幼馴染「卒業させてあげよっか」 男「」at NEWS4VIP
幼馴染「卒業させてあげよっか」 男「」 - 暇つぶし2ch43:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 13:00:28.505 if40sTly0.net
風呂場で無様に腰を振りながら、俺は六月の出来事を思い出していた。
その日は部活動を終えた後、一人で顧問に注意された点を見直していた。
最終下校時刻をまわったあたりで、見回りにきた教師に促されて後片付けを始める。
すると何処にいたのか先輩が現れて、それを手伝ってくれた。
「すいません、手伝わせてしまって」
謝ると、先輩は優しく笑いながら気にしないでと言ってくれた。

44:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 13:10:50.933 if40sTly0.net
一通り片付け終えて用具室の鍵を閉めると、先輩に呼び止められた。
「……家まで送ってくれない」
見れば、先輩の顔は暮れる夕日と同じくらいに真っ赤に染まり、拳を強く強く握りしめていた。
学校を出る頃にはこの夕日も沈みきり、辺りは真っ暗になるだろう。
それに何より、幼馴染の件で傷ついていた俺とって、先輩と仲良くすることは幼馴染を忘れることにつながるだろうという卑怯な考えもあった。
「構いませんよ」
そう言うと先輩の表情は一気に明るくなり、荷物持って校門で待ってると言い残して消えてしまった。

45:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 13:18:37.405 if40sTly0.net
帰り道、俺たちはどちらからという訳でもなく、いつの間にか手を繋いでいた。
触れた彼女の手は少し熱くて、少し湿っぽかった。
……それはきっと俺もだろうけど。
家の前に着く頃には、自然と手を離していた。
「それじゃ……」
そう言ってドアを開いて家の中へと消えようとする彼女の肩を掴み、引き留める。
「……」
けれどうまく言葉に出来なくて、時間だけが流れていく。
そのまま五分近く経過したところで、彼女の方から声を発される。
「……明日も送ってくれますか」

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15/11/25 13:25:30.653 if40sTly0.net
俺が無言で頷くのを確認すると、彼女は何も言わずに家の中へと消えていった。
その後、どうやって家に帰ったかは覚えてなかった。
次の日から俺たちは毎日のように一緒に帰った。
先輩を家まで送り届けることが習慣になりつつあった六月最後の日。
俺は先輩に告白され、付き合うことになった。

47:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 13:28:52.928 7uEm7E6Lr.net
見てないけど見たいから支援

48:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 13:40:18.092 if40sTly0.net
「何を考えてるの」
声をかけられ、意識が現実に引き戻される。
目の前にいるのは先輩ではなく、裸の幼馴染だった。
あの後、俺たちは風呂場を出て幼馴染の部屋に移動した。
そのまま行為を続け、気がつけばカーテンの隙間からは陽の光が漏れ入っていた。
携帯を見ると、先輩からメールが届いていた。
『さっきは急に電話してごめんね。早く部活で君と会いたいな』
突如、俺の中に後悔の念が沸々と湧き上がってくるのを感じた。
自分がしたことの卑劣さに胸がはち切れそうになるほど息が乱れた。
服を着て部屋を出ると、幼馴染も追いかけてきた。
「行かないでッ!」
悲痛に叫ぶその声は、急ぐ俺の足を硬直させた。
息が詰まり、冷や汗が噴き出た。

49:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 13:48:05.635 if40sTly0.net
「俺、行かなくちゃ……」
何も出来ずに立ち尽くす俺がやっとのことでしぼり出した台詞。
それは情けないほど力の抜けた声だった。
「そっか……」
そう言うと幼馴染は何故だかすぐに引き下がった。
俺はそれに少しホッとし、すぐにそんな自分を嫌悪した。
幼馴染は諦めたようにため息を吐く。
「慰めてくれてありがとう」

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15/11/25 13:56:16.324 if40sTly0.net
その言葉で俺は理解した。
幼馴染にとって今の俺はただの慰み者でしかないのだと。
幼馴染が求めていたのはきっと俺じゃない。彼女のことを慰めてくれる、彼氏ではない誰かなのだ。
彼氏の裏切りに対する、単なる自暴自棄ような行動かもしれない。
要するに俺は便利な彼氏の代わりとして幼馴染に使われたのだ。
「ごめんね」
幼馴染のその言葉で、俺の心は虚しさと惨めさに飲み込まれた。

51:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 14:01:34.753 KM45V0n+0.net
誰も幸せになれなさそう

52:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 14:09:59.450 if40sTly0.net
あの後。
俺は先輩と別れた。
彼女と付き合い続けることは、俺にはどうしても出来なかった。
先輩の顔を見る度に幼馴染との事が思い出され、うまく話せなくなった。
別れ話を切り出す時も、言葉は途切れ途切れになった。
結局は携帯のメモに「別れてください」と書いて、それを見せた。
泣いて縋る先輩の姿を見て、俺は自分への憤りで狂いそうになった。
自傷行為を繰り返すようになり、人と話すこともほとんど無くなった。
部活には夏休み中に退部届を出した。
今辞めるのは勿体無いという顧問の言葉が、とても嘘臭く聞こえた。

53:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 14:14:14.739 +hPMLhNHp.net
ふむ

54:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 14:20:59.518 8l1J5GrA0.net
ほう

55:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 14:22:39.802 if40sTly0.net
幼馴染は一人暮らしを始めた。
アルバイトをして、家賃を自分で負担することが条件らしい。
「どうせ学校には行ってないし」
そう言って日中はほとんどアルバイトに費やしていた。
彼女の表情は俺とは対照的に、日に日に明るくなっていくように思えた。
幼馴染との関係はずるずると続いていた。
幼馴染が放った「ごめんね」という言葉は俺から行動する気力を根こそぎ奪った。
空っぽになった俺は何もかもがどうでもよくなり、再び幼馴染を抱いた。
先輩のことを忘れようと何度も何度も腰を動かした。
その度に頭の中は先輩のことで埋め尽くされた。

56:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 14:35:07.950 if40sTly0.net
先輩は卒業と同時に大学へと進んだ。
この街からは飛行機でも使わないと会いに行けないほど遠い場所。
もう二度と先輩に会えないと思うと、苦しさもあったがそれ以上に安堵を覚えた。
こんなことを考える自分が、俺はどうしようもなく怖かった。
幼馴染との関係が増えるにつれ、どんどんと自分が壊れていくように感じた。
俺は自分が自分でいられる内に何とかしなければと思った。

57:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 14:50:17.415 if40sTly0.net
6月30日。
先輩に告白されて一年が過ぎた。
俺はもうほとんど自分を見失っていた。
湯船には溢れんばかりのお湯を張った。
先ほどまでの苦しみが嘘のように、不思議と気分は落ち着いていた。
カッターを持つ左手に力をこめ、右手首を深く抉る。
そのまま湯船に沈めると、噴き出る血液が美しく広がっていくのが見える。
遠のく意識の中で、俺はただ先輩の顔を思い浮かべていた。

58:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 14:51:58.649 if40sTly0.net
おしまい
童貞の方が幸せっていうお話です(大嘘)
こんな話にするつもりはなかったので、書き溜めって大事だなと思いました
拙い文章ながらも頑張ったつもりです
見てくれてありがとうございました

59:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 14:54:42.140 PTPM2oPdr.net
乙さん

60:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 14:55:02.832 7uEm7E6Lr.net


61:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 15:00:54.866 8l1J5GrA0.net
おつ

62:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 15:01:33.199 +Ftm2XLrd.net
よかったわ


63:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/11/25 15:13:40.346 n8GXBXLuK.net
乙。
幼視点からのストーリーも読んでみたくなった。


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