12/06/03 17:08:51.30
【ヴぁレンヌの村】
国王夫妻一行が宿泊予定地のヴァレンヌに到着したのは、
その日の黄昏時だった
幸いにも脱落者が出ることはなかったが、
やはりオスカーが当初懸念していたとおり、
遠乗りに不慣れな王妃護衛隊のものたちは長時間の騎乗で疲労困憊となり、
ヴぁレンヌの村にたどり着いたときにはみなヘロヘロの状態になっていた
無論オスカー自身もヘろへろであり、
国王夫婦も馬車の中で揺られ続けた結果、へろへろである
涼しい顔をしているのは
スウェーデン貴族のミレニアムフェルゼンと近藤リアぐらいのものである
明日もまた、半日は騎乗しなければならない
旅の途中というのは何かと危険なことも多い
ここまで来たら一気にルクセンブルク城に入ってしまったほうが得策だ
そのためには今夜中にこの疲れをぬぐっておかねば…
お泊り処としてフェルゼンが案内したヴぁレンヌ村の古びた館、
(それは鄙びた村にしてはなかなかに立派な館であった)に入った一行は
そそくさと夕食を済ませたあと、みな倒れるように眠りに落ちていった
悲劇はその深夜に起こった