唯「ブヒー!ブヒー!唯は豚さんでつ……」at NEWS4VIP
唯「ブヒー!ブヒー!唯は豚さんでつ……」 - 暇つぶし2ch2:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:26:50.535 Gdj/7Mh70.net
神定期

3:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:27:57.371 +8jIaodh0.net
出荷よー

4:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:28:46.968 y0PzD+uvM.net
律「そういや唯ってさ、うさぎ食べたことあるか?」
事の発端は、律のこの一言だった。
「ないよ」唯がそう答えると、律はにんまりとした笑みを浮かべた。
律「近所の山でさ、野良のうさぎが増えすぎて困ってるらしいんだ」
唯「へぇー。そうなの?」
首を傾げた唯に、律は顔を近づける。
律「だから、私らで退治してやろうぜ」

5:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:30:32.321 y0PzD+uvM.net
唯「律ちゃーん。やっぱやめようよ。うさぎさんがかわいそうだよぉ」
緩やかな山の斜面を登りながら、唯は先を行く律に声をかけた。
振り返りもせず、律は答える。
律「うさぎが増えたことによる害の方が深刻なんだ。
 確かにかわいそうだけどな、仕方のないことなんだよ」
唯「害って……どんな?」
突然の質問に、律は立ち止まった。
そのまま何かを考えていたようだったが、「さぁ」とそっけなく言うと、再び歩き出す。
唯「あ。待ってよぉ。律ちゃんてばぁ」

6:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:31:22.275 RlkiktfR0.net
いいぞもっとやれ

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15/06/27 19:32:34.128 y0PzD+uvM.net
律「ほら。ここに巣穴があるじゃん」
唯「私、うさぎの巣って、初めて見たよ」
律が指さした先に目をやると、やや地面が盛り上がっていて、
拳よりも少し大きな穴がぽっかりと口を開けていた。
律「ま、私も実際に見るのは初めてだけど」
二人はしゃがみこんで、穴の中を観察してみた。
入り口のあたりまでしか光が届いていなく、
どれほどの深さがあるのかよく分からない。
律「さて。どうしたもんかね」

8:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:34:43.805 y0PzD+uvM.net
唯「あ」
今、穴の奥で何か動いた?
唯がそう思ったのとほぼ同時に、それはぴょこんと頭を覗かせた。
長い耳。短い茶色の体毛。つぶらな瞳。
唯「り、律ちゃん」
律「お、お、お……落ち着け。唯」
律は言いながらジャージのポケットをまさぐると、ニンジンの切れ端を取り出した。
準備がいいんだなぁ。唯は感心する。
律「ほーら。エサだぞー」
律は慎重に、ゆっくりと、ニンジンを持った右手を巣穴へと近づけていった。

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15/06/27 19:37:01.125 y0PzD+uvM.net
唯「わぁ。かわいい」
律「おお」
巣穴から出てきた野良うさぎは、まだ子供なようだった。
律の手のひらに顔をうずめ、小さな顎を一生懸命動かして、固いニンジンを咀嚼している。
唯「ねぇねぇ。律ちゃん」
律が顔を横に向けると、困ったような顔をした唯と目が合った。
律「なんだよ?」
唯「あのさぁ」
野良うさぎは未だ、律の差し出した手に頭ごと突っ込んで、
上顎と下顎を左右にずらすような特有な方法をもって、エサを頬張っている。
唯「やっぱり食べたらかわいそうだよ。この子、こんなにかわいいのに」

10:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:39:34.753 y0PzD+uvM.net
律「食べる? 何を?」
律がきょとんとした顔で首を傾げたので、唯も同じような表情を浮かべた。
唯「あれ。この子……うさぎ、食べるんじゃないの?」
唯がそう言うと、律は数秒固まった後、盛大に吹き出した。
その時律の手からこぼれたニンジンを追いかけて、
野良うさぎがぴょんぴょんと二回跳ねていった。
唯「えっ、えっ。なぁに? 律ちゃん」
律「唯……。お前なぁ」
律は、おなかを抱え笑っている。
律「あー、おかしい。食べるとか嘘に決まってんだろ。
 こいつは飼うんだよ。けいおん部のみんなで飼うの」

11:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:42:05.991 y0PzD+uvM.net
唯「そ、そうだったんだ。私、てっきり」
唯は何かを言いかけたが、
律が野良うさぎの方へと視線を移したのにつられて、顔をそちらに向けた。
野良うさぎはと言えば、ニンジンの欠片は食べ終えてしまったようで、
しきりにキョロキョロとあたりを窺っている。
律「これだけ人に慣れてるんだ。きっと、今までも誰かに餌付けされてたんだろ」
律が野良うさぎへと手を伸ばしながら言う。
確かに、そうなのかも知れない。
律におとなしく頭を撫でられている野良うさぎを見て、唯はそう思った。
うさぎは警戒心が強い、とどこかで聞いたことがあったからだ。
律「こいつは鳴かないから、部室でも飼えるかもな」

12:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:44:34.940 y0PzD+uvM.net
律「じゃ、そろそろ行くか」
律はうさぎを抱え上げ、立ち上がった。
唯もそれに続く。
律「うへぇ。ケージか何か持ってくりゃ良かった。服がドロドロだよ」
先程登ってきた斜面を下りながら、律がぼやく。
唯がチラリと横を向くと、土で黒く汚れたジャージの胸元が目に入った。
唯「戻ったら、とりあえず、この子をお風呂に入れてあげないとね」
ぴょこぴょこと動いている長い耳の付け根あたりを、唯が撫でつける。
野良うさぎは、落ち着かなげに、首を左右に振っていた。

13:ぺろぺろ紳士 ◆p51RVEp752
15/06/27 19:46:27.441 k2VlRJjD0.net
面白い。

14:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:47:10.002 y0PzD+uvM.net
律「あっれぇ。おかしいな」
再び、行き止まりだった。
二人の行く手を阻むように、背の高い木々が群生している。
唯「来た時は、こんなに無かったよね。分かれ道」
先程から、何度も同じことを繰り返していた。
律「というか、一本道だったしなぁ」
袋小路にぶつかるたびに、分岐点に戻っては別の道を選ぶのだが、
その道もまた、すぐに二手に分かれてしまうのだった。
しかもそれは、三股、四股、と徐々に分岐を増やしていく。
律「なんなんだよ。これは」

15:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:48:43.461 PMBpqy4f0.net
www1.axfc.net/uploader/so/2266223
DLPASS :ikenumayui
昔作った唯ちゃんのマウスカーソル

16:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:49:06.095 ODKFVxg40.net
ぶひー

17:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:50:08.625 y0PzD+uvM.net
唯「律ちゃん。さすがにちょっとヘンだよぉ」
もう何時間、この山をさまよっているだろうか。
木々の隙間からは真っ赤な夕日が覗いている。
律「確かにな」
律は焦っていた。
舗装もされていない山道なので当然街灯も無い。
日が落ちてしまえば、完全な闇に包まれてしまうはずだ。
そうなったら―。
律「ちょっと、ペース上げるぞ」
唯「あ、待ってよ! 律ちゃーん!」
来た道を早歩きで引き返す律を、唯が駆け足で追いかけていった。

18:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:53:10.040 y0PzD+uvM.net
唯「どうしよう……」
律「まさか、ケータイの電波も届かないとはな」
目の前にいる人間の表情もうかがえないほどの闇の中で、
二人は途方に暮れていた。
唯「普段だったら、今頃、憂の作ったご飯を食べてるはずなのに」
湯気の立つ食卓を思い浮かべると、唯のおなかがぐうと鳴った。
律「はぁ」
ため息を吐き、律はごろんと地べたに横になる。
律「腹、減ったな」
呟いた律の横で、野良うさぎの耳がぴょこんと揺れた。

19:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:56:08.754 y0PzD+uvM.net
唯「さ、寒い」
地べたに座り込んだ唯が、自身の身体を抱きしめるようにして、ガタガタと震えていた。
昼間は汗ばむくらいの陽気だったのに、
夜露に濡れた草木の間を吹き抜ける風はひどくひんやりとしていて、
容赦なく二人の体温を奪っていった。
律「わ」
突然、律が声を上げた。
律「こいつ、あったけぇ」
唯はそちらへと顔を向けた。
仰向けに寝転んだ律が、野良うさぎを胸に抱え込んでいる。
唯「あー、律ちゃんばっかりずるいよぉ」
唯はそう言って、律の上に覆いかぶさった。

20:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 19:59:07.154 y0PzD+uvM.net
律「ぅん……?」
いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
目を開けた律は起き上がろうとした。
律「おい。唯、どけ」
唯「ほぇ……」
律が、自身の上に覆いかぶさってる唯の背中をバシバシと叩く。
唯「あれ。律ちゃん、おはよう」
寝ぼけて目をこすっている唯を無視して、律はスマートフォンを取り出した。
ディスプレイにはデジタル文字で『01:17』と表示されている。
律「日の出まで、3時間ちょいってところか」

21:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:02:10.958 y0PzD+uvM.net
唯「く、暗いよぉ」
律「お前が怖い怖い言うからだろうが」
二人は、律が持つ、スマートフォンの頼りない明かりが照らす暗闇の中を、手探りで進んでいた。
律は夜明けを待ってから出発するつもりだったが、
時折聞こえる得体の知れない鳴き声に唯が耐えられなくなり、
少し早目に行動を開始することになったのだ。
唯「だってぇ」
唯は不安げな声を漏らしながら、胸の野良うさぎをぎゅうっと抱きしめた。
律「ま、あと2時間もすれば夜が明けるからな」
律は後方を歩いている唯の方をチラリと見てから、
スマートフォンの画面を覗き込み、呟く。

22:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:05:12.577 y0PzD+uvM.net
唯「あれ」
背後からした声に、律は振り返った。
律「なんだ?」
唯「あのさ、あれ」
唯は、右前方に広がる、鬱蒼と茂る木々の方を指さしている。
唯「あれって、人じゃないの」
律「ああ?」
律は向き直り、暗闇にようやく慣れてきた目を必死に凝らす。
確かに、唯が言ったように、木々の間に人影のようなものが3つほど見えた。
唯「私達、助かったのかも」

23:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:06:19.836 EGj7LGmT0.net
レイプ

24:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:08:09.802 y0PzD+uvM.net
律「待てよ、唯」
唯「痛っ!」
慌てて駆け出そうとした唯の肩口を、律が強く掴んだ。
唯「り、律ちゃん! 何するの!」
律「まぁ待てよ。いったん落ち着け」
唯は、全身で律の方へと向き直る。
律「おかしいと思わないのか。こんな時間に、山の中に人がいるなんて」
荒く呼吸を吐きながら、律はそう言った。

25:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:11:39.232 y0PzD+uvM.net
ガザガザ。
木々が鳴った。
驚いた二人が視線を向けると、闇の中で人影が蠢いているのが分かる。
それは徐々に、徐々に、こちらに近づいてきていた。
唯「ひっ」
律がそちらをスマートフォンで照らす。
唯は息を飲み、声にならない悲鳴を上げた。
律「逃げるぞ! 唯!」
半ば放心している唯の手を引き、律は慌てて駆け出した。
明かりに照らされた人影は、人間の身体に動物の頭をくっつけたような、
異様な姿をしていたから。

26:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:14:42.669 y0PzD+uvM.net
唯「待って。律ちゃん。待ってよ」
どうやら、唯は恐怖で足が竦んでいるようだった。
なぜか野良うさぎを左腕で抱えたままの唯は、
律に引かれている右手を、思い切り引っ張った。
律「痛っ……!?」
そのままバランスを崩し、律は駆け出した勢いのまま地面を転がる。
唯もまた、律の上に倒れ込んだ。
グキリ。
瞬間、律は右足首に嫌な感触を抱いた。
そしてそれは、すぐに激痛へと変わる。
唯「ご、ごめん。律ちゃん」
自身の下で呻く友人に謝罪の言葉を述べた唯の背後で、
いくつもの動物の目が光っていた。

27:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:18:04.205 y0PzD+uvM.net
律「ちくしょう! 出せよ、ここから!」
木製の格子を掴み、叫んだ律の横で、青ざめた顔の唯はただただ震えている。
律「なんとか言いやがれ!」
二人は、木でできたオリの中に閉じ込められていた。
床と天井は分厚い板で、四方を格子に囲まれ、
立ち上がれば頭をぶつけてしまうような、とても小さなオリだった。
それを取り巻くようにして、たくさんの動物の顔が笑っている。
「汝らには罰を与えねばならん」
動物の顔の一つが口を開いた。
人間の身体を揺らし、首から上についた鹿の顔を不気味に歪めている。
鹿頭「思い上がった人間どもに、相応の裁きを」

28:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:21:38.936 y0PzD+uvM.net
律「なんだよ、罰って」
言いかけた律は、慌てた様子で格子を掴んでいた手を引っ込めた。
木々同士がぶつかる、鈍い音が響く。
律「な、何しやがる」
オリの横に立っている狸の頭をした大男が、ニヤニヤとした笑みを浮かべながら、
2リットル入りのペットボトルほどの太


29:さの丸太を両手で弄んでいた。 狸頭「いやぁ。うるせぇから、黙らせてやろうと思って」 そう言って、格子の隙間に無造作に丸太を突っ込んだ。 律「ぐうっ!?」



30:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:25:20.783 z+2Dz4d10.net
はよ

31:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:25:25.247 y0PzD+uvM.net
律「ぎゃっ! やめっ……!」
頭を両腕でかばい、身体を丸めた律に対して、
狸頭は容赦なく丸太の洗礼を浴びせた。
狸頭「どうだ? 痛いか? 人間だからってだけで、偉そうにしやがってよう」
狸頭は楽しげに笑いながら、律の無防備なわき腹やふとももを、
丸太の先端で幾度となく突いていく。
唯「り、律ちゃん」
ジャージが破け、覗いた律の白い肌には、真っ赤な鮮血が滲んでいる。
唯はどうすることもできずに、ただただ震えながらそれを眺めていた。

32:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:28:48.730 y0PzD+uvM.net
鹿頭「もうやめておけ。意識を失っていたのでは、裁きの興がそがれる」
鹿頭にそうたしなめられると、狸頭は荒い呼吸を吐きながら「へっ」と笑った。
赤黒く染まった丸太を放り投げ、格子を両手で掴み、オリへと顔を寄せる。
狸頭「これで分かったろ。ここではお前らが下なんだよ」
顔を歪めた狸頭がオリを殴りつけると、唯が小さく悲鳴を上げた。
その怯えきった唯の有様に、取り囲んでいる者たちの中から、
見下すような、嫌な笑い声が漏れる。

33:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:31:39.768 y0PzD+uvM.net
唯「律ちゃん」
ひどく憔悴しきった様子で、唯は律の方を見た。
トレードマークのカチューシャは外れ、乱れた髪の毛が血のりで顔に張り付き、
着ていたジャージはただの布きれみたいに破けていて、
隙間から見える肌は、赤黒かったり、濃紫色だったり、痛々しく変色してしまっていた。
身体を丸め、小刻みに震える律は、なんだか小動物のようにも見えた。

34:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:34:45.470 y0PzD+uvM.net
唯「なんで」
唯が小さく声を漏らすと、周囲は静かになった。
無表情の動物たちの視線が集まり、唯は一瞬気圧されたが、
ゴクリとつばを飲み込むと、言葉を続けた。
唯「なんで、どうして、こんなにひどいことをするの?」
恐怖に負けないように必死に己を奮い立たせ、狸頭の目を真っ直ぐに見据える。
狸頭「ああ? なんで、だと?」
不機嫌に顔を歪め、狸頭が再び二人の入っているオリへと詰め寄る。
が、その肩に鹿頭の手が乗せられると、
狸頭は舌打ちをしながら、渋々引き下がった。
鹿頭「なぜ汝らが罰を受けなければならないのか。それについては私が説明しよう」

35:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:38:17.333 y0PzD+uvM.net
鹿頭「おい」
鹿頭が人差し指を掲げ合図を送ると、
様子を窺うように遠巻きに出来ていた人垣が割れた。
しばらくして、その隙間から小柄な影が現れる。
唯「あれ。あの子」
人間の身体の上についている顔に、唯は見覚えがあった。
長い耳。短い茶色の体毛。つぶらな瞳。
鹿頭「お前がこの人間どもに何をされたのか、みんなに説明してやるといい」
兎頭「はい」
鹿頭に促され、兎頭はおずおずと口を開いた。

36:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:42:14.736 y0PzD+uvM.net
兎頭「この人間たちは、僕のことを食べるつもりでした」
兎頭が怯えた表情でそう言うと、あたりは怒号に包まれた。
動物たちが、唯たちに向け、口々に罵詈雑言を浴びせかける。
唯「待って! 私たちは」
唯は誤解を解くために叫ぼうとしたが、狸頭に丸太でオリを叩かれ、
悲鳴を上げるとそれっきり黙り込んでしまった。
兎頭「力の限りに僕の身体を締め上げて、おもちゃのように弄ばれました。
  苦しかったし、痛かったし、何より、怖かったんです」
小さな身体を震わせながら、やっとの思いで、兎頭はそう告げた。

37:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:46:32.462 y0PzD+uvM.net
鹿頭「ご苦労。よく言ってくれたな。もう下がって良いぞ」
鹿頭が言うと、兎頭はおぼつかない足取りで、動物たちの輪の中に戻って行った。
鹿頭「さて、諸君。この人間どもの処分は、いかようなものがよろしいか」
「死刑にしろ!」
誰かが叫ぶ。
「そうだ!」「死刑だ!」
まばらに上がっていた声は、大きなうねりとなって周囲を包む。
皆は口々に、罪人に対して死刑を求めた。
鹿頭は満足したように、大仰に頷く。
鹿頭「ふむ。満場一致のようだな」

38:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:50:15.277 y0PzD+uvM.net
唯「そんな。死刑だなんて」
唯は、意識が遠のくような感覚に襲われた。
口の中がからからに乾いて、見ている景色から急速に現実感が失われていく。
狸頭「へっへ。良かったな。狭いオリから出られるぞ」
錠を外しながら、狸頭は笑った。
格子の一部がドアみたいになっていて、
外側に開けるようになっていることに、唯はその時初めて気付いた。
狸頭「ああ? どうした」
狸頭は、ささやかな抵抗を続ける律をオリの外へと引きずり出しながら、
微動だにしない唯へ向け、疑念の顔を向けた。

39:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 20:56:04.819 y0PzD+uvM.net
狸頭「おら! お前もさっさと出ろ!」
唯「嫌だ! 私、死にたくない!」
ここから出たら殺されてしまう。
そう考えた唯は、無駄なことは分かっていても、猛然と抗った。
狸頭「この……!」
鹿頭「まぁ、良いではないか。その人間は後回しにして、
  そこで、友人の最期でも眺めさせておけばいい」
狸頭は呆れたように短く息を吐いた。
狸頭「はいはい。分かりましたよ」
そして、叩きつけるようにしてオリの扉を閉めた。

40:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:00:05.300 y0PzD+uvM.net
律「ぎゃっ!」
狸頭によって地面に無造作に放り投げられると、律は小さく悲鳴を上げた。
唯「律ちゃん」
再び閉じ込められたオリの中で、唯は成り行きに身を任せている。
律は起き上がる元気もないようで、地面の上で浅い呼吸を繰り返していた。
狸頭「さて。刑の執行は、と」
狸頭はわざとらしくそう言って、ぐるりと人垣を見渡す。
すると、すぐに声は上がった。
「俺達に、任せてはくれませんかね」
動物たちの波をかき分け、”彼ら”は姿を現した。
声を上げた主を確認して、狸頭は不気味に顔を歪めるのだった。

41:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:04:05.730 y0PzD+uvM.net
唯「な」
唯は絶句した。
こんな状況でも無ければ”彼ら”の方が正常なのだが、
ことこの場に置いては、異形以外の何物でもない。
「人間どもに対する恨み、ここで晴らしてやりますよ」
いや。言葉をしゃべるという点に関しては、異質であることに変わりはない。
だが、ここにいる他の動物たちと違って、彼らは4足歩行の、
唯もよく知っている”犬”という生物と全く同じ見た目をしていた。
狸頭「ふん。いいだろう。存分に苦しめて、殺してやれ」
狸頭の合図で、低い唸りを上げた犬たちが、律のまわりを取り囲んだ。

42:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:07:41.797 y0PzD+uvM.net
そのほとんどが雑種であるように見えた。
中型犬が6匹、大型犬が1匹からなる群れだった。
あんなものに襲われたらひとたまりもないはずだ。
唯はたまらず叫ぶ。
唯「律ちゃん! 逃げて!」
しかし、律は上体を起こしただけの格好で、手近にある拳大ほどの石を拾い上げた。
自身を中心にして、円を描くように歩きながら様子をうかがっている犬たちを、
力強く睨み付けながら。
唯「律ちゃん。なんで」
律は、なぜあんな体勢で敵を迎え撃とうとしているのだろう。
狸頭にやられた傷は、立ち上がれないほどにひどいものだったのか。
唯「律ちゃん……?」

43:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:11:12.599 y0PzD+uvM.net
律の乱れた髪の毛をつたった汗が、血とともに雫となって零れ落ちる。
律「……っ!」
その一粒が目に入り、律が顔をしかめた。
「グオオオオオッ!!!!!!」
犬の群れは、それを戦いの契機としたようだ。
大きな唸りを上げ、7匹は一気に輪を詰める。
律「このっ!」
石を持った右手を大きく振りかぶった律の身体に、
無数の牙が激しく食い込んだ。

44:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:13:46.126 wHGj2Mabp.net
なんなんだこれは…

45:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:14:05.571 y0PzD+uvM.net
悲鳴は上がらなかった。
いち早く躍りかかった大型犬の強靭な顎が、
正確に、律の喉笛を捉えていたからだ。
唯「律ちゃん!」
律は大きく目を見開きながら、血の吹き出す身体を小刻みに痙攣させていた。
犬たちはそれでも顎から力を緩めず、ギリギリと音を立てて牙を食い込ませていく。
それは容易に肉を貫き、骨にまで到達した。
ゴキン。
ゴキン。ゴキン。
観客の動物たちは興奮に包まれ、歓喜の声を漏らしていた。
それに混じり、律の骨の砕ける音が周囲に響く。

46:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:15:31.643 Z+x1DscJ0.net
思ってたのと違う

47:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:15:39.694 wHGj2Mabp.net
りつーーー!!!!!!!!
「あちゃ~、律のやつ、死んじまったのか」

48:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:15:55.862 cVmnSIZVa.net
かわゆいじゃない

49:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:16:58.180 y0PzD+uvM.net
唯は、ようやく気付いた。
なぜ律が立ち上がらなかったのか。
唯「律ちゃん……」
ここへ連れて来られる前、バランスを崩して律の上に倒れ込んだときに、
嫌な音を聞いたのを思い出した。
その時には、もう、律の足は折れていたのかも知れない。
あれさえなければ、律は。
ゴギッ。
ゴギゴギゴギゴギッ。
唯「ごめん。律ちゃん、ごめんなさい」
友人の骨が砕ける音を延々と聞かされながら、
唯は謝罪の涙を流し続けていた。

50:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:20:15.116 y0PzD+uvM.net
狸頭「ほら。お友達の最期の姿、よく見ておけよ」
狸頭は格子の隙間から腕を差し入れると、
俯き、涙を流している唯の髪の毛を鷲掴みにした。
狸頭「お前もあとでああなるんだからな」
下品な笑いが耳にへばりつく。
唯は虚ろな目で、律だったものをぼんやりと眺めた。
生きたまま全身の骨を砕かれ、内臓を引き出されて、肉を食いちぎられる。
想像なんてできないけど、きっと、すごく、痛かっただろうな。
地に落ちたザクロの実みたいになってしまった律を視界に捉えながら、
唯はそんなことを考えていた。

51:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:23:33.217 y0PzD+uvM.net
律の身体は、気付くと無くなっていた。
誰かが運んでいったのかも知れないが、唯にとって、それはどうでもいいことだった。
狸頭「さて。お前の処刑は、誰に任せようか」
”処刑”
その言葉は、唯の頭の中で、半鐘の音のように大きく響いた。
心臓が狂ったように跳ね、全身から汗が噴き出す。
狸頭「そうだ。お前、やってみないか」
狸頭はいったん人垣の奥へと引っ込むと、何者かの手を引いて戻ってきた。
兎頭「ぼ、僕が?」
狸頭「ああ。こいつらに恨みがあるんだろう?」

52:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:26:45.903 y0PzD+uvM.net
兎頭が、唯の顔をじっと覗き込んでいる。
唯は這うようにして格子にへばりつくと、必死に懇願した。
唯「お願い! なんでもするから、命だけは助けて!」
唯は死にたくなかった。
律には申し訳ないと思ったが、また、みんなに会いたい。
そんな気持ちが、口をついて出てしまった。
唯「お願い! お願いします!」
涙ながらに訴える唯を見下ろして、兎頭はため息を漏らした。
そして、睨み付けるようにしながら、口を開く。
兎頭「いいよ。命だけは助けてあげる」

53:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:29:45.714 y0PzD+uvM.net
狸頭「おいおい。正気かよ、お前」
狸頭は呆れたように言った。
兎頭「しょ、処刑は……。この人間の処遇は、僕に一任されたんですよね?」
兎頭はオドオドとしながらも、後ろを振り返り、確認を取った。
背後に立っていた鹿頭が、大きく頷く。
鹿頭「だが、どうする。このまま何もせずに帰すわけではあるまいな」
狸頭「そうだぜ。人間なんて全員ぶっ殺してやりゃあいいんだよ。
  さっきのクソガキみたいに散々苦しめてよぉ」

54:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:33:04.663 y0PzD+uvM.net
兎頭「当然です。帰すつもりは毛頭ありませんよ」
兎頭は毅然としていた。
狸頭「で、なんだよ。拷問でもすんのか」
唯の身体が、狸頭の言葉に反応した。
命さえ助かれば、そう考えていたが、
拷問されると言うところまでは想像していなかった。
兎頭「いえ、違います」
兎頭は、震える唯のことを冷めた目で見ながら即答する。
兎頭「人間の世界には、家畜という非道な制度があるそうですね。
  この人間は、それになってもらいましょう」

55:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:36:41.148 uC/WCF/N0.net
面白い

56:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:37:37.695 y0PzD+uvM.net
狸頭「おら。お待ちかねのエサの時間だぞ。食え」
唯の目の前に、得体の知れないものが乱暴に盛られる。
ポップコーンにたまに紛れている固い豆のような見た目と食感だったが、
味も、匂いも、それとは似ても似つかないほどにひどいものだった。
狸頭「どうだ。うまいか」
唯「ブヒー! ブヒー!」
唯は全裸で、首輪で壁に繋がれ、四つん這いのまま、鳴く。
狸頭「うまいか。そりゃあ良かった。鳴き方も板についてきたな」
固い豆を涙目で飲み下す唯の頭上から、薄汚い笑い声が響いてくる。
狸頭「その鳴き声以外の言葉発したら、容赦なく殺すからな。忘れんなよ」
ドスの効いた声でそう言うと、狸頭は再び笑い声を漏らしながら、その場から立ち去った。

57:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:40:07.054 PWzLn9rD0.net
勃起した

58:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:41:34.528 y0PzD+uvM.net
狸頭「おいおい。お前、まだ一週間だぞ? どうしたらここまで臭くなるんだ」
狸頭はひどく呆れた様子で、唯の身体に冷水を浴びせかけた。
狸頭「なんだって、俺がこんなことをせにゃあならん」
木桶で3回ほど唯に冷水を浴びせた後、汚物の処理をしながら、狸頭はぼやく。
狸頭「どんだけ大量の糞ひり出してんだよ。次から餌の量減らすか? なぁ」
そんな言葉を聞きながら、唯は、声も立てずに泣いていた。
悔しくて、惨めで、恥ずかしくて、この場から消え去りたかった。
静かに涙を流す唯の髪の毛を、狸頭が乱暴に引っ掴んだ。
狸頭「鳴くときは、なんだっけ?」
唯「ブ、ブヒー! ブヒー!」
嗚咽交じりに、唯は鳴き続けた。

59:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:45:37.225 y0PzD+uvM.net
いったい、どれほどの月日が流れたことだろう。
おそらくもう自分は助からないという現実に、唯は気付き始めていた。
狸頭「おら、エサだぞ」
目の前に盛られた固い豆を、唯は必死に頬張った。
唯「ブヒー! ブヒー!」
本当なら、憂が作ってくれたご飯を食べている時間のはずなのに。
いい香りの立ち込める食卓を思い出し、唯は鳴く。
唯「ブヒー! ブヒー!」
『おかわりもあるんだから。そんなに慌てて食べなくても平気だよ、お姉ちゃん』
憂だったら、きっとこう言って笑うんだろうな。
唯「ういぃー……! 憂ぃぃぃいいい……!」
唯の泣き声が、虚しく闇に響いていた。
終わり

60:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:47:12.719 PWzLn9rD0.net
レイプないの?

61:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします
15/06/27 21:50:06.881 y0PzD+uvM.net
読んでくれた方、レスくれた方、ありがとうございました。
>>59
相手は動物なのでレイプはありません
唯たちが畜生に徹底的に格下扱いされて、人としての尊厳をただただ踏みにじられるだけの物語です

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