…いえ…サンは、兄様のことを待っています。お気をつけて、兄様」
アシタカ「ありがとうカヤ。…行ってくる!」ダダッ
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15/12/26 18:47:43.613 kn4ZILoj0.net
シシ神の池
『サーン!サンどこだー?サーン!』
山犬1「まったく…森中に丸聞こえだっての。…おいサン!待ち人がやっと来たみたいだぜ?」
サン「ちょっ…ちょっと待って!…確かこの辺に…あっ!あった!」
山犬2「あん?そりゃあ…あの野郎がくれた髪飾りじゃねぇか!……池の中で何してるかと思ったら、それを探してたのかよ!」
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15/12/26 18:49:29.939 kn4ZILoj0.net
サン「……私はもう少し自分の気持ちに素直になるべきだった。……これを受け取ったら…母さん、怒るかな…?」
山犬1「母さんはきっと『あの人間と生きろ』って言うだろうよ」
山犬2「違いねぇ。……森は確かに大事だが、森よりもサンのほうが…母さんにとっては大事だったと思うぜ?」
サン「ありがとう…お前達。…さぁ、アシタカを迎えに行っておくれ」
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15/12/26 18:51:10.550 kn4ZILoj0.net
アシタカ「サーン!サンどこだー?サーン!」
ガサガサガサ
山犬1「まったくうるせぇ奴だ!」
山犬2「そんなに叫ばなくても、聞こえてるっての!」
アシタカ「お、お前達!?……頼む!!サンのところに案内してくれ!」
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15/12/26 18:59:10.417 kn4ZILoj0.net
山犬1「サンなら昨日と同じ場所だ。オラ、さっさと乗れ!」ヒョイッ
アシタカ「すまない。お前達にも迷惑をかけたな…」
山犬2「反省してるなら、もう間違うんじゃねぇぞ!今度サンを泣かしたらマジで食っちまうからな!?」グルル…
アシタカ「あぁ…もう間違えない。急いでくれ!」
山犬1「ふん…偉そうに…振り落されんなよっ!人間!」ダダッ
105:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/12/26 19:04:14.827 kn4ZILoj0.net
山犬1「ほら、着いたぜ」ポイッ
アシタカ「ありがとう」
山犬's「「それじゃあな!しっかりやれよ!人間!!」」タタッ
サン「ア、アシタカ…」
アシタカ「サン…」
サン「ア、アシタカ…昨日はその…す、すまなかっt」
アシタカ「すまなかった!サン!」ギュッ
サン「ふぁっ…ア、アシタカ…?」
アシタカ「私が馬鹿だった…許してくれ…サン!」ギュウ
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15/12/26 19:06:15.736 kn4ZILoj0.net
サン「アシタカ…こっちこそ意地を張ってすまなかった。……こうしてお前に抱かれていると、自分がどんな愚かだったのかが良くわかる…」ギュッ
アシタカ「愚かなのは私のほうだ!最初から…こうしていれば良かった。……ん?…この髪飾りは…?」
サン「……素直に受け取ることにした。…に、似合うか…?」モジモジ
アシタカ「……そなたは美しい」
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15/12/26 19:08:30.781 kn4ZILoj0.net
サン「……あ、ありがとう」モジモジ
アシタカ「しかし…良かったのか?君にとって森は…」
サン「良いのだ。……アシタカと共に生きると…そう決めたから…」
アシタカ「そうか…。愛している…サン」ギュッ
サン「私も…あ、愛してるぞアシタカ」ギュウ
山犬's「「…ケッ!犬も食わねぇとはこの事だぜ!」」
おしまい
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15/12/26 19:20:16.558 iS9+mut80.net
乙
好きだわこういうの
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15/12/26 19:25:11.339 B3f3oyTX0.net
サンもカヤも二人ともアシタカが貰っちゃえば良いのに
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