10/09/21 22:40:23
四国霊場八十八カ所の札所を歩いて巡る「歩き遍路」に挑戦する人が増加、中でも学生の姿が目立つ。
就職氷河期を乗り越えるため、「自分を磨きたい」「面接での自己PRに」などの切実な思いで、通常約2カ月かかる修業に挑んでいる。
合わせる顔ない
広島市に住む広島大総合科学部4年の三城数馬さん(22)もその一人。この春、約60社を受けたが、採用を絞り込む会社が多く、内定はもらえなかった。
「苦労して大学に通わせてくれた親に合わせる顔がない」。一人暮らしの部屋に閉じこもっていたとき、頭に浮かんだのが四国旅行で見かけたお遍路さんだった。
遍路の道のりは、1番から88番札所へ順番に回ると約1200キロ。山道も多く、観光バスやマイカーで回る人が多い。
数年前から行程を分割して回っている菅直人首相は、やっと53番札所にたどり着いたところだ。
三城さんは7月中旬に出発し、記録的な猛暑の8月は歩き通し。47日目の9月2日に、88番札所の大窪寺(さぬき市)にたどり着いた。
「面接で話すネタになればと始めたが、途中でこのまま永遠に終わらない気がして怖くなった」と三城さんは振り返る。