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18/03/01 15:39:40.93 WMyTPy2DN
中国との対決に舵を切ったアメリカ
新「国防戦略」で示されたトランプ政権の現状認識と最大の脅威
2018.3.1(木)  北村 淳
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)
 トランプ政権は、2018年の1月下旬に公表した「国防戦略 2018(NDS-2018)」において、「大国間角逐(かくちく:互いに争うこと)」こそがアメリカ国防にとって最大の脅威であるという、国際軍事環境に対する現状認識を示した。
◆「大国間角逐」という現状認識
 マティス国防長官は「NDS-2018」に関連して、「アメリカ軍は世界規模での対テロ戦争に打ち勝つための努力を継続していくものの、アメリカの国防が最も重視しなければならないのは『対テロ戦争』ではなく『大国間角逐』である」と明言している。
 すなわち、トランプ政権下におけるアメリカ国防戦略の基本方針は、大国間角逐、つまり「軍事大国の間における強度な競合」という軍事環境に突入したという現状認識を大前提にして、
そのような大国間角逐に打ち勝つことによってアメリカの国益を維持する、というのである。米国にとっての大国間角逐とは、具体的には「中国の軍事力、そしてやがてはロシアの軍事力、との熾烈な競合」を指す。
 米国の安全保障関係者たちの間では、このように大転換した国防戦略の基本方針を実施するためには具体的にどうすれば良いのか? といった議論が活発になってきている。とりえわけ、これまで対テロ戦争にプライオリティーが与えられていたため、
力を押さえつけられてきた「中国封じ込め派」の人々の多くは、NDS-2018で表明された軍事環境認識に賛同するとともに、国防戦略の基本方針を実施していくための戦略案や具体的方策案などを提示し始めている。
◆繰り返されてきた「集団安全保障的心情」
第1次世界大戦以降長きにわたってアメリカの国防政策担当者たちが依拠し続けてきた『集団安全保障的心情』から目を覚まさせようとする画期的な第1歩である」
「集団安全保障(collective security)」とは、大国(軍事大国)が既存の国際社会というシステムに組み込まれ、もしもそのシステムをひっくり返そうとする動きを見せた構成国が現れた場合は、
大国が主導する国際社会が集団で“跳ねっ返り”から既存のシステムを防衛する、ということが大前提となっていた。
トランプ政権が想定している「大国間」とは、現時点においては「アメリカ対中国」である。
近い将来にはそれに「アメリカ対ロシア」も加わるが、現在のアメリカ国防当局にとって喫緊の課題は、「米中間角逐」に打ち勝ってアメリカの国益を維持しなければならない、ということになる。
中国は「積極防衛戦略」という確固たる具体的な国防戦略を着々と推進している。それに対してアメリカは何ら具体的な対中国軍事戦略を策定していないのが現状である。
◆日本に必要な独自の「列島防衛戦略」
日本列島から台湾、フィリピン、インドネシアを経てマレーシアに至る、中国側のいうところの「第1列島線」と、伊豆諸島、小笠原諸島からグアム島やサイパン島などマリアナ諸島を繋ぐ「第2列島線」に、
米軍(海軍、空軍、海兵隊そして陸軍)前方展開部隊を展開させ(あるいは急展開できる態勢を維持し)、中国人民解放軍海洋戦力(海上戦力、海中戦力、航空戦力、長射程ミサイル戦力、それにサイバー戦力)が、それらの列島線に接近できなくしてしまおう、
というものである。
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)
 ただし、この「列島防衛戦略」の提唱に対しては慎重論も少なくない。なぜなら、現状においては、南シナ海周辺諸国や米国の同盟国、友好諸国の多くは中国との経済的結びつきが、もはや捨てがたい状況となっているからだ。
日本は、アメリカの対中封じ込め派の外圧要求を待つまでもなく、自主的に日本独自の「列島防衛戦略」、すなわち中国が与那国島から利尻島に至る長大な日本列島線に接近できないようにするための具体的国防戦略を打ち立て、推進する策を講じねばならない。


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